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2007年10月30日 (火)

メディアは元幹部自衛官の佐藤元久参院議員(ヒゲの隊長・自民)に守屋前次官の批判だけ言わせておいていいのか

フジテレビの朝番組「とくダネ!」が、昨日の守屋前防衛事務次官の衆院・証人喚問を報じる中で、「この人も声を上げた」と安倍政権下の7月の参院選で自民党から比例代表で当選した佐藤正久議員の「俺たちが現場で苦労しているののに何やっているんだ」というニュアンスの守屋批判コメントを語る様子を流していた。

ここでこの番組が作りだしている構図は、「防衛省の役人トップの腐敗はあまりにひどい。イラク派遣などで現場で苦労している無垢な自衛官たちが気の毒だ」というイメージだ。

実際には、明らかになっている接待攻勢は業者の防衛省・自衛隊に対する接待攻勢の氷山の一角なのであり、むしろ防大出の制服組の自衛官たちのうち、有望とされる者には若い頃から高級食品を中元・歳暮に送りつけるのに始まり、激しい接待攻勢がかけられているのが実情だと巷間言われている。

この際必要なのは、関連業者との会合等の実態、報告などのルールが守られているといったことの洗い直しだ。野中弘務氏はかねてより「会合の飲食代を接待側が持つことに対する規制を緩めるべきだ」と主張している。野中氏の政見には賛成できるものが多いが、この問題については賛成できない。意見交換はオフィスですればいいのであり、情報公開は公平に、オープンで行うのが筋だ。

実態と離れて、「腐敗官僚」に対し「清廉な制服組」というイメージを作りだしていては、戦前「腐敗した政党政治」を叩いて、結果として軍部の台頭を招いたのと構造的には同じことを繰り返すことになる。

巨額の調達をめぐる不正は、大正時代の海軍大スキャンダルのジーメンス事件、いやきっと明治維新当初からの軍・官僚組織の宿痾なのだ。これには政治家・軍人、背広・制服の別はない。仮にもマスメディアに関わる人々は、多少なりともそういう歴史感覚を持って事実にメスを入れてほしい。

佐藤議員に対しては、防衛産業・商社などの制服組への働きかけの実態について詳しく聞くべきなのであり、内局の腐敗を叩いてアリバイを作る片棒をかつぐことなどあってはならないのである。

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