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2006年9月29日 (金)

所信表明演説・ツメを隠した安倍新総理の「内向き」

安倍首相による初の国会における所信表明演説は、前の小泉氏の独断に満ちたユニークな演説に比べ、ことばの上だけにせよ「安全運転指向」のものだった。

「美しい国」の中味も、かわりばえしない代わりに「不可もなく」。小泉氏の「改革なくして成長なし」というマクロ経済軽視を宣明した変なメッセージに変えて「成長なくして財政再建なし」という、字面は似ているけれども、当たり前の話しにとって変えられた。

アニメなど文化産業戦略の会議を作ろうとか、25年までに農産物の輸出1兆円を目指そうといった話しも、そのことだけについて言えばよい話しだ。

もっとも、随所に悪い意味での安倍色が隠しようがないのは言うまでもない。例えば原稿が「格差社会」に言及して「そういうところに光を当てることこそが政治の役割」と言っている部分があるが、ここを安倍氏は軽く付け加えて流すような感じで読んだ。そんなところに本音が出るのがライブの演説の面白いところだ。

「公教育を再生します」。結構だけれども、ずっと私立の付属に通って受験の経験もなく、自分の子どもを公立学校に通わせた経験もないものが、公立学校の実態をどれくらい知っているのだろうか。

本当は大好きな外交・安保については、演説の後ろの方にまわして、憲法については「占領下で制定」とわざわざ言及、中国・韓国との関係改善について「お互いにつとめるべき」と、すべてがA級戦犯合祀の靖国神社への総理参拝から始まった問題について、何か相手方にも同等な原因があるかのような言い方をしているところに安倍カラーが滲んでいる。

しかし、思い返せば中曽根内閣の頃から総理の演説と言えば、どれくらい核心を突いたものだったかはともかくとして冒頭に「世界情勢」についてまず語り、続いて外交安保政策に触れるという構成だったと思う。それに比べ安倍初演説は世界情勢について語らず、後ろの方に持ってきた外交安保への言及の枕には「北朝鮮のミサイル発射」を持ってくるという視野狭窄を示している。日本政治、自民党が「内向き」になっていることの現れだろう。あるいは安倍政権の指向が、11月のアメリカ議会中間選挙で明らかになるであろう「脱9・11」「国際協調と文明対話へ」という世界潮流の変化とはミスマッチなものであることを知っているからこそ大状況を語らないのだろうか。

なお、いつも言うことだが、「日中国交正常化」における「戦争指導者と一般国民の責任区別論」について「取り交わした文書がない」と言いつのる安倍首相が、日本の国会が批准承認した「日米安保条約」の中には一回も出てこない「同盟」という言葉を、何度も口にして強調するのはダブルスタンダードだ。条約に書いてないんだから、「同盟」なんて勝手に言ってもらっては迷惑だ。

肝心なことを語らない演説に切り込むのは野党の使命だ。ここが勝負所の週明けの各党代表質問に期待したい。

ひとつだけ希望を言えば、内閣に設けるという「教育再生会議」の人選の基準、方法、この会議の議事録が公開されるものなのかどうかをしっかり質すとともに、「教育改革についてそんなに重要な会議を作って新しい方針を出すというのなら、教育基本法改正の採決は、『再生会議』の結論が出てからにして、よく練り直して再提出すべきだ」と強く求めてほしい。

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コメント

■とむ丸の夢
http://tomkari.cocolog-nifty.com/blog/
★「キックバックは竹中氏2兆円、コイズミ氏1兆円!」
http://tomkari.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_b052.html

■藤原直哉のインターネット放送局
http://naoyafujiwara.cocolog-nifty.com/ipodcasting/
★「藤原直哉の「日本と世界にひとこと」 2006年9月26日 小泉政権の後始末」
http://naoyafujiwara.cocolog-nifty.com/ipodcasting/files/0926.mp3

藤原直哉のインターネット放送局で、9月26日、「小泉政権の後始末」ですごい話が出ていました。一度聴かれてみてください。

郵貯340兆円のうち、すでにゴールドマンサックスの仲介で200兆が30年満期の米国債に充当されている。

 そのうち手数料3兆円分の米国債がキックバックされ、2兆円が竹中氏に、1兆円がコイズミ氏に渡っている。

 このことがリークされて、4月に竹中氏が検察の事情聴取を受けたが、以前から月に1回勉強会をしているCIAから表に出すなといわれて、10億円渡されて検察側の捜査はストップ。

 
竹中氏はスタンフォード大学の客員教授として渡米し、終生帰国しないということで手を打った。

投稿: ななしさん | 2006年9月29日 (金) 16時26分

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