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2009年3月19日 (木)

「ミサイル技術=衛星打ち上げ技術」、「イランの核開発は、日本と同程度の核技術を持ちたいということ」といった視点を持つことの重要性

少し前だが3月7日のNHK・BS1『土曜解説』で、NHKの秋元千明解説委員が「ミサイルを打ち上げて、ある目標に弾頭を誘導する技術」と、「ロケットで人工衛星を打ち上げて、目標の軌道に投入する技術」は、技術としては同じ技術であるとあたりまえの発言をしたときに、「北朝鮮はなんてひどいことをしようとしているのか」と勢い込んでいるかに見えた女性アナウンサーは反応示さず話題を変えてしまった。

言うまでもなく、秋元氏はここで北朝鮮の肩を持っているのではなく、むしろ「衛星と主張したとしても、ミサイルだ」とファクトを指摘しているに過ぎない。ところが、こうした事実は「北朝鮮は悪いやつだ」と騒いで肝心なことから目をそらせたい人々、あるいは乗せられて騒いでいる頭の悪い人々にとっては「不都合な真実」だろう。

ところが、浅井基文氏も指摘するとおり(毎日新聞2009年3月10日付「新聞時評」)、朝日や毎日の社説すら、こうしたファクトを脇に置いて、とにかく「フテー野郎だ、勘弁ならない」というトーンだ。そうでなきゃ、「右」のブログにもたたかれるし、読売との部数差がもっと開いてしまうということなのだろう。

森田自身も、北朝鮮は「人工衛星打ち上げ」などより地域の平和のためにも、自国民が安心して生きていけるようにするためにも、他にやることがあるだろうと思う。「発射は当然だ。批判はおかしい」などと言うつもりは毛頭ない。

ただ、メディアや自公政権、外務省などが「国連安保理決議だ」「いや単独制裁だ」など、ここぞとばかりに騒ぎを煽るような姿勢を示していることに強い疑問を感じているのだ。

安保理決議と言うなら、中国やロシアへの根回しが必要だが、出来ているのか。麻生総理が民主党タカ派の前原副代表の挑発に乗って「尖閣に日米安保適用」などとわざわざ国会答弁し、訪中が延期になったというではないか。

アメリカでは、議会公聴会証言でブレジンスキー氏(カーター政権の国家安全保障担当補佐官、国務長官)が、「イランが行っている核開発は、言ってみれば日本が持っている程度の核技術を持ちたいということだろう」と発言したそうだ。ブレジンスキー氏は大使館人質事件で煮え湯を飲まされたご本人だが、ここでは対イラン強硬論をクールダウンさせることを狙っての発言だと思う。

イランと並べられると不快に思う人がいるかもれないが、外から見た日本の姿を時々想像してみることは大事だろう。

「北のミサイル発射はけしからん」「イランの核開発ばダメだ」という話は単純だが、「他人のふり見てわがふり直せ」ではないが、実は「わが国のH2A打ち上げと衛星軌道投入技術は、その気になれば直ちにミサイルに転用できる技術である」こと、「日本の核技術も、国際的な約束を反故にすれば兵器への転用ができる」ものであることを思い出しておくことは意味のないことではない。

それではなぜ、北朝鮮やイランについては騒ぎになることが、日本については問題にならないのか。いちばん簡単に言えば「日本国憲法」の裏打ちがあるからだ。アメリカがうるさく言わないのは、日米安保条約ということもあるだろう。

いずれにせよ、憲法9条というベースがあり、「福田ドクトリン」「村山談話」「河野談話」などの積み重ねがあって、わが国は「北朝鮮やイランとは違うよね」という一定の「信用」を得ているのだ。

注意しなければならないのは、田母神元空幕長の主張、あるいは安倍晋三、中川昭一、桜井良子といった人々の日頃からの主張は、こうした信用の基盤を根底から崩しかねないということだ。「日本はまた大日本帝国をやるつもりなのか。それじゃあ、北朝鮮やイランより危ないじゃないか」ということになりかねない。

わが国にとって北のミサイル発射や、イランの核開発より、こうした人々の威勢のいい発言や、一部の国民がこうした意見をおもしろがってはやしたてることの方が、国益を損なうところ大と言うべきだろう。

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