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2007年10月23日 (火)

シビリアンコントロールの問題として満州事変と本質的に同根=海上自衛隊の給油記録「誤報告」と政治的な隠蔽=

「テロ対策」としてインド洋に派遣している海上自衛隊の給油艦による、ペルシャ湾で活動する米軍空母への給油量について4分の1に過小報告し、海上自衛隊の制服組は福田官房長官(当時)がそれを根拠に「アフガニスタンでのテロ対策以外に転用がない」と答弁した時にはそのことを知っていながら、勝手な判断で隠蔽していたことが明らかになった。

自衛隊の海外での活動という、憲法の根幹に関わる問題について、自衛隊の制服組が勝手に情報を操作して、法律の逸脱を隠すということが罷り通っていては、シビリアンコントロールもなにもあったものではない。これを放置しては、やがて1931年に中国東北部で「満州事変」と呼ぶ戦争を勝手に始めた愚かな歴史が繰り返されることになるだろう。

石破防衛相が早速「徹底した再発防止」を言っているのは当然だが、それ以前に事実について究明することが大事だ。違法行為があるなら、「再発防止」以前に司法当局の捜査があるべきだし、こんなことが罷り通っていることに違法性がないと言うのなら、シビリアンコントロールに関わる「法の不備」は明確であり、必要な立法措置をとるべきだ。

これまでにも一、二度書いたが、「日本は戦争に負け、戦犯は裁かれ、憲法九条で軍隊はなくなった」というタテマエがあったため、かえって旧軍の愚行についての究明や、自衛隊に関するシビリアンコントロールの制度的な保障がおざなりになっている。

事実上の軍隊があり、時に米軍などと行動を共にし、役所の名前が「防衛省」に格上げされた今こそ、また「給油」や「前次官の腐敗」が大きなニュースになっている今こそ、徹底的な洗い直しを行うべきだ。

なお、前次官の腐敗は官僚組織全般に共通する問題で、徹底的な解明が必要だ。娘の留学がらみでも腐敗が起こっているとなると、官僚の家族の倫理観も問わねばなるまい。一罰百戒と言う点からは親族の証人喚問なども必要なのではないか。

しかし、一連のニュースの核心は制服組が勝手な振る舞いでシビリアンコントロールを犯していたことだ。前次官の腐敗には「国防総省にすら楯突く民族派(前次官)を、小池百合子氏に象徴される米軍産複合体のエージェントたちが叩いている」面も見え隠れする。「腐敗」「証人喚問」などワイドショー的には面白いが、まず追わなければならないのは「シビリアンコントロール」の方であることを忘れてはならないと思う。

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