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2009年1月31日 (土)

山内昌之教授の故ハンチントン氏への温かい評価

雨降りの土曜。昨夜放送の『20世紀少年 もう一つの第1章』(日本テレビ)の録画など見ながら自宅で新聞切り抜きなどして過ごす。

毎日新聞の2009年1月28日付に、昨年亡くなったサミュエル・ハンチントン氏について山内昌之氏が追悼文を寄せている。山内教授は「文明の衝突という考えは複雑な世界史や国際政治を単純に割り切りすぎた」と断じてはいるものの、全体としては「人々の反応を楽しんでいただけかもしれない」「彼の魅力は茶目っ気」温かいトーンに貫かれているので少し驚く。

ハンチントン氏の若い頃の業績は知らないが、「文明の衝突」という考えは今さら指摘するまでもなく、世界の「文明」をかなり恣意的に8つだかに切り分けて「イスラム世界と欧米キリスト教圏衝突は不可避である」といったことを主張する乱暴な話であり、学者の話としてはあまりに雑ぱくであるばかりでなく、実際問題としても「9・11」後にアメリカが戦争に突き進んだり、小泉自公連立内閣を含め世界中の多くの人々がそれを積極的に支持したり、反対を表明しなかったという状況を準備した極めて有害な議論であったと言うべきだと思う。

山内先生としては、人の悪口などは言う必要がないということかもしないけれど‥

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2009年1月30日 (金)

ラウル・カストロ議長のモスクワ訪問-日本政府の中南米戦略は?

朝のニュースでキューバのカストロ前議長の後継者で、弟のラウル・カストロ議長がモスクワを訪問している映像が紹介されていた。「冷戦終結後はじめて」と聞くと、「キューバ危機」などかつてのソ連とキューバの結びつきを考えると意外な感じがした。

ソ連崩壊で、G8のメンバーに遇されたようにいわば「西側」になったロシアが「後戻りしている証拠ではないか」という見方もあろうが、そういった歴史的な文脈とは切り離した、新しい時代のロシアのグローバルな積極外交という面もあるような気がする。

チャベス政権のべネゼエラへの初の艦隊派遣というのはちょっと極端な例としても、例えば少し前にカトリックの国・ブラジルに本国のテコ入れもあってロシア正教の寺院が建てられ、ロシア系の移民が喜んでいるといったニュースがあった。中南米でもロシア、中国などの資源や貿易をにらんだ外交が活発に展開されているということだ。

わが国の中南米外交は最近どうなのだろう。「新自由主義」で経済が破綻した先輩地域でもあるが、かつては日本からの移民の歴史があり、多くの中南米社会に「日系」という窓が開いている。これはわが国にとって財産だ。

ところが、最近の不況で日本国内各地で日系人労働者が真っ先にクビ切りされ、苦境に喘いでいるという。こういうたいへんな時に思いやりのある振る舞いができるかどうかは、日本政府にとって人道問題であると同時に外交戦略の問題だ。

政治の取り組みに注視したい。

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小沢代表、衆院代表質問に立たず

昨日の衆院代表質問、トップバッターは民主党の鳩山由起夫幹事長で、小沢一郎代表は質問に立たなかった。朝日、毎日の社説も批判したが、やはりここ一番では党首が立たなければと思う。

おそらく小沢政権ができるのだろうが、あいかわらず国民からは見えにくいところで一部の側近議員が幅を効かせるようなやり方を続けるつもりなのだろうかという疑念を持たせる。

民主党の二番手に、田中真紀子氏を起用したのも失敗だった。国民は、民主党の責任感のあるまともな論戦を望んでいるのであり、口汚い罵りを国政壇上で聞きたいと思っているわけではない。

そもそも、田中真紀子氏は「小泉内閣成立の立役者」であり、日本政治の今日の状況を招いた戦犯である。党首が代表質問に立たず、メディア受けだけを考えて党外のこうした人物を起用している民主党には「不真面目」という印象が免れない。

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「ソマリア海賊」に便乗して武器使用制限をゆるめるべきではない

ソマリア沖の海賊対策として海上自衛隊の艦艇を派遣するというが、いちばん肝心な論点はこれに便乗した「自衛隊の武器使用の要件緩和」を進めないことだ。

オーストラリアなど、また日本と同様に法的な問題をクリアーする必要があったドイツなどが去年からとっくに派遣している中で、麻生総理が「中国が派遣した」というニュースが伝えられたとたんに、慌てたように「法改正はあとまわし。とにかく『海上警備行動』で出す」というのはまことに子供じみたことだ。

外務省は一貫して「どの国もやってることだし、国連安保理の常任理事国になりたいという国が出さないわけには」ということのようだが、外務省が本当に考えるべきことは「海賊問題」の根本原因であるソマリアの国家崩壊の問題について、解決のための知恵を出し、国際社会の中で「政治的な役割」を果たすことだ。

やはりここでの一番の問題は、この機に便乗して自衛隊の活動範囲を広げ、武器使用をできるだけ自由にするといった結果を招いてはいけないということだ。

1931年に満州事変を起こした関東軍はなぜあそこにいたか。それは日露戦争の結果手に入れた「鉄道を守るため」であった。1937年に盧溝橋事件を起こした陸軍部隊はなぜあそこにいたか。義和団事件のあとで列強が「居留民の安全を確保するため」に一定の兵力を北京近郊に置くことを条約で認めさせていたからだ。それぞれ、部隊を置いていたことには国際法上の根拠があり、配備の「目的」は侵略ではなかった。しかし、実際に行ったのは「侵略」そのものだったのである。

「それは戦前の話しだ。お前は今の政府も、民主主義の憲法の下にある国民も信じないのか」と言うかもしれない。しかし、年金問題についての社会保険庁の杜撰を考えても、「コイズミ郵政改革」「刺客」といった話しにすぐ踊らされるメディアや有権者の実情を考えても、あまり能天気にもしていられないのが「現実」だ。

ましてや、最近の守谷事務次官の腐敗事件や田母神空幕長(当時)の論文事件を考えても、「日本の軍隊は憲法で禁止されてなくなりました」というタテマエがあったが故に、防衛省・自衛隊に対する実際的なチェックがかえっておざなりにされてきたのではないか」と疑うべきではないか。制服組の人事は、制服組が勝手にやり、文官は容喙することすらできないことになっているというではないか。

「海自派遣ノー、海上保安庁の巡視船派遣を」という社民党、国民新党の主張が正しい。海自派遣となった場合でも、自衛隊の海外での武力行使に大きく道を開く武器使用の基準緩和の法改正などすべきでない。

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2009年1月29日 (木)

順番が十何番目かだっていいじゃないか-日米首脳電話会談

オバマ大統領が就任してから初めての日米首脳電話会談が行われたことについて、官房長官の午前中の会見で記者団から「順番が十何番目かに遅らされたという報道もあったが、どうか」という質問が出ていたのを昼のNHKニュースで見た。

十何番目でもいいじゃないか。先方から何か、機嫌をとってこちらが嫌がるややこしい話を持ち出したいという状況じゃないことの現れだもの。

連れ合いは一番の後回しということは良くあることで、それは反省すべきとは思いつつも、やましいところが全くないからというせいもあるぞと思う。日本はアメリカの妻というわけじゃないが、向こうから見ればこれまでの自公連立政権の実績は「拉致問題が北の核開発を止めることより大事だと主張する以外は、全ていつでも賛成、必ずついてくる」というものなのだし。

世界経済情勢の打開について、あるいは中東問題や新エネルギー開発について、目の覚めるようなアイデアがあるというのなら、どんなに割り込みをしても真っ先に電話に出てもらわなければならないけれども、そうじゃないでしょう。

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「きまぐれな日々」にご紹介いただく

メジャーなブログ『きまぐれな日々』」が、昨日の「朝日新聞とその読者の『批判精神』の鈍磨を憂う」で当『評論家・森田敬一郎の発言』の「自公連立政権の『再生エネルギー』への消極姿勢」を紹介してくださった。

『きまぐれな日々』はいつもその見解に共感して読ませていただいており、現実主義感覚、筆力と丁寧な調査に感服しているだけに、思いつきと感想ばかりのわが方をご紹介いただくのは気恥ずかしい気がするが、これをひとつの励みとしたい。

kojitakenさん、ありがとうございます。ちなみに森田は讃岐うどんが大好物です。

ご紹介をきっかけに当ブログをご覧頂いた方には、今後ともよろしくお願いします。

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2009年1月28日 (水)

アル・アラビア、ナブッコ

今日の国際ニュースで印象に残ったのは、ひとつはオバマ大統領が初の海外TVメディアインタビューにアラブ首長国連邦のアラビア語放送局アルアラビアを選び「イスラム世界は敵ではない」と発信したこと。

オバマ氏がそのような考えであることを我々は知っているけれども、イスラム圏の一般の人々にしっかり伝えることの意味は大きい。まずは会うこと、相手のわかることばで発信することから始めなければならない。素早い取り組み、さすがオバマ氏である。

少し興味を引かれるのは、先発のカタール局アルジャジーラではなくアルアラビアを選んだ理由。イラク戦争中、米陸軍から蛇蝎のように嫌われたことでは同じはずだが。アメリカの一般にジャジーラは「ビンラディンの声明を放送する局」というイメージが強いのを回避したのか。

もうひとつは、コーカサス地方の天然ガスをウクライナばかりでなくロシアも回避したパイプラインで運ぼうというEUが推進する「ナブッコ・パイプライン」の国際会議がブダペストで開かれたというニュース。

東欧のニュースをこまめにチェックしていなかったが、ハンガリーは去年までにロシアがウクライナを回避する新しいパイプライン「サウス・ストリーム」を建設することに参加することで合意していたのではなかったか?

1956年のハンガリー動乱でもわかるように、もともと東欧圏でもロシアとの距離感の大きい国だけに、サウス・ストリーム合意や、昨年のロシア軍グルジア侵攻時のポーランドなどと対照的な静かな動きに「対ロシアでいろいろ考えているな」と感じてきたが。裏事情に若干の興味を引かれる。

「ナブッコ」というのは、あのヴェルディの合唱曲「行け、わが思いよ、黄金の翼に乗って」で有名なオペラ『ナブッコ』と関係あるのかしら。そこでのナブッコ王は世界史の教科書に出でくる新バビロニアのネブカドネザル2世で、このオペラでは最後にはヘブライ人たちにひれ伏す話になっているけれども‥

【以下、切抜貼付】

「米国はイスラムの敵でない」=アラブ放送局と初会見-オバマ大統領

 【ワシントン26日時事】オバマ米大統領は26日、就任後初めてアラブの衛星テレビ局アルアラビアのインタビューに応じ、「米国はあなた方の敵ではない」とイスラム世界に呼び掛けた。また、イスラエルとパレスチナの双方に対し、「交渉の席に戻る時だ」と述べ、和平プロセスの再開を訴えた。
 米大統領が就任後、初の正式なTVインタビューにアラブのテレビ局を選ぶのは異例。2001年の米同時テロ後にブッシュ前政権が推し進めた対テロ戦争で、イスラム世界との間に深まった亀裂の修復に全力を挙げる姿勢を示した形だ。(2009/01/27-13:31)

ナブッコ、上半期の合意目標に  脱ロシアのガス計画

 【ウィーン28日共同】天然ガスをカスピ海からトルコ経由で欧州に運ぶパイプライン「ナブッコ」計画を協議する国際会議が27日、ブダペストで開かれ、参加各国は今年上半期の計画合意、調印を目指すことなどを盛り込んだ声明を発表した。
 ナブッコは天然ガスのロシア依存脱却が狙いで、会議はウクライナ経由のロシア産天然ガスの欧州への供給が約2週間停止したことを受け開催された。ただ、80億ユーロ(約9400億円)を超えるとされる建設費用負担や、天然ガスの供給源確定など課題は残されており、計画実現の道は容易ではないのが現状だ。
 会議にはハンガリーのジュルチャーニ首相のほか、欧州連合(EU)議長国チェコのトポラーネク首相、ブルガリアのスタニシェフ首相、アゼルバイジャンのアリエフ大統領らが出席した。
 ナブッコは全長3300キロで、トルコからブルガリア、ルーマニア、ハンガリーを経てオーストリアまでパイプラインを建設する計画。
2009/01/28 09:55

【以上、切抜・貼付】

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「カニ漁船ロシアに拿捕」トップニュース?

朝起きると、NHKテレビの6時のニュースがトップで「鳥取県から漁に出ていたカニかご漁船が27日夜、日本海でロシア当局にだ捕された」というニュースを流していた。

聞いていると「漁の後、ロシア側に流され、戻ったところを拿捕された」ということらしい。拿捕はそう頻繁にあることではないようなので、ストレートニュースとして伝えることは良いと思うが、森田の印象としては「ロシア側に入っていた」のはこちらも認めていることであり、トップニュースで大々的に報じる内容かな?という印象を持った。

昼のニュースで家族の方が「状況が判らないので」と言っていた。森田もコメントするのはもっと状況がわかってからにすべきかとも思う。しかし、ニュースにかかわる人々に「北朝鮮やロシア、中国に甘い報道をしていると、また安倍晋三氏や菅義偉氏がうるさいから」といった惰性が働いていて、排外主義を煽ることへの戒めが欠けていると困るなあという感想。

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2009年1月27日 (火)

「政治資金」の相続は無税(!)

瀬戸内寂聴さんの話を聞こうと思って、1月13日放送の朝日ニュースターの『ニュースの深層』の録画を見ていたら、番組のはじめにジャーナリストの上杉隆氏が「政治家が資金管理団体にプールした資金は、その資金管理団体を子どもなどに譲った時にも非課税」という話を紹介していた。

すでに民主党では問題にしているということなので、ご存じの方が多いかも知れないが、やはり何億円もの政治資金を、子どもなどが継承しても相続税がかからないというのは問題があると思う。

政治家の子が政治家になってはいけないということはない。ちゃんと仕事ができて、有権者の支持が得られるなら良い。しかし、民主政治において被選挙権の平等の確保は、公正な競争という面から見て重要であることは言うまでもないだろう。選挙に出ようという普通の人に対して、親が政治家だったという人が資金面で「継承した資金」のゲタを履いていたというのでは、公正な競争が成り立っているとは言えない。

さらに上杉氏が指摘するように、二世議員の割合が大きくなった政界のパフォーマンスを見ても、この是正は急がれるべきだ。安倍晋三氏、福田康夫氏の政権投げ出しは、わが国にたいへん大きな損害をもたらしたが、この二人も巨額の政治資金を無税で継承しているのである。

小泉純一郎さんはこの問題についてどう考えているのだろう。

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千代田区長選-派遣村に冷たかった現職の再選は?

週末の新聞を見ると、東京千代田区の区長選をやっているらしい。

「年越し派遣村」のフォロー記事で、隣接の中央区長が積極的な対応を見せ、厚生労働省もいやいやながら選挙を控えたポリティカルアポインティーに押し切られて講堂の開放を決めるというなか、千代田区長は関係者の要請に「正月休みが明けないと‥」と冷たかったという。

こうしたことが結果に影響するか、関心あるなあ。

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自公連立政権の「再生可能エネルギー」への消極姿勢

 朝のNHKテレビのニュースで、国際再生エネルギー機関の設立総会があったがわが国政府はオブザーバー出席にとどめたと報じられていた。つまり、わが国の政府は「風力」や「太陽光発電」については、中国やこの機関への対応を検討していたブッシュ・チェイニー政権と五十歩百歩ですと自ら発信したわけだ。

 しかも、側聞するところではもともと外務省も経済産業省も出席すらするつもりがなかったところ、オバマ政権の誕生でアメリカが「欠席」から「オブザーバー派遣」に切り換えたので慌てて日本もオブザーバー参加に切り換えたという。

 経済産業省や外務省は、天下りなどの都合で原子力村というか、財界というか、電事連というか、そういうものにがんじがらめになっているので、野放しにしておけばこの国際機関に「不参加」という結論もまあ予想はつく。朝日新聞でさえ、「風力発電の施設に貴重なオオタカがぶつかって死ぬ」といった記事をよく出していると思ったら、この前は「騒音などで健康被害」という記事を一面に大々的に掲載していた。「沖合を推進しよう」といった話など全く書かずにだ。これも赤字転落下の広告料の都合なのだろう。

 しかし、こうした癒着の構造にばかり足をとられることなく、例えば地球環境問題で経済産業省や外務省をリードして、あるべき方向に持って行くのが「政治のリーダーシップ」の役割であるはずだ。

 少なくとも、現在の自公政権はこの問題について私の期待には全く応えていない。やる気がないのだ。この際、民主党など野党各党はこうした問題についてどういう姿勢で臨むのか、ハッキリ態度を示して欲しい。民主党には電力会社からパーティー券を買ってもらっている議員がかなりの数いるのだろうが「政権交代しはしたけれども、やっぱり政治は電事連の言いなりのまま」といったことにならないよう、今から内外に「宣言」しておいたほうが良いと思う。

以下、NHKのページより切抜・貼付

国際再生可能エネルギー機関

1月27日 6時56分
地球温暖化対策として期待される風力や太陽光発電といった再生可能エネルギーの世界的な利用拡大を目指そうという新しい国際機関が設立され、ヨーロッパ諸国を中心に70か国以上が加盟することになりました。

ドイツのボンで26日開かれた「国際再生可能エネルギー機関」の設立総会には120か国余りが出席しました。国際再生可能エネルギー機関は、地球温暖化対策に加え、世界的な金融危機の影響が広がるなか、新たな雇用を生み出す分野としても注目される風力や太陽光といった再生可能エネルギーを拡大させていくことを目的に設立されたもので、各国での普及を後押しする政策の提案や途上国への技術移転に取り組みます。

設立総会では、ドイツやフランスといったヨーロッパ諸国に加え、発展途上国も条約に署名し、あわせて75か国が加盟することになりました。しかし、日本がIEA・国際エネルギー機関などとの役割の違いが明確でないなどとして加盟を見合わせたほか、中国やアメリカなども会合には出席はしたものの、加盟はしませんでした。それでも加盟した各国の間では、温暖化対策に積極的なオバマ政権に代わったアメリカが今後、加盟することへの期待は高く、新たな国際機関が、再生可能エネルギーの利用拡大に向けた各国の協調した取り組みにつながるかが注目されます。

【ここまで切抜・貼付】

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2009年1月26日 (月)

【切抜・貼付】ジェラルド・カーチス氏の提示するオバマ政権への視点

先週水曜のNHK「視点・論点」より(NHK解説委員室のページから)。知日派で米政治地図でははっきりリベラル派のカーチス氏も、アメリカが戦争を始めるとたいてい「戦争支持」なのでいつも信用できるわけではないが、ここでは日本政治も視野に入れながらオバマ政権のどこに注目していくべきか極めてコンパクトに、過不足無く提示している。

日米関係において「継続」がキーワードであるということは、基地負担の軽減などで目覚ましい進展は期待できそうにないということで残念だが、日本も本格的な政権交代を準備すべき時期なので、相手の出方がある程度読みやすいということはメリットだろう。

「国民との対話」というところは大事で、民主党の若手は「オバマはインターネットの利用が巧みだ」などと微妙にずれたことを言っていないで、ここでカーチス氏が言うことを拳々服膺すべきであろう。

【以下、NHKページより切抜・貼付】

2009年01月21日 (水)
視点・論点 「オバマ大統領に期待するもの」
コロンビア大学教授 ジェラルド・カーティス

 オバマ新大統領、その就任にあたって、この番組の短い時間の間に、5つのテーマについて、お話をしたいと思います。

 今、言うまでもないことなんですが、オバマさんがアメリカの初めての黒人大統領であるということは、アメリカの歴史のもう劇的な出来事であります。ただですね、彼が大統領になったより重要な意義があります。それは、オバマさんは他のほとんどの政治家に見られない魅力と強さがあるということであります。

 感情的にならない、ナショナリズムを煽ることもなく、国民に絶えず顔を向けて、冷静に丁寧にわかりやすく厳しい現状を説明して、どういう政策が今アメリカにとって、必要であるかということを、納得させる努力をして、説得をする。その才能を持っているのは、彼のリーダーとしての素晴らしさであると思います。

 オバマさんがインターネットを使いこなしている。このことに大変関心を持って、これは日本の政治家にとっての、重要なモデルであると思う日本の政治家は結構多いですが、これは言ってみれば、二の次の問題であります。

 一番参考にすべきことは、難しい話をわかりやすくしゃべって、自分が官僚以上の知識があるということを見せる必要がなくて、国民と直接に対話をして、国民に大きな希望、期待、それを持たせるのがオバマさんに見習うというか、参考にするべきところであると思います。

 いずれにしても、オバマ大統領は説得する政治の名人であります。日本にもそういう政治家が望まれていると思います。

 2番目の点です。オバマ大統領が成功するかしないか、それを決めるひとつの大きな要因は、どれほど、議会対策がうまくいくかということであります。アメリカの上院議員は100人います。オバマ大統領の民主党がその過半数を持っています。ですが、まあ日本でいう安定過半数、それを持っていません。安定過半数になるためには、60人の議員が必要なんです。民主党は今のところ、57名、1人か2人まだ決まってないんですが、60人になれません。そうしたら、野党の共和党が、いわゆる審議妨害、フィリバスターって言いますが、それができるのであります。

 オバマさんは共和党との妥協をして、支持を得ざるを得ない。それに日本とか、他の議会制の国々と違って、アメリカの三権分離は非常に極度にはっきりしています。民主党が過半数を持っても、それでオバマ大統領の望むとおりには、必ずしもなりません。

 先日、上院議員、民主党のリーダー、リード院内総務は、わざわざ“I don’t Work for Barack Obama.” オバマ大統領の下で働いてません。要するに上院議員のリーダーとして対等な立場で協力をする。

 大統領が議会を説得する、その必要があるので、オバマさんはこの対議会政策、まあ議会の対策、これの重要性を十分わかっているので、議会での経験のある人を多く、たくさん閣僚、アドバイザーにしています。

 バイデン副大統領、クリントン国務長官、ダシュル厚生大臣などが、エマニュエル・チーフスタッフ、ホワイトハウスの一番上の人が、みんな議会での経験を持っている人たちであります。いずれにしても、これからのアメリカの政治をご覧になった場合、オバマさんが議会とどのぐらいうまくやってるかということを注目すべきことであると思います。

 3番目の点です。政府を小さくすれば、官僚の人数を少なくすれば、経済はよくなる、金持ちがより金持ちになれるような政策をとれば、国全体はよくなる。いわゆるトリクルダウン理論で考えたレーガン、サッチャー、そのイデオロギーの時代が終わったと言えると思います。

 今後は小さな政府か大きな政府、そういう議論ではなくて、適切な仕事、必要な仕事をする政府をどういうふうに構築するか、それが21世紀の行政改革のポイントであると思います。昨日のオバマさんの就任演説の中にも、大きな政府は求めていない、ただ、必要なことをする政府、これを作らなければならない。政府にしかできない役割があるということを、オバマ大統領が肯定的に考えているということであります。

 4番目の点です。8000億ドル、1兆ドルに近い財政出動、やりますけれども、それがどんなに国家的になっても、アメリカの経済が再生をしても、この金融危機、実体経済の大不況に陥ったアメリカの政治・経済・文化、そのものが大きく変わるということです。

 アメリカ人の過剰消費の上に立っている、世界の経済構造を大きく変えないといけません。その過程において、世界が保護主義的な方向に動かないように,新たな国際協調、国際協力が必要であります。

 最後ですが、オバマさんにおいての日米関係のキーワードは継続であります。大きな変化はない。日本との関係の重要性を十分認識しています。問題は、日本のほうからどれほど積極的な日米関係、あるいは、世界のいろんな問題について、提案や新しい新鮮なアイディアが出てくるかということであります。オバマ政権が日本に対して何を求めているのかと考えるよりも、オバマ政権に対して、日本が何を望むべきか、そういう議論がもっとあっていいと、私は思ってます。

 説得する政治、議会対策、適切な仕事をする政府、経済構造の改革、日米関係の強化、これらがオバマ政権のテーマであると同時に、日本のテーマでもあります。

 アメリカ人が今、大変な希望と期待を抱いて、オバマ政権を歓迎しています。
 1日も早く、日本も有権者がこのような希望と期待を持てるようになってほしいと,私は思います。

【切抜・貼付ここまで】

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2009年1月25日 (日)

映画『誰も守ってくれない』

午後、新宿ピカデリーで『誰も守ってくれない』。報道と人権、時に牙をむくネット・メディアを背景に描かれるドラマだが、主演の佐藤浩市氏の魅力、テーマの時代性、スピード感のある構成、演出と実に素晴らしい映画だと思った。

人を苦しめる「悪」は凶悪な意思を持った特殊な人や、権力の上の方から人々に降りかかるとは限らない。おもしろ半分だったり、「善意」からくる「横の圧力」というか、空気読めの「空気」に類するものも恐ろしい力を発揮することがある。メディアがそれを無反省に増幅してはならないということがこの映画の作り手の論点の一つなのだろう。

具体的には、最近「被害者の人権」ということがようやく注目されるようになった反面、振り子が振れすぎたように加害者の周辺の「人権」がないがしろにされるようになってはいないかという問題提起がなされているのだと思う。

実は、このまえの戦争だって、多くの人が敗戦後に「騙された」と言い、中国政府が「日本人民も被害者」というのとは違って、南京など中国の都市が陥落するとちょうちん持って行列し、自由主義者や共産主義シンパをよってたかって叩いた議会人、マスコミ、そして一般の人々が作り出した「横の圧力」に政党や支配層、軍部が迎合したり、それに便乗したりして引き起こされたという側面があるのだと思う。「郵政選挙」に幻惑されて、自民党に投票した人もやはり反省が必要なのだ。

しかし、小倉智明さんの推薦、昨夜のテレビドラマ『誰も守れない』にすっかり乗せられて出かけた訳だが、ストーリーの展開に引き込まれ堪能した。映画の最後のところもとても良い。僕もずいぶんたくさん「忘れ物」をしているに違いないと思う‥。

『誰も守ってくれない』『おくりびと』『K-20 怪人二十面相伝』など、あまりたびたび劇場に足を運ぶ方ではないが、最近見た日本映画はどれも素晴らしいものばかりである。今日の新宿ピカデリーでも』『おくりびと』『K-20 怪人二十面相伝』に「チケット完売」の館内放送が流れていたが、わが国の文化、表現の分野はなかなかの水準を示していると思う。それなのに政治・行政の中枢のていたらくはとも思うが、まあ、これも夜明け前の暗闇と考えたい。

それにしても佐藤浩市さんはいいなあ。家人はモッくんの方が贔屓のようだけれども、佐藤浩市さん、『風のガーデン』(フジデレビ2008年)の中井貴一さんなど、自分と同年配のいい役者さんたちのいい演技に触れることができるのはたいへん嬉しい。しかしわが頭髪の寂しさに比べ、佐藤浩市氏のフサフサした髪はうらやましいなあ。

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2009年1月24日 (土)

自民党・古賀誠代議士の「定数削減」「歳費3割カット」発言の意味

古賀氏の発言を故・伊藤昌哉氏風に【翻訳】してみると次のようなことだろう。

「俺も選挙が危ないし、自民党はピンチだ。この際、目立った発言をしてメディアと有権者を幻惑する必要がある。そこでまず国会議員の『定数削減』と言えば賛成する人が多いので、『自民党とか古賀もいいこと言っている』と思わせ、焦点になっている問題から目をそらすことが出来る。まさか実現するはずはないが、もし話が実現の方向にころがっていけば、選挙区をいじるのはたいへんなので必ず『まずは比例代表を減らせ』ということになり、野党の分裂を誘える。もし実現してしまっても、減るのは共産党や社民党で自民党ではない」。

「『歳費3割削減』というのも目立つからいいぞ。俺も含めて本気で賛成する者はいないし、高級官僚などの給料にも連動する話なのでできっこない。もし万一実現しても、相対的には歳費に頼る割合の多い共産党や社民党の受けるダメージが大きい」。

こんなところではないか。

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冷泉彰彦氏の「日米通貨統合」論

在米の作家・冷泉彰彦氏のメールマガジンの『from 911/USAレポート』の1月24日号が「日米通貨統合」について論じている。

就任式に臨むオバマ大統領の様子についての感想、自動車ビッグスリーの今後の見通しなど「なるほど」「参考になるなあ」と読み進めていたが、話が「通貨統合」に至ってちょっと面食らった。

冷泉氏の豊富な知識と情勢判断の導いた結論であり、頭から否定すべきではないかもしれないが、現段階での森田の感想はやはり「オバマ政権のアメリカが相手なら考えられないではないが、いつかまたこの事態が収まった後で、アメリカの政権が再びブッシュ・チェイニー政権のようなトンチンカンな政権になる時が来る可能性は充分にある。ふたたびフリードマンのような議論が横行する時期が来るかも知れないということを考えると、通貨統合を通じて日米経済を一体化し、日本の経済政策のフリーハンドを放棄してしまうようなことには躊躇せざるを得ない」というものだ。

冷泉氏のことだから、森田のような感想が出てくることは百も承知で切迫感を持って提言しておられるのだろう。よく研究しておきたい。

末尾に日米の映画『おくりびと』と『ベンジャミン・バトン』に共通するものが論じられている。

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就任演説への関心つづく日本、報道官会見に容赦のないアメリカ

昨日付『毎日新聞』は前日の予告通り、米オバマ大統領の就任演説全文の英語テキストを小さな活字ながら掲載した。WEB版に英文を掲載していた『朝日新聞』も今日付で英文、日本語の対訳を掲載している。

演説当日の放送は、同時通訳音声がうるさかったという声も多かったようで、今夜遅くのNHK総合テレビでは字幕付き原音声で演説の再放送をするようだ。

派手な演説ではなかったことは広く知れ渡っているので、メディアがこうしたニーズがあると判断した背景には、あのスピーチのメッセージをしっかり受け止めたいという意識を持った人々が多いという判断があるのだろう。

グアンタナモ基地閉鎖のことにしても、政府高官の倫理や情報公開にかわることも、あるいは中絶やES細胞に関わるニュースを聞いても、オバマ政権が、前の政権の極端な「右」の路線を是正する姿勢を的確にスピーディーに打ち出している。

1993年のクリントン政権の滑り出しにも期待したが、あの時はベアード女史の司法長官指名断念でつまずいたり、軍における同性愛といった政権全体の課題にとって本質的には重要度が高くない問題に注目を集めてしまったり、またオバマ政権と同様に医療保険改革に意欲を示しながら、あの時は布陣を見ても運び方を見ても議会対策に配慮が不足したりしていた。今回はここまで、たいへん良い出来映えだ。

それにしても、アメリカジャーナリズム魂は日本よりはるかにましなようだ。大統領報道官のは最初の会見から容赦ない厳しい質問を浴びているという。当然のこととはいえ、主流メディアの記者たちがすっかり霞ヶ関と財界に飼い慣らされた日本メディアの報道に接しているわれわれからするとうらやましい話だ。

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2009年1月23日 (金)

チェ・ゲバラの見たヒロシマ テレビ朝日「報道ステーション」の放送予告

新聞テレビ欄を見ていたら、今夜のテレビ朝日『報道ステーション』が50年前のチェ・ゲバラの来日と広島訪問を取り上げるようだ。

キューバの革命政権成立後に来日したゲバラは、受け入れ側が広島訪問をセットしないのに対し、「やはり行ってみたい」とある夜(外務省や警察を出し抜いて?)同行の若者と二人で汽車に乗り広島に向かった。以前、NHK-BS1の『今日の世界』でこの時同行した男性のインタビューも含めてこういった話だったと思うが紹介していた。

わが国の近代の歴史を考えるとき、「侵略への反省」と「軍による政治の壟断の総括」を決して外してはならないが、同時に広島・長崎が人類初の「限定」核攻撃を受けたことがあるという体験に基づき、核兵器が使われたらいったいどういうことが起こるか、その真実を世界に発信し続けることが日本人にとって世界史的、人類史的な使命だと思う。

ゲバラの広島訪問は、この人間的魅力に溢れる革命家の人物像を知るよいエピソードであると思うし、ゲバラに注目が集まる今、またブッシュ政権の退場が核の脅威を削減する方向に大きく役立つことが期待されているこの時期に、この話題を取り上げる『報道ステーション』のセンスを支持したい。

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2009年1月22日 (木)

「民主は早期に政権構想を示せ」-19日付『毎日新聞』社説に同感

先週の日曜日には、自民党と民主党の党大会が珍しく同日に開かれた。これを取り上げた『毎日新聞』の2009年1月19日付社説は、「民主は早期に政権構想を示せ」と題し「仮に選挙の直前まで出し惜しみをするのであれば、共感は広がるまい」と書いている。同感だ。

小沢党首も、菅都連会長も候補者の地道な運動が重要であることを熟知している。それはたいへん結構なのだが「政策面では自民党は壊滅状態で、こちらの面では放っておいてもだいじょうぶ」と考えているのでは有権者は付いてこないのではないか。

逆に突っ込まれるのが心配なのかもしれないが、迷走・麻生政権に対する有権者の不満は、昨年末にハローワークを視察した麻生氏が求職者に説教した場面を取り上げた川柳「あなたこそ何をしたいかわからない」というところが一つの焦点だと思う。

雇用・労働、環境含めた産業政策、教育など課題はある程度はっきりしている。アメリカがオバマ新政権の下で転換する方向もかなりはっきり見えていて、一方、自民党はブッシュ・チェイニー路線に追随した路線からの脱却ができずにいる。

風は吹いてきているのだから、今こそ大きく旗を掲げ、メリハリ効かせて「わが国も民主党政権の下で、これこれのチェンジを実現する」というメッセージを打ち出して欲しい。

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【切り抜き】凍てつくデラウエア河畔にて-オバマ大統領就任演説の絵解き(毎日新聞コラム「余録」より)

オバマ大統領の就任演説の中で、建国の父たちが独立戦争時にピンチに立ったときの話が出てきたが、アメリカの故事に詳しくないので知らない話だった。『毎日新聞』の今日付1面のコラム「余録」にその紹介があったので切り抜き・貼り付け。

岩見隆夫氏が、イージス艦の事故の際に「どの新聞のコラムも、イージスの語源であるギリシア神話に触れていた」と無個性化を嘆いていたが、あの時も「余録」の取り上げ方は他紙と比べて深かったと思う。現在の各紙のコラムの中では、歴史、古典についての知識、引用の適切さにおいて『毎日』の「余録」子が断然優れていると思う。

【以下、2009年1月22日付『毎日新聞』より切り抜き、貼り付け】

余録:厳寒の中の希望

 ドイツ人はクリスマスにはビールを飲んでバカ騒ぎするだろう--こんな見通しなしには米国は独立できなかったかもしれない。独立戦争で英軍に圧迫されたワシントン率いる大陸(たいりく)軍は、英軍のドイツ人傭兵(ようへい)部隊をクリスマスに急襲して形勢挽回(ばんかい)した

▲直前の大陸軍は相次ぐ敗軍で数千まで兵を減らし、凍りつくデラウェア川の岸で野営した兵の中には靴すらない者もいた。歴史的奇襲の2日前、そこにいたある男はたき火の光の中でこう記した。「今こそ人間の魂にとっての試練の時だ」

▲男は「コモン・センス」の著者トマス・ペイン、この時に書かれた「危機」という文章は大陸軍将兵を鼓舞し、独立戦争の勝利に貢献した。米独立革命史の泣かせどころといえるこの場面は、米国の苦難の時代には繰り返し思い起こされる

▲だからオバマ新大統領が、その「危機」を引用して国民を鼓舞したのは、困難な時代の米国リーダーの正道だろう。「未来の世界で語られるようにしよう--厳寒の中、希望と美徳しか生き残れなかった時、共通の脅威にさらされた都市や地方は進み出て、共に立ち上がったと」

▲華麗な言葉のアクロバットを期待する声もあった就任演説である。だが耳に残ったのは国民に正面から現状の厳しさを説き、米国再生への「責任」を共に担うよう求める堅実な言葉だ。そこには過熱気味だった期待を冷却する狙いもあろう

▲仏思想家トクビルは建国間もない米国人を見て「欠点を自ら矯正する力」を見抜いた。行き詰まった政治の大胆な路線転換も、建国の理想を再活性化することで可能となる米国の文明だ。その21世紀版は今、黒人大統領が扉を開いた。

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”The party's over, and now the hard part”

小雨が続く。いつもは歩く代々木上原までの区間、小田急線に乗る。激しい混雑に、これではかぜもすぐ流行ると思う。

昨日、今日、オバマ大統領就任を報じるフロントページが気に入れば額に入れてポスターにしようと『インターナショナル・ヘラルド・トリビューン』を買うが、昨日の写真はしめ切りの関係で軍関係の慈善事業に顔を出した際に白人の赤ん坊を抱くオバマ夫妻の写真と、モールに向かう人々でごった返す夜明け前の首都の様子の2葉。

今日にいたっては”The party's over, and now the hard part”という見出しは良いが、なんとも間の抜けた舞踏会の写真だ。時差の関係で写真が差し代わったヨーロッパ版の執務室の写真の方がいいなあ。

もっとも、写真の選択には編集者の意図が明確に反映されていると考えるべきで「トリビューンも倒産で、気分がショボくなっているのか」などと言っていないで、中味をよく読んでみよう。

「ポスター」には昨年11月6日付1面の当選を喜ぶシカゴ集会でのオバマファミリーの写真を使った紙面で作ることにしよう。

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2009年1月21日 (水)

オバマ大統領就任演説に対する米ABCステファノプロス記者の感想

米ABC「ワールドニュース」におけるジョージ・ステファノプロス記者の感想書きとめ。対話の相手はチャールズ・ギブソン記者、NHK-BS1の録画音声から。

 ギブソン記者 スピーチを聴きますと、私自身感動しましたのは、現在の問題がいかに特別なものであるかについて触れたことと共に、根底にある幅広いテーマに何度も立ち返っていたことです。
 ステファノプロス記者 「責任」、それから「奉仕」ですね。こうしていられるのも先人の犠牲があったからと言っていました。しかし本当に、われわれに気合いを入れるスピーチだったと思います。この若い大統領は国民の肩を揺さぶって「目を覚ませ」と言っているようでした。やることが沢山あるのだと。
 『聖書』の中から引用したのは「コリント人への第1の手紙」です。「子どものようなことはもう止めるべきである」というくだりを引用しました。彼は「私たちが伝統に則ってやっていけば問題も乗り越えられる」と言ったんです。 
 ギブソン記者 そしてブッシュ大統領については、スピーチの中で彼に対して厳しいことばもありましたね。
 ステファノプロス 政権移行はスムーズにいきましたが、スピーチは厳しいところがありました。「ひとりよがりの時代の終わり」「狭い利害を守るのは終わり」とも言いました。これは非難のことばです。ブッシュ大統領の時代に対する非難です。「再び世界でリーダーにならなければならない」と。そのように言ったわけです。 
  ギブソン (中略)われわれ皆に呼びかける、「つらい日々が待っている」ということを伝えるスピーチでした。

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オバマ大統領の就任演説

オバマ大統領の就任演説は、控えめのトーンで言うべきことを言った良い演説だった。

高3の息子が学校行事の「寒稽古(剣道)」とのことで、いつもより早い5時半起き。就任式を終えたオバマ大統領のパレードは開始が一時間ほど遅れたようでスタートしたところだった。就任演説の録画を見る前に『朝日新聞』掲載の「要旨」に目を通す。

目にとまったのは、おしまいの方の「新たな責任の時代」というキーワードを導く部分の「挑戦は新たなものかもしれない。だが、私たちの成否を左右するのは昔と変わらぬ勤労と誠実さであり、勇気と公正さであり、忍耐と好奇心であり、忠誠と愛国心である。これが真理だ。私たちの歴史を通じて、前進の静かな力となってきた。求められているのは、こうした真理に立ち戻ることである。今、私たちに求められているのは、新たな責任の時代である」という部分だ。

いつも森田とは感覚が違うなあと思っているNHK-BS1の高橋弘行キャスターもこの部分を真っ先にピックアップしていた。いい意味での伝統主義であり、とっても「まとも」な印象を与える原稿だ。結論としても正しく、同時にニューヨークやロサンゼルスのリベラル派ばかりでなく、レッドステートの保守的な価値観の人々にも団結をうながす政治的なメッセージにもなっている。

録画しておいたNHK-BS1の未明の中継を見る。「共助」の呼びかけ、イスラムとの関係構築に踏み込んだ国際協調主義も期待通りではあるが特異に目立ったフレーズはなく、「ついに黒人がトップに立った」といったはしゃいだ部分は全くない、ある意味地味な演説だ。

しかし、派手にする必要はもともと無かった。オバマ氏があそこに立ったことが、ある意味全てを語り尽くしていたからだ。

そうは言っても、森田と高橋キャスターの目に引っかかったあの部分。ひょっとしてスピーチライターの原稿にオバマ氏が書き込んだ部分なのかしら。それとも27歳とかいう「天才スピーチライター」の仕事なのかしら。ちょっと気になる‥

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2009年1月20日 (火)

加藤紘一政権誕生-中国紙が内田樹説をキャリー

たまたま、中国の南方新闻网というWEBページのこんなページが目にとまった。 広東省の方の新聞だろうか?

自民党内出现串联 派阀活动频繁  2009年01月15日10:54   南方新闻网

その最後にこんなことが書いてある。

 《朝日时代》是日本最有影响力的周刊,1月12日那一期的第一页,刊登了日本最著名的思想家、政治观察家内田树的一段预言:“麻生太郎首相会再一次因为大嘴引发事件。自民党内部开始倒阁,麻生切腹(日语中意为‘辞职’)。作为看守内阁,政治家与谢野馨登场,他决定解散众议院实行大选,结果自民党大败。乱世之人小泽一郎登场,经过一番较量后,小泽推举加藤纮一出任首相,大民主党加藤政权诞生。”

中国語なので定かにはわからないが、内田樹氏が日本の雑誌に「麻生首相が大口を叩いたのがもとで引きずり下ろされ、与謝野選挙管理内閣の下で解散。自民党は大敗し、小沢一郎氏が加藤紘一氏を推し『大民主党加藤政権』ができる」といった予測を述べたということだろうか。

かつて村山富市・自社さ政権ができた年のはじめに、その政権の誕生を予測した人はたぶん一人もいなかっただろうことに比べると、若干の蓋然性があるような気がする。変な右翼の新首相よりはずっといいと思うが、できれぱいま自民党にいる人など一人も参加しない新政権の方がいい。

やっぱり中国記者は加藤氏に親近感があるのだろうか。それはそれで悪いことではない。あるいは加藤さん自身がウワサを流しているのかな?

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メディアは小泉純一郎氏に、なぜ「訊くべきこと」を訊かないのか

最近はっきりしたことがいくつかある。ひとつは「イラク戦争は間違った戦争だった」ことである。したがって小泉首相の「イラク戦争支持表明」の決断も間違いだった。

「投資銀行」といつたものが跋扈する、規制を骨抜きにした自由経済の推進や、高額所得者の税負担を軽減し、小さな政府のスローガンや「国際競争力」を錦の御旗にした社会保障軽視、労働者の権利軽視の政策が今日の状況をより深刻なものにしていることもはっきりしている。すなわち「小泉改革」なるものの骨格もまちがいだったのだ。

国民の多くは、小泉首相がこうしたことについてどう考えているのか。国民に謝罪するつもりがあるのか、そうしたことには頬かむりしたまま息子に地盤を世襲させようとしているのか、聞きたいと思っている。

ところが、そんなインタビューはテレビでも新聞でもお目にかかれない。インタビューの申し込みさえしていないのか?事務所に断られればそれで引き下がるのか?

それでご本人は呑気に党内政局の会合に顔を出して言いたい放題。それをメディアは有り難がって大放送しているではないか。

マスメディアには、国民に代わって小泉氏に問い糾すべきを問い糾す使命があると考えるのは森田だけではあるまい。

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「消費税引き上げ2011年明記反対」の朝三暮四、偽装騒動にだまされてはいけない

昨夜NHKテレビのニュースをたまたま見たら、山本一太議員が口角泡を飛ばして消費税の「2011年引き上げ明記は景気に負のアナウンス効果が大きい、断固反対」と騒いでいた。今日あたりは小泉純一郎氏も吠えているらしい。

奴らはまたいいテーマを見つけたな。本当に大事な問題は「必要な施策は何で、それは実行されているのか」「財源はどのように確保するのが公正か。その景気への影響をどう考えるか」という、全体を見通した話なのに、「2011年明記に反対」という、部分的な話に矮小化しているのだ。

もちろん、麻生首相も小泉元首相が「郵政」というどうでもいいテーマをフレームアップすることで政局を作り出したのをまねて、「消費税引き上げ」で耳目を集めるとともに財務官僚、また「消費税の地方配分増」をねらう旧自治官僚に乗せられているのか、媚びを売ろうとしているのが見え見えだ。

しかし、本筋の財政論に対して極論すればほとんど意味のない「2011年明記」を争点化すれば、おそらくメディアの大半は山本一太や小泉純一郎の方を支持するすることになる。彼らとしてはテレビに出る機会が多くなり、自分や息子の選挙に有利に働くだろう。選挙後に、その必要があれば自民党を裏切って、民主党政権に参加することに、何となく説得力をもたらすこともできるというつもりだろう。

メディアは「偽の争点」のフレームアップに荷担して「自民党にもいい人はいる」といった誤ったイメージを振りまいてはならない。国民も、山本氏や小泉氏の言うとおりにすれば、福祉の充実した、中低所得者の保険料や医療費までも含めた負担の軽い国になるのか、よく考えるべきだ。二度だまされるのは本当のバカと言われても仕方がないだろう。

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2009年1月19日 (月)

映画「プライド」-楽しい映画です

18日(日)新宿バルト9へ出かけ「プライド」を観る。満島ひかりさんは期待どおり。ステファニーさんとのデュエットは小倉智昭さんが「ハマった」というだけのことはある。

むかし故オーマンディーがコンチェルトの指揮の名人と言われたり、あるいは指揮者のサバリッシュ氏がリートの伴奏を好み、その映像に触れるとなるほどと思わせたことでもわかるように、「合わせもの」には音楽全体を見通す力、相手を引き立てる呼吸、引き立てることでワザを見せるという要素があり、なかなか誰にでもというわけにはいかない。満島さんは才能の片鱗を見せていた。

まあ、音楽にはもともとかなりの程度「対話」の要素があるわけだ。

オペラアリアの口バクも、ステファニーさんより満島さんの方がずっと良かった。『ジヤンニスキッキ』の「私のお父さん」など、少なくともイタリア語のテキストの発音をしっかり練習していた感じがしたし、『のだめカンタービレ』で必ずしもクラシックファンでない人にもいちだんと広く親しまれるようになった『魔笛』の夜の女王のアリアも、振り付けになかなか工夫があった。

これは小柄な満島さんが歌うには「堂々、迫力」という振り付けより、感情を強く出しながらも神経質な感じといういきかたが成功で、声を当てている歌手の方もいい意味で軽めの歌唱-例えばナタリー・デッセーが歌ったときのような感じでよく俳優・演技とあっていた。ここにも座布団一枚。

さて、キムラ緑子さん演じる鬼母の迫力はさすが素晴らしく、これと対決する満島さんも演技力では大人と子どもだったかもしれないけれども、肝が座って一歩も引かないところはやはり「小さな大器」。沖縄アクターズスクールのメソッド・一対一の「ダンス対決」から築き上げてきたものなのだろう。

それにしてもジョン・カビラさんが出てきたのには驚いた。敬愛の気持ちを込めて「下手くそ!」と声をかけたかったけれども、しかしさすがに「声」だけに耳を傾けていると「ラジオドラマ」としては完璧だった。もっとも、素晴らしいんだけれどもいつ映画を見に行っても由紀さおりさんや高島礼子さんが出ているなあというのも困りものなので、最近はコンピューター化されているらしいキャスティングは、データベースからもっと幅を広げたり、深めたりする必要があるのか。ジョンさん起用もそういう努力の一環なんでしょうか

若き作曲家を演じる青年がとてもよい感じで、渡辺謙さんを30若くしたようだなと思って観ていたら渡辺大さんという謙さんの倅さんだそうだ。これは成長株。エンディングロールに黒川智花さんの名を見つけ「どこに出ていたかなあ?」とよく考えようやく思い至って吹き出してしまった。なかなかやるなあ。

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「ジュリー祭り」-9条の会は沢田研二氏を加藤周一氏に代わる発起人に要請すべし

17日土曜の夕刻は茶沢通りの代沢小そばの兄弟(?)でやってる魚屋さんに切ってもらったブリなどの刺身と、並びの伊勢屋さんで買った日本酒、いも焼酎で過ごしながら昨年12月28日にNHKハイビジョンで放送された「ジュリー祭り」1時間半を堪能。

グループサウンズ時代は子どもだったし、「TOKIO」くらいから後はテレビでもあまり見かけないなあと思っていたわけだけれども、還暦でコンサート当日は80曲を歌い続け、走り続けたというエネルギー、たぶん他の人には絶対に似合わない純白の酋長スタイル、特に「声」の輝きが一向に衰えないことにただただ脱帽。

「窮状」というネタについては、ご本人もハッキリ発言されているわけだし、亡くなった加藤周一氏の後任の発起人を沢田さんにお願いすべきではないだろうか。

チュッチュルッ、チュッチュルッ‥

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2009年1月16日 (金)

マーク・トウェイン曰く「アダムは幸せだった。なぜなら姑がいなかったから」

昨日NHK・BS1で見た米ABCのニュースが、オバマ大統領のミシェル夫人の母親であるマリアン・ロビンソンさんも大統領一家と一緒にホワイトハウスに住むというニュースを報じる中で、記者が「マーク・トウェインはいいました。アダムは幸せだった。姑がいなかったから」というジョークを枕にしていた。

そんな冗談が出るのは、アメリカにおいては「妻の母」の存在が、日本や韓国の「夫の母」とある意味共通して大きなもの(煙たい存在?)だからなのかなあと思ったりする。そう言えば、『奥様は魔女』でもサマンサのお母さんの存在感は結構大きかった。

キャンペーン中も、大統領の二人の娘の面倒は大きな部分祖母が見ていたようだし、実はジョークと違って、両親との縁がある意味薄かったオバマ大統領と義母との心の結びつきには強いものがあるらしい。

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ミリバンド英外相も「テロとの戦い」という用語批判

イギリスのミリバンド外相が『ガーディアン』への寄稿で「テロとの戦い」という用語は間違っていると批判したと報じられた。

ミリバンド外相は労働党でもブレア前首相寄りで、中道のブラウン首相が世界金融危機で存在感を回復する前に支持率が低迷していた時期に、自らへの党首交代を目指して動くのではないかと言われたブラウン首相にとって目の上のタンコブ「ふたりのデイビット」の一人(もう一人はデイビット・キャメロン保守党党首)だ。

ミリバンド氏は南オセチアでのグルジアの武力行使に端を発したロシアのグルジア本土侵攻の当時、ポーランドに乗り込んでロシアに対する強硬勢をアピールするなど、もともとは「タカ派」であり、ブラウン首相がブレア前首相よりも軍縮問題などに熱心で、経済政策も社会民主主義色が強いのを「右」から批判するポジションをとっていた人で、まあ言ってみればイギリスの前原誠司氏のような人なのだが、そういう人でさえ「テロとの戦い」という用語の毒性を指摘せざる得なくなったわけだ。

テロの撲滅には、その温床となる経済・社会問題の解決が不可欠で、アフガニスタンやパキスタンの現状をみればそれは誰の目にも明らかだ。ブッシュ・チェイニー、また日本の自公政権のように「テロとの戦い」という一言で、戦争が一番だといった単純指向に陥ったり、何十年も積み重ねてきた安全保障をめぐる国会審議が生み出したものをすっ飛ばしてしまうなどというのはとんでもないことだ。

デイビットの語源は古代イスラエルのダビデ王だが、いまダビデ王の地で起こっている問題も含め、わが国にとって、できることは何か。為すべきことは何か真剣に考えるべきだ。

外務省や自民党政権をコントロールしてきた財界は「体裁を考えれば、自衛隊を出すのがいちばん安上がりで楽」などと考えているのだろう。次期政権党である民主党も外交面では「ソマリア海賊対策の海上自衛隊派遣」を強く主張している元外務官僚の田中均氏の影響力が非常に強いという。あそこだって、本当はソマリアの内政崩壊をそのままにしていては、何の問題解決にもならないのだ。

われわれも、目を覚まして、与野党や官界、財界をよく見張っていかなければ。

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「とくダネ!」の小倉さん、映画版『プライド』の満島(みつしま)ひかりさんを絶賛

今日のフジテレビ「とくダネ」のエンタメコーナー(9:30前後)で、小倉さんが一条ゆかり原作の映画『プライド』での満島ひかりさんの歌唱、意地悪なところも演じる演技を絶賛「この人は間違いなく伸びる」と言っていた。

この人は『ウルトラマン・マックス』で、エリーちゃんという人間の感情を解することは難しいアンドロイドの役をやっていて、それがあまりにもおかしく、可愛いので、息子と毎週楽しみに見ていた。

その後、NHK朝の連続テレビ小説『瞳』に出ていて、ここでの演技はもう少しゆったりめがいいかな、ちょっと物足りないなと思っていたが、ダンスがとてもうまいことを知った。そして調べてみると、『もののけ姫』の頃に息子と観に行った平成版『モスラ』第2作に出ていた子役だったという。

そう言われるとどこか他でも見たような気がして探してみると、さらにわが家の教育関係のビデオの山の中に、ずっと前に中山秀征氏や奈美悦子さんたちのタレントグルーブが沖縄アクターズスクールを訪ねるバラエティ番組のビデオがあり、そこでインタビューに答えている小学生は山田優さんだけれども、やっぱりダンスが頭抜けてセンス良く目を引く少女が満島さんのようだ。

オバマ大統領とか、小泉純一郎氏のことなど思い浮かべると、カリスマ性とか、人を引きつける魅力とは何なのだろうと考えるが、この人もそれを持っているケースとして注目していきたい。

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米旅客機、NYハドソン川に不時着水

起床して、ラジオ受信機でNHK総合のニュースの音声だけ聞きながら洗面所にいたら、ニュース速報を知らせる信号音が聞こえた。何かと思えばNYの旅客機が鳥の群れに突っ込みエンジンが停止し、不時着水というニュースだった。

1月20日の就任式の前の大惨事といったことにならず、オバマ新政権誕生にミソをつけなくて良かったと思う。しかも全員無事。今のアメリカの経済情勢と結びつけ、こっちも不時着直前のような状況だけれども、このニュースを聞いてギリギリのところで切り抜けることができるような気がしてきたという人もいるかも知れない。

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2009年1月15日 (木)

「日本の希望は女性にあり」と語る音楽評論家・吉田秀和氏(95)、作家・丸谷才一氏(83)

そろそろ新年に入っての新聞も縛って片づけようという方もあるかも知れないが、『朝日新聞』2009年1月1日付33面の音楽評論家・吉田秀和氏と作家・丸谷才一氏の対談はとても面白かったので、元旦の新聞など忙しくて読んでいないという方も抜き出しておいてあとでご覧になることをお薦めしたい。

なにしろ吉田さんは95歳だから、最近の経済・社会情勢がもたらしている雰囲気について、過去の経験を問われ「第一次大戦の後だから、小学校に入るか、入らない頃かな」と説き起こすスケールの大きな話にはじまり、かつて男性楽団員しかいなかったベルリンフィルに女性団員がたいへん増えたことなどにもふれながら「ぼくにとって日本の最大のホープは女性たち」と話を進めている。

丸谷さんも「文学だってそうじゃない?」と水を向けられ「そう、女の人がいいんですよ。川上弘美さん、高樹のぶ子さん、江国香織さん、まだまだ他にもいろいろ」と応じ、源氏物語を論じながら、人類史は初めの母系社会の後、父権的な時代が6000年続いているという説を紹介、源氏物語が広く読まれるようになっているというのは、6000年ぶりの転換期にあることがその背景にあるのではないかという、さらにスケールの大きい話を展開している。

コンビニで立ち読みした『週刊文春』の宮川隆義氏による総選挙獲得議席数予測の記事の中で同氏も、「卑弥呼現象」などということばを提唱し、日本の政治はめちゃくちゃだけれども、民主党を中心として女性議員が増えることで、倭国の大乱が卑弥呼の登場で収まったように、ようやく落ち着いてくるんじゃないかと言った話をしていたこととも符合するなあと思う。

対談の末尾で吉田さんは「僕、総理がこんなにしょっちゅう代わっているなら、男じゃなくたっていい。女性にやってほしいと思っている」と結論している。「今、新聞に名前が出ている誰それじゃないよ」というところも含めて大いに共感。

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2009年1月14日 (水)

冷え込み、ウクライナ経由欧州向けロシアのガスパイプライン

東京はあいかわらずたいへん良い天気だが、冷え込んだ。NHK「おはよう日本」のお天気担当・渕岡さんも屋外中継で「手袋では足りない」と暖かい飲み物のカップを持って登場していた。

ウクライナ経由欧州向けのパイプラインのガスの問題、「再開」と報じられていたのに足踏み。ロシアのお客さんと会う人のために「再開は良かった」と昨夕メモ書いて出していたので、個人的には大いに困る。全く、個人的にだけれども。

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2009年1月13日 (火)

大富豪、ウォーレン・バフェット氏、学生に大いに語る(2006年制作のテレビ番組)

連休明けもたいへんよい天気で富士山がよく見える。てっぺんの方に少し雲がかかっているようで、すこし近い地方では天気が悪くなると言うのではないかしら。

昨日見た米ABCの「ジスウィーク」に大統領就任を控えたオバマ氏がステファノプロス記者のインタビューに答えていて、「犬はいつ来るの?」という娘たちが調整室でスタッフに頼んだ質問にも応じていた。

「買ってくる」のではなく、「施設から引き取」という方針はとてもいいと思う。ただ犬種選びなどが「商務長官の人選より難しい」という自虐ネタにはちょっと驚いたけれども。

ラウンドテーブルで(あるいは他の番組だったか?)誰かが「オバマ氏の経済政策はだいじょうぶだろう。エコノミストや投資家や‥多数の助言者がついている」というのを耳にした息子が「投資家はまずいんじゃないか?」というので、発言者はウォーレン・バフェット氏のことを念頭に置いているものと思い、バフェット氏がビル・ゲイツ氏と二人でバフェット氏の母校ネブラスカ大学を訪ねて学生たちの質問に答えた2006年制作の米テレビ番組のビデオ(NHK-BS1「世界のドキュメンタリー」枠での放送を録画)を見せる。

森田もこの番組を見るまでパフェットなる人物のことを全く知らなかったが、たいへん愉快な、かなうことなら友だちになりたいような人だ。

大金持ちのバフェット氏は、それほど収入の多くなかった時期に3万ドルほどで買った家に今でも住み続けており、子どもたちは父親が有名になるのが遅かったので何の仕事をしているか知らずに育ったそうだ。ゲイツ氏が訪ねた時にはダイニングの椅子のシートが外れていて、バフェット氏はそれに気づいていなかったという‥

それで財産の99パーセントは慈善事業に寄付することになっており、子どもたちはそこそこの金持ちになる程度だと話していた。

学生へのアドバイスの一つは「人前でリラックスして話ができるようになることは役に立つ」ということであり、投資などの意思決定の原則にしていることの一つは「新聞の法則」というものだそうで、それはつまり自分たちの振るまいが翌日そのまま全て新聞に出たと仮定して、人々や家族にいやな感じを与えないかどうかよく考えるという原則だそうだ。

その一方で自分自身の「採点の基準」は、常に自分の中に持っておくことが大切で、人がなんと言うか、どう採点するかなんてことに振り回されていては自分の人生が実現できないという。あたりまえといえばあたりまえの話だが。

しかし、あたりまえのことがあたりまえでないのが現代のわれわれの問題であるので、バフェット氏には強い好感を抱いた。

番組中の白眉はある学生が「東欧などで成功している税率のフラット化をどう思うか」という質問に対し、明確に「反対だ」として、自分の若い頃の税負担、あるいは自分のために働いている秘書などの税負担と比べても、今の自分の税負担は軽すぎると話す。「私たちが言うと皮肉に聞こえるかも知れないが、税制は今すでにフラットすぎるのであり、累進課税を強化すべきだ」と述べ、ゲイツ氏も賛成していた。

さらにバフェット氏は「私などは、仮に所有株を担保に借金してそれを生活費に充てれば、税金を全然払わなくて済ますこともできる」と税制のカネ持ち優遇を批判する。つまり、おカネ儲けは大好きだけれども、社会的公正の実現ということにも同じぐらい情熱的なのだ。こういうアメリカ人は実に魅力がある。

この辺が、地方税課税の基準日に住所を外国に移して課税逃れをするような日本のエセ自由経済主義者と全く異なるところだ。わが息子も、アメリカ人にも「投資家」にも、いい人もいれば悪い人もいる。それはわが国を含めどの国のどのような職業の人についても同様だということについての理解を少し深めてくれたようだ。

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2009年1月 9日 (金)

学校で労働基準法など生きるための基礎知識を-NHK早川解説委員の意見に賛成

ここ2年ほどのことだろうか、年に何回かNHKの解説委員たちが一堂に会して、また視聴者の声も募ってあれこれ議論する「双方向解説・そこが知りたい」という番組がある。最近は昨年12月27日深夜から翌早朝にかけて、世界経済情勢や雇用や若者の状況などを含む話題での放送があった。

ながら視聴で録画を見ていたら、教育担当の早川信夫解説委員がある調査によると「若者の4割が労働基準法の内容を知らなかった」という数字を紹介し、例えば「非正規雇用でも休暇が取れるとか、残業代を請求できるといったことは学校でちゃんと教えるべきではないか」「キャリア教育というと、起業家養成など派手な話題に目がいくが、むしろ生きていくために必要な基礎知識をしっかり教えることが大切ではないか」と発言していた。

その通りだと思う。証券会社の人を学校に呼んで投資のゲームを習うというようなことをやっているところがあるようだが、労働組合の人や弁護士を呼んで、こうした基本的な社会のルール、それも生きていくために大切な知識を学べるようにすることが大切だと思う。公立学校教育の役割はますます大きい。

番組に話題を戻す。NHKの解説委員を集めても、あたりさわりのない話に終始すると思われるかも知れないが、このように教育担当解説委員が経済、社会の問題という文脈の中で意見を聞かせてくれたり、あるいは解説委員同士で出ているので、ある意味カッコつけたいという心理も働くのか、いつもより大きな構えでハッキリと意見を聞かせてもらえるので面白い。視聴率がどれくらい出ているか知らないが、ぜひ続けて欲しい番組だ。

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2009年1月 8日 (木)

ジョセフ・ナイ次期米駐日大使インタビュー(NHK「クローズアップ現代」2008年11月18日放送)

アメリカの次期駐日大使にジョセフ・ナイ氏が決まったと報じられている。良くも悪くも「チェンジ」よりも「クリントン政権からの継続」を印象づける人事で、予測がつきやすい反面、基地負担軽減問題などでは手強い相手ということになるだろう。

NHK「クローズアップ現代」は大統領選でオバマ氏が当選を決め、エマニュエル首席補佐官が決定した後というタイミングで、ナイ氏を衛星中継のゲストに招きインタビューしていた。「スタッフが駐日大使と予想して申し込んだのでは」などと言って見たが、そうだとすれば見事的中というわけだ。「クリントン政権からの継続」と言っても、ブッシュ政権からは大きなチェンジには違いないこと、端的に言ってたいへんまともな国際政治観を持った大使であることがこれからもわかる。

日本の政権(次期政権)も、外務省も、考え方・ロジックをちゃんと整理してかからないと、みっともないことになるのではないかと心配だ。

【以下、昨年11月18日19:30~放送の音声から】

 国谷キャスター 外交の面でオバマ次期大統領はどのような点に注意すべきでしょうか。
 ナイ・ハーバード大名誉教授 次期大統領はブッシュ大統領から負の遺産を引き継ぐことになります。数々の難問に対処しなければならないでしょう。イラク、イラン、アフガニスタン、パキスタン、それに北朝鮮の問題です。このうち一つでも状況が悪化すればオバマ氏の行動は大きく制限されます。その問題への対応に専念しなければならなくなるからです。
 ですから、現政権から引き継ぐ問題がこれ以上悪化しないよう注意を払わなければなりません。同時にブッシュ大統領の負の遺産にとらわれるだけでなく、新しい方向も示していかなければなりません。
 国谷 ブッシュ大統領は「先制攻撃も辞さない」といういわゆるブッシュドクトリンを掲げましたが、オバマ氏は世界におけるアメリカの役割をどう見ていると思われますか。
 ナイ オバマ氏もアメリカがリーダーシップをとるべきだと考えています。しかし、多国主義的な枠組みの中でのことです。アメリカは世界最大の国ですからそのリーダーシップは重要です。ブッシュ政権が間違っていたのは、一つの国だけでリーダーシップがとれると考えた点です。オバマ氏は同盟国や国際機関などと協調すべきだと繰り返し述べています。
 国谷 なぜブッシュ大統領はアメリカだけで世界を動かせると考えたのでしょうか。
 ナイ アメリカは唯一の軍事大国です。しかし経済面では世界はすでに多極化しています。また気候変動や国際テロ、感染症などの問題は一つの国で手に負えるものではありません。アメリカの一極支配を主張しても意味がないのです。ブッシュ政権の問題点はアメリカが軍事的に優位にあるからといって、他の問題にも全て対処できると考えたことです。21世紀における国家の力とはそれほど単純なものではないのです。
 国谷 教授は「アメリカはテロとの戦いという言い方をやめるべきだ」とおっしゃっていますがそれはなぜでしょうか。  
  ナイ それは多くのイスラム教徒にとって「イスラムとの戦い」を意味するように聞こえるからです。過激派はそれを利用して、一般のイスラム教徒に対して「イスラムを守るために一緒に戦おう」と誘うのです。
 私たちはいかなる組織であっても「テロという手法に訴えるものは必ず打ち負かす」という姿勢はとり続けるべきです。これは軍事力の問題ではなく、人の心や考え方の問題です。
  国谷 オバマ氏はイラクからの早期撤退を約束しています。その一方でアルカイダとタリバンについては、彼らが潜伏している山岳地域を捜索し「もっと効果的に戦う」としています。そうするとオバマ政権もこれまでと同様に、一国行動主義に走ったアメリカの傲慢の表れと見られるのではないでしょうか。
 ナイ アフガニスタンでアメリカはNATO(北大西洋条約機構)と共同歩調をとっています。そしてこれは国連に承認を受けた戦いでもあります。アフガニスタンに根拠地を置くアルカイダが行った攻撃が発端だったからです。ですからアフガニスタンにおける戦いは、イラクの場合と同じような一国行動主義とは言えないと思います。
 国谷 オバマ次期大統領はどんな方針で臨むべきでしょうか。
 ナイ 人々を支援する能力、人々の心を捉える能力が重要です。こうした能力を活かしながら、治安のための軍事的な能力を使っていくのです。アメリカはこれまで、特にイラクであまりにも軍事力だけに頼りすぎていました。地元の指導者たちとの協力は充分でなく、人々によりよい生活を提供すると説明することも疎かにしていました。しかし、こうしたソフトパワーによる取り組みこそが重要なのです。
 国谷 日本では、アメリカが北朝鮮に対する政策で日本の利益になるように動いてくれるのかどうか様々な意見があります。具体的には核問題と拉致被害者の問題についてです。オバマ政権が発足したら、北朝鮮にはどう対処していく方針とお考えですか。
 ナイ 北朝鮮の問題は六カ国協議の枠組みで対処すべきだと思います。この点では、オバマ政権はブッシュ政権を継承することになるでしょう。今後どうしていくかについては、東京・ワシントン・北京、それにソウルの緊密な協力が不可欠だと思います。日米の関係についていえば、日本が何も知らないうちに事態が動くことにならないようにすることです。また多くの日本人が拉致被害者について心配していることを、アメリカはきちんと考慮する必要があります。オバマ政権には、こうした問題にも配慮する細やかさがあると思います。
 国谷 アメリカが中国に接近していけば、日本は重視されなくなるのではないかという懸念が日本にはあります。その可能性をどうご覧になっていますか。
 ナイ 日本が重視されなくなるとは思いません。アメリカと日本は台頭しつつある中国を、責任ある国家として国際社会に取り込むために協力しなければなりません。アメリカ・日本・そして中国の良好な三角関係が東アジア安定のために重要です。この三角関係の全てが良好であることを私たちは望んでいます。
 ただ、忘れてならないのは、日本とアメリカは同盟関係にあるということです。三角関係の全てが友好を保つべきですが、日米は単なる友好国ではありません。同盟国でもあるのです。
 国谷 オバマ次期大統領は、ロシアのメドべージェフ大統領にどのように向き合っていくと思いますか。
 ナイ オバマ氏の当選後、メドベージェフ氏がアメリカに対して厳しい演説を行いました。しかし、オバマ氏は冷静でこれに反応しませんでした。するとメドベージェフ氏も最近になってより柔軟な発言をしてきています。ですから、今後はある時点で現実的なアプローチがあるでしょう。これについてはアメリカでも党派を超えて見解は一致しています。共和党の元国務長官のシュルツ氏と、キッシンジャー氏も、ロシアについての現実的なアプローチを提唱しています。
 国谷 いわゆる「新たな冷戦」はないということですか?
 ナイ 事態が悪化して「冷戦になる」ということはないでしょう。ゲーツ国防長官もこのように述べています。「冷戦は一回で充分だ」と。
       

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フジテレビ『とくダネ』、2003年派遣法改正時の報道を「検証」

昨日、1月7日(水)放送(8:00~)のフジテレビ『とくダネ』で、最近の深刻な雇用問題の原点は2003年、小泉改革の中で行われた派遣法改正であるという話をしていた。

その話の中味自体はあたりまえのことだが、ほーっと思ったのは当時の新聞各紙や、『とくダネ』自身がこの問題をどう扱っていたかという話しだった。

キャスターが当時の新聞縮刷のページを繰って調べているシーンがあり、当時は「派遣を製造業に広げる」というトンでもない法改正が成立した際の報道の扱いがたいへん小さなものだったことを紹介していた。

有事3法の成立と重なったこともあるものの、朝日新聞の記事などほとんどベタ記事のようなものだ。今日の問題を見越して明確に指摘していたのは毎日新聞だけだったようである。

このようなメディア自身の検証報道のようなものがもっと必要だ。ちなみに『とくダネ』自身についても「全く取り上げなかった」と潔く事実を伝えていたので、ここに書く気になった。もうすぐ放送開始10年という歴史の厚みがもたらした「番組徳」のようなものだ。

もっともその前日、6日の放送では「年越し派遣村」に集まった人々の中には、政治が悪い、社会が悪いというよりも「自分が悪かった」という視点を持っている人も多いということを他局に比べ強調し、『ニューズウィーク』日本版の辛気くさい編集長が新自由主義擁護全開のコメントをしたりしていたが。

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2009年1月 7日 (水)

麻生政権は米国にイスラエルを止めることを求めよ

毎日新聞の本日付社説二番手の見出しは「米国はイスラエルを止めよ」。核心を突いた、シンプルな良い見出しだ。

付言するならば「麻生政権は米国にイスラエルを止めることを求めよ」と言いたい。麻生さんは正月からオルメルト首相、パレスチナ政府のアッバス議長(ただし事実上の分裂でガザ地区には支配権が及ばない)に電話を入れて停戦を求めたことをマスコミにアピールしていた。

何もしないよりはうんといい。しかし「アメリカの同盟国」などと胸を張るならば-森田は同盟などという用語は条約に根拠がないと考えるが-、この状況で国連安保理の停戦決議さえユダヤ系の資金と票のために拒否権をちらつかせて阻止するアメリカのブッシュ大統領と、それを踏襲する恐れのあるオバマ次期大統領に対し、「おかしいじゃないか。ハマスにロケット弾テロ停止を求めるとともに、イスラエルにも停戦を求めるべきだ」と安保理の非常任理事国として強く求めるべきだ。そうすることはホワイトハウスや国務省がフリーハンドを確保することを支援することになり、結局はアメリカのためにもなるのだ。

それをしない、できない、考えたこともなかったというのでは「自民党、公明党、外務省はアメリカの犬か」と言われても仕方がないだろう。

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とくらさんのトラックバツク

とくらさんという方からトラックバックを送っていただく。「小泉、竹中路線の見直しは、労働者派遣法や医療制度改革等の政策的なものだけで終わってはならないと思います。政治家やマスコミだけでなく、国民ひとりひとりが、『小泉的なもの』全体について考えてみるべきだと思います」。その通りですね。選挙に出ておられる方なので、「多くの有権者が、自らの浅薄で論理を軽んずる、内なる小泉的なものを厳しく見つめ直し、心から反省すべきだ」という言い方はしておられないわけですが。

町のオバサンたちや、一部ワイドショーの発言に「小泉さんも、息子を後継者になんていうのはちょっとがっかり」というのがよく聞かれるようになったのは興味深い。オバサンたちは自ら反省するわけではなく、戦争が終わったときに無反省な人々が言ったという「騙された」というレトリックで自己正当化しよう面もあるあるわけだが、少なくとも「まずかったかな」という感覚は後継指名をきっかけにさらに広く共有されるようになった。

ドラマの主役を張ってきた小泉氏は、旧約聖書のサムソンやゲルマン神話のジークフリートのように、全てをぶちこわしにしてしまう自らの弱点を、運命に導かれるようにさらけだした。無意識のうちに、「自民党の黄昏」でも主役を演じたがっているのだろう。

そういえば、政権投げ出しで国益の甚大な損失を招いた安倍晋三氏は、何ら総括をしないまままだ政治家を続けるつもりなのだろうか。信じられない。

さて、政治における「ことば」は、もっと落ち着いて、吟味して使われるべきだ。一方同時に、政治にはドラマであるという側面があることも否定できない。自民党離党者が役割を果たす程度の結果では、日本人の物語が前に進まない。この際、有権者に求められているのは「劇的な投票行動」であることも事実だろう。

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2009年1月 6日 (火)

内橋克人さんの「ビジネス展望」復帰を喜ぶ

今朝、NHKラジオ第一のビジネス展望(6:43頃~)で、久しぶりに内橋克人(うちはし・かつと)さんの声を聞きうれしかった。実は元旦の昼頃に新聞のラジオ覧にお名前を発見し、喜ぶと同時に聞き損なったのをがっかりしたが、けさようやく再会かなった。

小泉「改革」ブーム下にあっても、冷静かつ実証的な分析で日本経済のあり方を論じておられた内橋さんが、体調を理由に一時降板されたときには、いままさに内橋さんの出番であるのにと残念に思い、ご心配申し上げていたけれども本当に良かった。

この番組、水谷研二氏や田中直毅氏のような聞かない方がいい人が出ている日もあるけれども、金子勝氏や寺島実郎氏、藤原直哉氏などのタイムリーな分析が聞けるので朝型の人にはお薦めです。

(ちなみに、内橋さんの元旦に放送された復帰第一弾、「もう政治的レトリックに騙されてはいけない」と2009年の日本と世界の現状と課題を抉ったロングバージョンは、11日までこのNHKのページから聞くことができます)

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2009年1月 5日 (月)

リチャードソン氏、商務長官辞退

これはちょっと残念。イスラム圏に偏見持たず、エネルギー長官として北朝鮮の核問題などにも関わってきた人だけに、所管の産業・通商政策をテコにオバマ政権の協調外交のエンジンになり得る人と思ったけれども。

もっとも、オバマ陣営の「身体検査」の能力を批判する人がいるが、指名公聴会が始まる前で良かったと思う。ダメージは相対的に小さい。

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2009年1月 4日 (日)

年越し派遣村、K-20、品格なき新年ゴミ出し

昼前に、黒川氏のきょうも歩くで日比谷公園の年越し派遣村に行ってカンパしてきたという話を読み、そうか、森田ものんきにしてばかりではいけないと家族を誘って出かけてきた。高校生の息子にも趣旨を話すと「僕も寄付したい」ということで、彼も小遣いから1000円出して同行。

たくさんの人々が食事の提供の列に並び、いくつものデスクが出されて相談の面談が行われていた。わずかばかりのカンパをしたが、同じ受付で衣類を寄付している人もいて、ボランティアの人が新品でなくても良いと言っていた。この年越しを、こういうところのボランティアで過ごした人々に頭が下がる。今年は少し行動する年にしなければと思う。

実は映画が1000円になる元日の午後は、新宿ピカデリーに「K-20」という金城武主演の怪人二十面相や明智小五郎が活躍する活劇映画を見に行った。正月にピッタリの映画だったが、設定は「日米開戦が回避された昭和20年代後半の日本」というおとぎ話で、町中に軍人が歩いていて、警察の取り調べでは暴力の行使が当然といった様子と共に、親を失った貧しい子どもたちの、言ってみれば貧民窟のようなものが出てきて、そこで財閥令嬢が炊き出しをするといった場面が出てくる。

松たか子さん演じる令嬢が、資本家がカネをため込むばかりではいけない。それを社会のために使わなければといって啖呵を切る場面や、登場人物のやりとりに「お前が支配層と戦うのは、結局は自分が力を得たいというだけの話じゃないか」というような、民主党内の松下政経塾出身の新自由主義派を揶揄したようなセリフも出て来るわけだが、映画で見た場面がおとぎ話ではなく、それと同様な場面を、2009年年明けの日比谷公園で現実として目の前にするとやや目まいを覚える。

帰り道に『女性の品格』というベストセラーを出した元高級官僚の女性宅前を通る。心のこもった贈りものを奨励している人だけに、頂き物が多かったのだろうか、もう家の前にゴミを出している。当然、世田谷区のゴミ収集はまだ始まっていない。品格も何もあったものではない。

ますますこの国は「本当が嘘で、嘘が本当」のような気がしてきてきてしまうが、まあとにかく、自分が真実と信じるところに従って、発言し、行動していくようにしたい。そうするしかない。

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ハイドン「告別」交響曲選曲のなぞ

NHKテレビの中継を録画して見た今年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートは、初登場バレンボイム氏の指揮によるご機嫌な演奏会だった。

バレンボイム夫人のリクエストというワルツ「南国のばら」にしても、明治維新の前年の作品と知ったポルカ「雷鳴と電光」にしても、実に実にいいテンポで、「行き届いた設計、コントロール」と「お遊び」がうまくブレンドされていた。

イスラエルとアラブの若い音楽家たちが一つのオーケストラに集う「ウェスト・イースト・ディバン」を故サイード氏と共に立ち上げて育ててきたバレンボイム氏だけに、イスラエル軍によるガザ空爆という状況の下、恒例のアンコール時の新年挨拶でどんなメッセージを発するかは大いに注目された。

かつてムーティー氏が「平和」に言及し、最近ではマゼール氏がインド洋の津波に見舞いのことばを加えたけれども、中東和平に芸術家として関わり、ベルリンの壁崩壊時にはベルリンフィルとベートーベンのピアノコンチェルト1番を弾き振りしての祝賀無料コンサートを提案して開いたりと時事問題に敏感な氏のことである‥

バレンボイム氏は「2009年が平和な年でありますように」と述べたのに続けて、一言だけ「とりわけ中東において正義が実現されますように」と付け加えた。多くの人がそう感じたと思うが、森田もこの一言には万感がこもっているように感じ、心打たれた。双方の責任ある立場の人々は、自らの正義を振り回すだけでなく、また党派的な打算にのみ溺れることなく、バレンボイム氏と世界の多くの人々の願いを聞き入れ、イスラエル、パレスチナに平和をもたらしてもらいたい。

ところで、没後200年でプログラムに取り上げられたハイドンだが、なぜ「告別」交響曲(第4楽章)だったのだろう。夏の間中「夏の離宮」に楽団員を縛りつけて家族の元に帰してくれないエステルハージー侯爵に対するデモンストレーションとして、楽員がだんだん袖に姿を消し、しまいにはバイオリンの二人だけになってしまう‥

「殿様にはあきれた、バイバイ」という連想からは、歴史の退行期だったブッシュ大統領の時代への告別ともとれるけれども‥。この曲も芝居っ気たっぷりに楽員たちの退場にあきれて見せたり、最後に残ったセカンドバイオリンのトップの頭をなでたりと大サービスだったけども、バレンボイム氏の選曲の秘密が知りたいところだ。

いずれにせよ、視覚効果にもやや重きがおかれるこの作品を、ウィーンフィルの衛星生中継で楽しむことが出来たのは、一つの至福の時だった。

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2009年1月 2日 (金)

あいかわらずの竹中平蔵氏に驚きあきれる。

ここ2~3日、東京はかなり天気がよい。富士山がよく見える。

元旦夜は、NHK・BS1の地球特派員スペシャル、NHK総合の世界と日本の2009年をテーマにした討論など見る。

竹中平蔵氏が「非正規労働者の苦境の原因の大きな部分は、終身雇用・年功賃金の正規労働者の厚遇にある」といようなことを言っていたが、総労働に対する分配率が低いことが内需低迷の原因問題なのであり、竹中氏の話は徳川幕府が「士農工商」の下の被差別身分を創造して支配層への批判をかわしたことを焼き直して、労働内部に対立を作りだそうという論理のすり替えをしているわけだ。

「批判を恐れずに言う、法人税を減税すべきだ」などと、社会保障重視派のあらゆる議論に「財源は」と言いつのる本人が、財源論に触れぬまま目立った議論で話をそらそうとするテクニックもあいかわらず冴えている。「所得税の最高税率の引き上げを財源とする」といった話なら森田は必ずしも反対ではないが、とにかくハゲタカのような金融資本に「来てもらう」といったことを優先する発想は、世界経済の現実とマッチしていない。

地球特派員スペシャルに見る中国の失業問題は深刻だ。それは世界経済情勢の変化が直撃したものだが、これに中国指導部が適切に対処し激震を回避できるかどうかは2009年の世界を左右する大きな要素の一つだろう。

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