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2006年11月 9日 (木)

米中間選-世界政治の分水嶺となり得る上下両院「民主過半数」

以前にも書いたが、上院選で民主党が過半数を制することができれば、アメリカ政治がようやく『9・11の呪縛』から目覚め、正常化するプロセスに入ったことが確かなこととなり、世界の政治情勢も良い方向に反転する-と祈るように開票を見守った。接戦のバージニアで最後の1事前にABCのステファノプロス氏が「上院の民主党議席増は3から6」と予測した上限の「6」、共和党との多数派交代に必要な最小限の数「6」にどうやら達したらしい。

ニュージャージーを取りこぼさなかったので、テネシーのフォード候補は届かなかったけれども、アメリカ国内のみならず、「同盟国」はじめ世界の国際協調派にとって「及第点」という結果が出た。外交委員長がバイデン氏に交代することをはじめ、全ての上院の委員長が民主党に交代することになる。選挙前にラムズフェルド国防長官を交代させなかったことで自ら敗北を確かなものにしたブッシュ大統領に感謝したい。

もちろん、民主党は第1期クリントン政権の時に、なぜか「軍隊内の同性愛を認める」といったマイナーな話題にはまり込んで1994年のギングリッチ革命で上下両院の多数派の地位を失った失敗を繰り返してはいけない。選挙中はブッシュ大統領から「サンフランシスコのリベラル」と叩かれ続けたペロシ次期下院議長が、引き続き「バラバラ」な党内を穏健寄りにまとめていけるか、上院民主党指導部ともどもガバナンスを示すことができるかが重要だが、それもこれも、今回必要だった「勝利」を得たからこそ、大きな課題になっているのだ。

産経新聞や「企業の利益」しか見ない各紙の経済部の記事は「民主党多数となれば保護主義が強まる」と早くも近視眼的で紋切り型の記事を書いているが、まず大事なことは、日本外交が「ブッシュ大統領のホワイトハウス」一辺倒ではやっていけないことがはっきりしたことをちゃんと認識することだ。

安倍政権は「官邸とホワイトハウスの結びつきを強める」と張り切っているが、これは現在の状況とはかみあっていない。外務省の一部にも、もともと日米安保協力の枠組み強化という発想があるが、今の段階で「ブッシュ=チェイニーライン」との一体化を進めることに何のメリットがあるのだろうか。

安倍内閣や外務省ばかりでなく、自公与党指導部、小沢民主党など野党、あるいはアメリカの政権と議会多数派が一致している場合はあまり出番がない衆参両院の議院指導部などもそれぞれ、潮目が変わったことをちゃんと自覚して「日米関係を新しい状況に適合して機能させ、それが日本国民、ひいては世界の市民に貢献できるよう」、ボーッとしていないでしっかり目を覚まして取り組んでもらわなければならない。

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