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2006年3月30日 (木)

日経記事「所得の再配分を政府が担う色彩が強まり、大きな政府につながって改革の流れに逆行するとの見方もある」のトンチンカン

2006年3月30日付『日本経済新聞』5面に自民税調が所得税率・控除の見直しを検討項目案を大筋了承したという記事が出ている。ネット版掲載の記事までの部分はほぼファクトを語っており問題ないと思うが、それに続く80行にもわたる印刷紙面版の記事は変な記事だ。

論じられようとしていることについて羅列しつつ、それぞれについて「しかしそれにはこれこれの異論もある」と言っているのだが、その内容にこの記者は意味が判っているのかと感じさせる稚拙さがあり、しかも「~という意見もある」と必ずしも自分の意見ではないという予防線ばかり張っている。

例えば、党税調内に低所得者の所得控除拡大や、最高税率の適用範囲の拡大によってその財源を確保しようとする意見があることを紹介するのに続けて「だが、所得税の累進度合いが高まれば、努力して成功した人が高い税金を払う仕組みが強くなる。所得の再配分を政府が担う色彩が強まり、大きな政府につながって改革の流れに逆行するとの見方もある」といった具合だ。

記者がそのような意見を持つのは自由だし、自民党税調内にそのような意見があることを紹介するのはいい。しかし、政府の「所得再配分」の機能を強化することが「大きな政府につながる」というのは意味がわからない。むしろ「政府の役割を外交・軍事など限られた分野に限るべき」といった「小さな政府」の考え方によって政府の経済政策の範囲を徹底的にそぎ落としていった時に、最後に残る政府でなければできない2~3の使命の一つが「所得再配分機能」なのではないか。

取材に協力してくれるソースの歓心を買いたいのはわかるし、もとの記事がわかっていないデスクに歪められたのなら気の毒だが、一般紙は高校生や大学生も読んでいるのだから、いろいろな意見を紹介するにしても、もう少しちゃんとした記事を書いて欲しい。

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コメント

私も職場で立ち読みでしたが、ヘンな記事だと思いました。日経イデオロギー全面展開。
所得の再配分が経済にとって効果的かどうかではなく、自己目的化している改革の指標として否定されている。
そんな経済感覚の新聞を読んでいると経済オンチになりそうです。

投稿: きょうも歩く | 2006年3月30日 (木) 20時17分

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» 構造改革 [共通テーマ]
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