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2009年2月 2日 (月)

「21世紀に日本が必要とするものは何か」 答案メモ

米ABC『ジスウィーク』のラウンドテーブル。ウッドワード氏含むジャーナリストたち、アフガニスタンの現状やオバマ政権の増派計画について極めて厳しい見方をしている。

さて、あるところでいただいたお題の一部【3.今後に向けて ①21世紀に日本が必要とするものは何か ②政治家の資質 ③国際社会における日本の役割】について、思いつくままにメモ。

21世紀に日本が必要とするものは何か

 「21世紀」に、「日本」が必要とするものという発問だが、いつの世紀でも、どの国でも、必要とするものは同じである。

 それはその時、その国が与えられた条件の中で、また予測できる未来の条件の中で、どうすれば「安全」「自由」「経済的繁栄」といったものを確保できるかについてしっかりと現実的に考え、それを着実に実現していくということに尽きるのではないか。その際「現実的に」というところがいちばん重要であると思う。

 例えば、今から半世紀前には、日本も当時のソ連や中国のような社会主義体制になるのが良いと考える人々がけっこうたくさんいたわけだが、次第にそうした国々の実態が知られ、20年前にベルリンの壁崩壊、米ソ冷戦の終焉という段階になると、そうした考えは非現実的なものであることが誰の目にもハッキリした。

 一方で、社会主義計画経済が敗北したことは明らかになったので「これからは自由市場経済をどんどん推し進めていくことこそ、われわれが追求すべき価値観だ」と考える人々が世界中に増えて、わが国でもそれに追随する人が多かった。ところがこうした考えがイデオロギー的に追求された結果が招いたのが、今日の世界経済の現実だ。

 ソ連が崩壊したことで、「これからはアメリカの一人天下だ」と考えた人々もいる。中東などでブッシュ・ドクトリンがどういう結果を招き、ブッシュ氏がいかに寂しくホワイトハウスを去らねばならなかったか、その現実を冷静に見つめる必要がある。外交安保でも、必要なのは「悪の枢軸」などといったレトリックを振り回すことではなく、安全保障を確保するためにどのような方策が効果があるかを現実に考えることだ。

 もう社会党や共産党の時代じゃないのだから「日本の誇りを回復し、歴史の正義を取り戻すために、総理は社共が反対する靖国参拝をすべきだ」という人々がいて、現にそうした総理もいるわけだけれども、そのことが現実に招いた結果は何だったのか。

 必要なのは現実主義の回復である。「小さな政府」論、「構造改革路線」が現実にもたらしたのは、戦後最長と言われた景気回復局面で、一人あたりの国民所得が他の先進諸国よりも伸びず、貧困率(平均所得の半分以下で生活する人々の割合)が急増した現実だ。

 めざすべき政策の方向性は、例えば最低賃金をうんと引き上げて、また社会保障支出を増やし「タクシー運転手なら一家五人養えるけれども、介護従事ではムリ」といった現在の構造を変えて雇用のミスマッチを解消していく。そのために必要な増税は、政治家が国民に説得する。そういった努力で正規雇用の割合を増やし、内需拡大につなげていく‥、そういったサイクルではなかろうか。

 もちろん、めざすべき政策の方向性についてはいろいろな意見があるだろうし、自分の意見を押しつけるつもりはないが、しかし、こうした大きな「方向性」について、政治家同士、また政治と国民の間でしっかりと「対話」することが大切だと思う。

政治家の資質

 前のところで述べた「方向性をしっかり考える」「それを政治の世界で、また国民に説得する」というのが、わが国に求められていることであるとするならば、そういう作業をしっかり行う能力があるということが、これから求められる「政治家の資質」ということになるだろう。

 これはカーティス教授がいろいろなところで言っていることの受け売りになるが、アメリカのオバマ大統領はこれまでのところこうした資質をもった政治家であるように見受けられる。オバマ大統領は何よりも、国民に率直に語りかけるという能力に恵まれているように見受けられるからだ。

 わが国は、基礎的な教育も比較的しっかりしている。産業や官僚組織も国際的に比較して決して劣っていない。ところが、日本社会の「中枢神経」に当たる部分がちょっと弱いような気がする。よい政治家を育てることがその処方箋の一つだろう。

国際社会における日本の役割

 世界の、特に途上国の人々が生存を確保するために、また自由や文化的で最低限度の生活のために必要としているもので不足しているものがあるときに、そこに援助の手を差し伸べること。これは他のいわゆる先進国と共通する、わが国が国際社会の中で果たすべき役割である。

 あわせて、わが国は欧米以外の国でありながら、真っ先に近代的な民主主義、近代産業を発展させてきた経験を持ち、また「キリスト教、イスラム教、ユダヤ教」といった「一神教」の国々とは違った宗教的・文化的伝統を持ちつつ、一神教の神の下にある人々とも良好な関係を結んできた経験があり、なおかつ60年以上海外で武力行使をしていないという特殊な経験を持っている。こうした特徴を、国際社会の発展のために活かすことが出来ればなおいいと思う。

以上

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