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2006年5月10日 (水)

インドときちんと向き合う~対中牽制の手段としてではなく

インドは、自民党など右派の政治家にたいへん人気がある。森喜郎前総理然り、麻生外相然り。「中国は何かとタテつくのに、インドはパール判事の東京裁判批判以来かわいげがある。中国や韓国ばかりがアジアではない。欧米も市場として注目しているし」ということだろう。

インド。中国とインドで世界のGDPの半分を占めるのが産業革命前の姿だそうなので、世界の均衡ある発展を望むなら、その先に巨大なインドの存在を意識するのは当然だ。しかし、中国牽制の手段としてしか相手を見ないような姿勢で、うまくいくのか?相手としっかり関係を結びたいなら、もっと地に足のついた相手に対する関心、理解が先に来なければならないのではないか?

そんなことを考えていたら、少し前になるが『朝日新聞』2006年4月22日付12面オピニオン欄に、スリランカのジャーナリストの次のような意見がやはり出ていた。

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(私の視点ウイークエンド)インド 日本に期待する三つの役割 スベンドリニ・カクチ

 朝日新聞アジアネットワーク

 11億の巨大人口と経済の急成長で世界の耳目を集めるインド。日本でも、昨年4月の小泉首相訪印以来、関係強化の重要性が主張されるようになってきた。
 インド側の期待も大きく、このほど国会議員6人が来日、日本の政財界と広く意見を交わした。欧米や中国、韓国と比べて出遅れた対日関係を活性化させ、「失われた時間」を取り戻す狙いだった。
 議員団によると、インドが日本に期待する特別な役割は三つ。急増する電力需要に応えるエネルギー技術、インフラ建設、そして高齢化する日本の労働市場にもっとインドの若者を迎え入れてもらうことだ。遅ればせながら、日本が貢献できるチャンスはある、と議員たちはみる。
 そのためには、日本が踏まえなければならないことがある。まず、インドとの付き合い方だ。東南アジア諸国との間で培ってきた関係とはかなり違う。議員たちが漏らした不満は、日本がインドを単なる経済拠点としてだけ見て、対等なパートナーの関係を築く視点に欠けることだった。
 日本がインドに急接近を図っている裏に、関係が悪化している中国に対する対抗軸としてインドをとらえていることがあるが、「その思惑は外れる」と議員たち。インドは中国と緊密な関係を持ちながら国際社会で役割を果たしていこうとしているからだ。かつて戦火を交えた間柄だが、対中貿易は日本との貿易の4倍にも膨れている。
 民間投資の面でも、政府の「ODA頼り」という従来の手法を変える必要がある、との指摘がある。欧米などからの投資が増加し強力な産業基盤が生まれているインド市場では、自らリスクをとって競争するのでなくては生き抜けないと議員たちはアドバイスする。
 日本の弱点はインド社会や文化に疎いことだろう。日本のソフトウエア産業や病院、大学にはインド人があまりいない。相互の理解と尊敬に基づく関係を築こうとする時、日本の伝統ともいえる閉鎖的な外国人受け入れ態勢や指導的地位からの排除が障害になる。
 アジアが統合と共同の市場、通貨を目指し模索している今日、インドとの関係構築は日本にとって大きな挑戦課題になっている。
 (インタープレス・サービス 東京特派員〈スリランカ〉)

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