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2008年4月14日 (月)

「光州5・18」=政治、外交、歴史を学ぶ学生の5月連休明け必見映画

1980年、全斗煥軍事クーデターに反対する民衆の運動を、全羅南道光州市で軍部が空挺部隊を投入して血の弾圧を行った事件「光州事件」を映画化した「光州5・18」という映画を角川映画の試写室で見る。友だちの友だちということで、まだお目にかかっていない真鍋祐子さん(東大東洋文化研准教授)より招待券送っていただいた。

森田の人生と重ねると、朴大統領暗殺事件が大学1年。光州事件は大学2年の5月。何が起こっているのかよくわからない。『世界』のT・K生氏(池明観先生)のレポートなど毎月熱心に読んだこと、次の年にかけてこの事件を口実に死刑判決を受けた金大中氏の死刑反対の手紙に学友の署名を呼びかけると、大半がノンポリ組の学友たちが驚くほど積極的に応じてくれたのを思い出す。

映画は、「事件」を光州市の、民衆の内側から描き出す。余計な紹介は無用だろう。「市民が参加」という活字は当時も読んだ。つくづく思うのは、自分なりに想像力を働かせて、あの時の光州の状況を考えていたつもりだったけれども、映画でさえこれまでの想像より段違いに苛烈であり、またそこに人間のドラマの積み重なりがあるということだ。

「光州事件。覚えているけどどんな事件だったっけ?」という大人の人は、この映画を見ることでようやく本当に北東アジアで生きてきたということになると思う。まだ生まれていなかった大学生諸君。仮にも「国際政治を勉強しています」とか、「北東アジアの地域協力に関心があります」と言いたい学生にとって、この映画は必見映画です。「軍」というものの本質について学習する機会にもなるだろう。なにしろ、韓国陸軍も、陸上自衛隊も、蒋介石の国民党軍同様、戦前の日本の陸軍士官学校出身者が礼儀作法からカルチャーまで形作っていることでは共通しているわけだから。

「私たちのことを忘れないでください‥」。そう演じるイ・ヨウォンさんは事件の頃の生まれか。忘れてないさ。ちょっとだけ、いや本当いうとずいぶん表現方法は違うけれども、僕もひとりの「光州市民」として、あなたたちが意地を通した同じ隊列を歩んでいるつもりだよ。

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