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2009年1月30日 (金)

「ソマリア海賊」に便乗して武器使用制限をゆるめるべきではない

ソマリア沖の海賊対策として海上自衛隊の艦艇を派遣するというが、いちばん肝心な論点はこれに便乗した「自衛隊の武器使用の要件緩和」を進めないことだ。

オーストラリアなど、また日本と同様に法的な問題をクリアーする必要があったドイツなどが去年からとっくに派遣している中で、麻生総理が「中国が派遣した」というニュースが伝えられたとたんに、慌てたように「法改正はあとまわし。とにかく『海上警備行動』で出す」というのはまことに子供じみたことだ。

外務省は一貫して「どの国もやってることだし、国連安保理の常任理事国になりたいという国が出さないわけには」ということのようだが、外務省が本当に考えるべきことは「海賊問題」の根本原因であるソマリアの国家崩壊の問題について、解決のための知恵を出し、国際社会の中で「政治的な役割」を果たすことだ。

やはりここでの一番の問題は、この機に便乗して自衛隊の活動範囲を広げ、武器使用をできるだけ自由にするといった結果を招いてはいけないということだ。

1931年に満州事変を起こした関東軍はなぜあそこにいたか。それは日露戦争の結果手に入れた「鉄道を守るため」であった。1937年に盧溝橋事件を起こした陸軍部隊はなぜあそこにいたか。義和団事件のあとで列強が「居留民の安全を確保するため」に一定の兵力を北京近郊に置くことを条約で認めさせていたからだ。それぞれ、部隊を置いていたことには国際法上の根拠があり、配備の「目的」は侵略ではなかった。しかし、実際に行ったのは「侵略」そのものだったのである。

「それは戦前の話しだ。お前は今の政府も、民主主義の憲法の下にある国民も信じないのか」と言うかもしれない。しかし、年金問題についての社会保険庁の杜撰を考えても、「コイズミ郵政改革」「刺客」といった話しにすぐ踊らされるメディアや有権者の実情を考えても、あまり能天気にもしていられないのが「現実」だ。

ましてや、最近の守谷事務次官の腐敗事件や田母神空幕長(当時)の論文事件を考えても、「日本の軍隊は憲法で禁止されてなくなりました」というタテマエがあったが故に、防衛省・自衛隊に対する実際的なチェックがかえっておざなりにされてきたのではないか」と疑うべきではないか。制服組の人事は、制服組が勝手にやり、文官は容喙することすらできないことになっているというではないか。

「海自派遣ノー、海上保安庁の巡視船派遣を」という社民党、国民新党の主張が正しい。海自派遣となった場合でも、自衛隊の海外での武力行使に大きく道を開く武器使用の基準緩和の法改正などすべきでない。

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» [物申す]海自をソマリア派遣だってさー [おこじょの日記]
領海内で漁船とぶつかっちゃうような運転してるくせに、そんな危険な場所行って平気なんだろうか? 政府、海自ソマリア派遣を決定 防衛相が準備指示伝達(産経新聞) - Yahoo!ニュース 日本は金を出すけど汗はかかないから、自衛隊を国際貢献のために海外派遣するんだとか... [続きを読む]

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