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2007年11月 7日 (水)

ツタンカーメン王のミイラ展示へ~「一神教」の起源はエジプト?

ツタンカーメン王のミイラを展示することになったというニュースを聞いて、「祟り」の話しは大丈夫かとふと思ってしまう。もちろん、「祟り」などは迷信に過ぎないが、第一次大戦後のツタンカーメンの王墓発掘は、例外的に盗掘を免れた「黄金のマスク」発見など華やかな話題の一方で、発掘実行者のカーター氏こそ長生きしたものの、これに関わった多くの人々やその親族が、当時次々に死去するという不思議なことが続いたという事実があるからだ。

最近、中央公論の古い方の『世界の歴史』第1巻をようやく読み終えたが、その後半にそのエピソードがやや詳しく具体的に書かれていて、かなりびっくりしながら読んだ。

そういえば、「古代エジプト」は、中学生の頃学校で習ったときには「四大文明」の一つとして強調され、ピラミッドの存在感からも子ども心に大きな存在だったが、歴史を少し勉強すると、現在のイラクあたりのメソポタミア文明こそが農耕、都市文明、文字の使用などあらゆる面で「人類文明のルーツ」という性格を持つ一方で、古代エジプト文明はややローカルな存在であることを知ることになった。

もっとも、旧版『世界の歴史』第一巻を読んで、だからといって古代エジプトを全く軽視していいわけではないと思った一節に触れた。エジプトの宗教はよく知られるように、太陽神の「一神教」だ。一方で、古代オリエント世界の大半は「多神教」であったことが知られている。

古代エジプトは長く独自性を保っていたが、同時に、広くオリエント社会と交易をしており、また一時アッシリアの支配を受けるなど、侵略したり、されたりの関係も重ねた。この本では、その結果、エジプトの「一神教」の発想がオリエント社会に移入されたというのである。

宗教の話しは書き方に気をつけなれればならないが、森田は「一神教」はしばしば不寛容につながり、紛争の原因となったり、深刻化の原因になっていると思っている。そして、現在世界の紛争のうち、どちらの当事者もある時期シリアないしパレスチナで生まれた「ユダヤ教、キリスト教、イスラム教」のどれとも関係がないというのは、レアケースであると感じている。

ハム人の古代エジプトは、アラブ人の現在のエジプトとは「直系血族」ではないが、世界文明・思想史上「ローカルでマイナー」な存在と勝手に決めつけていた古代エジプト文明が、実はいちばん大きな(負の?)遺産を生んでいたことになる。

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