イラン

2009年3月23日 (月)

ハタミ氏の不出馬表明、小沢氏の続投観測

ハタミ氏は、改革派3候補の得票が分散して現職のアフマディネジャド大統領を利することのないよう出馬を取りやめたそうだ。

小沢一郎氏は、逮捕された秘書が起訴されても、嫌疑がそれ以上に広がらないようなら党首を続投するという観測が強いようだ。

ハタミ氏の一本化の判断が、ハタミ氏の思惑通り実を結ぶかどうかは結果を見なければわからない。ハタミ氏の改革派若年層への人気を活かさずして、改革派の勝利があるかなという疑問も残る。

小沢氏が続投するという判断をするとすれば、秘書が逮捕されたというマイナスイメージよりも、続投して小沢氏の「束ねる力」を維持した方が、総選挙勝利や政権運営にプラスという判断を優先するということだろう。しかし、これも思惑通りいくかどうかは結果を見なければわからない。森田自身はやはり「交代」の方が勝利につながると思うが‥

いずれにせよ、政治は「結果」が全てだ。よい結果がもたらされるよう、ベストの選択が当事者たちによってなされることを祈る。

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2009年3月19日 (木)

「ミサイル技術=衛星打ち上げ技術」、「イランの核開発は、日本と同程度の核技術を持ちたいということ」といった視点を持つことの重要性

少し前だが3月7日のNHK・BS1『土曜解説』で、NHKの秋元千明解説委員が「ミサイルを打ち上げて、ある目標に弾頭を誘導する技術」と、「ロケットで人工衛星を打ち上げて、目標の軌道に投入する技術」は、技術としては同じ技術であるとあたりまえの発言をしたときに、「北朝鮮はなんてひどいことをしようとしているのか」と勢い込んでいるかに見えた女性アナウンサーは反応示さず話題を変えてしまった。

言うまでもなく、秋元氏はここで北朝鮮の肩を持っているのではなく、むしろ「衛星と主張したとしても、ミサイルだ」とファクトを指摘しているに過ぎない。ところが、こうした事実は「北朝鮮は悪いやつだ」と騒いで肝心なことから目をそらせたい人々、あるいは乗せられて騒いでいる頭の悪い人々にとっては「不都合な真実」だろう。

ところが、浅井基文氏も指摘するとおり(毎日新聞2009年3月10日付「新聞時評」)、朝日や毎日の社説すら、こうしたファクトを脇に置いて、とにかく「フテー野郎だ、勘弁ならない」というトーンだ。そうでなきゃ、「右」のブログにもたたかれるし、読売との部数差がもっと開いてしまうということなのだろう。

森田自身も、北朝鮮は「人工衛星打ち上げ」などより地域の平和のためにも、自国民が安心して生きていけるようにするためにも、他にやることがあるだろうと思う。「発射は当然だ。批判はおかしい」などと言うつもりは毛頭ない。

ただ、メディアや自公政権、外務省などが「国連安保理決議だ」「いや単独制裁だ」など、ここぞとばかりに騒ぎを煽るような姿勢を示していることに強い疑問を感じているのだ。

安保理決議と言うなら、中国やロシアへの根回しが必要だが、出来ているのか。麻生総理が民主党タカ派の前原副代表の挑発に乗って「尖閣に日米安保適用」などとわざわざ国会答弁し、訪中が延期になったというではないか。

アメリカでは、議会公聴会証言でブレジンスキー氏(カーター政権の国家安全保障担当補佐官、国務長官)が、「イランが行っている核開発は、言ってみれば日本が持っている程度の核技術を持ちたいということだろう」と発言したそうだ。ブレジンスキー氏は大使館人質事件で煮え湯を飲まされたご本人だが、ここでは対イラン強硬論をクールダウンさせることを狙っての発言だと思う。

イランと並べられると不快に思う人がいるかもれないが、外から見た日本の姿を時々想像してみることは大事だろう。

「北のミサイル発射はけしからん」「イランの核開発ばダメだ」という話は単純だが、「他人のふり見てわがふり直せ」ではないが、実は「わが国のH2A打ち上げと衛星軌道投入技術は、その気になれば直ちにミサイルに転用できる技術である」こと、「日本の核技術も、国際的な約束を反故にすれば兵器への転用ができる」ものであることを思い出しておくことは意味のないことではない。

それではなぜ、北朝鮮やイランについては騒ぎになることが、日本については問題にならないのか。いちばん簡単に言えば「日本国憲法」の裏打ちがあるからだ。アメリカがうるさく言わないのは、日米安保条約ということもあるだろう。

いずれにせよ、憲法9条というベースがあり、「福田ドクトリン」「村山談話」「河野談話」などの積み重ねがあって、わが国は「北朝鮮やイランとは違うよね」という一定の「信用」を得ているのだ。

注意しなければならないのは、田母神元空幕長の主張、あるいは安倍晋三、中川昭一、桜井良子といった人々の日頃からの主張は、こうした信用の基盤を根底から崩しかねないということだ。「日本はまた大日本帝国をやるつもりなのか。それじゃあ、北朝鮮やイランより危ないじゃないか」ということになりかねない。

わが国にとって北のミサイル発射や、イランの核開発より、こうした人々の威勢のいい発言や、一部の国民がこうした意見をおもしろがってはやしたてることの方が、国益を損なうところ大と言うべきだろう。

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2009年2月12日 (木)

「イスラエル総選挙 右派が過半数」-たしかに痛手だが

イスラエルの総選挙で、ネタニヤフ元首相が率いる伝統的な右派政党「リクード」や、新興政党で排外主義を唱え「極右」と表現されるリーバーマン党首の「イスラエルの家」など右の獲得議席の総計が過半数を越えた。毎日新聞一面の見出しには「中東和平停滞か」と添えられ、3面には「オバマ戦略に痛手」とある。

強硬派の勢力増大はたしかに痛手だが、この結果には累積してきた原因があるので、政権発足3週間のオバマ政権も予測された結果と受け止めているだろう。

第1党は確保すると見られるカディマも、中道と表記され、日本の外交官もブッシュ政権べったりの連中や自民党の一部政治家は絶賛していたけれども、この党はもともとリクード党の党首(野党時代)やリクード党政権の首相を務めたシャロン前首相が創設した政党であり、晩年は和平派を演じていた故シャロン氏といえば、もともとはクリントン政権時代にイスラエル労働党のラビン政権とバラク政権の下で成立直前までいったパレスチナ和平の機運を「聖地訪問強行」などでぶち壊した人物だ。今回の選挙目当てとも言われるガザ侵攻を待たなくとも、森田はもともとあまりスジのいい党であるとは見ていなかった。

今回の選挙結果は困った結果だ。しかし、この原因はブッシュ政権がパレスチナ問題を事実上放置したままイラク戦争に熱中したり、イランを「悪の枢軸」呼ばわりして中東の政治地図でイスラエルをかえって不利にしたり、あるいはブッシュ政権が、パレスチナのアッバス議長が「総選挙の実施は待って欲しい」というのを押し切って当初のスケジュール通りの選挙を強要した結果、ハマスの勝利を招くといった失策を重ねてきたことの反動なのだ。

つまり、今回の選挙結果にはブッシュ・チェイニー政権の政策の累積が招いたという面があり、オバマ政権が正しい方向に政策転換し、粘り強く中東外交を進めるならば、将来のイスラエル総選挙の結果は違ったものになる可能性がある。

もちろん、イスラエルの国内の社会開発の問題、例えば建国当初からの移民ではなく、最近旧ソ連から移住したような人々の所得水準や教育水準が低いといった格差問題や、そうしたことの反映としての若者の失業やごく一部にはネオナチ(!)の流行が見られるなどといった問題があるらしい。極右や極左の台頭を防ぐにはこうした問題に地道に取り組む必要があることを忘れてはいけない。

それにしても、毎日新聞3面の見出しは「オバマ戦略に痛手」ではなく、「ブッシュ政権の負の遺産」とか、せめて「オバマ戦略に課題」くらいがいいんじゃないか、というのが森田の感想。

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2009年2月 7日 (土)

「欧州MDは対イランで保持、ただしロシアと協議」-バイデン米副大統領のミュンヘン演説

バイデン副大統領はミュンヘン演説で、東欧配備のミサイル防衛構想(MD)はイランに対する抑止として維持する、ただしロシアと協議するという線で発言したらしい。

イランのこととなると、アフマディネジャド大統領がイスラエル殲滅を公言している関係上、「イスラエルの生存」がかかわるということで、アメリカの既成政治家にとっては日本の最近の「拉致問題」どころではない、パプロフの犬のようなと言っては失礼かも知れないが、棒を飲んだような反応になってしまうということは織り込んで観察しなければならない。

「ロシアと協議する」というのは、ブッシュ政権の姿勢とは全く異なりかなり含蓄がある。オバマ政権は、少なくともロシアと軍縮交渉を進めるつもりがあり、MDもカードとして使うということだ。

ミサイルをミサイルで撃ち落とす-それも核ミサイルが相手であれば100パーセントでなければ意味がない-というMD構想が現実的でコストに見合うシステムなのか疑問であり、相互核抑止を不安定にするもではないかという疑問は払拭されていないが、それをさておくとしても、本当に「対イランの核ミサイル脅威」というなら、本質的にはアメリカとロシアがミサイル防システムを共同開発し、共同配備することがベストなはずだだ。

日本の防衛大臣も初めて出席したらしいが、全く存在感がない。「対イランというなら、アメリカとロシアはMDを共同開発、共同配備したらどうか」と、知らないふりをして「王様は裸だ!」に類する演出の発言くらいしたらどうか。これくらい言えば、全体の対話を前に進める触媒くらいの役には立つ。

知ったような顔をして、ずっと黙っていて結局はひたすらにアメリカ追随を続けるだけというのでは、アメリカにとっても、お手伝いないし子分としてはともかく、国際政治上のパートナーとしては、引き続きいてもいなくても同じ存在ということになってしまうだろう。

【以下、毎日新聞記事の切貼】

ミュンヘン会議:米副大統領演説 「協力と協調」よびかけ    毎日新聞 2009年2月7日

 【ミュンヘン(独南部)小谷守彦】バイデン米副大統領は7日、ミュンヘンでの安保政策会議で演説した。オバマ政権発足後、首脳級が国際会議に出席するのは初めてで、オバマ外交が本格スタートした。副大統領はテロの脅威や金融危機、地球温暖化など共通の課題に対処するため「あなたの助けが必要だ」と欧州など各国の協力と協調を求めた。一方、イランの脅威を挙げ東欧ミサイル防衛(MD)計画継続を強調するなど、強い外交姿勢にこだわりも見せた。

 副大統領は「米国は(世界に)関与し、その声を聞き、相談する。世界が米国を必要としているように米国は世界を必要としている」と述べ、イラク戦争開戦をはじめとしたブッシュ前政権の単独行動主義から脱却、協調と責任分担を重視する外交への転換を鮮明にした。

 その一方「米国はより行動するが、パートナーにもより多くを求める」「脅威には一国だけでは対処できない」とアフガニスタンへの軍事・復興支援を念頭に各国に責任分担も求めた。

 対話路線も強調し、「イランとの直接対話を望む」「核開発を放棄すれば報奨がある」と呼びかけた。

 ただ、「軍事力が我々の自由を守ってきた。これは不変だ」と述べ、軍事力行使も排除しない姿勢を明確にした。東欧のMD計画については効果的であるという前提付きで「イランのミサイル能力増強に対抗するため」継続を表明した。これに反発するロシアに配慮し、「ロシアと協議する」と述べた。

 米露間で滞ってきた核兵器削減交渉について「米露で削減のイニシアチブを取らなければならない」と交渉再開への意欲を示した。

 会議には浜田靖一防衛相が初めて出席、駐日米大使に有力視されるジョセフ・ナイ元国防次官補と会談する。

 ◇7日のミュンヘン安保政策会議での、バイデン米副大統領演説要旨は以下の通り。
 オバマ新政権は、他国との新しい基調の構築を望む。過激主義に対し、共通の枠組みでの協力継続を追求していく。私たち米国には、あなたたちの助けが必要だ。キューバ・グアンタナモの(テロ容疑者)収容所の拘束者受け入れを、他国にもお願いしたい。

 米国はイランとの直接対話を望んでおり、その用意がある。イランは圧力、孤立を選ぶのか。核開発を放棄し、テロ支援を中止すれば、意味ある報奨があるだろう。

 私たちは気候変動に対し、積極的にリードしていく用意がある。

 北大西洋条約機構(NATO)とロシアの間に横たわる危険なわだかまりを捨てるために、リセットボタンを押す時だ。もちろん、ロシアの勢力圏拡大など、全てを容認することはしない。MD(ミサイル防衛)についても、ロシアとNATO加盟国との同意の上で決定されるだろう。大幅な核軍縮も目指す。NATOもロシアも、国際テロ組織アルカイダやアフガニスタンの旧支配勢力タリバンを打倒するため、協力していくべきだ。

毎日新聞 2009年2月7日 21時04分(最終更新 2月7日 21時57分)

【以上、切貼】

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