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2006年5月24日 (水)

「二酸化炭素からプラスチック」こんな研究開発に力入れるべき

『朝日新聞』2006年5月23日付夕刊科学欄に、中国で二酸化炭素からプラスチックを作る実験プラントが作られていて、それは40年前に日本で開発された技術を使っているという記事が出ていた。「地球温暖化問題」が意識されていなかった時代に「高コスト」ということで切り捨てられた技術が息を吹き返しているわけだ。

こういった、理にかなって「こんなことできたらいいな」ということを実現する科学技術の話しはとても良いと思う。「光合成をする物質を人工的に作り出す」など出来ないものか。はじめから、無理と決めつけずに研究すべきではないかしら。きっと、どれだけカネをかけたかより、どれだけ頭を使ったかが勝負だろう。

巨額の開発費をつぎ込んで、核燃料サイクルといった古い、危険で、核武装の意思を疑われ、全体としてのコストが合うかどうかわからないことに取り組むことよりも、こういう本当に役に立ち、「環境とともに生きる」人間像に合致した研究開発の方向を考えるべきだ。

【以下は頭書の朝日新聞記事の貼り付けです】

CO2からプラスチック 40年前日本で発見、中国で工業化進む

 二酸化炭素から直接プラスチックなどの高分子をつくる技術が中国で工業化された。実は、約40年前、日本で発見された方法だ。コストの問題で実用化されなかったが、温暖化対策などで見直され、日本でも応用研究が再開した。(鍛治信太郎)

 二酸化炭素とエポキシドという炭素化合物を亜鉛化合物の触媒で反応させてつくる。高分子の重さのうち、4~5割が二酸化炭素の分だ。プラスチック容器やポリ袋などに使われるポリエチレンやポリエステルより、燃やしたときの二酸化炭素の発生量が少ない。
 この反応は68年、東京大工学部助教授だった井上祥平さん(現東京理科大教授)と大学院生だった鯉沼秀臣さん(現東京大新領域創成科学研究科客員教授)が見つけた。
 発見のきっかけは、二酸化炭素の利用とは関係がない。鯉沼さんは、外国の論文を参考に二硫化炭素という液体を使って高分子をつくる研究をしていた。高分子はできたが、非常にくさいイオウ化合物が発生する。二硫化炭素と似た二酸化炭素を代わりにできないかと考え、触媒を工夫し、成功した。
 二酸化炭素からいきなり高分子がつくれる珍しい反応だったため、学会や企業から注目された。だが、問題は触媒の効率だった。1グラムの触媒でできる高分子の量は100グラムほど。ポリエチレンはその1万倍以上で、とても太刀打ちできない。
 「当時は、石油資源の枯渇のおそれや地球温暖化といった問題がまだ認識されていなかった」と井上さんはいう。
 鯉沼さんたちは2年前、中国の内モンゴル自治区に年間生産量1千トン規模の試験工場がつくられたことを知った。中国の研究者が触媒の効率を約10倍に改良し、03年から生産を始めているという。隣接のセメント工場から出る二酸化炭素を原料にしている。
 まだ製造コストは高いが、土中などで微生物に分解される「生分解性」などの特徴を生かして食器などに利用しているらしい。さらに、海南島に年間1万トン規模の工場も建設中という。
 日本では昨年、物質・材料研究機構や高分子学会などが中心になって実用化の研究調査会をつくった。中国のさらに10倍の効率を目指す。また、生分解性や、燃えるとき発熱が少ないこと、約200度で分解してきれいになくなることなどの性質を生かした用途を考えたいという。秋ごろまでに研究をまとめ、来年度の経産省のプロジェクトに提案する考えだ。

 【写真説明】
中国の工場で二酸化炭素から直接つくられたプラスチック原料。大きく表示された「生物降解」は生分解性を意味する=04年8月、内モンゴル自治区で、井上東京理科大教授提供

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