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2006年11月30日 (木)

防衛庁「省」昇格で問い直すべきこと

戦争が終わった時に、問い直すべきことがたくさんあった。例えば、サイパンや沖縄で地上戦に動員された民間人は、東条英機の「虜囚の辱めを受けず」という戦陣訓を叩き込まれていた一方で、捕虜の扱いに関する国際法を一切教えられておらず、「アメリカ軍の捕虜になったら、たいへんな目に遭う」と信じ込まされて自決に追い込まれた。こういった問題の経緯を検証して責任の所在を明らかにし、再発を防止するための措置は政府によってはなされていない。

「東条さんが東京裁判で処刑され、憲法で軍隊もなくなってしまったのだから‥」というのが、その辺を曖昧にする大きな理由だった。

防衛庁「省」昇格で、普通の国に一歩近づく。担当大臣の役職は「防衛大臣」となり、戦前の陸軍大臣、海軍大臣と閣内での地位はうんと近づく印象だ。自衛官、防衛官僚も海外で胸を張って歩けると喜んでいることだろうが、それならば「そもそも軍隊はなくなったのだから」と不問にしてきた、シビリアンコントロールや、軍による人権侵害に関わる問題などについて、過去の事例を洗い直し、適切に処置していくことが重要だ。

元朝日新聞記者の田岡俊次氏が指摘しているとおり、画策されている憲法改正において、一般の司法と別に軍事裁判のシステムを作ろうといった話しを決して認めてはならないといったことが、最も基本的な問題の一つであることは言うまでもない。

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大変だぁ〜。ヤマボウシさんがAbEnd速報フォーラムで教えて下さったんだけど、ナナナナナント!日本時間の今日、11月30日に「防衛省昇格法案」が衆院を通過しちゃうんだって! 防衛省法案に賛成を決定=小沢代表が政調会長... [続きを読む]

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●自民党郵政造反議員の復党騒動でメディアが占領されている間に、本日にも11月30日本日防衛庁を省への格上げが衆議院を通過してしまう気配だ。 イラク侵略戦争の間違いを認めない上に防衛庁を省へ格上げした日本政府与党の... [続きを読む]

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