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2009年3月27日 (金)

IAEA事務局長選、日本候補も落選=自民党と外務省は核軍縮問題への取り組みとブッシュ政権追随をちゃんと反省しなければ話が始まらない=

核不拡散と平和利用の確保にあたる国際機関・IAEAの事務局長選で、日本が擁立し「唯一の被爆国出身者にふさわしいポスト」と訴えたキャリア外交官出身の天野氏が3分の2の得票を得られず落選したそうだ。

外務省は「ODAを削減してきたからだ」などと言い訳するだろうが、森田が見るところ、多くの国にとって日本の外交姿勢に「唯一の被爆国としての使命感、魂」といったものが全く感じられなかったということだろう。「ユネスコの事務局長も退任なので」といった役人の天下り枠確保のような話が聞こえてきたあたりからおかしいのだ。

そもそも、最近の核軍縮・不拡散の状況を悪化させてきた犯人の一角は、北朝鮮やイランばかりでなく、核軍縮に背を向け、議会に阻止されたとはいえ「新型核兵器」さえ開発しようとしていた日本の「同盟国」アメリカのブッシュ・チェイニー前政権だ。そして自民党と外務省が主導してきた日本外交はアメリカの「忠実な飼い犬」にすぎないと多くの国が見ている。

その日本は、国連の核廃絶決議案の提出など「ことば」だけは先行するものの、実際は2003年にイラク戦争の開戦が迫った段階で、IAEAのエルバラダイ事務局長も、前IAEA事務局長で国連査察チームのブリクス氏も国連安保理において「さらに査察を続けるべきだ」と主張し、フランスやドイツも開戦に反対していたにもかかわらず、小泉政権はブッシュ政権の開戦に対して「支持」を表明し、森田の理解では、主要国でただ一つ、今日に至るまでその過ちを認めることをしていない。

森田は、広島・長崎における核兵器使用がもたらした熱線・衝撃波・放射線が市民にもたらした巨大かつ深刻な被害について、その実相を世界の新しい世代の人々に伝え続けることはわが国の人類史的使命であると考えているが、自民党政権も外務省も、これまで大平内閣、中曽根内閣、宮沢内閣、福田康夫内閣と何度もサミットを開催してきたけれども、一度たりとも広島や長崎での開催を提案したことすらなく、こうした使命を果たす機会を逃してきた。

昨年は9月に河野衆院議長のイニシアチブでG8議長会議を広島で開催し、ペロシ米下院議長の被爆地訪問が実現したが、これは河野氏の個人的な信念と働きかけに基づくもので、外務省や与党内にこれを後押しする動きが当初からあったわけではない。

北朝鮮の非核化などは、日本の安全保障という面から見ても最優先の課題であるにもかからず、日本政府は「拉致問題」を非核化の問題と切り離すことに失敗し、結果として各国の努力の足を引っ張っている。

「唯一の被爆国」。自民党政権や外務省が言うなといいたい気分だ。少なくとも、顔を洗って出直せ。

【以下、時事通信より】

日本外交に大きな痛手=信任されず「失格」の烙印-IAEA事務局長選

 【ウィーン27日時事】日本政府は、新たな主要国際機関トップのポスト獲得を悲願としてきた。国際原子力機関(IAEA)事務局長選に当たっては、麻生太郎首相自らが昨年9月の国連総会で天野之弥ウィーン国際機関代表部大使の擁立を発表。外務省に中曽根弘文外相を本部長とする選挙対策本部を設置し、全力で天野氏の当選を目指した。それだけに、IAEA特別理事会で天野氏が選出されなかったのは日本外交にとって面目丸つぶれで、大きな痛手となった。

 日本がIAEA事務局長選にこだわった背景には、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の松浦晃一郎事務局長が今秋退任の予定で、主要な国際機関のトップを務める日本人が国際エネルギー機関(IEA)の田中信男事務局長だけになってしまうという事情がある。国際社会での存在感を高めるには、地球温暖化対策が新たな課題として浮上し、原子力の平和利用支援の重要性が高まる中、「核の番人」と呼ばれるIAEAの事務局長はうってつけの役職だった。

 ただ、信任投票でも当選を決められなかったことで、天野氏も南アフリカ共和国のミンティIAEA担当大使も「失格」の烙印(らくいん)を押された。やり直し選挙への出馬は可能とはいえ、実際に再挑戦するのは困難になった。

 こうした事態を予想し、関係者の間では特別理事会が始まる前から「第3の候補」として、セディジョ元メキシコ大統領や経済協力開発機構(OECD)原子力機関のエチャバリ事務局長(スペイン)らの名前が挙がっていた。(了)
天野之弥(あまの・ゆきや)
(2009/03/27-21:23)

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