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2008年5月19日 (月)

ハマスとも、イランとも対話を

ブッシュ大統領が中東歴訪で「ハマスは和平の障害」などと発言し、ヒズボラとも対決姿勢を示しているという。そもそも、選挙はもう少し先に延ばしたいというアッバス大統領に対し、ブッシュ政権が「早期総選挙」を無理矢理押しつけたのが、総選挙でハマスが勝利する要因の一つだったのだ。自分で原因を作っておきながらよく言ったものだ。

政権末期で「業績」を残したいために、イスラエル=パレスチナ和平問題に取り組んでいると言うのだが、いくらイランのアフマディネジャド大統領が「イスラエル抹殺」などの過激発言をしているからとは言え、イラン軍事攻撃にはっきり反対していた中央軍司令官を更迭するなど、ブッシュ=チェイニー路線は政権が終焉するまで有毒ガスを発し続けているようだ。

ネタニヤフ政権時代に一度だけイスラエルに行ったことがある。帰国するとモサドじゃないかなという感じのイスラエル大使館の人がやってきて「東エルサレムがパレスチナ国家の領域になるという考え方をイスラエルが受け入れているわけではない」と強調していたが、現地エルサレムで会った、ユダヤ教過激派のテロで亡くなったイツァーク・ラビン首相の息子さんなどは、われわれから見ても常識的な、リベラルな考え方の人だった。

イスラエル建国60年ということで、イスラエルのいろいろ立場の人々のことが新聞やテレビで紹介された。どの国にもごりごりの頭の悪い「右」は存在する。イスラエルにおいては極めて強い。でもラビン氏の子息のような、まともな人々も少なからず存在するので、こうした人との連帯の輪を広げていくことは大事だと思う。ブッシュの前には、カーター元大統領が政権の反対を押し切って、シリアでハマスの指導者と会談したと言うが、こうした「対話」以外に問題解決に近づく方法はない。

一方、イランも「核開発支持」「反米」の保守派が圧倒的に強いとは言え、一般市民のレベルでは密かに「アフマディネジャドは勘弁してほしい」という空気も根強いと言う。森田はイランと対話するというオバマ氏を支持する。

同時に、アメリカの民主党系の人も「アメリカにとってイラン問題は、実はイスラエルの安全の問題」と率直に話してくることを勘案すると、わが国としてはイランに対して「アメリカのイラン攻撃には反対。NPTの範囲内なら、核の平和利用の権利も理解する」と言った上で、「ただし『イスラエル抹殺』は過激すぎるので、そういうことを言うのはなんとか止めてほしい」と直接に働きかけることが大事ではないか。

中東1課も2課も頑張っていることは知っているけれども、カーター元大統領や、悪い方で活躍しているブッシュ大統領に比べ、日本は中東情勢において「不在」を続けているように見える。

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