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2007年2月26日 (月)

ロシアのフラトコフ首相来日と聞いて

ロシアのフラトコフ首相が来日するそうです。フリステンコ産業エネルギー相、グレフ経済発展貿易相や財界人らも来るということで「経済代表団」といった趣き。

「環境・エネルギー面での協力にお互いの利益がある」「日本からの投資拡大にはロシア側のさらなる環境整備が必要」など経済関係については一般に言われていること以上にここで付け加えることはありません。

世界情勢が「9・11」「ブッシュの戦争」という局面から、普通の状態にかなり戻ってきているというということを申し上げているわけですが、ロシアとの関係で申し上げますと一時期の「ソ連崩壊」「混乱と弱い経済のロシア」という局面が終息し、「強い政治指導と豊富な資源の大国」のカムバックということが言えると思います。

そういったことが先日のミュンヘン安全保障会議で、アメリカの東欧へのミサイル防衛配備をめぐってプーチン大統領が「アメリカは危険な大国」と発言し、翌日ゲーツ米国防長官が「同じ情報機関出身者としてノスタルジーを感じるが、冷戦は一回だけでいい」という応酬の背景にあると思います。

それでは、日本も冷戦時代に回帰してアメリカとの同盟一辺倒に回帰するのか?。ロシアに対しては「日本国内はそのような意見ばかりではない。最近は底流に隠れているが多極的な世界、地域協力を重視すべきだという意見もある。ただし、ロシアが対日強硬路線をとると、反動でそのような声はかき消される恐れがある」という発信をする必要があると思います。
 
領土問題解決の「潮目」は、実は宮沢総理の指摘したエリツィン政権成立後の1990年代初頭ではなく、1987年~89年頃だったと思います。今回もまた、自民党政権と外務省は小泉前総理の責任が大きいとはいえ、2~3年前の「潮目」を逃したというのが大局だと思います。

「ロシアのカムバック」「9・11とブッシュの戦争という局面の終焉」によって日ロ関係も「普通の状態」に戻って安定する=領土問題解決は遠のいていくように見受けられます。

このままでは「普通の日本人にとって、ロシアというと何といっても思い浮かぶのは『領土問題』である」という現状が変わらず、これは将来、協力が必要になった肝心なときにお互いの手を縛る恐れがあると思います。可能な限りそのような危険は平時において取り除いておいた方がよいのであり、双方が「ともに一つの問題を解決しようと願うパートナーである」という気持ちをもって解決を求める姿勢を常に保っておくべきだと思います。

文学、音楽にはじまりゲルギエフ(指揮)、ネトレプコ(ソプラノ歌手)、シャラポワ(テニス)とロシア国民のパーソナリティーには日本人を深く魅きつけるものがあるわけですが、「北方領土問題」という呪文が生きている限り、一般の日本人にとって「帳消し」になってしまうというのも「現実」なのだということは、ロシア側にはっきり伝えた方がいいと思います。

安倍首相との会談も予定されているようですが、安倍晋太郎外相(のち自民党総務会長)、安倍晋三外相秘書官(当時)父子は主観的には日ソ関係改善に努力したとのことですが、それが例によって中味の何も無いカラッポなものなのか、それとも多少何か芸のあることなのか、注目してみたいと思います。

                                                         

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