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2006年6月 2日 (金)

米・イランは危機回避に向け対話を

アメリカのライス国務長官が31日「イランがウラン濃縮を停止すれば、イランと直接対話する用意がある」と発言した。カーター政権当時の米大使館人質事件以来、直接対話を拒否してきたアメリカ政府として、またイランを悪の枢軸と名指ししてきたブッシュ政権としてかなり思い切った進路転換だ。

イランのモッタキ外相はただちに「ウラン濃縮は停止しない。それを条件にした対話は拒否する」とする一方、「対話」の提案には歓迎の気持ちを滲ませたという。ウラン濃縮停止をただちに拒否したことは、先般のアフマディネジャド大統領のブッシュ大統領宛書簡への黙殺への意趣返しという記事も見られる。

アメリカは、イラク問題の教訓から一貫してヨーロッパを正面に立ててきた。今日はロシア・中国の同意も取り付けて国際社会の声をまとめたというニュースがあった。

アメリカの主張が100パーセント正しく、イランの主張が100パーセント間違っているとは思はない。しかし、ここは両者とも(特にイランは)1930年代に中国をめぐるアメリカと日本の対立が大きな戦争の悲劇を呼んだ教訓を思い起こし、戦争回避の小さなチャンスを最大限に活かし、また自らの行動が相手に予期せぬ反応を呼び起こす危険に細心の注意を払ってほしい。

小泉政権も「中国には電話も入れないブッシュ大統領から、包括的提案について直接電話があった」と喜んでばかりいるのではなく、「ブッシュ政権の求めに応じて『アメリカとインドの核合意』に支持を表明して、核不拡散体制に対するわが国の真剣な気持ちをイランに読み誤らせる」ような愚かなことをしないようにしなければならない。日本も当事国である。

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