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2008年3月22日 (土)

リチャードソン知事のオバマ支持表明=マケイン対策にプラスになるだろう=

ニューメキシコ州知事のリチャードソン氏がオバマ候補支持を表明したことが、同氏が選挙の帰趨に大きく影響を与えるヒスパニック(スペイン語圏出身)であることから注目され、また同氏がクリントン政権でエネルギー庁長官、国連大使と要職を歴任したクリントン夫妻と最も近い政治家の一人であるため「サプライズ」とも受け止められた。

もっとも、最近の予備選報道を丁寧に見ていた人は気づいていたと思うが、ヒラリー候補、オバマ候補の両雄が予備選で獲得する代議員数がもしオバマ候補のわずかなリードのまま拮抗するといういちばん蓋然性が大きいケースの場合、連邦議会議員や党幹部で構成される「特別代議員」がそれを覆すことができるかという議論について、リチャードソン知事が「それは認められない」と発言していたため、その段階ですでに「サプライズ」と受け止めてた人は多いのではないか。

リチャードソン氏は、早くから「ヒラリー大統領候補の副大統領候補の一人」と目されてきた。すでにカリフォルニアやテキサスでオバマ候補がヒラリー候補に及ばなかったのは、ヒスパニックのクリントン夫妻支持が厚いというだけでなく、同じマイノリティーながらアフリカ系とヒスパニックの相性の悪さとでもいうものを感じた人も多いだろう。

リチャードソン氏は、党と国家の未来を考えてオバマ支持を表明したに違いないが、ひょっとするとヒラリー候補がオバマ氏取り込みのために「オバマ副大統領候補指名」を表明したことが、彼には自らを副大統領候補にはしないという意味であると聞こえたとしても不思議ではない。予備選撤退前の候補討論会の際に公衆の面前でヒラリー候補に「あなたはいい『副大統領候補』になるだろう」と言われたことも、見せた笑顔とは対照的に含むところがあったのかもしれない。大統領候補だって人間ですからね。

さてこのサプライズ、「オバマ対マケイン」となった場合、民主党大統領の誕生にはプラスが大きい。簡単に言えば、マケイン候補は「外交タカ派、内政ハト派」で、昨年夏に「ブッシュ大統領、マケインら共和党穏健派、最左派の民主党ケネディー上院議員」という連合が不法移民に比較的マイルドな法案を議会で推進し、両党の内政強硬派に敗れて法案が成立しなかった時に、ヒスパニックの間にはマケインの受けがとても良かったということがあるからです。

というわけで、11月の本選で帰趨を左右するかもしれないフロリダやテキサスで、マケインは共和党候補が他の候補だった場合に比べ大善戦が予想されたので、民主党候補はヒスパニック対策を強化する必要があり、オバマ候補の場合はそれがなおさらです。

陣営内部の情報にアクセスしていないのでわからないけれども、来年はオバマ大統領、リチャードソン副大統領という組み合わせかもしれません。その場合、朝鮮半島政策はクリントン政権のラインを継承するという可能性が大きいと思われ、これは東アジアの平和にとって好ましいことであると思います。

リチャードソン氏は、アメリカの銀行のメキシコシティー支店で20年近く働いていた父親が、メキシコ生まれの夫人の子供が生まれる時に、子どものアメリカ国籍を確かなものにするためにカリフォルニアに移住したといういきさつがあるらしい。森田は昨年にワシントンDCに行った際に、空港の書店で何気なく「Between Worlds」というリチャードソン氏の自伝を買ってきた。ホコリを払って読んでみる必要がありそうだ。

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