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2009年2月26日 (木)

「商品券(地域振興券)は効果が無かった」というのも本当か

きまぐれな日々」で森永卓郎氏の定額給付金は本当に意味のない政策かを知って読み、全く同意見であると共感する。テキストファイルにしておいて、いろいろ説明するときに使わせていただきたいと思う。

関連してだが、森田はテレビでこうした問題を解説したり、コメントを述べる人々の大半が「定額給付金」構想を批判するときに「小渕内閣の時に商品券(地域振興券)を配ったが、これもGDPを押し上げる効果はほとんどなかったことが政府自身の統計で明らかになっている」というセリフを異口同音に語っていることについても、ちょっと待って欲しいと思っている。

たとえ話だが、「かぜをひいて、風邪薬を飲んで、直った」としよう。さてこの場合、風邪薬を飲んだから直ったのか、それともひょっとして飲まなくても直ったのか、どっちだろうか。

もしある程度確からしい実証をしたければ、同じような症状の人に「かぜを飲ませたケース」「かぜ薬を飲ませなかったケース」、それと心理的効果を測るために「風邪薬と同じ形状の、例えば小麦粉を加工したものを飲ませたケース」などについてデータをとり、それぞれのケースを比較しなければ本当のところは判らないと思う。

小渕内閣の「商品券」の経済効果があったか、なかったかについては、同様に本当は「商品券を配った場合のデータ」「配らなかった場合のデータ」を比較しなければ、効果があったのか、なかったのかはわからないはずだ。たしかにあの規模では焼け石に水だっただろうが、そうした裏付けなしに「経済持ち上がらなかったですよね」「やっぱり効果なかったんですかね」というような話であれば、その辺のおじさん、おばさんのおしゃべりと変わらない。

それを、役所のブリーフィングを鵜呑みにしてか、竹中平蔵さんがスマステーションに出て「鮮やかに」説明して若いタレントやスタジオ参加者を感心させている姿に感動してか、それとも「みんなが言っているから」という理由からか、壊れたレコードのように「かつての商品券も全く効果がありませんでした」としたり顔で繰り返すのは愚かなことだと思う。

「商品券」。実行したのはかつての自民党首班内閣で、強く求めたのは連立与党の公明党だった。しかし、この人々を批判して政権与党の座から引きずり下ろすということと、個々の政策の実証的な評価は峻別して考えるべきだろう。

「給付金」も、麻生内閣が提案しているとはいえ、マクロ政策としても、あるいは結果として消費税の逆累進性を緩和する手段の一つとしても正しいと思う。

問題は、森永氏のいうように今回の措置としては規模が小さすぎることと、毎日新聞2009年2月22日付朝刊1面の記事が報じたように、ワーキングプアーとなって住民票を置いていた場所から移動して住所不定になったような最も困窮した人々に対し、給付をゆき渡らせるための手だてを事務を丸投げされた自治体の大半は行っておらず、麻生自公連立政権の側からその問題についての責任ある対応が打ち出されていないことだ。

リーマンショックから5ヶ月。成果はともかく、欧米の政権や、自民党政権の多くの連中が馬鹿にしている中国も大規模な政策をとっくに実施に移している。オバマ政権と米民主党議会指導部は法案成立に必要な3票のために、たった3人の共和党上院議員の提案を丸呑みにして2週間で法案を成立させている。結果を出せない政治家、政権はダメだ。

自民党、公明党は「野党の抵抗」というが、「どう野党の言い分を飲み、法案や予算を必要なスピードで成立させるか」は、政権与党の責任であり、能力のバロメーターだ。

【以下、上記毎日新聞記事の切貼】

定額給付金:ネットカフェ難民らへ届かない 自治体9割、対策なし

 ◇3億円宙に? 総務省「仕方ない」
 生活困窮者支援を目的の一つとする定額給付金について、給付窓口となる全国の市区町村の9割が、住まいを失った非正規社員やホームレスなど、住民登録の困難な人に対する通知方法を検討していないことが毎日新聞の調査で分かった。厚生労働省の統計では、「住居喪失者」は2万4000人以上いるとされ、景気の悪化でさらに増えると予想される。3億円規模の給付金が生活困窮者に届かない恐れが強まっている。【まとめ・篠原成行】

 総務省が1月28日付で通知した「定額給付金給付事業費補助金交付要綱」では、「市区町村は受給申請に必要な書類を、2月1日までに住民登録を完了した住民に配布する」としているが、住居喪失者への通知義務は定めておらず、通知方法も示していない。

 今回の調査は要綱通知後の2月初旬、各都道府県を通じて実態を調べた。その結果、住居喪失者への配布方法について「何らかの対応を検討中」としたのは全国1804市区町村のうち横浜市、千葉県船橋市、神戸市、岐阜県多治見市など12市にとどまり、少なくとも1573市町村(87%)は検討していなかった。東京、茨城、山形、兵庫、奈良の5都県は「各自治体の方針は把握していない」と回答した。

 検討中と答えた12市のうち、具体的な通知方針を示したのは埼玉県蕨市と大分県国東市の2市。蕨市は「ネットカフェに1カ月以上滞在している人には、店舗を住所として給付する」、国東市は「住民登録のない人に対しても、指定した地区の全戸に郵便物が届くタウンメールを使う」と回答した。

 岐阜市の担当者は「住民登録してない人への対応まで手が回らないのが実情」、広島県福山市の担当者は「住居喪失者を確認しようとすると市の負担が増える」と話した。

 総務省定額給付金室は「給付金は住民登録に基づく事業なので、通知は自治体に任せている。住民登録がなければ給付できなくても仕方ない」としている。

 ◇混乱予想できた--政治アナリストの伊藤惇夫さんの話
 実施までの過程をすべて地方に丸投げした施策で、自治体が混乱するのは最初から予想できた。国の政策なのだから、「住民登録に基づく事業で、通知は自治体に任せる」という言い方には、自治体も納得しないだろう。

毎日新聞 2009年2月22日 東京朝刊

【以上、切貼】

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コメント

時々ではありますが、興味深く読ませて頂いています。
私には、全国調査をする手段がありませんので(インターネット調査は特定の人の調査であり母集団《日本国民》を反映したものとは言えない)実際にはどうであったかは分かりませんが、地域振興券ついては意味が無かった と思っています。我が家と周りの方々の行動からの判断です。
 私の周辺にはお金が入ったからと言って全て使ってしまう 江戸っ子気質の者は見当たりません。日常生活の必需品購入に「地域振興券」を当て、「地域振興券」の額面相当を子どもの貯蓄に回しました。子どもの貯蓄に回した理由は説明しなくとも分かるとおもいます。
 かぜと風邪薬のことが書かれていますが、今時、風邪薬が風邪を治す(直す ではない)と誤解していることに驚いています。
治すのは自分の身体が行うのです。風邪薬は、風邪の症状を和らげるだけです。風邪の原因は種々のウイルス感染です。これらに効果のある薬はまだありません。抗ウイルス薬は特定のウイルスにしか作用しません。

投稿: | 2009年2月26日 (木) 15時50分

コメントありがとうございます。「そういうテストをすれば、かぜの治癒と風邪薬に直接の因果関係がないことがハッキリわかる」というようなつもりだったわけですが。風邪と言わず「ある病気」とした方がよかったか、症状軽減のために飲む人が多い風邪薬という例そのものには身近ということでいい点もあるのか‥。いずれにせよ筆力の問題でわかりやすい文章になっていない。誤字もお恥ずかしいことで、精進の必要痛感します。

投稿: 森田敬一郎 | 2009年2月26日 (木) 17時00分

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