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2009年4月17日 (金)

映画「ダークナイト」(2008年)

最近、新設された「映画館スタッフが、観客に勧めたい映画」というコンセプトの「映画館大賞」では邦画の「ぐるりのこと」「おくりびと」「歩いても 歩いても」「トウキョウソナタ」などが上位を占めたが、大賞はアメリカで興行成績を次々塗り替えたハリウッドのバットマン映画「ダークナイト」だった。

レンタルビデオ屋の並ぶ空き箱に1本だけ「貸し出し可」のDVD。さすがの出来映え。バットマンが後事を託すに足ると考えた正義派地方検事のデントと彼の道行きを描いていく中で、ダークサイドのない存在などあり得ないことを抉り出していく。

大ヒットの原動力が、遺作となったヒース・レジャーによるバットマンの反対存在・ジョーカーの突き抜けた力演・怪演であることは言うまでもないが、森田が大ヒットのカギとして注目したのは二隻のフェリーボートに満員の乗船客同士が、ジョーカーに「先にスイッチを入れ相手を皆殺しにした方だけ助けてやる」と恐怖のゲームを仕掛けられた場面だ。

チェイニー前副大統領、ラムズフェルド前国防長官なら、迷わず起爆スイッチを入れただろう。しかし、丁寧に心理劇が描かれた結果、市民、あの局面に置かれたアメリカ国民は‥

かなり肯定的なメッセージ。ダークサイドに力点があると言われる作品だが、アメリカの一般市民の倫理性に対する絶対の信頼感、あるいは「希望」が謳われていることがアメリカ人の心を打ったのではないか。

それにしても、ここまでの興行成績ということは「ダーククナイト」が人類の歴史の中で繰り返し語られてきた神話と同じ構造を持っていることを疑うべきなのだろう。

例えばひと昔前の「タイタニック」のストーリーは、神話学者・故ジョーゼフ・キャンベルが言う「オリに閉じこめられ、内面的には自分で自分をオリに閉じこめているヒロインのところに、旅の途上の若き英雄が現れて彼女をくびきから解き放つ。しかし、若き英雄は戦いの中で死ぬ」という、世界中に共通して存在する神話そのものだと思う。

「ダークナイト」も絵解きしてみたいものだ。もっとも、それ以前に「暗い夜」じゃなくて「暗黒の騎士」だったのか、と今頃気がついているわけなのだが。

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