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2009年3月31日 (火)

究極の格差固定政策である「贈与税減免」が、どうして「景気対策」なのか。全部カネ持ちの子の世代の貯金になって、相続税分だけ財政に穴が開くだけではないのか。

麻生政権や自民党の「経済対策」の中には、お年寄りの資産が貯蓄されたままになっているので、贈与税を減免することで「相続税でとられるよりは」と子の世代への資産移転を促し、景気回復につなげようという話が出ているらしい。

これこそ、どさくさまぎれの「格差固定」政策だ。金持ち親子の財産の合計は、記帳する通帳が変わるというだけの話で、結局は蓄財だろう。どこが消費拡大になるというのだろうか。

マスメディアも相対的に所得の低い人々に手厚いと言える「定額給付金」を「ほとんど貯蓄にまわる」と騒いでいるのに、相続税がかかるような大金持ちの相続税を負けるだけの話を「景気対策」と強弁するような話しになぜ文句を言わないのか。メディア関係者も相続税減免で利益を受けるような金持ちが多いからか?

08年度2次補正の「史上最大規模の住宅ローン減税」だって、巨大な別荘を建てれば税金で1割近く(?)を割り戻そうという金持ち優遇そのもので、庶民とは無関係なものだ。

「バラまきより、的を絞った支出を」というのは正論だが、低所得者にも行き渡る「定額給付」を批判し、「的を絞った金持ち優遇」である数々の施策を見逃しているのでは本末転倒だ。

それにしても、09年度補正とか、2010年度予算編成をまた自民党中心の政権、お金持ちの麻生総理がやる可能性があるかと思うとぞっとする。

【以下、切貼】

首相、贈与税の大幅減免表明  追加経済対策で

 麻生太郎首相は28日午後、追加経済対策の一環として、高齢者が持つ金融資産を消費拡大に振り向けるため、住宅などの購入資金を生前に援助する際の贈与税を期限付きで大幅に減免する考えを表明した。

 高知市内で記者団の質問に「高齢者が息子や孫に(お金を)渡して家や車を買ってくれたら贈与税を安くする、ゼロにすることは、年数を区切って検討する値打ちがある」と答えた。

 首相は31日、2009年度補正予算編成を念頭に追加経済対策の策定を与謝野馨財務相に指示する方針だが、贈与税減免を追加対策の目玉政策にしたい意向とみられる。ただ、贈与税を減免しても恩恵は富裕層にとどまり、景気刺激効果は限定的との指摘もある。

 首相は、日本の家計の金融資産総額が1400兆円に上るとし「そのまま置いておいたら景気と何ら関係ない。お金は使わないと値打ちがない」と指摘。住宅建設や自動車購入を例に挙げて「ちゃんと消費したと証明できるものは(減免の)対象になる」と述べた。

 首相はこれに先立つ自民党高知県連の講演でも「家を建てるなら贈与税をただにすると言えば家を建て、景気が良くなるのではないか」と述べ、贈与税減免の有効性を強調した。

2009/03/28 22:20   【共同通信】。

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「ペイリン候補への質問は、バイデン候補への質問と同じもの」 米ABCチャールズ・ギブソン氏インタビュー

NHK・BS1「おはよう世界」で、高橋キャスターが米ABCのニューススタジオを訪ねインタビューした映像を流していた。

ペイリン副大統領候補が「ブッシュドクトリンについてどう思うか」と問われて答えられず、大統領選の転換点の一つになったと言われたインタビューのインタビュアーだが、「われわれの役割は、候補者を批判したり、困らせたりすることではない。人となりを伝えること」とし、ブッシュドクトリンについて尋ねたのは「民主党のバイデン副大統領候補への質問と全く同じことを聞いたに過ぎない」と言っていた。

信頼性確保のため「客観的に伝える」ことの重要性を強調するギブソン氏。高橋キャスターも指摘するとおり、9・11を朝番組のキャスターとしてナマで伝えたときも、大統領にインタビューするときも、NHKのインタビューに答えるときも、いつもほとんど声のトーンも話し方も一定だ。興奮して騒いだり、威張ったり、馬鹿にしたりの日本のキャスターたちにも見習ってもらいたいものだ。

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2009年3月30日 (月)

「『ミサイル』の鮮明な画像」=NHK昼ニュースの原稿、字幕は煽りだ=

NHKの昼のニュースのトップは「米シンクタンクが、北朝鮮が発射を準備しているミサイルの鮮明な映像を‥」というもので、映像に添えた説明字幕に「ミサイル‥」とある。続いて、東北への地対空ミサイル移送の映像、市町村の緊急通報システムについての鴻池官房副長官の説明‥

何度も言うが、偽装であるにせよ「人工衛星打ち上げ」と公表されている「ロケット」であり、人工衛星の軌道投入と、ミサイルの弾頭を目標に命中させる技術は同じであるとはいえ、わが国のH2Aロケットの打ち上げをミサイル発射と言わないのと同様、いま北朝鮮が準備していることを「ミサイル発射」とNHK昼ニュースが繰り返して言うことは、国民をミスリードするものだ。

簡単に「ミサイル」と言わずに、「北朝鮮が人工衛星打ち上げ用と主張しているロケット」とわずらわしくともより正確な表現にする。センセーショナリズムに走ることを避けるため、その程度の配慮をすることがどうしてNHKにできないのか。煽りたい麻生内閣、自公連立政権との関係なのか、ジャーナリズムの矜持の問題か。

とにかくおかしいぞ。

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2009年3月29日 (日)

森田健作氏、千葉県知事選当選=タレント選好の有権者の意識をどう変えるか=

簡単に言ってしまえば、教育問題などに変な公約を掲げた右翼のタレント候補がまた当選したということだ。そのままんま東とか、森田健作とか、いいかげんにしてほしいと思う。本人が出るのは自由だが、当選させる有権者には本当にがっかりする。

ただ、その昔に塩野七生さんがエッセイで、ヨーロッパのリベラル派の政治家たちを取り上げてこんなことを言っていたのを思い出す。彼女に言わせれば、右翼の政治家や左翼の政治家に比べ、しばしば小党であるリベラルの派の政治家たちは、政策的には一番正しい政策を掲げ、個人的につきあっても洗練されて魅力的な人物が多い。

それでは、なぜ彼らが政治的に大きな力を持つことができないのか。塩野氏はそこで「彼らには共通して、自分たちが支持されないとすれば有権者が悪い」と有権者を見下したところがあるというのだ。

だから、ここでリベラル派が考えるべきことは「どうやったらリベラル派が支持を集めることが出来るか」という戦略・戦術だ。

ある問題を「部屋の中の象」ということで別とすれば、3つのことが思い浮かぶ。

まずは戦術レベルの話だが、いわばリベラル派のタレントにも選挙に出てもらうための環境作りもすべきであろうということだ。いま、野党の勢力が政権をとったら、ある程度の批判は覚悟の上で吉永小百合とか、壇ふみといった「平和を大事にする」と公言しているビックネームを「軍縮担当大臣」とか、「文化政策担当の文部科学副大臣」といったポストに起用し、近い将来の選挙におけるこちら側のタマになってもらうといったことを考えるべきだ。

二つめに、「きょうも歩く」の黒川氏が指摘する「選挙プランナー」も重要だ。三浦某氏が人気があり、能力がある人だそうだが、「丸川珠代参議院議員」とか、「石原慎太郎知事三選」、「森田千葉県知事当選」といったことにその優秀な能力を使って、国民や国家のためにいいことが何かあっただろうか。

三浦氏がピジネスの都合で「どの党派の人でも、気に入れば応援する」などと言っているけれども、同氏は自民党時代の椎名素夫代議士の元秘書であり、出発点から「右」であることはハッキリしている。ここで言いたいのは、リベラルの方でも同じような人材を育てる必要があるということだ。セクト時代の雰囲気を引きずる斉藤まさしさんでは「古い」ということであるなら、若い人材の育成・起用が必要だ。

もうひとつは、リベラルを横断する複数の支援組織を作り、育てていくことの必要だ。全く思いつきだが、例えば「9条の会」を母体として、西松建設が作っていたようなというと例えが悪いかもしれないけれども、市民からの献金を集める「政治団体」を作り、プロ「平和と人権」の候補者に資金提供していくといったことを、多元的に展開すべきではないか。

個人レベルでも、坂本龍馬のようにコーディネーターとして動く人々がたくさん出るべきだ。武村正義とか、田中秀征といった人々も、老成ばかりしていないで少し動いてほしいものだ。森田敬一郎もここで口ばっかりで騒いでいるのではなく、行動を起こさなければならないかと考えたりしている。

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オバマ大統領、核軍縮・核不拡散で動く=自公政権は何を発信したか=

米オバマ政権はアフガニスタン、パキスタンにかかわる包括的な政策を発表したことに続いて、4月はじめにロシアとの間の核軍縮、さらに世界大の核不拡散にかかわる動きを見せるようだ。

このことについて麻生内閣や自公連立与党から何か有益な発信があったか?。全く何もない。

核軍縮については「既存の条約が今年で期限切れになることについて、わが国はかくかくの所感を持ち、これこれの内容を含む条約の締結を求めたい」とか、「核軍縮にはずみをつけるため、アメリカを含む全ての核兵器国に『先制不使用』の宣言を求める」といった程度の発信があって然るべきだ。

今のような音無では、麻生政権も、自公連立与党も、外務省も「核軍縮などには全く関心がない」と言っているに等しい。やっていることは、北朝鮮の「『人工衛星発射』はミサイルで迎撃する」といった話ばかりなのに、「唯一の被爆国だからIAEAの事務局長のポストをよこせ」など図々しい話だと受け止められるだろう。

核不拡散については、自国の安全に直結する「北朝鮮の核放棄の実現」が最初の関門だ。ところが、6カ国協議においてアメリカ、韓国、中国、ロシアが駆け引きで北朝鮮に対するエネルギー供与をすると言うときに「俺はやらない」と足を引っ張っているのである。

次期総選挙において、民主党を中心とする野党勢力には、これまでの政権の核軍縮・核不拡散への無関心、無責任を払拭する、平和憲法を持つ国にふさわしい外交・安保政策を打ち出してほしい。

オバマ政権は、ブッシュ前政権よりはるかにましな政権だ。しかし、アフガン支援で「軍民一体」を打ち出しているのは、わが国の実績を上げてきた民間支援の当事者の実感とかけはなれた政策だ。「同盟国」などといいながら、日本政府はアメリカにしっかり情報を提供し、親切な助言をするといった努力すらせず、ただ後をついていくつもりらしい。

核軍縮で声明採択へ=来月の米ロ首脳会談で

 【モスクワ28日時事】ロシアのプリホチコ大統領補佐官は28日、主要20カ国・地域(G20)金融サミット(首脳会合)に合わせて4月1日にロンドンで行われるメドベージェフ大統領とオバマ米大統領の会談で、核軍縮条約と米ロ関係全般に関する2つの共同声明が採択される見通しであることを明らかにした。
 米ロの主要な核軍縮条約である第一次戦略兵器削減条約(START1)は今年12月に失効する予定。両大統領の声明は、これに代わる新たな条約の交渉本格化をうたう内容になるとみられる。
 米ロ関係は昨年8月のグルジア紛争などを受けて、冷戦後最悪の水準にまで冷え込んだが、オバマ政権の登場で改善に向かうとの期待が高まっている。(2009/03/28-21:40)

核不拡散で新構想表明へ  オバマ氏、4月5日プラハで

 【ワシントン28日共同】マクドノー米大統領次席補佐官(国家安全保障問題担当)は28日の記者会見で、31日から欧州・トルコ歴訪に出発するオバマ大統領がチェコの首都プラハで4月5日、核不拡散問題に関する重要演説を行うと明らかにした。新たな核政策構想を表明するとみられる。
 次席補佐官は演説内容を明らかにしなかった。ブッシュ前政権はチェコとポーランドにミサイル防衛(MD)配備を計画、ロシアが反発し、米ロ関係悪化の原因となっていたことから、MDに関する新政権の立場や、米側がMD配備の理由としているイランの弾道ミサイル開発に言及するとみられる。
 オバマ大統領は4月1日、金融サミットが開かれるロンドンでロシアのメドベージェフ大統領と初会談し、米ロの核軍縮問題を協議する予定。「核兵器なき世界」を追求すると公約しているオバマ大統領が米ロ会談を踏まえ、核兵器削減に触れる可能性もある。
 次席補佐官によると、オバマ大統領は2日にサウジアラビアのアブドラ国王、3日にフランスのサルコジ大統領、ドイツのメルケル首相とも会談する。【共同通信】

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2009年3月27日 (金)

IAEA事務局長選、日本候補も落選=自民党と外務省は核軍縮問題への取り組みとブッシュ政権追随をちゃんと反省しなければ話が始まらない=

核不拡散と平和利用の確保にあたる国際機関・IAEAの事務局長選で、日本が擁立し「唯一の被爆国出身者にふさわしいポスト」と訴えたキャリア外交官出身の天野氏が3分の2の得票を得られず落選したそうだ。

外務省は「ODAを削減してきたからだ」などと言い訳するだろうが、森田が見るところ、多くの国にとって日本の外交姿勢に「唯一の被爆国としての使命感、魂」といったものが全く感じられなかったということだろう。「ユネスコの事務局長も退任なので」といった役人の天下り枠確保のような話が聞こえてきたあたりからおかしいのだ。

そもそも、最近の核軍縮・不拡散の状況を悪化させてきた犯人の一角は、北朝鮮やイランばかりでなく、核軍縮に背を向け、議会に阻止されたとはいえ「新型核兵器」さえ開発しようとしていた日本の「同盟国」アメリカのブッシュ・チェイニー前政権だ。そして自民党と外務省が主導してきた日本外交はアメリカの「忠実な飼い犬」にすぎないと多くの国が見ている。

その日本は、国連の核廃絶決議案の提出など「ことば」だけは先行するものの、実際は2003年にイラク戦争の開戦が迫った段階で、IAEAのエルバラダイ事務局長も、前IAEA事務局長で国連査察チームのブリクス氏も国連安保理において「さらに査察を続けるべきだ」と主張し、フランスやドイツも開戦に反対していたにもかかわらず、小泉政権はブッシュ政権の開戦に対して「支持」を表明し、森田の理解では、主要国でただ一つ、今日に至るまでその過ちを認めることをしていない。

森田は、広島・長崎における核兵器使用がもたらした熱線・衝撃波・放射線が市民にもたらした巨大かつ深刻な被害について、その実相を世界の新しい世代の人々に伝え続けることはわが国の人類史的使命であると考えているが、自民党政権も外務省も、これまで大平内閣、中曽根内閣、宮沢内閣、福田康夫内閣と何度もサミットを開催してきたけれども、一度たりとも広島や長崎での開催を提案したことすらなく、こうした使命を果たす機会を逃してきた。

昨年は9月に河野衆院議長のイニシアチブでG8議長会議を広島で開催し、ペロシ米下院議長の被爆地訪問が実現したが、これは河野氏の個人的な信念と働きかけに基づくもので、外務省や与党内にこれを後押しする動きが当初からあったわけではない。

北朝鮮の非核化などは、日本の安全保障という面から見ても最優先の課題であるにもかからず、日本政府は「拉致問題」を非核化の問題と切り離すことに失敗し、結果として各国の努力の足を引っ張っている。

「唯一の被爆国」。自民党政権や外務省が言うなといいたい気分だ。少なくとも、顔を洗って出直せ。

【以下、時事通信より】

日本外交に大きな痛手=信任されず「失格」の烙印-IAEA事務局長選

 【ウィーン27日時事】日本政府は、新たな主要国際機関トップのポスト獲得を悲願としてきた。国際原子力機関(IAEA)事務局長選に当たっては、麻生太郎首相自らが昨年9月の国連総会で天野之弥ウィーン国際機関代表部大使の擁立を発表。外務省に中曽根弘文外相を本部長とする選挙対策本部を設置し、全力で天野氏の当選を目指した。それだけに、IAEA特別理事会で天野氏が選出されなかったのは日本外交にとって面目丸つぶれで、大きな痛手となった。

 日本がIAEA事務局長選にこだわった背景には、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の松浦晃一郎事務局長が今秋退任の予定で、主要な国際機関のトップを務める日本人が国際エネルギー機関(IEA)の田中信男事務局長だけになってしまうという事情がある。国際社会での存在感を高めるには、地球温暖化対策が新たな課題として浮上し、原子力の平和利用支援の重要性が高まる中、「核の番人」と呼ばれるIAEAの事務局長はうってつけの役職だった。

 ただ、信任投票でも当選を決められなかったことで、天野氏も南アフリカ共和国のミンティIAEA担当大使も「失格」の烙印(らくいん)を押された。やり直し選挙への出馬は可能とはいえ、実際に再挑戦するのは困難になった。

 こうした事態を予想し、関係者の間では特別理事会が始まる前から「第3の候補」として、セディジョ元メキシコ大統領や経済協力開発機構(OECD)原子力機関のエチャバリ事務局長(スペイン)らの名前が挙がっていた。(了)
天野之弥(あまの・ゆきや)
(2009/03/27-21:23)

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訪米でジム・レーラーにインタビューされる豪ラッド首相、お呼びじゃなかった麻生首相

NHK・BS1で昨日放送された、アメリカの公共テレビPBSの「ニューズアワー」で、訪米して米豪首脳会談を終えたオーストラリアのラッド首相インタビューを放映していた。

PBSは内容が中立的でFOXやCNN、あるいは3大ネットほど見られていない。戸田奈津子さんの映画字幕じゃ「教育テレビ」とされていたくらいだが、そのレベルの高さは知る人ぞ知る。聞き手は大統領選挙の公開討論会司会の常連・エースのジム・レーラー。

ラッド首相が聞かれていたのは、ひとつにはG20に向けての世界金融・経済問題の解決に向けての考え方で、オバマ政権やオーストラリア政府の積極財政と、それに慎重なヨーロッパの比較などで、ラッド氏は何もしない新自由主義的な行き方と、政府が動いてショックを緩和して次のステップをめざすやり方を対比させて後の方が望ましいということを説いていた。

さらにラッド首相はアフガニスタン問題についてのオバマ大統領とのやりとりについて応える中で「すでに10人の死者を出した自国の厭戦気分」と、「9・11の原因は、この地域のテロリストを野放しにしたことにある」といった話の両方をしていた。

さらにジム・レーラー氏は「あなたは外交官出身で、中国語にも堪能なので伺いたいが、アメリカは中国とどう関わっていったよいと思うか。ご自身のことばで語っていただければ」と聞いた。

ラッド氏は予想通り、自分としては「関与」を求めていく立場で、IMFに出資を求めるとともにオランダやデンマークと同程度の発言権を、果たす役割に見合ったものに見直し、いわば中国を「良い大株主」になるように導くべきだ。そうなるかどうかは中国の出方を見なければいけないといった意見を述べていた。

このインタビューを聞いていて思ったのは、現状においてはアメリカの良質なメディアが世界経済、アフガニスタンでの国際協力、しまいには「アメリカは中国とどう関わっていったらいいか」ということを聞く相手は、日本の首相ではなくオーストラリアの首相なのだなということだ。ちょっとガッカリだが現状を考えれば仕方がないか。

もちろん、ラッド政権の政策指向がオバマ政権の政策指向と重なる部分が多いこと、総選挙で選ばれた正統性と勢いのある政権であること、ラッド氏が中国専門家であるという条件もある。しかし、「ジャパンパッシング」などと騒ぐ日本のこれまでの首相たちは、ジム・レーラーのニューズアワーが呼びたいと思う程度の、独自の中国理解や対中政策論を持っていただろうか。

自民党政権のここ15年ほどの首相は皆失格だろう。山本一太ならいいかと言えば、かえって日本が馬鹿にされることになるだろう。次期、民主党主導政権の首班指名候補についても、まずは内容だけれども、ついで外国語能力はともかくとしても、日本語においても口が重い人はちょっとなあと思う。こういった場面でも、日本の存在感が損なわれるリスクがあるのだ。

なお、在米日本大使館も3大ネットばかりでなく、PBSともコンタクトを密にすべきだと思う。いろいろな国の大使が出てくるが、日本大使で印象に残るのは、ずっと前に斉藤大使がアイリス・チャンと対決した時のことくらいだ。

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最近の中国、日中関係についての感想

先の全人代では、最近の世界経済の状況とそれが中国経済に与えている影響に焦点が当てられたため「政治改革は棚上げ」という批判報道もあったが、これは問題の緊急性と中国の国際的責任という面からはやむを得ないと思う。

世界の金融において中国の占める位置には大きなものがあり、IMFへの拠出を増やすなら中国は発言権を強めるべきべきであるという中国の主張には当然であるいうという側面がある。日本外交は、もし国連安保理でのポジションを強めたいと考えるならば「国連の安保理改革についてのわが国の主張などと合わせ、お互いの立場をサポートできれば良いと思う」と働きかけたらどうか。

全人代では呉邦国常務委員長から、年金や失業、医療保険などの内容を含む「社会保険法」を年内に成立させるという提案があったことも注目に値する。わが国も同様だが、経済が難しい時期においては、こうした分野の施策が充実していることが社会の安定に有益だからだ。

そもそも中国は「改革開放」「市場経済導入」以前においては、退職労働者の生活保障などは所属した「国営企業」の仕事だったのであり、「市場経済」に転換したなら、いわゆる西側の国々で導入している公的な社会保障制度を整備しなければ、「社会主義」の看板をかかげながら、資本主義国より社会保障で遅れをとるという逆転現象を招く。

全人代閉幕後の会見で温家宝総理が、将来台湾に「這ってでもいきたい」と発言したことは印象に残った。もっとも私は、最近の中国本土と台湾の関係のよい方向への変化を見るにつけ、また、同じ会見で温家宝総理は「われわれは積極的に政治体制改革を推進しなければならない。特に重要なのは社会主義民主政治を発展させ、人民の自由と権利を保障すること、司法体制改革により社会の公平と正義を実現することだ」と述べたが、こうした方向で着実な前進が図られるなら、おのずから問題は多くの人が予想するよりも早く解決に向かうのではないかと思っている。

それにしても、呉邦国常務委員長が全人代での発言で「西側の制度をまねることはない」「三権分立はやらない」という保守色丸出しの発言をする一方で、温家宝総理が会見でこうした政治改革重視を表明する発言をすることには指導部の中にも「色合い」の違いがあることを感じさせる。

中国指導部においても「温かみ」を強く感じさせる人物はかつては周恩来総理ということだと思うが、近年では大工さん出身で歯に衣着せぬ発言で人気のあった引退した李瑞環・元全国政治協商会議主席、それた温家宝総理だろう。昨年、四川省で流された涙は、自分のためではない、人民のために流した涙であることが我々にも伝わった。

日中関係は昨年の胡錦涛主席の来日の際に「戦略互恵」という高いレベルに引き上げられているが、70項目の共同コミュニケといっても、例えば環境の分野などは必ずしも具体的に進んでいないといった不満が中国側にあるようであり、着実な前進を図る必要がある。ショーのような外交より中味が重要だ。

なお、いまわが国の参議院との交流で来日している全人代の代表団=衆参両院が1年交代で交流=が沖縄を訪問することが産経新聞などに「米軍基地の情報を狙った領事館設置の布石」として注目されている。

沖縄は琉球王朝の時代、日本の室町時代・戦国時代、中国の明代に「日本、明国、東南アジア」と等距離にある貿易拠点として栄え、室町幕府が明と交易する方便として「朝貢」の形を整えたのと同様に明に朝貢する形式をとっていたため、形式的には日本と中国の両方をいわば宗主国としていたため、産経新聞が神経質になるのは理解できるが、ここは「沖縄は気候も人柄も暖かく、食べ物や美術工芸、地方色の強い音楽や舞踊など実に魅力的なところでありゆっくりしていって下さい。中国の方が台湾を『宝の島』と言われるのと同様、私たち日本人にとっての宝の島であると考えています」と軽く受け流すのがいいだろう。

そして、産経新聞にとっても、日本政府にとっても、あるいは本土の人間にとっても、先の戦争の終戦の遅れにより筆舌に尽くしがたい惨禍に見まわれ、現在も基地負担に喘ぐ沖縄を本当に大切にすることを真っ先に、真剣に考えなければならないる。中国に「手を出すな」などと言っている暇があるなら、そちらを先にすべきなのだ。
                                                                       
それにしても、産経新聞は佐々某の「北朝鮮のミサイルは、絶対に迎撃しなければならない」などという愚かな議論を大々的に掲載している。警察官僚あがりの石原慎太郎の選対本部長らしい意見だが、これは言ってみれば北朝鮮の「日中」「日米」離間策に乗せられる議論だ。

「戦争だ、という恫喝に屈するな」というが、前にも書いたが発射に「成功」した場合は、国際法上の多数説によるわが領空のはるか上を飛んでいくわけであり、偽装であるにせよ「人工衛星打ち上げ」の国際法的な手続きもとっており、これを「とにかく迎撃ミサイルを発射しよう」などというのは愚論中の愚論。麻生内閣の迎撃命令も「失敗して落ちてきた時」と言っているではないか。こんな頭も性格も悪い爺さんが、たまたま部下だったことがあるというだけで、故後藤田正晴氏の名前を出して自分に箔をつけようとしているのにはいつもあきれかえる。

北朝鮮の「人工衛星打ち上げ」は、そのやり方からして日本政府として容認できるものではないというのはわかる。一方、北朝鮮の農村や都市に暮らすごく一般の人々の窮状を思いやれば、ただただ「迎撃ミサイル発射」といきり立つのではなく、関係各国が種々の問題を乗り越え協力を強化することが必要と考えるべきだ。

こうした問題を考えても、中国と日頃から意見交換を密にし、協力を強化していくことが重要であると思う。
 

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2009年3月25日 (水)

「イチロー敬遠せず」の韓国に拍手。北朝鮮のロケット発射は「敬遠」した方がいいんじゃないか。

朝日新聞の「天声人語」でWBC決勝戦イチローの決勝打は、韓国が敬遠せずに勝負してきたせいもあると知る。さすが韓国、熱く潔い。

さてウルマさんだか、ムラマツさんだかの政府筋が「当たりっこない」と言い、中曽根ジュニア外相が「難しい」という、北朝鮮が打ち上げに失敗した場合のロケット残骸「迎撃」のことだが、これは確かに判断が難しい。

前にも書いたが、「人工衛星と言うが、実質ミサイルだからけしからん」というロジックは、裏返せば「実質ミサイルでも、同じ技術であり『人工衛星打ち上げ』という外形が国際法上も整っているのだから仕方がない」ということになる。これは「公表された『表』の政治献金だが実質はワイロだ」、「いや、問題は法的な正しさであり、政治資金規正法の問題としては完全なシロだ」という話と似ている。

打ち上げに成功すれば、日本の領空のはるか上を飛んでいくので、それに対して迎撃ミサイルを発射しようというのは法的にも問題がある。北朝鮮の「無用な挑発」に「無用な挑発」で応えることになる。

森田はもともと、「世界の安全保障とあるべき日本のイニシアチブの関係」「コストとの見合い」などから、わが国が安倍政権の時に決めたミサイル防衛(MD)の配備は撤回すべきだと考えている。

まあ、この立場からすれば、打ち上げ失敗の残骸が領土・領空・領海に落ちてくるといった際には、とにかくミサイル防衛システム(MD)なるものを作動させ、その技術的な限界とコストがはっきりした方が好都合だと思う。ただし、北朝鮮のロケットだけでなく、日本の迎撃能力についても詳細なデータをとろうとしているのは、米軍ばかりではなく、中国やロシアも同様だろう。

これは「熱く、潔ければいい」というわけにはいかない。スポーツじゃないんだから。

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2009年3月24日 (火)

小沢代表続投-衆院選、勝ちすぎないのもいいかもしれない

小沢代表が続投するそうだ。これでは民主党が一党で安定多数を確保して政権をとることは難しいだろう。

しかし、考えてみれば「社民党と連立組まなければ政権とれない」「法案を通すには日本共産党の協力も視野に入れなければならない」くらいの議席数の方が、日本の現状において何をどう転換しなければならないかということとの関係で言えばいいことなのかもしれない。負け惜しみのようだけれども。

この際、大事なのは小沢氏の一身のことではない。小沢氏の「夢」などどうだっていい。肝心なのは、これまでの「自民党政権下のどうしょうもない政治・行政・財界のありよう」を「どう転換するのか」を再度明確に示し、それを現実のものにすることだ。

誰かも言っていたが、野党が多数を握っている参議院の民主党などおとなしすぎる。日本の現状、例えば経済の落ち込みが欧米より深刻なのは、全て小泉・竹中時代にもてはやされた政策の結果である。田母神氏を野放しにして日本の平和と民主主義を危機にさらしているのも自公連立政権だ。

北朝鮮の拉致被害者の問題も、安倍晋三氏や中川昭一氏をはじめとする威勢のいい「ことば」が聞かれるだけで、小泉氏が日中関係、日韓関係を破壊したこと、安倍政権の時に安倍シンパのグループが河野談話批判の広告をアメリカの新聞に出して米議会を敵に回したことなどの影響もあって、実際には一歩も前に進んでいない。中山恭子といった人が何度も要職を占め、大臣までやったのに、何か具体的に成果を挙げたことが一つでもあるのか。現実を見れば、何の実績もないではないか。

小泉純一郎、竹中平蔵、安倍晋三、中川昭一、田母神元空幕長、偽装請負や派遣切りのキャノンの会長(経団連会長)や日教組の教研集会の予約を一方的にキャンセルしたプリンスホテルの幹部など、何度でも参考人招致でも証人喚問でもして、国民の前で問題点をはっきりさせるといったことに力強く取り組んでほしい。

小沢代表も、民主党所属の国会議員たちにも、こうしたことなども通じながら、次期政権のビジョンを明確に打ち出すということのみに焦点を当てて奮起してほしい。良くも悪くも、あなたたちが気張ってくれなければ、歴史の扉がしっかりと開くことがないからだ。

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2009年3月23日 (月)

ハタミ氏の不出馬表明、小沢氏の続投観測

ハタミ氏は、改革派3候補の得票が分散して現職のアフマディネジャド大統領を利することのないよう出馬を取りやめたそうだ。

小沢一郎氏は、逮捕された秘書が起訴されても、嫌疑がそれ以上に広がらないようなら党首を続投するという観測が強いようだ。

ハタミ氏の一本化の判断が、ハタミ氏の思惑通り実を結ぶかどうかは結果を見なければわからない。ハタミ氏の改革派若年層への人気を活かさずして、改革派の勝利があるかなという疑問も残る。

小沢氏が続投するという判断をするとすれば、秘書が逮捕されたというマイナスイメージよりも、続投して小沢氏の「束ねる力」を維持した方が、総選挙勝利や政権運営にプラスという判断を優先するということだろう。しかし、これも思惑通りいくかどうかは結果を見なければわからない。森田自身はやはり「交代」の方が勝利につながると思うが‥

いずれにせよ、政治は「結果」が全てだ。よい結果がもたらされるよう、ベストの選択が当事者たちによってなされることを祈る。

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JTB「旅物語」参加の記-石見銀山、秋吉洞に感動

実は先週末の広島の原爆資料館訪問は、JTBのパック旅行「旅物語」の2泊3日の廉価版ツァーに参加してのものだった。

これを選んだ動機は、広島まで「新幹線でも飛行機でも、往復3万円くらいかってしまう。それにホテル代と考えると、3万円プラスアルファで『宮島・石見銀山・津和野』などをバスで回るというツァーに参加するのは行程が多少きつくても安上がり」というものだった。

参加してみると、行程のきつさは「多少」ではなかったが、貧乏旅行としては大満足だった。初日は昼過ぎに羽田を飛び立って午後遅く広島空港に着き、バスと船で宮島・厳島神社を訪問。市内の「元祖お好み村」というお好み焼きやの集まったビルで夕食、市内のホテル泊。

2日めは特攻隊ツァーとも言うべき強行軍で、朝、広島を発ち三次のワイナリーなどに寄りながら昼前に石見銀山。片道30分以上歩いて間歩(まぶ)を見学。これは一見の価値ありで豊かな緑の自然と古い寺社など歴史的な集落を歩くハイキングも快適。再びバスに乗り込むと海沿いの国道を西へ走り、島根県を真ん中から西へ横断、さらに内陸の城下町・津和野へ。ここでは観光協会のホームページで紙漉をしている写真が出ている面白い饒舌な現地ガイド=みやげもの店店主の案内で多少見て歩き、さらにバスは山口県の萩へ。

萩はホテルに入る前に松陰神社に立ち寄り、松下村塾などを見学。かつて大河ドラマ『花神』(前半の原作は『世に棲む日々』)に熱中したことを思い出し、写真などたくさん撮る。萩はまあ大きいけれども庶民的な温泉ホテルのバイキング。

最終日は快晴に恵まれ、まず海岸沿いを風力発電のプロペラを見ながら西へ走り、金子みすずのふるさとの小さな港から今は橋でつながっている青海島(おうみじま)観光の遊覧船。素晴らしい海と奇岩の眺めと親切な乗組員に心打たれる。昼前に秋吉台をバスで走り秋芳洞へ。あんなに大規模なものとは全然知らず、これは一見の価値あり。山口市の瑠璃光寺では国宝五重塔ばかりか、薩長同盟の舞台となった家屋を移築したものなども見、さらに岩国で歩いて渡った錦帯橋は聞きしにまさる景観の中にある美しい橋だった。

そうやって夕方4時10分頃、再び広島市の平和記念公園に到着し、5時半集合までの記念館見学。子どもたちには、森田がそれなりに整理したガイドの役割を果たしたので、見学の時間としては短めだけれども充分だった。

もともとの寺院移転後、田んぼの中に一人建っていたという五重塔。流されても地元の熱意で伝統技術で再建された錦帯橋など有名な観光スポットには見るべきものばかりでなく聞くべきストーリーがあると実感。秋芳洞内の見所に設置されているボタンを押せば聞ける音声ガイドは、日本語、英語、韓国語、中国語の4カ国語から押しボタンひとつで選択でき、同行のJR中国のバスガイドさんによると、この多国言語による設備はつい最近整備されたものらしい。

南宋との貿易に力を入れた平清盛の厳島、一時は世界の銀の半分を供給したという石見銀山、長州ファイブを出した萩、対明貿易の大内氏の遺産でもある山口市の瑠璃光寺五重塔と、自分では「『鎖国・日本』のイメージ打破、世界に開かれたニッポンの歴史ツァー」と勝手に名付けていたが、そう力まずとも結構楽しかった。

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2009年3月22日 (日)

「竹中氏の持論 現実離れでは」(朝日「声」欄投書)

少し前に朝日新聞が内橋克人さんのインタビューを掲載し、朝日も反省声明なき方向転換かといったことを書いたが、その後、竹中平蔵氏が正反対の持論を全開する大型インタビューが掲載されていた。

ここでは触れずにいたが、17日付「声」欄に、そうだ、と思う一文を発見したので以下ご紹介。朝日の学芸部にも経済部にはあきれている向きもあるのか。

竹中氏の持論 現実離れでは

会社員 古屋 喜基 (山梨県笛吹市 57)

 「資本主義はどこへ」(9日朝刊)で、竹中平蔵氏はグローバル資本主義や構造改革が格差拡大などの副作用をもたらしたとの指摘を一蹴する発言をしていた。世界大不況に突入した時期だけに、私は気になった。

 構造改革に着手のころ、皆が貧乏になるのか、一部の人が金持ちになり経済の底上げをするかのいずれかとすれば選択肢は一つ、との趣旨の竹中氏の発言を記憶している。確かに一部の人たちは金持ちになった。他方、日本が先進国の中では米国に次ぐ貧困大国になるほどの格差を生んだ。そして、経済の底上げは実現されていないのではないか。

 竹中氏は一人ひとりが勉強して稼ぐ力を身につければ解決するとしている。しかし、頑張って働いても収入が伸びないのが現実だ。こんな閉塞感が、不可解な犯罪や自殺者の増加を招いているのではないか、と思う。

 地方の郵便局を効率優先で廃止した件でも、過疎地の老人には困難な自立生活を強いる言及をしており、暗然たる思いを禁じ得なかった。

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西松建設は戦中の中国人強制労働問題にも誠意ある態度を

毎日新聞の広岩近広記者が書いていたが(3月22日付「発信箱」)、例の西松建設は戦前・戦中に連行された中国人を強制労働に従事させていた企業であり、現在もそのことで問題ある対応をしているそうだ。

一昨年に最高裁判決が出て「日中共同声明で賠償請求は放棄」と強制労働の謝罪と補償を求めていた原告側の訴えが棄却された際に、最高裁は異例の付言で西松建設が「中国人労働者らを強制労働に従事させ相応の利益を受けている」と認定し「被害者らの救済に向けた努力をすることが期待される」と道義的責任にもとづく救済を促したけれども、西松建設は「単に裁判官個人の意見」としてこれを無視しているという。

こうした品性下劣な振る舞いによって、中国の人々の対日観に影響があると考えると本当に頭にくる。西松建設は、世間にご迷惑をかけていて申し訳ないという気持ちがあるなら、心ある社員の声を糾合してこういう問題についても是正してもらいたい。

自民党の議員たちにも「返す先がわからない」という多額の献金があるらしいが、こうした被害者の救済基金でも作ったらどうか。

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シルヴィ・ギエムのベジャール振り付け「ボレロ」

連休中の夜(20日)、NHK教育テレビでシルヴィ・ギエムさんが東京バレエ団公演で踊るラヴェルのボレロを惚れ惚れとして見る。森田自身はスポーツはじめ自分では全く体を動かすことがないので、彼女の身体能力がいかに優れているか本当には理解できないなりに。

表情にジョルジュ・ドンが宿って見えたのは気のせいだろう。

パリオペラ座からロイヤルバレエに移った時の話し、独立しての活動の理念など、芸術家としての「自立」ということを強く印象づけるギエムさんが、何度も来日を重ねてくれたことにはありがたい思いがある。東京バレエ団の活動ぶり、あるいは日本のバレエの観衆のあり方の何かが、彼女の心を打ってこういうことになったのだとすれば、何か嬉しいように思う。

つづけて放映された、2005年パリでのベジャールバレエ団公演「ペストオブ・モーリスベジャール」。存命中の公演であり、ベジャール氏本人もカーテンコールに姿を見せていた。

「春の祭典」の大詰めが、第一部の冒頭と、第二部で演じられるが、注意力散漫で見ていたが同じ振り付けのよう見え、主演の二人のコスチュームが違うといった程度の違いのように感じた。

「テーマはここに還ってくる」という意味なのだろうか。

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2009年3月20日 (金)

中国の胡錦涛主席、訪中した北朝鮮首相にクギを差す。

中国の胡錦涛主席が訪中した金英逸(キムヨンイル)首相に対して19日、「6カ国協議を再開させることは、関係国の共通の課題だ」と述べ、ミサイル発射なども念頭に自制を促したという報道がなされている。

中国の北朝鮮に対する働きかけは、水面下で行われることが多く、このような報道に接するのは珍しいことだ。これはどのような「変化」を反映することなのだろうか。

言うまでもなく、1950年に始まった朝鮮戦争の時に、米軍の反撃で敗北の危機にあった北朝鮮に対し、建国間もない共産党政権の中国が鴨緑江を渡河して加勢し大きな犠牲を払いながら米軍を押し返して以来、中朝両国は「血で固められた同盟」という関係を誇ってきた。

今では北朝鮮は、中国からの食料、エネルギーなどの支援がなければ存立できないということは誰の目にも明らかなのだが、中朝関係は中国が北朝鮮のプライドをとても尊重する関係を結んできた関係があり、いまのキムジョンイル国防委員長の父親である金日成主席の時代から、日本側から中国側に対し「北朝鮮に対して影響力を行使してください」と働きかけても「ちょっと大きな声では言えませんが、全然言うこと聞いてくれないんですよ」という関係が続いてきた。

今回、公開の席で中国のトップから、かなりはっきりと例えばアメリカや日本も歓迎するような立場からの話が北朝鮮側に行われた。

この真意はどこにあるのか。中国として、米新政権が6カ国協議から米朝二国間に舞台を移すことのないよう、六カ国協議を本気で動かそうとしているのか。それとも、アメリカなどに一定のありばいを作ろうとしたのか。それとも、異例なトップによる半ば公開の場での発言ということは、さすがの中国も現在の北朝鮮のやり方にしびれを切らしかけているのか。

このトップからの注意喚起が、結果として北朝鮮のメンツを立てることになって、全体がいい方向に動くことに期待したい。しかし、逆にこのような明白な「助言」に対し、かつて毛沢東の中国がスターリンのソ連に反発したような過激な反応に出ないかちょっと心配がないわけではない。

しかし、いずれにせよ北朝鮮に関わることで日本の国益を実現したければ、「日米韓」をしっかり固めることとともに、中国の協力をいかに引き出すが決定的に重要だ。その点について現実が全く判っていなかった小泉政権に象徴される自民党政権、かつての外務省首脳部のあり方に対し、次期政権における「明確な転換」が強く求められる。

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2009年3月19日 (木)

「ミサイル技術=衛星打ち上げ技術」、「イランの核開発は、日本と同程度の核技術を持ちたいということ」といった視点を持つことの重要性

少し前だが3月7日のNHK・BS1『土曜解説』で、NHKの秋元千明解説委員が「ミサイルを打ち上げて、ある目標に弾頭を誘導する技術」と、「ロケットで人工衛星を打ち上げて、目標の軌道に投入する技術」は、技術としては同じ技術であるとあたりまえの発言をしたときに、「北朝鮮はなんてひどいことをしようとしているのか」と勢い込んでいるかに見えた女性アナウンサーは反応示さず話題を変えてしまった。

言うまでもなく、秋元氏はここで北朝鮮の肩を持っているのではなく、むしろ「衛星と主張したとしても、ミサイルだ」とファクトを指摘しているに過ぎない。ところが、こうした事実は「北朝鮮は悪いやつだ」と騒いで肝心なことから目をそらせたい人々、あるいは乗せられて騒いでいる頭の悪い人々にとっては「不都合な真実」だろう。

ところが、浅井基文氏も指摘するとおり(毎日新聞2009年3月10日付「新聞時評」)、朝日や毎日の社説すら、こうしたファクトを脇に置いて、とにかく「フテー野郎だ、勘弁ならない」というトーンだ。そうでなきゃ、「右」のブログにもたたかれるし、読売との部数差がもっと開いてしまうということなのだろう。

森田自身も、北朝鮮は「人工衛星打ち上げ」などより地域の平和のためにも、自国民が安心して生きていけるようにするためにも、他にやることがあるだろうと思う。「発射は当然だ。批判はおかしい」などと言うつもりは毛頭ない。

ただ、メディアや自公政権、外務省などが「国連安保理決議だ」「いや単独制裁だ」など、ここぞとばかりに騒ぎを煽るような姿勢を示していることに強い疑問を感じているのだ。

安保理決議と言うなら、中国やロシアへの根回しが必要だが、出来ているのか。麻生総理が民主党タカ派の前原副代表の挑発に乗って「尖閣に日米安保適用」などとわざわざ国会答弁し、訪中が延期になったというではないか。

アメリカでは、議会公聴会証言でブレジンスキー氏(カーター政権の国家安全保障担当補佐官、国務長官)が、「イランが行っている核開発は、言ってみれば日本が持っている程度の核技術を持ちたいということだろう」と発言したそうだ。ブレジンスキー氏は大使館人質事件で煮え湯を飲まされたご本人だが、ここでは対イラン強硬論をクールダウンさせることを狙っての発言だと思う。

イランと並べられると不快に思う人がいるかもれないが、外から見た日本の姿を時々想像してみることは大事だろう。

「北のミサイル発射はけしからん」「イランの核開発ばダメだ」という話は単純だが、「他人のふり見てわがふり直せ」ではないが、実は「わが国のH2A打ち上げと衛星軌道投入技術は、その気になれば直ちにミサイルに転用できる技術である」こと、「日本の核技術も、国際的な約束を反故にすれば兵器への転用ができる」ものであることを思い出しておくことは意味のないことではない。

それではなぜ、北朝鮮やイランについては騒ぎになることが、日本については問題にならないのか。いちばん簡単に言えば「日本国憲法」の裏打ちがあるからだ。アメリカがうるさく言わないのは、日米安保条約ということもあるだろう。

いずれにせよ、憲法9条というベースがあり、「福田ドクトリン」「村山談話」「河野談話」などの積み重ねがあって、わが国は「北朝鮮やイランとは違うよね」という一定の「信用」を得ているのだ。

注意しなければならないのは、田母神元空幕長の主張、あるいは安倍晋三、中川昭一、桜井良子といった人々の日頃からの主張は、こうした信用の基盤を根底から崩しかねないということだ。「日本はまた大日本帝国をやるつもりなのか。それじゃあ、北朝鮮やイランより危ないじゃないか」ということになりかねない。

わが国にとって北のミサイル発射や、イランの核開発より、こうした人々の威勢のいい発言や、一部の国民がこうした意見をおもしろがってはやしたてることの方が、国益を損なうところ大と言うべきだろう。

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2009年3月18日 (水)

米AIG巨額ボーナス、新規課税で取り戻せるかに注目

巨額の損失を出し、世界経済への影響を回避するためにアメリカ国民の巨額の税金を使った支援を受けて事実上の公的管理の下にある保険・金融会社AIGが、一部幹部社員に多額のボーナスを支給したことで、オバマ大統領はじめ民主、共和両党の政治家たち、また多くの国民が激しく怒っている問題についてだが、政治家たち怒っているのは選挙民向けのポーズという面が大きく、実際には取り戻せないのではないかと思っていた。

ガイトナー財務長官は「AIGはボーナス分を国に返却を」と求めているようだが、それではもらった人はもらい得だ。

しかし、報道を聞いているとボーナスを受け取った人から「税率100パーセント」などの課税によって取り戻そうとする動きもあるらしい。

ABCテレビのレポーターは、「議会でそのような法案が成立する可能性がある。ただし、それが法律的に正しいことかはっきりしていない」ということのようだ。

自民党政権下のわが国でもこのような場合、結局は力のある者のもらい得でうやむやになることがほとんどであるように思うので、貪欲な金融業者を野放しにしてきたアメリカが、ちょっとはましな対応をすることになるのか注目したい。

本当は、「公共事業を受注する業者の政治献金を禁止すべきだ」といった考え方と同様に、「税金の支援を受けた金融機関の職員の給与は、返済まで公的機関の許可制の下に置く」といった、一般的な制度を整えておくのがいいのではないか。

日頃から「高給をとりながらいい加減な仕事で自分の会社や内外の経済に損失を与えても、税金で穴埋めしてもらえて、何のペナルティーもない」というのは、公正さに欠けるように思う。次期政権にはぜひ考えて欲しい。

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2009年3月17日 (火)

「いまや自民も民主もない」という俗論

先週水曜、2009年3月11日付『朝日新聞』の声の欄に、千葉県船橋市の79歳男性による「若手を中心に政治家結集を」という投書と、山口県防府市の68歳男性による「党派を超えて難局に当たれ」という投書が並べて掲載され「民主党には、多くの良質な若手がいる」だの、「民主党政権で今までできなかったことができるのか」「国会の紛糾はもってのほか。大連立を」などという意見が開陳され、編集部はこの二つの投書に「いまや自民も民主もない」という見出しを付けている。

選挙の結果によっては大連立も選択肢の一つになるというのは現実だ。しかし、本来いま何より必要なのは自民党主導、官僚主導、財界主導の新自由主義、軍事優先の政治から、福祉国家建設、平和指向の複眼的外交への明確な「転換」なのである。

朝日新聞が、「いつでも与党の支持者でいたい」ご老人の投書を取り上げて、「いまや自民も民主もない」などという俗論を見出しにするとは。

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ペイリン元副大統領候補の娘、婚約破棄=右翼政治家の粉飾がまた一つ露見=

昨年の米共和党大会で、家族の価値だの何だのと保守的な価値観を強調してブームになっていたペイリン副大統領候補の10代の未婚の娘、ブリストルさんの妊娠について、相手の10代の青年が壇上に上げられ「二人は結婚する」と発表があり、大いに盛り上がった。

それが、実のところ子どもは無事生まれたけれども、二人は婚約を解消し、ABCテレビが求職中の青年にインタビューすると「いつでも子どもに会える」と言うものの、持っている子どもの写真は胎内にいたときのX線写真だけだった。

二人は生き方をそれぞれ、よく話し合った上で自由に決めればいいことだ。とても嫌な感じがするのは「私たちはなんて立派な家族でしょう」といった演出によって有権者に対して自分たちの姿を粉飾したペイリン元候補(現アラスカ州知事)のことだ。

だいたい、ご立派なご宣託で右寄り、保守的、「愛国」的な価値を並べるような連中に限って、いざというときは無責任で、何の反省もないのが普通なので、あまり驚かないが。

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日本テレビ社長辞任

虚偽報道で日本テレビ社長辞任と聞き、報道がこうしたことでケジメをつけるのは結構なことと思う反面、政局にクビを突っ込んで「麻生を辞めさせた後は石原伸晃がいい」とか言っている人などの方が実権を握っていて、痛くもかゆくもないんだろうと思う。

本当は、実権持っている方が責任問われなきゃ、おかしいんじゃないか?

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解散は「G20首脳会議・補正予算案の骨子提示直後」(森田敬一郎予想)

これまで、解散時期の予想については常に多数説より遅いタイミングを言ってきたが、今朝のNHKニュースで「自民党内に任期満了近くにという声が高い」といったことを言っているのを聞きながら、はじめて「もっと早いこと想定すべき」という思いを強く持った。選択肢は限られるとはいえ、解散時期でだまし討ちをかけるのは自民党のお家芸みたいなものだ。

首相はこう考えるのではないか。「もうどうしても『衆院3分の2』を使わねばならないものはない。『海賊対策』に便乗して、自衛隊が海外で自由に武力行使できるようにする恒久法制定をやりたい気持ちもあるが、自民党内各派の意向に乗っかって呑気にしていると『麻生おろし、総裁選』を仕掛けられる。せっかく体制側の『システム』が小沢ショックを作り出したのだから、一刻もはやく解散した方がいい。リーズナブルなタイミングは4月のG20直後に、補正予算の骨子を明らかにして抜き打ち解散することだ」。

民主党の候補者は悩ましい。早期解散を想定しても、事務所やアルバイトの確保は費用の面からムリすることはないと思う。しかし、本人、家族や限られた側近はいよいよ「何時でも」という覚悟を決め、1980年6月に菅直人氏が初めて当選した予想外の解散で、雨の中(たしか)真っ先に街頭に立ったことが報じられたような「常在戦場」の気合いと演出を考えておくことが大事だと思う。

特に、今後は「やっぱり解散はもっと先」と上手に思わせる操作的な情報が出てくるから要注意。

外れたらごめんなさい。

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2009年3月16日 (月)

広島原爆資料館について(つづき)

森田が考えることぐらい、たいてい他の人がすでに考えたり、行動に移しているという例の一つで、少し検索してみると「再検討」が実際に行われているという(例えば『中国新聞』の記事=後掲=)。

展示替えの構想も、森田が昨夜書いたものとほとんど同じで、誰が考えてもそういうことになるということだろう。

原爆資料館の出入り口東館に

'09/3/12

 原爆資料館(広島市中区)の展示見直しを考える市の基本計画検討委員会は11日、整備計画の中間案を大筋で了承した。出入り口とも東館とし、メーンの本館展示は人間的な視点で被爆の実情を伝える構成とする。

 管内を「導入展示」「人間の視点からの被爆の実相」「核兵器の危険性と広島の歩み」の3ゾーンで結ぶ。見学後、気持ちを整理するための場所も館内2カ所に設ける。

 順路は東館で導入展示を5―10分見る▽本館に移り、原爆の威力、人的被害などで「8月6日」に触れ、被爆者が描いた絵や遺品、証言映像からいまも続く被害の実情を知る▽東館に戻り、核開発の現状と被害、広島の復興の歩みと平和への取り組みを学ぶ―を想定する。

 学識経験者、被爆者たちで構成する検討委の会合には、19人が出席。昨年4月以降の検討委と「建物・展示整備部会」の議論を踏まえ、事務局が中間案を説明した。今後は「被爆体験証言活動部会」でも検討を進め、市は2009年度中に基本計画を策定する。           【中国新聞 2009年3月12日】

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広島の原爆資料館(平和祈念資料館)は構成に工夫の必要あり

最近、子ども二人が広島の原爆資料館を訪問していないことに気づき、これはいけないとこの週末出かける。一浪、高3で、4月から大学生になる二人だが、それぞれの印象を受けたようだ。

森田自身、大学生だった30年近く前、「本館」も展示場になってからの数年前と訪問経験があったので、本館は被爆前の爆心地と、被爆直後の爆心地をそれぞれ再現したジオラマにほぼ絞り、東館の被爆の実相を伝える展示の見学に重点をおいて案内・説明することで、初訪問の二人にある程度フォーカスした見学を体験してもらえたと思う。

本館の展示のうち、被爆以前の広島の歴史を描いた部分、その2階の核兵器のメカニズムや軍拡競争の問題、広島市の平和運動などについて紹介する部分は、問題を深く理解し、あるいは「現代の問題である」ことを印象づける部分としてとても大事だと思うが、森田は、それらの部分は展示全体の流れ・順序の中では、東館の展示内容を見た上で、それに続くものとして取り上げられる方がよいのではないかと思う。

収蔵品の収集に始まり、同資料館の活動の果たしている役割にはたいへん大きなものがあるので、森田のような者が意見を申し上げるのは誠に僭越なのだが、例えば井上ひさし氏とか、平田オリザ氏といった、「表現」の面で達者な人々に「構成」について助言を求めるといったことを考えられたらいいのではないだろうか。

もっとも、現地でもそういう話が出ているとガイドさんも話していたし、秋葉市長、リーパー理事長などの人々はPR面でもたいへん優れた能力のある方々なので、きっと将来、こうした点も改善されることと思う。

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2009年3月12日 (木)

「あらゆることが流動的」-日本語を褒められた =後任は岡田さんでしょう=

英語国の外交官が電話してきて「日本の政治どうなりますか」と言うので、日本語で以下のような話をした。

「新聞に書いてあることとだいたい同じだが、小沢さんは民主党を選挙に勝たせるために辞めるだろう。(後はだれになりますか?民主党の中はグチャグチャになるんじゃないですか)40歳代の人たちも支持するということを考えると岡田さんだろう。現執行部の菅さん、鳩山さんということもあるだろう。多少つきあいのある自民党の長老は、今回の事件のずっと前から『あそこは結局、鳩山なんだろう』と言っている。

 岡田さんになれば、イメージもいいし、かえって無事に民主党政権ができるんじゃないかな。ただし、交代が早いタイミングになると、自民党内でも総裁選挙ということになっていくかもしれない。みんな言っているけれども、どっちの党も、いま自分が動くと、それがはねかえって自分の当選に不利な状況が起こるかも知れないと動かずにいるということでしょう。どうなるかわからないというのが本当で、ひょっとしたら何週間か後には、河野太郎政権なんていうのができているかもしれない」。

そんな話をしたら、「森田さんが最後に言った『あらゆることが流動的』という表現が、いまの日本の政局にとても合っていると思います」と日本語を褒められた。

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李明博・韓国大統領の対北朝鮮政策-今こそ日韓協力強化に動くべきとき

午後、有楽町の東京国際フォーラムで開催された韓国大使館と毎日新聞社主催のシンポジウムを聴講した。

基調講演者の一人、権哲賢(クォン・チョルヒョン)駐日大使は、さすがに政治家出身の大使らしく、また軍事政権時代に国を追われるような形で筑波大学に留学して社会学博士号をとったという日本経験の基盤の堅さから、大きな視野の、しかし足が地に着いた感じの話しだった。

森田は初めての参加だったが、何年かに一度開かれるこうした催しに毎回参加しているという元韓国紙記者で大学講師の李ホンチョン氏に聞くと、歴史問題がほとんど取り上げられなかったことが数年前と様変わりということだった。

権大使は、たしかに李明博大統領の実用主義の外交が、昨年の文部省の指導書での独島(竹島)問題への言及の問題で一挙に台無しになりかけた危機について触れたけれども、日帰り参加の朴チョリ・ソウル大国際大学院副教授や、経済面での日韓協力の必然性を説いた金ジョンシク延世大教授、浦田秀次郎早大教授の発言は皆、前向きの話ばかりだった。

森田にとっていちばんの収穫は、今までいまひとつ明確に像を結んでいなかった李明博政権の対北朝鮮政策について、道下徳成・政策研究大学院大学助教授のよく整理した話しを聞き、またコーディネーターの金子秀敏編集委員の突っ込みを含めたパネラーのコメントを聞くことによって、少し見通しが良くなったことだ。

道下助教授、朴チョリ副教授らによれば、李明博政権の対北政策は「核兵器開発阻止」に明確にフォーカスされている。まずは政権発足当初から「非核開放3000」として提唱された、「北が核を放棄すれば北の一人あたりGDPを3000ドルのレベルまで引き上げることを支援する」という内容だ。

しかし、北は前政権が言わば見返りを求めることなく行っていた支援の一部が停止されたことに激怒したことが報じられ、「非核開放3000」もその発動が「北の核開発停止が完全に確認された後」ということでは、これまでと180度違う話になってしまうのではないかと漠然と思っていた。

この点について道下助教授によれば昨年夏、構想3000はさらに内容が練られ、「共生共栄政策」といった名前がつけられたそのロードマップは柔軟なもののようだ。

①北の核無能力化の方向性がはっきりしたところで、「非核開放3000」を直ちに実行に移せるよう準備に着手する。

②核廃棄のプロセスが明確になった段階で、教育分野や生活水準の向上などの支援を始める。

③核廃棄実現により、全ての分野で400億ドル規模の支援を実施する。

こういった内容らしい。さらに道下助教授は「韓国が一人、太陽政策でどんどん援助を送る政策から、現在の比較的厳しい線になったことで、対北朝鮮政策の基本線において日本と韓国の差はなくなった」「ただし、韓国と日本の違いは、韓国は北が核放棄を進めれば、わが方はこのような援助を進めるというロードマップを持っているのに対し、日本にはそのようなものが準備されていないことだ」。

今日のシンポジウムでは触れられなかったけれども、「拉致問題」が日本のロードマップに含まれるのは良いことかもしれない。「拉致問題が完全に解決しなければ一歩も動かない」「支援は核が完全に放棄されてからだ」というのでは、原理原則には忠実かもしれないけれども、目的を達成するのに合理的なロードマップとは言えないだろう。韓国からも「友達がいが無いじゃないか」と言われることになる。

ここ何日か、NHKテレビのニュースでも拉致被害者の家族が釜山で金賢姫・元死刑囚と面会するというニュースばかり目立っていた。原理・原則から考えればその通りで、国民感情に寄り添うということではそうなのかもしれないが、わが国の現実の安全保障から考えても、韓国を初めとする北東アジア各国の関心の順位から考えても、拉致問題の東アジアの国際政治における優先度は「北の核兵器開発阻止」よりも低いという現実を知っておくことも必要だろう。

経済協力では、発言者は一様に「日韓FTA」の重要性を強調した。締結した場合、その経済効果は農業分野での損失よりはるかに大きいこと、そしてこの問題は政治の決断にかかっていることが強調された。森田としては、最近の世界経済の現状を反省し、「人、モノ、カネの自由な移動」のメリットを強調するだけでなく、共通の金融監視体制の構築、社会保障や雇用制度の共同研究などについても協力の対象として取りあげてほしいところだが。

経済といえば、もう一人の基調講演者である東レの榊原定征社長が紹介した、自社に例をとっての韓国への技術協力や投資の成功の秘密の話しも参考になった。70年代に次々に韓国に進出した同業の大手日本企業は、ほぼ80年代、90年代までに全部撤退してしまったそうで、現地の関係7社の活動が継続している東レが一人踏ん張っているようだ。

権大使も、朴チョリ副教授も、「大阪生まれの大統領」「日韓議連会長が国会議長」「外相は元日本大使」「日本大使も日本留学経験のある政治家出身」という韓国側の布陣は、日韓関係にとってこれ以上は考えられないもののようだ。

一方、他のところで聞いた話だが、最近の麻生総理の訪韓も韓国メディアは厳しかったものの、一般の印象はとても良かったというし、北東アジア課の人の話しを間接的に聞いたが、中曽根外相も報道されているわけではないが、方々に知り合いがたくさんいてたいへん歓迎された様子で、北東アジア課にとっては役に立つ存在であるらしい。

ここは一つ、民主党はじめ次期政権を担う方々には対韓国政策も良く練っておいていただきたい。やはり「北東アジア」が日本の地元であり、選挙も外交も、地元が肝心というのが真実なのではないだろうか。

【以下、毎日新聞記事切貼】

日韓シンポジウム:駐日韓国大使が「A2で協力を」

 韓国の李明博(イミョンバク)政権発足1周年を記念し、日韓の専門家を招いたシンポジウム「今後100年の日韓関係のために」(毎日新聞社、駐日韓国大使館主催)が11日、東京都千代田区で開かれた。米国のオバマ政権誕生や世界的な金融・経済危機という状況下で日韓両国がどう協力すべきかについて意見が交わされ、参加した約200人が耳を傾けた。

 基調講演では権哲賢(クォンチョルヒョン)・駐日韓国大使が「李明博大統領は昨年1年間で57回の首脳会談を持ったが、最も多いのが6回の日本だった」と紹介。「アジアを代表する先進的な市場経済国家である韓国と日本がA2(アジアの2カ国)として諸問題に共同で対処し、中国を加えたA3(同3カ国)に発展させるべきだ」と提言した。

 また、榊原定征(さだゆき)・東レ社長(日本経団連副会長)は、韓国での事業展開に触れながら、日韓の産業・技術面での協力や経済連携協定(EPA)推進の必要性を訴えた。【成沢健一】

毎日新聞 2009年3月12日 東京朝刊

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2009年3月10日 (火)

オバマ政権がES細胞研究への助成解禁-「ひとりよがりのキリスト教原理主義」から「科学を尊重する政治」へのチェンジ

オバマ大統領がES細胞研究への連邦助成を解禁する大統領令に署名した(毎日新聞記事を後掲)という。アメリカ政治がブッシュ時代の「ひとりよがりのキリスト教原理主義」路線から、「科学尊重の現実重視」の路線へのチェンジを進めていることの証左だ。

これについて、朝からNHKのニュースを聞いていて気になったのは「キリスト教原理主義」への言及が無かったことだ。毎日の記事も「保守派」としているが同様だ。

【NHKのページより】

米大統領 ES細胞研究を助成  NHK 3月10日 6時52分

アメリカのオバマ大統領は、人の受精卵が分裂する過程で取り出すことができる特殊な細胞「ES細胞」を使った医療研究を助成する大統領令に署名し、「生命倫理の一線を越える」として拒否権を発動したブッシュ前政権との違いを鮮明にしました。

受精卵が分裂する過程の「胚(はい)」から取り出すことのできる「ES細胞」は、人体のさまざまな組織を作り出し、難病の治療への応用が注目されています。これについてオバマ大統領は9日、ホワイトハウスで演説し、「多くの研究者や医師、難病患者やその家族が待ち望んできた『変革』をもたらすときがきた。ES細胞の研究への助成を解禁する」と宣言しました。そのうえでオバマ大統領は「これまでの政権は健全な科学と道徳的価値観を取り違えてきた。この2つは両立できる」と述べ、研究を助成するための大統領令に署名しました。この研究をめぐっては、「初期の生命を破壊するものだ」という反対論が強いことから、オバマ大統領は厳しいガイドラインを設けるなどの配慮を示しましたが、議会が可決した法案に対し、「生命倫理の一線を越える」として、2度にわたって拒否権を発動したブッシュ前政権との違いを鮮明にした形となりました。

ブッシュ大統領による連邦予算支出禁止が、ブッシュ氏個人のキリスト教右派のイデオロギーや、選挙で共和党の強力な基盤になっているキリスト教原理主義勢力に対するサービスとして「歪められた政策」であったことは自明のことであるのに、容疑者がイスラム圏の人物による事件の際にはすぐに「イスラム教徒」「イスラム原理主義」とあげつらうのに対して、アメリカのキリスト教原理主義勢力に対しては遠慮するというのはダブルスタンダードであり、メディア全般に見られるバイアスだ。

もちろん、イスラムを名乗る過激派に対して「イスラム過激派」と表記することは適切だが、こんどのようなES細胞に関わるニュースで「キリスト教」に触れないなら、ただ単に「過激派」とすることが適当だろう。

いずれにせよ、シリアとかパレスチナの地に起こったユダヤ教、キリスト教、イスラム教は、唯一絶対神を信仰するいわば兄弟宗教で、世界中の紛争の大半はこのいずれかが関わるということは、まことに迷惑な話なのだが、日本人がこの中で、とりたててキリスト教の肩を持ついわれは無いはずなのだ。いくら自民党政権が盲目的なアメリカ追従を続けたとはいえ、アメリカが「宗主国」というわけではないのだから。

ちなみに板垣雄三氏によれば、「原理主義」ということばはキリスト教内部の概念で、「イスラム原理主義」という言い方は、キリスト教圏の人がそれを当てはめて使っているに過ぎないそうだ。

BS1の「おはよう世界」の税所玲子キャスターは「キリスト教の右派」ということばを使って解説していたが、ブッシュ大統領の連邦予算支出禁止は「こうした声に配慮して」という表現にとどまり突っ込み不足の印象だった。

【以下、切貼】

ES細胞:米、研究へ助成解禁 オバマ氏、大統領令に署名

 【ワシントン及川正也】オバマ米大統領は9日、ヒト胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究への連邦予算支出を解禁する大統領令に署名した。受精卵を利用するES細胞研究について、保守派のブッシュ前大統領は01年8月、「生命の破壊につながる」として連邦政府の助成対象を既に作られているES細胞に限定し、新たな研究への支出を禁止していた。

 オバマ大統領は「研究に取り組む科学者を積極的に支援する」と表明。保守派の反対論に対し「健全な科学と道徳的価値観は矛盾しない」と反論する一方、実施にあたり「厳格な指針」を策定する考えを示した。

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 ■解説

 ◇米の研究、より加速--日本・厳しい指針、「遅れ」批判も
 オバマ米大統領がさまざまな細胞や臓器になるES細胞研究支援に踏み切り、米国の研究は加速しそうだ。日本発の人工多能性幹細胞(iPS細胞)研究も技術の基礎はES細胞にある。この分野で米国が「独走」すれば、再生医療の競争で日本は厳しい状況になるが、受精卵を扱うだけに歯止めをどうかけるのかが改めて問われる。

 ヒトES細胞規制は各国で差がある。独は作成を禁止、仏は06年に作成を認めた。英は不妊治療で余った受精卵だけでなく、ES細胞作成のために受精卵を作ることが可能だ。日本は余剰の受精卵から作成を認めている。

 ブッシュ政権下では州の予算や民間の資金で連邦予算を補った。00~06年発表の関連論文453本の40%が米国発。英国10%、韓国8%などと続き、日本は2%、10位だ。

 背景には日本の厳しい指針がある。当初は細胞を実験室で使うだけでも、国が全研究員の適性審査を行った。研究者の批判を受けて、見直しが進められているが、中辻憲夫・京都大教授は「研究推進を掲げつつ、実際はブレーキをかけている。遅れは取り返しがつかないほどだ」と話す。

 遅れは、人工的に作ったES細胞であるiPS細胞の研究にも響く。米国の決断は日本の研究態勢にも波及しそうだ。【奥野敦史】

毎日新聞 2009年3月10日 東京朝刊

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漆間官房副長官「自分からは辞めぬ」は、「総理が、警察敵に回してクビにできるわけないだろう」という意味

漆間官房副長官゛が、「総理が辞めろと言えば辞めるけれども、自分からは辞めぬ」という意味は、「総理が、警察敵に回してクビにできるわけないだろう」という意味であると森田は思う。

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2009年3月 9日 (月)

【切貼】中谷巌氏、転向の弁(2009年3月9日付「毎日新聞」朝刊)

「何をいまさら」「今度は転向で本を売って儲けるつもりか」というご批判もあるかと思うが、そこは雲南の山賊の親玉を何度も許した諸葛孔明の寛容を見習って、いよいよわが陣営の陣容を厚くすることが賢明だろう。

以下、毎日新聞2009年3月9日付の記事の切り貼り。

語る:中谷巌さん 『資本主義はなぜ自壊したのか』を刊行

 ◇改革の副作用を懺悔した後に
 経済学者、中谷巌さんの『資本主義はなぜ自壊したのか』(集英社インターナショナル、1785円)が話題だ。アメリカ流の経済学を武器に構造改革を推進した中谷さんによる「懺悔(ざんげ)の書」。格差拡大など改革の副作用を分析して、日本経済再建の方向性をも示している。【鈴木英生】

 新自由主義=市場原理主義は今、金融危機、あるいは格差拡大や地球環境破壊の元凶として批判されている。本書も、新自由主義を放置すれば日本社会が棄損されると警告している。だが中谷さんは元々、新自由主義を日本に持ち込もうとした一人でもあった。

 1969年から米ハーバード大に留学した。<第一印象は「素晴らしい」の一語だった>。新古典派と呼ばれる経済学に心酔し、同国の豊かさをその理論の結果と信じた。

 「米国経済学の世界観は『マーケット』と『民主的政府』の2本の柱でできている。マーケットは資源配分を参加者の民主的なお金による『投票』で決める仕組み。他方、環境や格差拡大などマーケットで解決できない問題は、民主的投票で選ばれた政治家が政府を動かし、問題解決にあたる。経済と政治の両面で民主主義が貫徹すれば、社会は進歩してゆくとされています」

 帰国後、この考え方に基づいて日本社会の既得権打破、規制撤廃、市場の活性化を訴え続けた。90年代に入って細川内閣、小渕内閣で首相諮問機関の委員になり、小渕内閣の「経済戦略会議」の提言は小泉内閣に引き継がれた。だが、本人が米国流経済学から距離を置くきっかけは、このころの首相官邸通いにあった。

 「現場で、政治家や官僚の猛烈な利害調整のせめぎ合いに直面しました。米国経済学の世界観とは相いれない世界が、ここには厳然と存在していました。米国の経済学は、完ぺきに自己完結する世界を作っています。しかし、その外に広がる現実の社会は、しばしば合理的には説明できない不条理な世界であり、経済学の論理だけでは論じ切れないと思うようになりました。歴史や文化、宗教などもきちんと勉強したいと思い始めました」

 こうした勉強を続けるうちに、「やはり、経済学的世界観だけで政策を作るのは危ないと改めて思うようになりました。なぜなら、マーケットと民主政治に任せれば自然に良い社会が作られるという考え方では、日本社会がおかしくなってゆくと感じるようになったからです」。<人心の荒廃や、貧富の差の拡大は、(略)グローバル資本主義やマーケット至上主義そのものにビルト・インされたものではないか>という疑問が生まれたのだ。

 この疑問は、市場経済を限定的にしか導入していないキューバやブータンを訪れて再確認した。「両国とも貧乏ですが、人々は非常に穏やかで明るく見えた。もっと高所得国でも、貧困層は多くの場合、心が荒(すさ)んでいる。これは市場経済の副作用ではないのか」

 もちろん、日本が両国のようになれるわけもなく、市場経済を全面的に拒否すべきでもない。ただ、「日本がどんな国で日本人はどんな生活をしてきたかを考え、その価値観に合った市場の使い方をすべき」だと考えるようになった。

 本書は、日本の特徴を<世界でも類を見ない平等主義的な社会>だったことに見る。だから、目先の金融危機克服以上に<貧困層の底上げ、所得格差の是正によって、日本という「国のかたち」を整え直すこと>の必要性が導かれる。

 ここから、経済学者としての面目躍如の議論を展開する。「還付金付き消費税」の提言だ。まず、福祉目的で消費税を20%まで引き上げる。この時、年間消費200万円の世帯の消費税負担は40万円となるが、貧困世帯には、<毎年四〇万円ずつ還付する>仕組み。こうすれば、この世帯の実質税負担はゼロとなり、それ以下の年収の世帯は、むしろ還付金の方が多くなる。「日本の平等的な社会が欧米のように階級的に分断されたら、この国にはなんの強さも残らない」

 「改革のすべてが悪かったとは思いません。ただし、マーケットは万能ではない。使い方を間違えれば副作用が噴出する。私の主張は、配慮が足りなかったと認めざるを得ないのです」

 ◇マルクスの分析を評価
 <人間は仕事から疎外されたのである。資本主義社会における「人心の荒廃」はこのあたりに根源的な原因がある(略)><エリートたちが上手に一般大衆を支配し、搾取することが可能な、もっともらしい制度や仕組み、ルールを作ること、それこそ階級社会におけるエリートたちの暗黙の思惑(略)>。本書には、初期マルクスやレーニンが書きそうな言葉がある。経済学の中で最もマルクスと遠いはずの新古典派だが、「マルクスの資本主義分析には、正直なところ、学ぶべきものがあります」と中谷さん。最近、貧困問題に絡んでマルクス経済学の入門書が次々に刊行されている。この事実と合わせて考えると、中谷さんの発言は、更に重く感じられる。=「語る」は随時掲載します。

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 ■人物略歴

 ◇なかたに・いわお
 三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長。1942年生まれ。米ハーバード大博士号取得。一橋大教授など歴任。細川内閣で経済改革研究会委員、小渕内閣で経済戦略会議議長代理。著書に『入門マクロ経済学』など。

毎日新聞 2009年3月9日 東京朝刊

【以上、切貼】

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2009年3月 8日 (日)

N響神田さんのフルートはアメリカ製

今週の愛川欣也「パックインジャーナル」(朝日ニュースター)は小沢秘書逮捕「陰謀論」に重点があったらしいが、本放送は息子の高校の卒業式、当日の再放送はゲルギエフ~サンクトペテルブルグ・マリーンスキー劇場のストラビンスキー「火の鳥」「春の祭典」などのオリジナルに近い形でのバレエ公演の放送を受信するのを優先して、今後の再放送を見ることに。

世田谷区にある「科学技術学園高校」の卒業式は、どちらかというと勉強の苦手な生徒が集まる学校だが、校長や理事長の挨拶もよく練られた短いもので、吹奏楽バンドもテクニックは別として心のこもった演奏。なかなかテキバキとした気持ちのいい卒業式だった。

春の祭典のあの振り付けや衣装の版は、テレビでも通しで見たのは初めてで、とても興味深く良かった。それにしても、容姿ひとつとってもロシアのバレエはまだまだ層が厚いと感じた。

ところで、日曜に2年前だかのアシュケナージ指揮・N響ロサンゼルス公演のドビュッシー『海』のビデオを取り出して観たが、前の曲との間に現地レストランで寛ぐ団員たちの様子が流れ、フルートの神田さんが「私のフルートはアメリカ製で、私自身アメリカは初めてなので、楽器も初めての里帰り」という話をされていた。

神田さんの演奏は音楽性も豊か、音がとても美しい。あの黒い木管であろうフルートも名器に違いないと思っていたが「アメリカ製」と聞きちょっと意外な感じ。フルートの事情など全然知らないが、てっきりヨーロッパ製か日本製と思っていた。

もちろん、「アメリカ製」であろうといいものはいいのは日本国憲法も同じだ。

そういえば最近、左派系ブログでは森田敬一郎の親米色が少し浮いているような気がしている。

「右」の方にも、ちょっと前の産経論壇内に「親米右翼」と「民族派右翼」の二色の違いが目立ったけれども、森田の場合は「左派だけれども、相手がブッシュ&チェイニーでは全くダメだが、アメリカのリベラルとの積極連携なら志向する親米ハト」という第4の路線なのかなあとも思う。まあ、こうした分類やレッテル貼りよりも、肝心なことは中身だと思うけれども。

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船橋市議会休日開催

NHKのニュースで、船橋市議会の休日開催の話を紹介していた。

平日の昼間の開催では、働いている世代や学校に通っている世代はなかなか傍聴も難しいのが実情なので、よい試みだと思う。

これは学校の保護者会やPTAなどにも言えることだが、形骸化させないための一つの工夫だと思う。

「自民党時代のお任せ政治」から、「民主党時代の参加の政治」に向け、民主党の政策にこうしたことの推進をぜひ盛り込んでほしい。

【以下、NHKのページより切貼】

給付金支給めぐり日曜に議会   2009年3月8日 NHK

3月8日 19時44分

定額給付金の支給をめぐって、千葉県船橋市では日曜日の8日、市議会が開かれ、多くの市民が傍聴に訪れました。休日の開催は16年ぶりだということです。

これは、船橋市の市議会が、関心の高い定額給付金の支給方法などについて審議の課程を多くの市民に知ってもらおうと実施したもので、休日の開催は16年ぶりだということです。議員が給付金の支給時期や、支給にあわせた地域商品券の発行など、地元経済の活性化策について市の対応をただしました。これに対して、市は「来月中旬から申請書を送付し、5月中旬ごろに支給される見通しで、商店街がイベントなどを企画している」などと答弁していました。船橋市で定額給付金の対象となる人はおよそ60万人で、89億円が支給される見込みです。傍聴席にはおよそ80人が訪れて、熱心にメモを取りながら聴いていました。小学生の子どもを連れた会社員の男性は「定額給付金の支給は決まったことですが、自分の住む街でどのようなやりとりがされるか関心があります」と話していました。船橋市議会の村田一郎議長は「これほど傍聴者が多いのは初めてで、市民の関心に応えられたと思う」と話していました。

【以上切貼】

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2009年3月 7日 (土)

カルロス・クライバー~安永徹氏の毎日新聞インタビューより

毎日新聞の水曜日の夕刊文化欄(毎日新聞 2009年3月4日 東京夕刊)に、ベルリンフィルのコンサートマスターとして長く活躍した安永徹氏のインタピュー記事が掲載されていて、そこに出てきたカルロス・クライバーの話に安永さんもそんな感想持っておられたのかと興味深く読んだ。

最近、NHKのBSハイビジョンで10年あまり前のクライバーが指揮したウィーン国立歌劇場の『バラの騎士』を再放送していたが、さらにその10年前ほどの髪がふさふさしていた時代のバイエルンのオペラを指揮した時の流れるような指揮ぶりなど、本当に惚れ惚れする。

いつか、バイエルンの放送オーケストラの『こうもり』序曲のリハーサルの映像を見たことがあるが、これがかなり徹底を極めたもので、ベテランのオーボエトップがこれでもかとクライバーのニュアンスを消化するまでやっつけられていた。そしてしまいにはオーケストラが流麗なダンスを踊る。

毎日のインタビューで安永さんが、ベルリンフィルでもリハーサルで指揮者が話している時にけっこう雑談も交わされていると言っておられるのも面白いが、クライバーの時はみな一言も聞き漏らさないようにしていたというのもさもありなんと思った。

カラヤンが亡くなって、ベルリンフィルが誰に音楽監督就任を要請するかについて話し合ったときに、音楽の面で圧倒的に人気があったのがクライバーだったけれども、クライバー氏はレパートリーが自分が関心持ったものに偏り、キャンセルなども多いといったことから断念されたという話を、当時ラジオのFM放送で音楽評論家が話していたのを思い出す。

後年、NHKの放送で見たベートーヴェンの4番のシンフォニーとか、いくつかのコンサートも主催者がクライバー氏が欲しがっていたスーパーカーをおまけにつけたりして引っ張り出したものだったらしい。

モーツァルトの交響曲33番、ベートーヴェンの4番・7番、『こうもり』、『トリスタンとイゾルデ』、『バラの騎士』。クライバーが得意とした曲は、僕の最も好きな曲ばかり。一度もナマのステージを見ることがなかったのは残念。

【以下、切貼・毎日新聞 2009年3月4日 東京夕刊】

安永徹:ベルリン・フィル退団 北海道に拠点、デュオ中心の活動へ

 ◇若い人と室内楽をもっと 演奏増え、何ができるかわくわくする

 ベルリン・フィルの弦セクションを30年にわたってまとめあげてきたコンサートマスターの安永徹が3月をもって退団する。今後はピアニストの市野あゆみとのデュオを活動の中心にし、拠点も北海道に移すという。安永と市野に思いを聞いた。【梅津時比古】

 ◇市野あゆみ、学生の同時指導にも力
 昨年末、来日公演を行ったラトル指揮ベルリン・フィルのブラームスでは、従来以上に弦が安永の品性の高い美音に染まっていた。

 安永は「ロマン的な解釈のラトルのブラームスで、バイオリンの音もロマン的にすると(表現全体が)大時代的になってしまう。ラトルも『どういう弾き方があるか?』と聞いてくるので、『弓先だけでこういうふうな感じで』とか実際に弾いてみせると、皆すぐ分かる。そういう機会が増えたことと、僕がやめることを分かって皆が結束してくれたのでしょう」と説明する。

 それは、ベルリン・フィルが安永をいかに必要としているかを示すものだ。57歳での退団は驚きを呼んだ。

 「定年の65歳までいたら、その後にエネルギーが残らない。20年ぐらい前から市野と2人でデュオの演奏をしていて、2人を中心に若い人と室内楽をすることもある。そういうとき自分が充実しているのを感じる」

 「コンサートマスターをしていると、次(の公演プログラム)の準備に時間がかかり、公演が重なると自分の時間がなくなってしまう。デュオや室内楽のことを考えると、技術的にも基本的なことからやり直さないと間に合わない。これから年をとる一方だし、どちらかにしぼらないと、と退団を決めました」

 約30年の在籍で得たものは?

 「偉大な芸術家、たとえばピアニストではアラウ、ルプーらと間近で共演できたことが大きい。指揮者ではやはりクライバー。リハーサルでも楽団員全員が静かにクライバーの言を聴く。他の指揮者のときなど、けっこう皆、雑談してます。クライバーは、自分はこういうイメージを持っていると、ちょっと言葉で言って、それを指揮棒でやる。その棒がなるほどと思うほど、的確なんです。あそこまで、棒で表情を表せた人はいない」

 今後の活動の選択肢は多いだろう。

 「実は決めてはいないのです。帰国して、まず体を休めてから。市野と2人でやってきたことを中心にするのは確かですが」と安永。その言葉を受けて、市野が教育活動のイメージを示してくれた。

 「10年ほど前から2人で、バイオリンとピアノの学生への同時レッスンを始めました。ピアノの学生は友達とちょっと合わせるぐらいでは、弦楽器がどういう楽器か分からない。弦楽器の先生もピアノの学生には、やはりバランスのことぐらいしか教えられない」

 「技術的なことに関しても同時にレッスンすると分かりやすい。ピアノの学生がピアノの先生から指導されていることをバイオリンの学生も聞いて、ピアノにとってはどういうことが難しいのか、バイオリンの学生が知る。その反対も。そういう機会を通して、今までとは違う視点で、音楽や演奏を考えてみるきっかけになれば」

 彼ら自身の演奏活動も当然増えるだろう。

 安永は「自分たちで何かをつくっていきたい、という思いが強くなっています。今後、演奏は国内を中心に。デュオでまだやっていない曲もあるし、これからどういうことができるか、わくわくしています」。

 最近はオーケストラの弾き振り(バイオリンと指揮)も始めた。

 「指揮者が許可する範囲で音楽をするのではなく、皆でこうしたいな、と話し合って音楽ができればと思ったので。そういう共演関係は続けたいと思いますが、指揮者になるつもりはありません」

 住むのは北海道。市野は「周りに何もないので防音もしなくていいし、夜中の2時に窓をあけてピアノを弾いていられる。すると夏は眠っていた小鳥が鳴きだすんです」と楽しそうだ。

【以上、切貼・毎日新聞 2009年3月4日 東京夕刊】

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2009年3月 6日 (金)

「献金返却」という自民党議員-証拠を見せろ。

加納時男議員とか、二階派とか、西松関係の献金を「返却する」と表明している自民党の議員たちがいて、それをメディアは大きく報道している。

これは、本当に返却したかちゃんと見届けないと怪しい話だ。検察が偽装とリークしている政治団体は解散しているというのだから、いまのところ「誰」に返したらいいのかハッキリしていないなどと言うではないか。

「そのうちハッキリしたら」などと言っているうちに、メディアの関心は他の方に移ってしまい、結局は逃げ切ろうという魂胆の議員もいるのではないか。

「ここに返しました。これがその領収書や振り込みの記録です」というものが提出されない限り、森田は「返却」を信じない。

メディアには社会部というものがあるのだから、検察リークばかり報じていないで、また政治部に遠慮ばかりしていないで、この辺でもちゃんと報道の使命を果たして欲しい。

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「田母神氏年収1億」-あなたの所属組織で田母神講演会の企画が持ち上がったら‥

地下鉄の週刊誌吊り広告を眺めていたら「田母神氏年収1億」という見出しを目にした。恐らく、講演料何十万円とかの講演会などに引っ張りだこなのだろう。

いろいろな団体で講演を企画する人は、聞きに来る人のウケを狙って、面白い人、話題の人を呼びたいと考える。そうしたの中には、軽い考えで「田母神はやっているらしい」「ちょっとツッパってて面白い」と思う人がいるかも知れない。

もちろん、産経新聞や小学館の『SAPIO』の愛読者の確信犯的な保守反動で、この機に乗じてと「田母神講師」を提案する人がいるかもしれない。

仮にあなたが、講演会の企画に関わる仕事をしていて、どこからか「田母神を呼ぼう」という声が出たら、あなたはどうするべきか。

何か言うとカドが立つから黙っている?

右翼の連中はうるさいし、ちょっと怖いし、頭が悪くて話が通じないから好きなようにさせる?

‥‥お願いですから、ほんの小さな勇気を振るって「でもちょっと引いちゃう人がいるかもしれませんね」とか、「話題としては、もうちょっと古いですね」とか、理由はなんでもいいので、賛成ではないという意思表示、あるいは提案の勢いをくじく一言を発してください。

田母神氏の主張の焦点は「日本はいい国だ」ということだそうですが、その中味は直接的には【(1)この前の戦争が日本が悪かったのではない】ということであり、言外に【(2)軍部が政治を壟断した戦前の政治体制が悪かったのではない】ということだ。

これは日本外交の「地元」である韓国や中国との関係、またアメリカとの関係すら破壊する考え方です。また、やがて国民の自由を窒息させ、人権保障を危うくする方向につながる主張です。ツッパリというよりは、反社会的な言辞であり、このような主張を航空自衛隊のトップとして主張したということは、わが国の平和と民主主義、また憲法を危うくするものと言わなければなりません。

「でも、私一人が反対しても‥」と思われるかも知れません。

しかし、考えていただきたいのです。日露戦争の後に韓国を併合し、中国を侵略し、そのことで対立したアメリカに重大な結果を招くことになった先制攻撃をしかける。戦争が終わった後、一般の人々は「私は戦争には反対だった」「騙された」と言いました。軍部や政府の軍国主義者の仕業だったというのです。

それは「嘘」です。愚かな歴史の選択をしたのは、ポーツマス条約が弱腰だといって日比谷焼き討ち事件を起こした一般の東京市民(横須賀の小泉純一郎氏の祖父も参加していたらしい)、5・15事件の軍事法廷に「心の清らかな決起将校を死刑にしないで下さい」と助命嘆願や多数の署名を提出したごく一般の年配女性たち、中国各都市の軍事占領を祝った提灯行列に参加した人たち。そういった人々だったとも言えるのです。

要するに、興奮して戦争を煽る方にまわった多くの一般国民がいて、それ以上に「私一人が反対しても」「みんなこう言ってるから」「空気読め(そういうことばがあったかどうかは別として)」と流された人々がいて、さらに、そうした世論の圧力を軍部内の派閥抗争や、議会での政友会・民政党の対立に利用しようとする輩がいて、システムが悪い方向に動いた結果‥‥

だから、小さなことのようで「いま、うちの会に田母神さんを呼ぶのはちょっとどうかと思います」と、勇気を振るってあなたがひとこと言うことは、とても大事なことだと思います。

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2009年3月 5日 (木)

長谷川憲正議員の「竹中参考人招致」要求を支持する

午後の参院予算委質疑の最後は、国民新党の長谷川憲正議員だった。朝日の記事も紹介しているが、長谷川議員は竹中平蔵氏が鳩山邦夫総務相によるかんぽの宿払い下げ問題に関連して「与野党の郵政族議員が結託して」などの非難を繰り返していることについて、竹中氏を参考人招致して見解をただすことを要求し、北沢委員長も「理事会で協議する」と引き取った。

聞いていてなるほどと思ったのは、政府が100パーセント株を持っているのだから、あまり日本郵政がおかしなことやっているならば、臨時の株主総会を開かせて、役員全部入れ替えてもいいのだし、外国にはういう前例もあるという話しだった。

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イミョンバク大統領の多国間軍縮交渉の提案

NHK・BS1で見た韓国KBSのニュースによると、オーストラリア訪問中のイミョンバク韓国大統領はオーストラリアの新聞に寄稿し、東アジアにおいても「多国間の交渉の枠組みを推進することで、北東アジアの軍備競争を抑制していくべきだ」との見解を示しているそうだ。

わが国の自公連立政権や外務省、防衛省から聞こえてくるのは「中国は軍事力を強化している」という話ばかりだ。せめてイミョンバク大統領の今回の発言程度の建設的な発信はできないものだろうか。

ただ騒いでいるだけでは、現実を変えることはできない。

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タックスヘイブン

昨日のNHK・BS1「今日の世界」後半の特集は、BBCがタックスヘイブンを取り上げたレポート番組の紹介だった。

リヒテンシュタインやジャージー島がケースとして取り上げられていたが、アメリカでもイギリスでも金融機関や大企業救済のために巨額な税金が使われている一方で、救済を求める企業の巨大な資産が「税率が低い」「当局の監視の目が届かない」タックスヘイブンに置かれて課税逃れ、資産隠しが行われているということに怒りが集まっているという内容だ。

国境を越える「多国籍企業」ということが言われるようになって30年にもなると思うが、労働者は「グローバルな競争」を口実に権利を削減され、賃金を引き下げられる一方で、カネ持ちは「監督・規制」には「グローバル化」が及んでいないことを良いことに、濡れ手で粟の大儲けに走るばかりでなく、今日の世界的規模のバブル崩壊、金融恐慌・景気後退を引き起こした。

4月のG20サミットでもこの問題が取り上げられる見通しだというが、日本政府からこの問題で、あるべき姿について何かいいアイデアが発信されたという話を聞かない。自公連立政権も、財務省や金融庁も、タックスヘイブンを規制することよりも、これを個人的にどう利用するかを考えたりとか、ワインを飲んだりとかで忙しいのだろうか。

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田中康夫議員の質問

国会中継をつけっぱなしにしていたら、田中康夫元長野県知事が出てきた。民主党の枠内、40分という限られた枠内だが、なかなか聴かせる質問だった。

前半はグリーンニューディールに関することで、間伐推進が一石何鳥にもなるという聞き慣れたはなしだが、組み立て方、話し方もあって引き込む。テレビの画面で見ると麻生総理も含め、斉藤環境相、二階経産相、石破農水相なども「その話は知ってるよ」と思ってはいるのだろうが、本気で聞き入っているような様子に見えた。

委員会質問はこういう感じであってほしい。野党議員や、これから野党になる議員にはビデオを見て勉強して欲しい。

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米ロ関係、ミサイル防衛(MD)に注目

アメリカで政権交代があれば、核軍縮やMDにも良い方向への変化があり得るということをここでずっと言ってきたが、いよいよ実際に動きが出てくることになる。

予定される米ロ外相会談では期限が切れるSTARTⅠに変わる戦略核兵器削減交渉の枠組みについて話し合われるということだし、オバマ大統領がメドベージェフ大統領に「イランの核開発を阻止できれば、アメリカのMD東欧配備は不要になる」という趣旨を含んだ書簡を送ったことが報じられたりしている。

これも世界が正しい軌道に戻るために必要な作業であり、大いに注目したい。これに関わって世界の政策潮流も変化しつつあり、わが国も安倍政権の時にMD開発・配備を決めているわけだが、各党の国防族以外の政治家たちにも(国防族以外だからこそ)、大きな視点から再検討をしてもらいたい。

なお、メドベージェフ大統領の反応についてNHK・BS1の今朝の「おはよう世界」は「MDについて話し合おうというのは評価するが、イランの核開発については取引しない」と要約したが、昨夜の「今日の世界」は「イランの核開発については取引しないが、MDについて話し合おうというのは評価する」と要約していた。前後を入れ替えただけだが、後者の方が米ロ関係全般に前向きな姿勢に聞こえる。

ちなみに、番組で紹介されたロシアRTRのインタビュー映像は「イランの核開発については取引しないが、MDについて話し合おうというのは評価する」という順に言及していた。

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ブラウン英首相は「議会演説」も

麻生訪米での日米首脳会談は「昼食会なし」「共同会見すらない」と言われたが、ブラウン英首相の場合は会談後に記者の質問を受け、昼食会もやり、「議会演説」も行った(切貼後掲)そうだ。

イギリスの首相としても5人目だったという議会演説は儀礼的なものだが、希望すれば誰でもできるわけではない。最近では安倍首相が訪米の際の議会演説を画策したものの、従軍慰安婦問題についての安倍首相の姿勢から認めるわけにはいかないというハイド下院外交委員長(当時、共和党)のホワイトハウス充ての書簡もあって実現できなかったという例もあった。

今回はムリムリ突っ込んだ日程だったため、イギリスと格差がついてしまったが、麻生政権がいつまで続きそうかということを外務省が考えたということもあるのだろうか。

もっとも、どの首相であれ「さすがに日本の首相はいい演説をするね」ということならいいのだけれど、そこはかなり心配だ。将来、もし日本首相の米議会演説という日が来るなら、村上春樹さんに原稿添削してもらうといい。

【以下、切貼】

英首相、新たな欧州観構築を  米議会で演説

 【ワシントン4日共同】ブラウン英首相は4日、米議会の上下両院合同会議で「『古い欧州』や『新しい欧州』など存在しない。あるのは米国の友人である欧州だけだ」と演説、4月5日にプラハで首脳会議を開く米国と欧州連合(EU)が協力し、経済危機を克服しようと呼び掛けた。

 ブッシュ前米政権でイラク戦争を推進したラムズフェルド国防長官(当時)は、開戦を支持したポーランドなどを「新しい欧州」と称賛する一方、反対したフランスやドイツを「古い欧州」と批判した。首相はこうした欧州観をいさめ、オバマ政権下で米欧関係を再構築する必要性を訴えた。

 4月2日にロンドンで開かれる20カ国・地域(G20)の第2回首脳会合(金融サミット)を主催するブラウン首相は、今回の危機を「『経済のハリケーン』が世界中に吹き荒れた」と形容。危機克服には各国の政策協調が必要と力説した。

2009/03/05 09:11   【共同通信】

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政治的判断が稚拙に見える「バシル大統領訴追」だが、世界の人道と人権の歴史にとっては必要な蛮勇かもしれない

「国際刑事裁判所(ICC)がスーダンのバシル大統領を起訴」というニュース(後掲)があった。

ある国の国家元首による残虐な行為に対し、国際社会が法に基づいて人権を守るための措置を執行するという、大きくはこれからの世界が進むべき方向に則ったことである。

もちろん、執行にあたっては実際には難しい問題がある。「スーダンの主権の独立」との関係で、誰がどうやってバシル大統領を逮捕できるのかという問題がある。ダルフール紛争には大きく言ってイスラム教徒のアラブ人勢力による、キリスト教徒の黒人勢力の弾圧という構図があり、また中国がバシル政権に肩入れしてきたという側面もあるため、他の同様な問題よりも欧米のメディアなどの注目を集めているという見方もある。

さらに言えば、今回の訴追により国連や各国のダルフールの難民支援活動がバシル政権側により脅威にさらされることにつながるといった問題もある。

ダルフールのいままさに迫害されている人々の状況が実際に良くなることと、新しい国際刑事機関により、普遍的な正義が実現される手だてが整えられること。一度に両立することが難しい問題にも見えるが、世の中のことで簡単に解決できることなどない。関係者の努力と知恵により人道と人権を守る国際機関が成長するステップとなってほしい。手をこまねいていては歴史は前に進まない。

【以下、切貼】

スーダン大統領に逮捕状  ダルフール紛争でICC  共同通信 2009年3月4日

 【ブリュッセル4日共同】スーダン西部ダルフール紛争をめぐり、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)は4日、戦争犯罪と人道に対する罪などで、スーダンのバシル大統領(65)に対する逮捕状を発付した。2002年に設立条約が発効したICCにとって現職の国家元首に対する初の逮捕状。同法廷のモレノオカンポ主任検察官が昨年7月に請求していた。

 ダルフール地方では03年2月、アラブ系の中央政府に対する黒人系勢力の反政府活動が激化、政府軍はアラブ系民兵と協力して、黒人系住民の村などを無差別に襲撃した。国連によると、約30万人が死亡した恐れがある。

 検察官は、大統領が軍などを指揮して少なくとも3万5000人の市民を殺害したほか、約250万人を難民キャンプに送り、無差別に強姦したなどと主張している。

 ICCは自前の警察力を持たないため、逮捕状執行は外遊先の国が身柄を確保した場合などに限られる見通しだ。ICCは07年5月にもスーダン政府高官ら2人に対する逮捕状を出したが、政府は引き渡しを拒否した。

【以上、切貼】

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2009年3月 4日 (水)

もっとイスラム圏に関心を=見あたらない世界イスラム経済会議の報道=

NHK・BS1で見た、たしか昨日未明放送分シンガポールCNAのニュースで、ジャカルタで「世界イスラム経済フォーラム」なるものが開催されていて、インドネシアのユドヨノ大統領が「こうした世界経済情勢の中ではイスラム圏内の助け合いが大事だ。世界の最貧国50カ国の半分はイスラム諸国なので、産油国を中心にイスラム銀行に拠出金を出し合い、相互扶助を進めるべきだ」といった趣旨の演説をしたことが紹介されていた。

これは、世界情勢を左右するようなニュースではないと思うが、テレビ視聴者が世界の姿を知る上では報じる価値のあるニュースだろう。

しかし、グーグルのニュース検索で「ユドヨノ」「イスラム銀行」などの語であたってみたところ、わが国でこれを報じたものは見あたらなかった。

念のため英語版で当たってみるとこれくらいの検索結果(一例だけ後掲)が出ていた。

もっとイスラム圏のニュースは増やしていいと思う。東南アジアについての報道で、欧米に負けていて良いのか?

【以下、BBCの原稿切貼】

Islamic banks 'better in crisis'

By Lucy Williamson
BBC News, Jakarta

Indonesian President Susilo Bambang Yudhoyono has called on Islamic banks to take a leadership role in the global economy, amid the financial crisis.

He was speaking at the opening of the World Islamic Economic Forum in the Indonesian capital, Jakarta.

The forum has brought together political and business leaders from 38 countries to discuss the global economic slowdown.

They will also discuss ways to achieve energy and food security.

Mr Yudhoyono said it was time for Islamic banks to do some missionary work in the West.

Islamic financial institutions, he said, had not been hit as hard as their western counterparts because they did not invest in toxic assets.

Banks run in accordance with Muslims laws on interest payments and the sharing of credit risks are seen by many as fairer than traditional banks, less focused on profit and kinder to the communities they work in.

Demand for Islamic financial products has been growing in the Muslim world for years but Mr Yudhoyono said that many in the West were now ready to learn from them.

Islamic law prohibits the payment and collection of interest, which is seen as a form of gambling.

Transactions must be backed by real assets, and because risk is shared between the bank and the depositor, there is added incentive for the institutions to ensure deals are sound.

【以上、切貼】

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2009年3月 3日 (火)

「小沢民主党代表の公設秘書逮捕」-民主党指導部の危機管理能力が問われる

党首が当事者の問題であり、ここは鳩山幹事長、菅代表代行をはじめとする党首を除いた党首脳部の正念場だ。

鳩山幹事長の当初のコメントは、ダメージを弱めて様子を見るために致し方ないと思う。戦術的には適切な対応だったかもしれない。

「企業が政治家に献金はダメ。ただし、政治家個人ごとに設けられている政党支部あてにはOK。パーティー券の購入は良し。しかも1回20万円以内なら名前出さなくて良い」

こんなところが基本ルールだと思う。このルールを聞いたとたんに、回転のいい人なら「何回もパーティーを開いて、各回20万円以内の購入を繰り返してもらえば、いくらでも透明性のない献金をしてもらえる」など、いくつもの抜け穴を考えつくだろう。

西松建設が考えた抜け穴は、「企業の献金」ではなくて、「社員たちの個人の献金」ですよという形式を整え、あとで個人が献金した分を会社がボーナスなどで穴埋めしていたということらしい。

「いいや、個人献金として集めた団体から、上限などの制限も含めすべて適法に受け取ったもので、形式も全て整い、届け出も適正だ。小沢事務所側に何の手落ちもない」というのが、小沢氏や民主党の立場だ。

東京地検特捜部は「形式はそうだが、それは偽装で企業献金だ」と言っているわけだ。

小沢氏側にも言い分があるわけで、法律的には最高裁で有罪が確定するまでは「無罪」を推定すべきだ。ただ、それはあくまで「法律的には」という話で、法律的に正しいということと、政治的に賢明ということは食い違うことがあり得る。

スピード違反で走っている車は多いし、酒気帯び運転も根絶されているわけではない。検挙されるのはほんの一部に過ぎない。-だからといって、検挙されたことをなかったことにすることはできない。

秘書逮捕が不当ないし間違いだったことを証明することは可能だろうし、そう信じたい。しかし、目前の、世界政治の転換点に行われる、日本の政治史にとって重要な選挙には間に合わないだろう。

ここは民主党指導部のギリギリの判断を見守りたい。

ただ、こう書いてきて、やはり「民主党がさわやかに政権をとる」というイメージにより、新しい政権への国民の支持、求心力を作り出すためには、小沢さんが「ここは一度、黙って身を引かせていただきます」と言うことは意味のないことではないという気持ちが強くなってきた。

小沢氏がそう言ったときに、森田は「無責任だ」「敵前逃亡だ」というつもりはない。

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東京に赴任2度めのオーストラリアの友人へ

AR様

 まずは2月の山火事のお見舞いを申し上げます。それにしてもこの前は六本木ヒルズが無かったというのだから、久しぶりの東京赴任ということになりますね。僕の英語はあいかわらずなので、日本語で書きます。難しいところは秘書の方に聞いてください。

 僕は最近ブログなるものを書いているので、この手紙はそこに「東京に赴任2度めのオーストラリアの友人へ」という題で写しを載せるつもりで、今日はオーストラリアと聞いて思い浮かぶ感想を書き連ねてみようと思います。

 21世紀に入り日豪の協力は前に進んだと言えるでしょう。アメリカがブッシュ・チェイニー時代だったときに、ハワード政権、小泉・安倍政権などは世界の中にあってもアメリカと足並みが揃い、イラクでの協力などはその象徴だったと思います。

 しかし、イラク問題の推移からアメリカの「単独行動主義」への批判が強まり、山火事や干ばつとなると二酸化炭素排出問題にも注目せざる得ず、さらにリーマンショック以来の世界経済の変調を考えるとオーストラリア、日本とも政策の転換が求められました。米オバマ政権の誕生は決定打でした。

 この状況の中で、オーストラリアはオバマ政権誕生に先駆けてラッド政権を誕生させて対中国積極外交などマルチ外交を推進し、京都議定書に復帰するなど「転換」の先取りに成功しています。それに対して日本は自民党も政策の中味を静かに転換させつつあるけれども、野党は政権の座を奪うことによって転換を図ると主張して激しく争っているわけです。僕はすっきり政権交代した方が、いろいろな意味でいいと思うのですが、選挙でどちらが勝つにせよ、オーストラリア政治のようなハッキリした転換が必要な場面だと思います。                                                   

 僕は核軍縮の重要性を長年主張してきたので、ラッド首相が昨年初来日に際してまず広島を訪問されたことを高く評価しています。ウラン輸出国であるオーストラリアの動向は、世界の核不拡散体制の行方に大きな影響を与えますが、現在「NPTに加盟しないインドにウランを輸出することはしない」としておられることを高く評価しています。

 一方、日本の戦後の教育は自国の忌まわしい歴史をしっかり教えることが充分でなかった面があり、例えば日本の若い人々の多くが、先の大戦でわが国がオーストラリアを空爆したり、ニューギニアの密林で死闘でオーストラリア兵と白兵戦を繰り広げ、多くの捕虜に苦難を与え死に至らしめたことを知らないという問題がある。こうしたことには、わが国自身がしっかり取り組んでいかなければならないと思います。

 オーストラリアが「ニュージーランドとの協力を前に進める」という報道を見ました。一般の日本人から見ると、地理的に同じ方角にあり国旗も似ているオーストラリアとニュージーランドはほとんど同じに見えるわけですが、以前、ニュージーランドの女子高生がわが家に短期滞在したことがあるんだけれども、話しを聞くと、どうもオーストラリアのことが好きではないらしい。お隣どおしは例えば「日本と韓国」の関係を思わせるような難しい面もあるのかもしれないと感じました。

 韓国と言えば、安倍首相(当時)が安全保障の「日本、アメリカ、オーストラリア、インド」の四カ国の連携構想を提唱したことがありますが、私自身はあの構想は「中国排除」の意図が明白だということもさることながら、日本が提唱する地域提携構想に「韓国」が含まれないことが一番の問題点だと思っていました。私自身は韓国との実質的な連携がまだまだ足りない。むしろこれからは「まず韓国と話す」といったことが世界政治の中で足場を固める上でいちばん重要だとすら思っているからです。
  
 日本は東アジアの伝統と、欧米型の民主的な体制の「ハイブリッド国家」であり、一方、オーストラリアは生まれは欧米の民主主義国家だけれども、80年代からは白豪主義を捨て、いわば東アジアの国として生きていくことを決意した、日本とは裏返しの東西ハイブリット国家であるということができると思います。

 その意味で、ソマリア沖の海賊の問題などでは、安倍構想とは組み合わせが異なるけれども「日本・韓国・オーストラリア」といった常設の救難・犯罪取り締まりの協力関係といったやり方を模索することは意味があると思います。アメリカや中国に対してもオープンにしておくことはいいけれども、中くらいの国同士がマルチの関係を造ることには意味があると思います。また、日本と韓国が二人だけで向き合ってしまうと、ちょっとお互い緊張してしまうこともあります。この前は、韓国からソマリア派遣の給油の打診があったけれども断ったという記事が出ていて、僕は派遣自体にあまり賛成ではないけれども、派遣するなら韓国からの申し出は無碍にしない方がいいのになと思いました。

 ところで、オーストラリアでも経済対策としての国民一人一人への給付金が今月から支給されるという話しを耳にしたが、金額や規模はどれくらいのものですかか。国民やメディアの評判は?参考までに教えてください。

 バズ・ラーマン監督の豪映画『オーストラリア』が東京では今週から上映が始まっているわけです。日本の明るい話題の一つは『おくりびと』のアカデミー外国語映画賞の受賞です。時代劇ではないけれども、それがかえって日本の文化の根底にあるものを紹介する結果になっていると思う。一見をお勧めしたい。

 オーストラリアは「外国語映画賞」を狙えないのはお気の毒ですね。もっとも、司会者を輸出している(ヒュー・ジャックマン)わけですが。

 全く思いつくままのに書き連ねてしまいました。また10年(?)前のように、時々話しましょう。それでは。

【以下、切貼】

オーストラリア:NZと経済緊密化協定の発展で合意     共同通信2009年3月2日

 オーストラリアのラッド首相は2日、同国を初訪問したニュージーランドのキー首相と会談、両国間の自由貿易協定(FTA)である経済緊密化協定を発展させ、モノの貿易だけでなく投資なども自由化して「単一市場」づくりを目指すことで合意した。
 1年以内に入管・税関手続きなどの規制緩和で合意を目指す。(共同)

李大統領、6泊7日の日程で海外訪問    韓国中央日報 2009年3月2日

  李明博大統領がニュージーランド、オーストラリア、インドネシア訪問に向けて2日午後、出国する。6泊7日間の日程で8日、帰国の予定だ。
  青瓦台関係者は「新しい成長動力創出及び経済回復に寄与するための経済・エネルギー・資源外交が中心だ」と説明した。ジョン・キー・ニュージーランド首相(3日)、ケビン・ラッド・オーストラリア首相(5日)との首脳会談で李大統領は、韓・ニュージーランド、韓豪自由貿易協定(FTA)交渉開始を公式宣言する。
  最後にインドネシアを訪問する李大統領は6日、スシロ・バンバン・ユドヨノ大統領との首脳会談でインドネシア内造林地追加確保と地下資源開発プロジェクトをはじめ、エネルギー・資源・森林協力増進を模索する予定だ。
  李大統領は出国に先立ち、韓昇洙(ハン・スンス)国務総理と関連部処長官が出席する外交・安保関係大臣会議を主宰し、最近、北朝鮮のミサイル発射などの懸案を点検した。

東アジア首脳会議、4月開催=ASEAN+3も-タイ    時事通信 2009年2月27日

 【ホアヒン27日時事】東南アジア諸国連合(ASEAN)は27日、タイの政情混乱で昨年12月から延期されていたASEANと日本、中国、韓国(ASEANプラス3)首脳会議と、この会議参加国にオーストラリア、ニュージーランド、インドを加えた東アジア首脳会議を4月10日から12日までの間、タイ国内で開くことを決めた。開催場所は未定という。タイ政府当局者が明らかにした。(了)
(2009/02/27-22:46)

WHO「アジア全体で統一対策を」 03/03 12:10 

 発生が懸念されている新型インフルエンザについて、アジア・太平洋地域の担当者が一堂に集まる世界保健機関=WHOの国際会議が、きょうから福岡市で始まりました。福岡市のホテルできょうから始まったWHO主催の会議には、アジア各国やオーストラリアなど16か国の新型インフルエンザ担当者ら、およそ60人が参加しています。
 ヒトが免疫を持たない新型のインフルエンザが発生して、爆発的な感染=パンデミックが起きれば、死亡者は世界で1億5000万人に達すると国連は試算しています。感染の広がりを最小限に封じ込めるため、国境を越えた対策が求められています。
 この会議は6日まで4日間の日程で開催され、各国のガイドラインをもとに、アジア・西太平洋地域全体の行動指針の策定を目指します。

女性の社会進出度、日本の指数が大幅低下 マスターカード調査 日経 2009年3月2日

 米マスターカードは「女性の社会進出度」に関してアジア・太平洋地域を対象にした調査結果をまとめた。それによると日本の総合指数は54.53となり2008年の前回調査から8.84も低下した。調査対象の14の国・地域のなかでは、前回に引き続きインド、韓国に次ぐ3番目に低い水準となり、女性の社会進出が進んでいないことを示す結果となった。指数が最高だったのはオーストラリアの96.1だった。
 同調査は「雇用市場への参加」「学歴」「管理職」「平均収入」の4項目について各国の男女差を指数化したもの。指数が100だと「男女平等」を示し、100未満は男性優位の男女不平等を示す。日本では今回、平均を超える年収を得ていると感じる人数の男女差が拡大し、指数が低下した。
 指数の上位はオーストラリアに次ぐ2位はタイで91.5、3位はニュージーランドで90.5だった。(10:35)

オーストラリアの山火事と広島、そして核問題(3)   ブログ「萬晩報」より
                                                        2009年02月16日(月)
異文化コミュニケーション財団 引地 達也

 1941年12月8日に日本軍がハワイの真珠湾を攻撃して始まった太平洋戦争は約1年の間、日本軍は快進撃で南方へ進出、1942年2月から43年11月までにオーストラリア北部の都市や基地などを空爆、機銃掃射するなどの攻撃を加えた。特に42年2月19日のダーウィン空爆で死者は約250人を数え、同3月3日には西オーストラリア州ブルームで9機の戦闘機が機銃掃射し88人が死亡し、作戦機二十四機を破壊したた。42年5月31日にはシドニー沖の潜水艦から発進した特殊潜航艇4隻がシドニー湾に侵入、うち1隻が停泊中の巡洋艦などを魚雷で攻撃した。

 これらの攻撃はオーストラリアの本土が危機にさらされた初めてのケースであり、国防姿勢を根底から練り直さなければならない事態となり、人々の間に戦争への恐怖が実感として認識された。

 日本軍はオーストラリアを孤立させるために米国との海上航路を封鎖しようとフィジーとサモアを攻略するFS作戦を実施する。この過程で42年1月23日ににラバウル、同5月3日にはソロモン諸島のツラギを攻略した。そして8月にパプアニューギニアのジャングルで日本兵とオーストラリア兵が壮絶な戦いを繰り広げる「ココダの戦い」に至る。劣悪な環境で敵兵と対峙し、この戦いでの勝利が攻勢への足がかりの一つにもなったとされ、オーストラリアでは対日戦争の象徴となり、後に本や映画などで語り継がれている。

 一方、東南アジアではマレーシア全土を掌握した日本軍は1942年に英国軍の東南アジア最大拠点であるシンガポール基地を攻略し約1万5000人のオーストラリア兵を含む13万人以上を捕虜にするなど捕らえられた計約2万2000人のオーストラリア兵のうち3分の1が収容所で死亡したという。日本との戦争で死亡したのは計1万7501人に上る。

 この太平洋戦争を含む第二次世界大戦で勝利した連合国のうちオーストラリアの貢献は大きく、戦後の国際的地位も飛躍的に高まった。ただしその痛みも大きい。戦争に送った90万以上の兵士は18-35歳までの男子の10人中7人が出征する数である。比率は当然、連合国中最高だった。空爆、ジャングルでの戦い、そして捕虜収容所での扱い。この三点がオーストラリアの対日戦争への印象であり、これを処罰という形で具体化するのが極東国際軍事裁判、いわゆる東京裁判の裁判長を務めたオーストラリア人のウェッブ判事である。連合国司令官マッカーサーに指名された米、英、ソ連、中華民国、フランス、カナダ、オランダ、オーストラリア、ニュージーランド(後にインド、フィリピンも加わる)の裁判官のうちウェッブ判事は最もラディカルで日本に厳しく天皇までも追求していたとされる。各裁判官の意見が合わないまま裁判は進行し、結局28人が起訴され東条英機ら7人が絞首刑、16人が無期禁固刑、2人が禁固刑、2人が公判中に病死、1人が精神障害のため免訴された。さらに49年9月に他の連合国が一斉に終了した日本戦犯裁判をオーストラリアだけは50年6月から51年4月にかけて実施、5人の死刑を執行したのも他国との対日観の温度差を強調している。

 さらに付け加えれば現代でもオーストラリアは日本の戦時下における従軍慰安婦をめぐる問題でも厳しい目をそそぐ。時にそれは被害者の多い中国、韓国をしのぐほどである。2007年 3月13日に安倍晋三首相とハワード首相は東京で会談し両国の「安全保障協力に関する日豪共同宣言」に署名した。二国間の相互安全保障と協力強化をうたう宣言は日本にとって米国との安全保障条約に次ぐ二国間の安全保障協力、オーストラリアにとっても米国を含めた太平洋の三角点を結ぶ協力の意義は両国ともに大きいはずだが、署名を受けた有力紙エイジの社説は「未来に目を向ければよく見えるが、過去の問題はまだ残っている」とし、いわゆるタカ派のイメージである安倍政権を「正しい歴史認識を拒否している」などと批判し、従軍慰安婦の「真摯な謝罪」を求めている。

 米下院で従軍慰安婦問題への謝罪を日本に求める決議をめぐり、2007年初めに米下院の外交委員会で元従軍慰安婦として当時の様子を証言したオランダ人、ジャン・ラフ・オハーンさんは南オーストラリア州アデレード在住。これも少なからず慰安婦問題に敏感な世論を形成する要素とも言える。

 日本の冬はオーストラリアの夏。リゾート地ゴールドコーストの足の長い波は海の壮大さを感じるし、暖かい水は気持ちがよい。だから、多くの日本人が訪れる。オーストラリアからはスキー客が日本へ、日本からはサーフィンやゴルフにオーストラリアへと渡航者数は増加したが、オーストラリアに関する歴史は置き去りにしたままのような気がする。日本にコアラが初上陸したのが1984年。それ以来、オーストラリア観は進歩したのだろうか。(了)

【以上、切貼】

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2009年3月 2日 (月)

映画「少年メリケンサック」-僕もあがきつづけるしかないな

期待通りの出来映え。とっても面白くて、やがて哀しいのでぜひご覧下さい。

宮崎あおいさんが『篤姫』と平行して、この「中指立て」連発のドラマ撮影していたというのがプロなら当然なんでしょうけれども、すごい。

帰宅すると、フジテレビの「宮崎あおい、心にしみるアフリカ」という、彼女がルワンダを訪問した番組をやっていた。途上国支援について、長期的視点と責任感のある考えを話していて、本当にこの人には、これからの世代の日本人として大いに頑張って欲しいと思う。

森田ごひいき佐藤浩市さんも、あおいちゃんの中指立てに対抗して「(彼氏の)○○○でかいのか?」「○○○でかいのか?」、「おい、○○○でかいのかよ!!」と下品なことばを連発、自民党の中川昭一のレロレロに対抗してゲロゲロで頑張っていた。クドカンは若い人、例えば働く若い女性を面白がらせて、何かを教えようとしているのだろうけれども、森田は当然おっさんバンドの方の年代なので、「25年前には大人にバカにされ、いまじゃ若いのにじゃまにされ」とぼやきつつ、「今やらなきゃならないんだよ」とあがき続けることになるんだろう。それでいいんだとクドカンが言ってくれているような気もする。

(民主党元代表の岡田克也代議士がブログに格調高い感想書いておられるけれども、どうもこっちはお下品で申し訳ありません)

2009年3月1日、池袋サンシャイン・シネマ。子どもたちには新宿ピカデリーの『おくりびと』の券をとってやる。二人とも、いろいろ感じるところ、考えるところあったようだ。こちらの映画については、多くの人が見ることで、日本は一つステージが上がるような気がする。

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矢崎彦太郎指揮~東京シティフィルのドビュッシー「海」

2008年2月28日(土)午後、東京シティフィルのこうとう定期演奏会に出かける。シティフィルの定期演奏会、会場のティアラこうとうとも初めて。

お目当ての「動物の謝肉祭」は二人のピアニストも含めて良い演奏だった。パリ在住という指揮の矢崎さんも、この曲は2~3曲ごとにマイクを握って「謝肉祭というのは‥」とうるさくない程度の楽しい解説。

そうか、キリスト教徒は受難節に入る前に肉なんかたくさん食べてどんちゃん騒ぎか。イスラム教徒が昼間断食する「ラマダン」は、日没後にたくさん飲み食いするのでラマダン月は肉の消費量などいつもより多いというのと似ているな。わが国にも「精進落とし」なんてことばがあるし。どの国も俗っぽい連中、もちろん森田もその一人だけれども、五十歩百歩か。

どの曲も楽しく聴いたが、「象」をコントラバスのソロでなく、4台のユニゾンとして落ち着きのあるものとするなど全体的にバランス感覚があった。ピアノに加えてパーカッションのたぶんエキストラの人たちも好演。唯一惜しかったのが、白鳥のチェロのソロ。きれいな音だし、コンサート全体では堂々のアンサンブルを見せている人なのに、ちょっと遠慮しすぎ。ここは「今日のコンサートは全て俺のため」というくらいの図々しさで、たっぷりやってほしかった。

ところで「シティフィルには無理なんじゃないの」などと失礼なことを思ってでかけたドビュッシーの「海」がなかなか良かった。シティフィルはコントラバス専攻の堤俊作さんが長く指揮していただけあって、低音が厚みをもってしっかり鳴る感じで、矢崎さんの中庸を得てかつよく流れる指揮の下、いかにも江東区の下町っぽい雰囲気のお客さんたちの前で、土曜の午後の素敵なドビュッシーが流れていた。

トランペットのトップの人なんか、とってもうまいと思った。ホールも、江東区の人はうらやましいなあ、でも本当はこんな立派なハコよりも福祉や教育を優先しなくて財政はだいじょうぶかしらなどと思えるようないいホール(前から5列目くらいで聞いた)。

ベルリオーズ、サンサーンスとドビュッシーの間に一柳慧(いちやなぎ・とし)氏の尺八と共演の曲「音に還る~尺八とオーケストラのための」。現代日本の作品をプログラムに入れていくことの意義は認めるけれども、森田はレベルの低い聴衆で「同じ幕末の大河ドラマのテーマ音楽でも、一柳さんの『翔ぶがごとく』よりも、甘口の『篤姫』のが良かったな。日本人作品でも、ああいうのをやったら」などと思っているうちに居眠り。一柳先生ごめんなさい。

そしてプログラムを見ると、5月の元オーボエ奏者・宮本文昭氏が指揮する公演で大島ミチルさんの『天地人』のテーマ音楽などが演奏されるらしい。森田が考える程度のことはとっくに楽団の方が考えていた‥

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「両陛下、真珠湾訪問を検討」報道(ワシントン共同)を歓迎する

両陛下の真珠湾訪問が計画されているという報道(下に切貼)を見て、これはとても良いことだと思った。

たとえ家族同士であっても、人と人の一日のつきあいは「おはよう」の挨拶ではじまる。国と国の付き合いであれば、お互いの国のために命を捧げた人々に敬意を表するということが大事な出発点の一つだろう。

戦後の日米関係は、日本がアメリカの示した「自由と民主主義」「武装解除」の憲法草案をほぼ丸呑みし、また米軍の極東戦略(後に中東まで=麻生総理が「自由と繁栄の弧」と呼ぶ=)のため常時駐留を認める、アメリカは天皇制の存続を認めるという取引を出発点にしている。

現在までも、われわれ日本人がアメリカの大衆文化にどっぷり浸かってきた=例えばフランス流の赤ワインブームも、英国風ガーデニングもアメリカメディア経由=ということもあるわけだが、タテマエや美辞麗句はともかく、日米の関係は要は「ビジネスと安全保障」のつきあいであり、心と心の触れあいというところではいま一つ、というのが正直なところではなかったか。ジャパンパッシングが言われ、鳥居坂の国際文化会館の日米文化交流行事なども往事の賑やかさに比べ寂しいものだという。

ちょうど天童荒太氏の『悼む人』が話題になり、『おくりびと』が米アカデミー賞の外国語映画賞を受賞したことなどは、天皇陛下の真珠湾訪問と追悼の機が熟してきていること、あるいはアメリカ人の心に伝わるには良い時期であることを示しているのではないだろうか。

もちろん、天皇の国事行為は憲法に列挙されているものに厳しく限定されるべきで、今回のことも政治的意図は排除されるべきである。

しかし、モンデール駐日大使(当時)の東京大空襲の追悼式典への密かな参列、昨年のG8下院議長広島会議に際してのペローシ下院議長の:原爆死没者慰霊碑に対する丁重な弔意と、それへの答礼の意味も込めた昨年末の河野衆議院議長の真珠湾訪問などは、タテマエの関係や、ビジネスの関係を超えた、日本人とアメリカ人の本当のつきあいのために大きく役立つに違いない。

森田はこれらと同じような視点から、報じられた天皇陛下の真珠湾ご訪問の実現を強く願う。

同時に、アメリカの大統領が日本で同様な行為を行いたいと申し出た時のために、靖国神社がどうしても「A級戦犯」の合祀をやめないというのなら、千鳥ヶ淵墓園の大幅拡充整備など、誰もがわだかまりなく参拝できる国の施設の整備を急ぐべきである。

【以下、切貼】

両陛下の真珠湾訪問を検討  和解象徴、7月軸に日程調整

 【ワシントン1日共同】今年夏に予定される天皇、皇后両陛下のカナダ公式訪問の帰途、両陛下による米ハワイ州の真珠湾訪問が検討されていることが1日分かった。日米関係筋によると、7月を軸に日米両政府が日程調整に入っている。太平洋戦争開戦の舞台となったオアフ島の真珠湾には昨年12月に河野洋平衆院議長が訪れたが、現職首相もこれまで訪問していない。実現すれば、戦後の清算と和解を象徴する歴史的な訪問となりそうだ。

 両陛下は戦後50年の1995年に広島、長崎、沖縄を訪問。戦後60年の2005年には、太平洋戦争の激戦地となった米自治領サイパンを訪れるなど、一貫して「慰霊と鎮魂の旅」を続けてきた経緯がある。

 両陛下の真珠湾訪問は、1994年6月の公式訪米でハワイに滞在した際も計画されたが「天皇の政治利用に当たる」などの反対論が起き断念した。両陛下の外国訪問は2007年の欧州歴訪以来2年ぶりとなる。両陛下の体調も考慮に入れながら慎重に日程調整が進められている。

 ハワイでは日系人団体との交流を主な目的とし、その合間に真珠湾を訪れることが検討されている。真珠湾には旧日本軍の攻撃で沈没した米戦艦アリゾナ記念館があるほか、1945年9月に東京湾の艦上で降伏文書調印式が行われた戦艦ミズーリも係留されている。

2009/03/01 21:54   【共同通信】

【以上、切貼】                                                                                 

                   

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