地方財政

2009年2月19日 (木)

NHK総合「地域発!どうする日本『危機の自治体』」(2009年2月13日放送)

先週金曜日放送の「地域発!どうする日本『危機の自治体』」はなかなかよい番組だった。

春に「自治体財政健全化法」が施行されるに向けて、地域社会でどんなことが起きているかが紹介され、その背景、問題点をわかりやすく紹介していた。

早い話、法律を作った趣旨は「第三セクターなどの隠れ借金をあぶり出すため、自治体に公営事業なども含めた連結決算の公表を義務づけ、それについて総務省が作る判定基準に基づいてイエローカード、レッドカードを出していく」というものだ。

それでは現実にどういうことが起こっているか。例えば、仙台近郊の自治体で児童館による就学前の子どもを預かる事業が今年度限りで廃止されるということが一方的に保護者に通知された事例や、去年の地震で一部破損しているような公立中学の耐震補強工事もできないといったことが紹介されていたが、もともと財政が厳しい自治体の福祉・教育関係の予算の切り詰めが起こっている。

こうしたこともきっかけとなってか、住民の委員会による財政の洗い直しが行われ、町役場の職員のボーナスに当たる手当が地域の民間企業よりうんと高いことが明らかにされたといったプラス効果もあるようだ。

しかし、起こっていることをマクロ的に見れば以下のような流れになるということだ。

「90年代の景気対策において中央から『どんどん公共事業をやってほしい。あとで地方交付税で穴埋めする』という話があったので、銀行からたくさん借金をした」

「ところが小泉内閣の『三位一体の改革』で地方交付税が削減され、財政がひどく悪化してしまった」

「ここで『連結決算』という話で、赤字を小さくすることが迫られる。そうすると、とにかく銀行への返済は優先し、また歳出の切り詰められるものは切り詰めることになる。そのような中で、医療・福祉・教育など、人々がいちばん重要な公的なサービスが切り詰められる」

もちろん、出演した片山善博前鳥取県知事が言うように「借金まみれのおじさん(霞ヶ関)が『どんどん借金しなさい。あとで穴埋めするから』というのを信用してしまった」と言う問題があるわけだが、無駄なハコモノなどのために自治体に貸し込んだ銀行にはとりはぐれがおこらないのに、福祉など人間存在にとっての「聖域」(内橋克人氏)はどんどん切っていくことを迫る、この小泉改革が作り出したワク組みには大きな問題がある。

生活者目線で踏み込んで意見を言う星野知子さん、片山善博氏、内橋克人氏、松本和也アナウンサーという顔ぶれもとても良かった。

※「自公連立政権・麻生内閣」のこの問題に対する回答は、「1兆円を自治体に配るが8割は道路、残りも道路関連に限定」だ。民主党はじめ野党の、明確なオールタナティブをぜひ聞きたい。

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