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2006年9月12日 (火)

安倍晋三氏が「戦争責任」の話しをどうしても蒸し返したいというなら、岸信介氏の責任追及を真っ先にすべきだ。

2006年9月11日の自民党総裁選公開討論会でいちばん違和感を感じたのは、谷垣候補が「日中国交正常化をしたときに、中国は戦争指導者と一般の日本国民を分けて国民に説明した経緯があった」と指摘したのに対し、安倍晋三候補が「そんな文書は残っていない。国と国とが国交を正常化するのは、交わした文書がすべてなんだろうと思う」と答えた場面だ。

なぜわざわざ、お互いがある程度共通理解としてきたことを蒸し返すようなことをするのだろうか。たしかに、戦争指導者と一般を分ける考え方にフィクションの要素があることは否めない。多くの国民が戦争を支持し、今の2チャンネルの連中と同様に国際協調派に罵声を浴びせ、近所同士お互いに圧力をかけあっていたのは事実であり、それは本質的には「騙されていた」などと言って免罪されるものではない。

しかし、自民党総裁や内閣総理大臣が取り扱うべきは「現実の国益」なのであって、戦争責任論の学問的な厳密な検証などではない。安倍氏自身が「歴史家に任せるべきこと」があると主張していながら、なぜこれまでの外交関係の前提をわざわざ壊すような、過去の話しを蒸し返し、われわれ日本国が国益を守るためにも都合の良い「戦争指導者と一般国民を分けて考える」考え方を否定するようなことを言っているのか。もっと「未来志向」になってもらわなければ困る。

それとも、どうしても全部をやりなおしたいというのか。それならば、まず日本自身が戦争責任を追及する法廷をやり直すべきだ。「極東軍事裁判」が冷戦をめぐるアメリカの都合で、一回の起訴しか行われなかったことを改めるため、その理由だけで起訴に至っていなかった岸信介氏の戦争責任の究明などは真っ先になすべきことだ。

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政治家、麻生太郎のこと。 麻生財閥の元社長、吉田茂の孫、まさに、政界のプリンス。 このたび、自民党総裁選にも出馬表明。 そんな麻生氏、意外と、はっちゃけた趣味がおあり。・・・ [続きを読む]

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