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2009年2月 8日 (日)

そもそも「国債発行」には「貧乏人から金持ちへの所得移転」の側面

「無利子国債」の名の下に、相続税がかからない国債を発行しようという話が出ているという。やはりお金持ち優遇の自民党や財務省はたいしたもので、こうした経済危機の中にあっても、どさくさ紛れに「資産・所得格差」を次世代にまで持ち越す政策を新たに導入するつもりらしい。

もっとも、国債の大量発行にはもともと「貧乏人から金持ちへの所得移転」という要素がある。

30年ほど前に森田が私大の「経済原論」の講義をとった頃は、ケインジアンも半分近い勢力を保っていて、講師で来ておられた故長谷田彰彦・学芸大教授などは「国債は、借り手も貸し手も国民なので、外債に頼らない限り何の問題もない。大蔵省が国債をいやがるのは、銀行に頭を下げなければならないからというだけだ」といった具合だった。政府が借金して公共投資を行えば、ある程度の乗数効果が望めた時代には、必ずしもトンチンカンな議論ではなかったのである。

経済の成熟化で、いまは「投資は効果の大きい分野に」という点に議論を集中しなければならないわけだが、さらに、無利子国債という名の「相続税のかからない国債」の議論を聞いて、森田がずっと考えていて世間ではあまり言われない論点にここで触れておきたいと思った。

素人だけに雑ぱくな議論になるが、以下のようなことだ。ある時期までのケインジアンたちが言っていたように「国債の借り手」も「貸し手」も共に国民だ。ただし、森田が強調したいのは、貸し手と借り手は同じ人ではないということだ。

端的に言えば「国から国債を買って利子を受け取る人」は裕福な人であり、「税金を払って、国債の買い手に払う利子を負担するのは国民全体」なのである。

もちろん、お金持ちの方が税負担は重いのだが、近年までお金持ちの税負担をどんどん軽くしてきたのがわが国において歴史的な流れであり、巨額な財政赤字を作り出しておいて、「新たな負担増は(比例税の)消費税で」というのが、財務省・財界・自民党と、そこにへつらう学界、大手メディアが流してきた話だ。

巨額な国債を発行すると、巨額な利払いが発生する。その利子を受け取るのはお金持ちであり、利子を払うのは国民全体。しかも、低所得者の負担割合を高める「税制改革」が着々と進行している。

そうして格差を拡大していく中で、こんどは「相続税免税」という「格差固定」の知恵を出す。われわれがボーッとしていると、税制はどんどん格差拡大・固定の方向に歪められていく。

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