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2007年11月26日 (月)

ベジャール氏逝去

連休中にモーリス・ベジャール氏死去の訃報を聞く。20年近く前、一度だけベジャールバレエ団のNHKホールでの公演の客席に足を運んだ。

当時、ソ連崩壊以前で、ゴルバチョフ氏のペレストロイカと新思考外交に強く触発されたベジャール氏が、旧レニングラードのバレエとの交流をきっかけに創作した出し物がメインで、「歴史」「時代」に敏感だった、20世紀型の芸術家だった。

もっとも、バレエ公演にめったに足を運ぶことのない身としては、まだ存命中だったジョルジュ・ドンと、美しい、美しいロシアの女性バレリーナによる『悲愴』の第四楽章によるデュエットに、ただただ見惚れていたわけですが。

そういえば、出し物のひとつは「ニーベルンクの指輪を演出するパトリス・シェロー」というひねったもので、大柄の男性ソロが悩みを見せつつ「意思の力」を発散させる不思議な踊りだった。題材になった、シェロー氏が指揮のピエール・ブーレーズとフランス人同士で組んだバイロイトの同公演は、当時は大ブーイングも浴びニュースにもなったが、最近の変な演出に比べればおとなしい方だったらしい。近年、バレンポイム指揮のものがNHK・BSで放送されたが、あれはシェロー演出のものだったのだろうか?

そのバイロイトでは今年、ワーグナーのひ孫か何かの女性演出家が、大胆な現代的な演出で「保守的なワーグナー家」のイメージ脱却を図ったとか。

『朝日』の訃報によると、ベジャール氏の代表作のひとつに「ニーベルンクの指輪」が挙げられていた。「演出するパトリスシェロー」ではなく、ワーグナーの本編の翻案もあるのだろうか。日本との縁も深かったと聞く。いずれにせよ、「芸術」「時代」「政治」「肉体と精神」‥。「ベジャール」というその名前だけからも、いろいろなことを連想させる人だった。

こんど、ベジャールと並ぶような『春の祭典』を振り付けるバレエ作家は、どこから出る、どのような人なのだろうか。時は流れゆく。

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