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2007年6月23日 (土)

加藤周一氏のコラムを読んで

今日付の『朝日新聞』の加藤周一氏「夕陽亡語」は、フランスの学者から届いた「イーリアス」「ロランの歌」「保元平治物語」という3つの戦記文学を題材に取り上げた研究書に触発された加藤氏の思索を記している(2007年6月23日付朝刊)。

なるほど義経の叔父にあたる鎮西八郎為朝の武勇は、江戸時代にも語られたように神話化しているが、複数と思われる「保元平治物語」が示す為朝と、政治家・清盛の対比は、「武力はよいものを生み出さない」という思いを反映しているのではないかという話は興味深い。

ここから先は森田が勝手に連想したことだが、その清盛が作った、旧秩序に依拠しながらも、国際感覚・商業感覚に優れていた政権は、自立した武装集団の上に立つ軍事政権に倒されるわけだけれども、それは「平家は悪役、源氏は善玉」という巷間流布しているイメージと違って、以後400年続く戦乱の幕を開くことになったなあということも思い起こさせる。

話は変わるが、英語の使い手である加藤氏が、フランス語も使いこなせることが、新聞読者である森田に大きな楽しみを与えてくれていることにも改めて思い至る。加藤さんに送られてきた本は当然フランス語で書かれている。英語教育の向上も結構なことだが、日本人全体が薄っぺらい生き方を脱していくためには、学校教育においても外国語といえば英語が全てであるかのような発想は早く脱却すべきだろう。

韓流ブームで女性の韓国語学習者が増えたというのは、たいへん歓迎すべきことで、またNHKが数年前からテレビで「アラビア語」講座を始めているのもたいへん結構なことだと思う。フランスワインブームも、英国風ガーデニングブームも、全てアメリカのメディア経由だそうだが、もっと世界と「アメリカ経由」でなく結びつくことができれば、日本人総体の底力はさらに強くなるに違いない。

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