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2008年7月18日 (金)

ロシアが四川大地震の被災学童1,000人をウラジオストックなどに招待

 NHK・BS1の2008年7月18日未明から朝にかけての枠で放送された中国中央電子台およびロシアRTRのテレビニュースで、中国の四川大地震の被災地の学童1,000人あまりがロシア政府の招待でウラジオストックやノボシビリスク州のキャンプ地への3週間ほどの滞在に招待され、17日に出発したという映像を流していた。

 内陸の四川省や陝西省、甘粛省出身の子どもたちは、海を見るのは初めてという子どもたちも多いそうで、張り切って飛行機に乗り込む子どもたちの明るい表情を見てほっとした。ロシア側も「中国料理を用意しているし、水温も海水浴にちょうど良い」と張り切っていた。

 これは良いニュースであると思うと同時に、ロシアもなかなかやるなと思った。ソ連崩壊後の極東アジアは経済停滞やインフラの老朽化などのイメージが強く、廃船になった原子力潜水艦の解体などは日本が資金面でずいぶん協力した。それが、ブッシュ政権のイラク戦争開始も関わるロシア経済の絶好調と、プーチン~メドヴェージェフ政権のAPECのウラジオストック誘致や極東ガスパイプラインの推進など、ロシアは「極東」地区を大いにてこ入れしているわけだが、このニュースは金額としてはそれほど大きな話してないにしても、そうした流れの中でのニュースであるとも受け取れる。

 「ロシアが中国の子どもを大事にするのはあたりまえではないか、ロシアだの中国だのはもともと仲間。ロシア・中国・中央アジアによる『上海協力機構』に見られるように、日米同盟とは別の側だ」という見方をする人がいるかもしれないが、その点、森田のこれまでの経験に基づく見方は異なる。中国のある知識レベルの人の外交面での日本に対する評価を一言で言えば「でも結局はアメリカに従うんでしょ」というものであるとするならば、中国のロシア観を一言で言えば「油断できない」というものだ。

 小さな行事だし、「宣伝」と言えばそれまでかもしれないが、ロシアは極東における中国の対ロシア観を改善する機会をうまく捉えたと思う。ロシアの東アジア政策にプラスになるだろう。それにひき換え、わが日本の政府は、対中国にせよ、対ロシアにせよ、何もよい知恵を出していない。それどころか、何の必然性もないタイミングで「竹島問題」を持ち出して、日韓関係を極端に悪化させることで外交の足下を自ら崩している。

 洞爺湖サミットにはやたらカネもつぎ込み、プレーアップに努めたけれども、自民党政権には外交に関して本当の意味での「やる気」が感じられない。

 四川の子どもたちのために日本政府も今からでも何か考えたらどうか。政府がダメなら、自治体や企業でもいいから。

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