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2009年7月11日 (土)

核兵器持ち込み外務省「密約」文書

ここのところ、外務省OBの一部が核兵器持ち込みの密約文書について、外務省内で行われていた「申し送り」について証言していることが記事になっている。

森田のコメント3つ。まず、これは憶測かつ焦点とは関係ないかも知れないけれども、文書隠しのからくりの一つに「これは役所の文書のファイルへ、これは個人持ちの文書なので別のファイル(情報公開法の対象外)へ」という仕分けが、情報公開法を骨抜きにするテクニックとして恣意的に行われているのではないか、という以前にも書いたこと。2000年の夏頃、外務省の新入り事務官から雑談の中で聞いた話からの推測。

これは、長い過去の経緯との関係ではサイドストーリーだが、「10年前の廃棄」ということでは今度の話と直結する可能性もゼロではない=「紙」は廃棄されても、外務省の持つデータのうち、個人持ち資料と偽装されてパソコンの中にあるのではないか=と言うのが森田の推理。再発防止という点からは、中心テーマの一つと言える。今度出来た文書管理法、10年になる情報公開法に抜け穴はないか。今日と明日の問題として重要だ。

森田のコメントの二つめは、間もなくできる民主党政権の外相人事は重要だということだ。「密約」の検証のためには、岡田克也、菅直人、長妻某氏のような調査能力のある人々を投入する必要があるが、こうした人々は政権全体を考えてもっとカナメのポストに就けるべきかもしれない。さりとて、役人やアメリカ軍部のいいなりになるような者ではダメだ。田中真紀子氏など、希望者は多いのだろうが、かきまわすだけで論理的な説明が出来ない人はこの問題についてだけ考えても弊害が多い‥

コメント3つ。いろいろ発言する外務省OBの思惑はそれぞれだろうが、ストーリー仕立てにすれば「政権交替のどさくさまぎれに、不都合な過去を精算してしまいたい。そうして、北朝鮮をにらんでの核兵器をしっかり日本国内・周辺に配備するよう求めるなど、アメリカとの軍事協力をもっと大手を振って前に進めたい」というOB・幹部のムラ社会内部のあうんの呼吸による連係プレーが展開しているようにも見える。

そんなバカなことを進めさせてはいけない。直接の話題としては、一世代前の日本外交の話だが、本質的に日本の今日と明日に関わる話題である。注視し、方向性を誤らないようにしたい。

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2009年6月16日 (火)

金正男氏、中国亡命も?

昼過ぎにNHK-BS1で放送していた韓国KBSのニュースの最後のところで、中国の消息筋からの情報として、プリンス金正雲(三男)の側近グループによる、プリンスの異母兄でマカオ滞在中の金正男氏(長男)の暗殺計画が中国に察知され、中国は北朝鮮に対し「支援見直し」も示唆して計画の中止を強く警告するとともに、金正男氏の身柄を保護。正男氏は将来、中国に亡命するかもしれないという。

韓国の報道は、日本のメディアに比べフライングを恐れない傾向があるので割り引いて考えなければならないかもしれないが、仮にトンデモ情報だったにしても、いろいろ考えさせられる。

今朝は朝日新聞にプリンスが少し前に父の名代として北京を訪問し、胡錦涛主席と会談していたと報じていた。どれくらいクギを差したのかが興味深いわけだが、少し間を置いて「正男暗殺計画」のリークないし創作である。

真偽のほどがわからないことをいろいろ考えてもしょうがないが、ホントなら報道の字面とは別に、中国が「おマエらの首根っこは押さえている。正男は人質に頂いておく。核のことなど、どうしても言うこと聞かなければ、こちらには政権転覆、正男政権樹立という道もある」と強烈なプレッシャーをかけているようにも見えるのだ。

一方、正男氏はヨーロッパでもフジテレビのクルーに気軽に日本語で応答する様子や、例の家族をディズニーランドに連れて行きたかったという田中真紀子外相時代の偽パスポートによる密入国事件など、不思議な軽さを漂わせる。

彼はこれから、シアヌーク殿下のような長い旅をするのだろうか。島田雅彦氏の連載小説をなんとなく思い出すが、徳仁親王といい、北東アジア儒教世界の長男はいろいろたいへんだ。

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2009年6月15日 (月)

厚労省現職局長逮捕

日曜は午後から仕事関係の記事コピー探し夜までかかる。テレビのニュース速報で自称・福祉団体が郵便割引を受けられるよう公文書を偽造した疑いで厚労省の村木厚子局長が大阪地検に逮捕されたと知る。

事情、背景全く知らぬが、家人は「政治家からうるさく言われたので、こんな大規模な不正につながると思わずに軽い気持ちでやっちゃったんじゃないの」と言う。検察もいろいろ批判を浴びているので余程のことがあるのか、それとも再びのトンチンカンなのか見極めなければ。

片付けしながらNHKの大河ドラマだの教育テレビだのつけていたが、N響アワーでネルソン・ゲルナーという人がブーラームスの第2協奏曲を弾くのを見て、尾高忠明さんの指揮とN響の演奏ともども、その落ち着いた音楽に感心する。3楽章のチェロのソロも含め、しみじみ美しい演奏でした。

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2009年6月10日 (水)

辻井伸行さん、ヴァン・クライバーン氏

全盲のピアニスト、辻井伸行さんがヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝という嬉しいニュースがあった。

親御さんが大事に育てられ、才能に恵まれたとはいえ、本人も常人では考えられない頑張りでの国際コンクール優勝だ。

コンクールに優勝するばかりが大事だというわけではないけれども、わが家の発達障害の息子も、自分たちなりに頑張って育ててきたという気持ちがあるだけに、辻井さんのご両親に心から拍手を送りたい。

ところで、ヴァン・クライバーン氏(70歳代で健在)がチャイコフスキーコンクールで優勝し、大ブームになったのは旧ソ連はフルシチョフ政権、アメリカはケネディ政権誕生前夜で、後のキューバ危機を挟んで「デタント」が模索された時期である。

わが家にあるクライバーンが弾いてフリッツライナー指揮シカゴ交響楽団がサポートしたベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番のジャケットの写真を見ると、実に若々しい美男、その演奏と同様に爽やかイメージの人だったようだ。

クライバーンのチャイコフスキーコンクール優勝はソ連共産党のデタントに向けたサインか?

そういう要素は否定できないかもしれないけれども、アメリカ国民の反応はソ連側の計算を超えたものだったかもしれない。

余談だが、森田の中学の英語の教科書は三省堂の「クラウン」で、主人公のジョンはギターも弾くけれどもピアニストを目指していて、ソ連でピアニストを目指しているスタニスラフと文通していた。このストーリーもクライバーンのエピソードが投影していたのではないか。

辻井君の優勝に政治的な背景はないだろう。でも、ひょっとしたら「カネ儲けを考えて中国ばかりに注目してきたけど、落ち着いて考えると日本人もつきあう甲斐があるかも」という空気がアメリカの一部にあって、それが反映したこともあり得るか、などと空想する。

それはともかく、こうした嬉しいニュースが、福祉に目がいき、文化や教育の大切さが改めて意識され、全ての子どもたちが大切に育てられることにつながるといいなあと思う。

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2009年5月25日 (月)

ミサイルも発射

短距離ミサイルも発射したという。これも「有言実行」。

さて、政局・選挙への影響。

民主党も、「コリン・パウエルの原則」ではないが、まずしっかり「怒る」ことが大切。途中で笑っちゃダメですよ、鳩山さん。

次に、冷静に。これは騒ぎが大きくなれば自民党に有利。韓国の例で見ても、「北風」は結局「右」を利する。

投票日直前でなくて良かった。

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北朝鮮が2度目の核実験

昼のニュースで地下核実験の報を聞く。朝日の田岡元編集委員が言うように、北朝鮮は「有言実行」の国だけに予想していたが気分が重い。

それでも、われわれは雲南の山賊の親玉を何度も何度も許した諸葛孔明の忍耐をもって「国交正常化」というステップを踏んで北朝鮮の国際社会への安定的なメンバーとしての復帰(参加)を図り、北東アジアの平和と安定、ひいては日本の安全保障と国益の確保をめざすという方向性を見失ってはならない。

それでも北朝鮮の指導部に言わなければならないのは、日本国内で北朝鮮と関係を結んでいくことに積極的な人々の多くは、同時に北朝鮮を含む世界の国々が例えば核不拡散条約(NPT)体制の維持・強化に努めることも切望しているということだ。

計算づくで動いているつもりかもしれないが、このようなことを繰り返していては、北朝鮮の現体制が北朝鮮の人民の最低限のニーズを満たし、国際社会から責任ある国家と認められる日が遠のいていくことは間違いないと思う。

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2009年5月13日 (水)

小沢一郎氏の「説明責任」より、麻生総理の「任命責任」

まあ、語呂合わせですが。

きっこのブログを読んで、そうだ、そうだと思う。

「説明責任」なら、「大量破壊兵器が発見できないから存在しないというのは、サダム・フセインが見つからないから存在しないというのと同じだ」と国際紛争解決の手段としての先制攻撃「支持」を強弁する小泉純一郎首相の国会答弁、年金について「最後の一人までお支払いする」と言った安倍晋三首相などの方が先だ。

とりあえず、民放テレビはこういった話題をまとめて掘り返す『ザ・説明責任!』とでもいうタイトルの60分番組をしばらくの間、週1回、ゴールデンタイムに編成して放送したらどうか。結構視聴率はとれると思うよ。

そして麻生氏の「任命責任」。右翼偏向の中山国土交通相、国益を大きく損なったアル中醜態の中川昭一財務相、ケチな不正株取引の何とか言う財務副大臣‥。

批判を一過性に終わらせてはならないと思う。

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2009年5月11日 (月)

小沢民主党代表辞任の報を聞いて

月曜の事務所、15時に視聴中のNHK・BS1の速報テロップで知る。政権交代実現のために良かったと思う。

民主党に期待すること二つ。

ひとつ。事態収拾は速やかに、鮮やかに。

ふたつ。衆院で審議中の補正予算案。霞が関と天下り団体にやさしく、場当たり的なものである問題点はかなり明らかで、民主党も予算委員会で明確に突いているにもかかわらず、テレビで視聴する国会審議をめぐる二ュース原稿のレベルなどでは「中味」が見えないまま「採決して欲しい」「もっと審議を」という、ただ引き延ばしているという印象を与える話になってしまっている。

国民が求めるのは小泉・竹中路線の「転換」だが、さりとて、麻生内閣がやっているようなかつての政官財癒着の場当たりバラマキと、天下り官僚のための予算無駄使いを復活してほしいわけでは全くないのだ。

提出されている補正予算のどこがダメか、徹底整理したメモを各議員が頭にたたき込み、有権者やプレスと接触する度に繰り返し、やがて国民各層も「だから自民党はダメなのか」とわかるように徹底的な広報を行うべきだ。

親鳥は小鳥に鳴き声を100回聞かせて鳴き方を教えるというのは俗説だろう。ゲッペルスを引き合いに出すのは適当ではないかもしれない。

しかし、時は今だ。

「補正予算」の「中味」を題材に、民主党は自民党に徹底した攻撃を繰り返し、繰り返し、その辺の小学生が歩きながら独り言で言うようになるのまで行うべきだ。反転攻勢の時である。

チャンスなのだ。世襲さえ止めたくないと言っているのだから。

(自民党はバカだなあ。麻生氏がワシントンのG20から帰国した羽田で、補正の規模だけ言って小沢氏が決断できないうちに解散を表明していれば、政権維持の可能性もあったのに‥)

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2009年4月23日 (木)

草なぎ剛君逮捕のニュースを聞いて(感想)

驚きのニュースだったが、ます思ったのはとにかく日本の場合は警察が出てきた場合「ご迷惑をかけて申し訳ありません」と権威を認めたふりをして低姿勢で出るか、反抗的な態度をとるかどうかで扱いが全く異なると聞くので、恐らく後者の方だったのではということ。

ついで思ったのは、草なぎ君は韓国通で韓国語も得意なので、

▼もし酔っての叫び声に韓国語が混じっていたことが逮捕に関係しているとすれば、関東大震災時の官憲がからんでの朝鮮人虐殺という過去もあるので、その時の警察官とのやりとりは詳細にフォローする必要がある。

ということだ。帰宅して娘に聞くと、案の定酔って一部は韓国語で叫んだり、歌うったりしていたという。

さらに、ワイドショーなどを見ていた娘によると、

▼鳩山邦夫総務大臣が激怒して「人間として最低だ」といった趣旨のことを吐き捨てるようにコメントしていたという。そうかな。確かにご近所に迷惑というのは反省しなければいけないけれども、若い人が酔っぱらってハダカになったことで、国務大臣が「人間として最低」などと断じるのは、むしろ品格に欠けた、思い上がった発言ではないか。

「地デジ」のPRキャラクターということがあるのもしれない。しかし、それを言うなら、総務省の役人の天下りや接待、蓄財に都合がいいからだかなんだか知らないけれども、この国民生活厳しき折に、不要不急の「地デジ」に血道を上げている自分たちの方が「最低」なんじゃないか。

▼この際、草なぎ君の「地デジ」関連のコマーシャル出演料なども国民の前に明らかにし、総務省だの、それに連なるいろいろな機関や企業が「国民の税金」をどれくらい無駄遣いしているのか、していないかも徹底解明すべきだ。

鳩山邦夫氏の「かんぽの宿」がらみの仕事などはいい仕事だ。まあ、今回の大臣コメントでお里が知れたことで、「かんぽの宿」が自民党の支持率アップにつながる効果が減殺されたとすれば良かったが。

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2009年4月22日 (水)

国益に反する安倍晋三氏の危険な「先制攻撃」論

公務員は当然、憲法を遵守する義務がある。日本国憲法の前文と第9条を読んで、そこに軍事力による先制攻撃を容認する内容があると思う人はいないはずだ。つまり、安倍氏の言っていることは「憲法違反」なのだ。

法律以前の話としても、こんどのような発射台がわかっていて、何日もかけてのんびり液体燃料を詰めるようなタイプの「ミサイル」なら、米海軍配備のトマホーク(ロケット式の弾道ミサイルではなく、飛行機と同様な飛び方をする精密誘導の「巡航ミサイル」)1発あればいいが、すでに大量に配備されている移動式でどこにあるかわからず、発射にそれほど時間がかからないタイプの中距離ミサイルを全部叩くことは物理的にほぼ不可能で、仮に技術的に可能だとしてもそのようなシステムを実際に配備・稼働させるにカネがいくらあっても足りないではないか。

安倍氏や仲間の「従軍慰安婦はなかった」論の、例えばワシントンポスト全面広告が米下院の日本非難決議可決を誘発したように、このような議論はアメリカ政府にも「日本はやっぱりズレている。現実が見えていない」という受け止め方をされ、日本の政治的な信頼度を損なっている。国益に反する言動なのだ。

そもそも、日米安保条約は「日本の米軍への基地提供」と、「アメリカの日本防衛」を交換条件とする条約で、そこに「同盟」なんてことばは一言も書いていない。日米の緊密な協力はとてもいいことだが、自民党政権や外務省が「同盟」などと言いつのるものだから、アメリカの普通の人々はアメリカ軍が攻撃されれは、日本は「同盟国」なのだから敵に反撃する義務があると信じてしまっている。これも国益を大きく損なってきた言動だ。

北朝鮮ミサイル発射で敵地攻撃力の検討必要 安倍氏  NIKKEI NETより

 自民党の安倍晋三元首相は21日、党本部で開かれた中堅・若手議員がつくる「北朝鮮に対する抑止力強化を考える会」で講演し、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、敵基地攻撃能力の保持に向けた議論を進めていくべきだとの考えを示した。

 山本一太参院議員ら出席者によると、安倍氏は「日米同盟を機能させるためにも集団的自衛権や敵基地攻撃について議論の整理をしっかりしていくことが大事だ」と指摘。「(将来的に)今後の脅威に備える議論が必要だ」と語った。(23:01)

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2009年4月21日 (火)

国益に反する麻生総理の供物奉納=野党、メディアは「東条英機ら合祀」の靖国神社への供物奉納を厳しく問い糾すべき

靖国神社は、神社の意思として東条英機らいわゆる「A級戦犯」を合祀し、境内に「遊就館」という侵略と軍国主義を美化する博物館を整備している。

そのため天皇は参拝せず、中国や韓国に配慮して主要閣僚をはじめほとんどの現職閣僚は参拝を見合わせている。

細かい論点を措くとして「東条英機らの合祀を続けるなら、首相らの参拝はない」。「靖国神社側がその点を改めれば、参拝の道は開かれる」という事実上のコンセンサスが変な右翼を除けば出来ているといって良いだろう。

その「東条英機らの合祀を続ける靖国神社」に内閣総理大臣として供物を奉納するような総理大臣、そうした人を総裁に頂いて何の批判も起こらない自民党に、日本外交の「地元」である北東アジア近隣諸国との良い関係が築いていけるか大いに疑問だ。国益に反する行為だ。

首相が靖国に供物奉納

2009年4月21日(火)13時20分配信 共同通信

 麻生太郎首相が21日から始まった靖国神社の春季例大祭に合わせて「内閣総理大臣」名で「真榊」と呼ばれる供物を奉納していたことが同日、分かった。現職首相の靖国への供物奉納は、07年4月当時の安倍晋三首相が行って以来。首相は29、30日に中国訪問し首脳会談を予定しており、訪中直前に発覚したことで中国側が反発することも予想される。韓国も懸念を表明する可能性がある。

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2009年4月14日 (火)

安倍晋三元首相「核軍縮特使」のブラックユーモア

安倍晋三元首相が、オバマ大統領の「核のない世界をめざす」というプラハ演説への支持と協力を表明する麻生首相による親書を携えて訪米し、バイデン副大統領と会談するという。「チョロチョロするな」と思うのは森田だけではないだろう。

提灯持ちは谷地元外務次官だという。無責任な辞め方をして国益を損なった核武装論者で、アメリカの対北朝鮮対話政策を批判して「孤立を恐れず」と騒いでいる元総理が、小泉内閣時にブッシュ・チェイニー路線に完全に追随し、憲法を逸脱した戦争支持、自衛隊の戦地派遣をリードした当時の内閣官房副長官補(のち外務次官)の案内で、二人してオバマ政権に取り入ろうというわけだ。

恐らく、大統領補佐官などにアポを入れておいて、先方の配慮によるオバマ大統領との「思いがけない会談」の実現などを請い願っていることだろう。

「風見鶏」ということばもあるが、われわれにとってオバマ政権成立の意義の一面は、本来、小泉・安倍・谷地といった人々による、ブッシュ・チェイニー路線追随による憲法破壊に歯止めがかかる「チェンジ」の実現ということなのだが。

どうせ二人のことだから、表向きの理由は別にして「民主党では日米関係がダメだ。われわれは、少なくとも憲法の集団的自衛権の解釈を変え、オバマ政権の世界戦略に全面的に協力する」といった話をしにいくのだろう。

相手が変わっても、営業に困らないようにということか。調子の良いことだ。

いつも言うことだが、民主党リベラル派や社民党は、こんなやつらばかりチョロチョロさせておかないで、オバマ政権でも軍産複合体の手先という要素の少ない人々ともっと積極的に会い、意見交換を重ねて欲しい。

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2009年4月 9日 (木)

安倍晋三元首相発言ノート(09年4月6日、NHK「クローズアップ現代」)

安倍晋三氏と言えば、つい最近、政権を無責任に投げ出して国益に甚大な損失をもたらし、そのことについて少なくとも森田は国民の一人として、ちゃんとした説明ないし釈明を聞いていない。

そんな安倍氏の発言をNHK「クローズアップ現代」が放映していた。安倍シンパの仕業か、いつか脅された時のトラウマからか、北朝鮮がらみともなると目一杯こうした議論に寄り添ってしまうNHK。

安倍晋三元首相(自民党らち特命委・委員長) 国家意思としての制裁という意義、そして、さらには相手をですね、ある意味においてはプレッシャーを与えて追い詰めて、そして正しい方向に導いていく。外交においてですね、孤立するということは良くないんですよ。しかし、常に孤立を恐れていては(笑い)、だめですね。ここ一番、これは主張しなければ何もなし得ることはできない(放送音声より)。

‥‥。

北朝鮮がらちを認めた結果、日本国内の反北朝鮮感情が高まったこと、安倍氏が高い人気を誇った小泉政権の枢要ポストにとりたてられていたこともあり、対北朝鮮政策はずっと安倍氏の主張する線に則ってきた。その結果はゼロである。

番組全体としては「まずは核を放棄させることに集中すべき」「米朝が動く時期を見計らって、『正常化』をテコに核、ミサイルの問題を動かすという発想を持つべき」というゲストの小此木政夫教授のコメントもあったが、国谷さんはあわてて「らち」を付け加え、「戦略的に考えるしかないのか」と不満顔。森田に言わせれば、世論と政府・与党に阿りすぎだ。

自民党役員会のメンバー坂本某による「核武装」「国連脱退」発言、週末の田原総一郎の番組への中川昭一の無反省な出演など、面白くないことが多すぎる。

この空気、「チェンジ!」。

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2009年4月 8日 (水)

マケイン米上院議員来日へ-米議会の「全面核実験禁止条約(CTBT)批准承認」のカギを握る政治家の来日

先の米大統領選で、オバマ大統領のライバル候補だった共和党のマケイン上院議員がベトナムを訪問した後日本に立ち寄る。

このマケイン議員、実は元ライバルのオバマ大統領が掲げる「核兵器のない世界」へのプログラムの最初の段階の一つである「全面核実験禁止条約」が批准承認権を持つ上院に認められるかどうかのカギを握る一人だ。

米民主党は、かろうじて上院100議席の過半数を制しているが、予算や法案の採決で野党・共和党のフィルバスター(議事妨害)を封じることが出来る60には数議席届かない。

そこで、3人程度の穏健派の共和党議員と取り引きし、それらの議員の意向を大幅に取り入れることでオバマ大統領の考えに近い法案・予算の成立を図ってきた。

地下核実験も禁止するCTBTは、各国に先駆けてクリントン大統領(当時)が署名した条約だが、共和党支配の上院で批准承認が得られず、新型核兵器の開発さえ企図していたブッシュ政権は、発足早々に批准承認を求めることもやめてしまっていた。

こうした態度は「核兵器保有は核軍縮を約束し、核武装を放棄した国には平和利用を後押しする」という核不拡散条約(NPT)体制の正統性を損なってきた。つまり、簡単に言えば間接的にイランや北朝鮮の核開発に口実を与える結果を招いてきた。

オバマ大統領の「核のない世界を目指す」とするプラハ演説を現実化するためには、まず米上院でこの条約の批准承認を得ることが具体的な目標となるのだ。

民主党プラス共和党穏健派で60票確保していると考えても、「3分の2」には、単純に計算しても7議席程度が必要ということになる。これは最近の上院の民主・共和両党の激突の状況を見ると、たいへん困難な目標といっても過言ではない。

軍事問題に精通したマケイン上院議員は、現在はCTBT反対派だが、この多数派引き抜き工作の優先目標「4議員」の一人だそうだ。

わが国の軍縮推進派はマケイン議員来日の好機を逃すべきではない。会談などの機会を通じ、元ライバルの提唱だけに持ち出し方に工夫はいるだろうが、アメリカ政府の「核のない世界」という目標への熱い支持を伝え、マケイン議員の投票態度変更による米上院のCTBT批准承認への期待を強く働きかけるべきだ。

民主党の小沢代表との会談も計画されていると聞く。民主党のスタッフと軍縮派議員は、この問題で代表に行き届いたブリーフィングを行うべきだ。

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「オレは政権が獲れる‥‥たぶん獲れると思う‥‥獲れるんじゃないかな。まチョッと(うまくいかない)覚悟はしておけ‥」=「小沢氏一転強気に」の見出しを見てこんなフレーズが浮かぶ=

‥‥‥。

「小沢氏一転強気に」という見出しを見て、30年ほども前の歌ということになるだろうか、さだまさしのヒット曲『関白宣言』の一節が替え歌として思い浮かんだ。

政権交代逸機の原因とならないことを祈るばかりだ。ただ、「獲れなかったけれども、それはオレは正しいのに、理解しなかった有権者が悪い」という言い訳をすることだけは、認めるわけにはいかない。

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2009年4月 7日 (火)

「北の発射で軍事費アップの声にちょっと疑問」-とくダネ!小倉氏の健全な反応

ちょっと忙しかったので、いま先週末からのテレビ番組の録画を何本かザッピングしたが、昨日月曜日のフジテレビ『とくダネ!』オープニングトークで、発射後に「軍事費増やすべきという意見が7割」といった数字が出ていたらしいことを紹介していたことに驚く。

小倉氏は「無事にやりすごしたのに、なんでこうなっちゃうのかなとちょっと疑問に感じましたけど」と、まともなコメント。

ピーコさんの言うとおり、軍拡派のプロパガンダが成功したということだが、いつも言うとおり、メディアの人々の無責任さも結局は100年あまり前から進歩がないということだ。もう少し、恥ずかしいという気持ちを持ってもらいたい。

小倉さんにはたびたび文句をつけているけれども、実は年の功で、これからも「ちょっと疑問に思いました」と言う話をどんどんしてほしいと期待している。いまや、小倉さんはわが国のテレビの良心だよ。

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2009年4月 5日 (日)

オバマ大統領の「核なき世界をめざす」政策を支持する=日本政府は核軍縮サミットの広島誘致を=

オバマ大統領が、大統領選挙期間中に主張していた「核なき世界」という政策目標を大統領として明確に打ち出したことを歓迎したい。

道は遠いが、合衆国大統領がこのような目標を明確に持つか、そうでないかは根本的に重要な分かれ道だ。

自民党政権下で、ただただ「核の傘」を有り難がり、核軍縮に具体的な貢献のない日本政府も、この際、オバマ大統領が提唱する「核なき世界を目ざすサミット」を広島に誘致し、わが国自身が核なき世界の実現に向け、心を入れ替えて挺身する決意を新たにすべきであると思う。

民主党以下の野党も、このオバマ大統領の方針をどのようにサポートするのか。政権獲得後の積極的なシナリオをぜひ打ち出してほしい。

【以下、毎日新聞の切貼】

米大統領:核廃絶へ包括戦略 「安保サミット」提案

 【プラハ草野和彦】欧州歴訪中のオバマ米大統領は5日、プラハで演説し、「核兵器のない平和で安全な世界」を追求する戦略を公表した。核テロなどの脅威が高まる中、自ら核軍縮に乗り出すほか、核拡散防止条約(NPT)の強化、核の安全保障を巡る国際サミット開催、4年以内の核物質管理体制の構築--などの政策に取り組む。米国が核廃絶を目指す包括的戦略を示すのは初めて。今後、核保有国をはじめ国際社会の対応が問われる。

 大統領は演説で、核兵器を「冷戦時代の最も危険な遺産」と位置付け、地球規模の核戦争の脅威はなくなったものの、テロ組織などによる「核攻撃の危険性は高まった」と警告した。米国は核兵器を使った唯一の国として「(核廃絶に向け)行動する道義的責任がある」とした。

 大統領は「明確に確信を持って核兵器のない平和で安全な世界の追求に米国が関与することを宣言する」と断言した。

 戦略は、核無き世界を目指す▽NPTを強化する▽テロリストから核兵器と核物質を守る--の3本柱。

 まず「冷戦思考を終わらせる」として、米国が、自ら安全保障戦略の中で核兵器の役割を後退させ、他国にも同様の行動を求める。

 また、核実験全面禁止条約(CTBT)の批准を議会に働きかけ、兵器用核分裂性物質の生産禁止を定めた新条約(カットオフ条約)作りも提案した。

 このほかNPTの形骸(けいがい)化が言われていることから、核開発を進める北朝鮮やイランを念頭に、条約違反の行為に対する罰則強化や、国際的な査察官の権限強化を訴えた。

 米政府筋によると、核テロを防止するための核安全保障サミットは来年4月までに開催するという。

 ◇オバマ大統領の演説内容
 全面核戦争の危機は去ったが、(核拡散により)核攻撃の危険性は高まった。米国は、核兵器を使った世界で唯一の核大国として、行動する道義的な責務がある。核兵器のない平和で安全な世界を目指す米国の決意を宣言する。時間はかかるが、世界を変革できることを信じる。そう、私たちにはできる。

 核廃絶に向け確実に行動する。ただ、世界に核兵器が存在するうちは米国は安全な方法で核兵器を維持する。敵を抑止し同盟国に安全を保障するためだ。

 核弾頭の配備・保有数を削減するため、今年末までにロシアとの新しい軍縮条約の締結を目指し、交渉する。

 核実験全面禁止条約(CTBT)発効に向け、(発効条件の一つである米国の)批准を強く求める。

 核兵器用の核分裂物質の生産を、検証可能な方法で禁止する新しい国際条約(カットオフ条約)を求める。

 核拡散防止条約(NPT)体制の強化に努める。査察を強化するため資源や権限が必要だ。核拡散を防ぎながら各国が核を平和利用できるよう国際的な枠組み「核燃料バンク」を創設すべきだ。

 一方、違反国には相応の処罰が必要だ。今朝、北朝鮮は長距離ミサイルに使えるロケットを発射し再度、ルールに違反した。違反は罰せられなければならない。国際的に強い態度を示すべきだ。

 イランが厳格な査察を受けるなら、核を平和利用する権利は認める。しかしイランの核・弾道ミサイル計画が脅威である限り、チェコとポーランドでのミサイル防衛(MD)計画を進める。脅威でなくなれば、欧州でのMD計画は実施しない。

 テロリストによる核兵器入手を防がねばならない。これが国際的安全保障への最も差し迫った最大の脅威だ。

 拡散の恐れがある核関連物質をすべて管理できる体制を4年以内に築く。そのためロシアと協力を強化する。

 核安全保障を巡る国際サミットを米国が来年までに主催する。

 平和の追求をやめれば平和は来ない。チェコの人々は一発も銃弾を撃たず核武装した帝国(ソ連)を崩壊させた。

 ◇地域問題の解決を含め前途に難題

 【プラハ草野和彦】オバマ米大統領は5日、核軍縮・不拡散に関する包括的な戦略で「核兵器のない世界」という遠大な目標を打ち出した。ロシアとの核軍縮交渉の開始を宣言した今回の欧州歴訪は、最初の一歩だ。だが前途には、核兵器を生み出した世界各地の地域問題の解決を含む難題が待つ。世界的な協力態勢の構築に向けて、「米国のリーダーシップの再生」を掲げるオバマ大統領の真価が問われる。

 オバマ大統領が核兵器廃絶を目指すのは、「冷戦構造の遺物」である核兵器の存在が、「核武装したテロ組織」という21世紀型の脅威の出現を生み出す可能性があるためだ。

 オバマ大統領は二つの布石を打った。その一つが、今年12月に失効する第1次戦略兵器削減条約(START1)に代わる新核軍縮条約の本格交渉の開始。米露は世界の核兵器の9割以上を保有し、米政府高官は「核開発を進めるイランや北朝鮮に圧力をかけるためにも、米露が率先する必要がある」と語る。

 もう一つは、北大西洋条約機構(NATO)とロシアの関係正常化で、欧州での核兵器の意義の低下につながる可能性がある。二つの成果をもとにプラハでの演説に臨んだところに、戦略的意図が感じられる。

 だがむしろ困難なのは、核拡散防止条約(NPT)で核兵器所有を認められた米英仏中露以外の国々との交渉だ。インドとパキスタンのケースがその典型。オバマ大統領は演説で、査察体制の強化や、原子力の平和利用などを掲げたが、両国間の歴史的な対立の解消はアフガニスタン情勢も絡み、粘り強い説得が求められる。

 イランの核開発を阻止するには、潜在的核保有国であり、米国の同盟国であるイスラエルへの働きかけを欠くことができない。

 NPTの形骸(けいがい)化は「核兵器を持つ国」に対する「核兵器を持たざる国」の不満から始まっており、これを乗り越えるだけの論理も構築する必要がある。

 核兵器のない世界について、オバマ大統領自身も「私が生きている間は達成できないだろう」と険しさを認めている。だが同時に「私たちはできる」と希望も語った。今後いかに戦略を具体化するか実行力が問われる。

 ◇黒沢満・大阪女学院大学大学院教授(軍縮国際法)の話
 大統領選中の“夢物語”だった核関連の公約を、包括的かつ具体的に世界に向け宣言した。核廃絶を目標と打ち出し、NPTで義務づけられた核軍縮努力を認め、CTBTの批准や、カットオフ条約の推進、、ロシアとの協力や他国の意見を集約するサミット開催など、ブッシュ前政権からは180度の転換だ。唯一の核兵器使用国としての道義的責任を認めたのも、歴代大統領になかった。いずれも簡単には実現できないが、米国の核に頼ってきた日本政府は、演説を受け止め、核廃絶に向けて協力すべきだ。

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NHK昼ニュース「(北朝鮮は)やな国ねえ」という中年女性の町の声を垂れ流す

北朝鮮が国際法的には「人工衛星打ち上げ」の形式を整えたように見える、事実上の長距離ミサイル打ち上げ実験が行われた。

昨日の「誤探知」騒ぎ-「オタンチン」と言っていた人がいたが-で、世界の報道は「北朝鮮の無道」ではなく、「日本の過剰反応」ということになったそうだ。

今日、NHKの昼のニュースの後半で、秋田県や東京都の「町の声」として「本当に撃つとは思わなかった」という感想をはじめ、明らかに事実についての認識、理解が欠けるものを含むコメントを次々に流していた。

NHKニュースをはじめとするメディアが麻生政権・自公与党のミスリードを増幅した結果として、国民レベルではそのような状況が起こっているわけだが、極めつけは中年のご婦人が「(北朝鮮は)やな国ねえ」と嫌悪感を露わにしたコメントを垂れ流していたことだった。森田はこれは煽りだと思う。

「そうした声が町にあるという事実を伝えた」「国民が共有する感情だと思う」ということなのだろう。そういう面があることは否定しないが、これは全体として「大衆が共有する感情に阿る」ばかりで「冷静に、客観的な事実を知らせるという報道の使命を逸脱」するものだと思う。

NHKのニュースは「報道」ではなく、受けを狙った情報ショーであるということなのかもしれないが、そうは思っていない人もいる。いずれにせよ、その影響力は大きい。

20世紀前半には、国民と新聞が「排外感情」と「軍国主義礼賛」をお互いに増幅させて、世の中を変な方向に流していき、大きな悲劇を招いた。ほんの何十年かで国民性が大きく変化したと考えるのはやはりリアリティーに欠けると考えるべきなのだろうか。

巻き返しが必要だ。森田も「この空気、チェンジ」と言いたい。

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2009年4月 3日 (金)

イスラエルのリーベルマン外相、汚職疑惑で捜査

司法の公正を確保するためには、それが政治ときちんと切り離されていなければならないことは言うまでもない。その意味で、小沢一郎民主党代表の秘書を、この時期に逮捕した東京地検特捜部の動きに多くの人々から疑義が呈されている。それには森田も同感である。

それはイスラエルにもあてはまり、いくら日本のネット右翼と同じ程度の知能程度と横着さで知られ、パレスチナ和平をすっかりぶち壊しかねない極右政党出身のリーベルマン外相についても同様だ。

ここまでは公式見解。イスラエルについては、中東と人類の未来のために、リーベルマンのような男は逮捕でも何でもして失脚させ、ネタニヤフ政権が崩壊することがパレスチナの未来と世界の平和のために必要だ。イスラエル警察頑張れ。

というのはやっぱりまずいか。「二重基準」。

【以下、切貼】

汚職疑惑で外相を聴取  イスラエル警察

 【エルサレム2日共同】イスラエル警察は2日、贈収賄やマネーロンダリング(資金洗浄)などの疑いがあるとして、ネタニヤフ新政権のリーベルマン外相から約7時間にわたって事情聴取した。警察の報道官が明らかにした。

 警察は数年前からリーベルマン氏の捜査を続けているが、事情聴取するのは外相就任後初めて。同氏は旧ソ連からの移民で、ロシア系、ユダヤ系実業家との関係が深いことで知られる。1999年に国会に初当選し、これまで国家基盤相、運輸相などを務めた。

 ことし2月の総選挙の運動期間中には同氏の娘も事情聴取された。リーベルマン氏はネタニヤフ政権で法相就任にも意欲を示したが、捜査対象となっていることから外された。

 同氏は疑惑を否定し、左派寄りの司法当局による「政治的捜査」だと批判している。

 リーベルマン氏は、極右政党「わが家イスラエル」の党首で、3月31日に発足した右派連立政権の外相に就任したばかり。

2009/04/03 01:23   【共同通信】

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2009年4月 2日 (木)

米ロ首脳、はじめて「核兵器の最終的な除去」に合意

世界金融・経済問題に対処するためロンドンG20首脳会合を契機に、各国の首脳会談が開かれているが、ブッシュ・プーチン時代に本質的な前進がなかった米ロの核兵器削減問題で、「期限を迎えるSTARTⅠについて今年中に後継条約を締結する。夏までにだいたいの成案を得て、首脳会談を行う」という具体的な進展が見られた。

米ロのあらゆる対立点に触れた会談だったようで、米ロ関係の世界政治に占める相対的な位置はかつてのように巨大なものではないけれども、こと核不拡散問題と表裏一体の核軍縮問題については、米ロ関係に左右される要素は大きい。

メドベージェフ大統領は、昨年の南オセチア・グルジア問題などに際しては強硬姿勢に終始し、やはりプーチン前大統領(現首相)の傀儡かと見られていたものの、最近は司法問題などでリベラル色を覗かせているので注目したい。

朝、NHK-BS1でやっていた米ABCの「ワールドニュース」では、ホワイトハウス担当のジェイク・タッパー記者に続いて、ジム・シュートー記者が軍縮交渉のエキスパートとしてコメントしていたが「はじめて両国首脳が核兵器を究極的に廃絶する(eventual  eliminate)ことに触れた」と興奮気味に話していたのが印象に残った。

メディアによっては、ロシアが新たな軍縮条約締結の条件と主張しているアメリカのミサイル防衛(MD)システムの東欧配備の中止について、具体的な成果がなかったのではないかと言われているが、アメリカはこれを「イランの核の脅威に対抗するため」と主張してきたいきさつがあり、おそらく今後、イランの非核化ということとこれをリンクさせた、米ロのせめぎあいが展開するのだろう。

米政権がイランの核開発の問題を決して容認できないのは、実はイスラエルとの抜き差しならない関係ということが背景にある。余計なことだが、近々予定されている北朝鮮の「人工衛星打ち上げ」など、順調に成功する方が良いとも言える。

一部に北朝鮮の核保有は容認するのではないかと言われている米政権が「やっぱり、北が核を持つことは認めてはならない。イスラエルどころか米本土が危険だ」と真剣に考えるようになるからだ。

気象情報の提供とか、協力してやったらいいんじゃないか。落下物がそんなに大騒ぎするほど危ないというのなら、日本を飛び越えずに発射できる種子島の発射場を提供してやったらいいんじゃないかといった発言は、やはり不謹慎だろうか。

米露首脳会談:新核軍縮交渉、開始で合意 北朝鮮に自制求める

 【ロンドン草野和彦】欧州歴訪中のオバマ米大統領は1日、ロンドンでロシアのメドベージェフ大統領と会談した。両大統領は、今年12月に失効する第1次戦略兵器削減条約(START1)の後継となる新たな核軍縮条約の交渉を直ちに開始することで合意。新条約は、12年までに双方の配備核弾頭を1700~2200発まで削減するとしたモスクワ条約(02年)を下回るレベルを目指すとしている。北朝鮮のミサイル発射については「地域の平和と安定を損なう」と憂慮を表明、北朝鮮に発射自制と国連安保理決議順守を求めることで一致した。(7面に関連記事と共同声明要旨)

 両首脳は共同声明で「我々は冷戦思考を乗り越え、新たな米露関係を開始する」とし、ブッシュ前政権時代に悪化した関係の「リセット」を宣言。大量破壊兵器拡散防止やテロ対策などでの協力を打ち出した。オバマ大統領が7月にモスクワを訪問することも合意した。

 新たな核軍縮条約に関する共同声明では、「記録的な削減を目指す」とし、効果的な検証方法の導入や、年内の交渉妥結に向け進展状況を7月までに報告させることを盛り込んでいる。現在の核弾頭の実戦配備数は米国が約4100発、ロシアが約5200発といわれ、新条約が実現すれば画期的な核削減に道が開ける。

 首脳会談では、米露関係を悪化させる要因となった米国の東欧ミサイル防衛(MD)計画や、昨年8月のグルジア紛争についても協議されたが、双方の見解の相違は解消されなかった。ただ、ミサイル脅威に対処するためMD分野での相互協力の可能性を協議した。

 このほか両大統領は、アフガニスタン復興やイランの核開発問題などで協調する方針を確認した。

毎日新聞 2009年4月2日 東京朝刊

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2009年3月31日 (火)

究極の格差固定政策である「贈与税減免」が、どうして「景気対策」なのか。全部カネ持ちの子の世代の貯金になって、相続税分だけ財政に穴が開くだけではないのか。

麻生政権や自民党の「経済対策」の中には、お年寄りの資産が貯蓄されたままになっているので、贈与税を減免することで「相続税でとられるよりは」と子の世代への資産移転を促し、景気回復につなげようという話が出ているらしい。

これこそ、どさくさまぎれの「格差固定」政策だ。金持ち親子の財産の合計は、記帳する通帳が変わるというだけの話で、結局は蓄財だろう。どこが消費拡大になるというのだろうか。

マスメディアも相対的に所得の低い人々に手厚いと言える「定額給付金」を「ほとんど貯蓄にまわる」と騒いでいるのに、相続税がかかるような大金持ちの相続税を負けるだけの話を「景気対策」と強弁するような話しになぜ文句を言わないのか。メディア関係者も相続税減免で利益を受けるような金持ちが多いからか?

08年度2次補正の「史上最大規模の住宅ローン減税」だって、巨大な別荘を建てれば税金で1割近く(?)を割り戻そうという金持ち優遇そのもので、庶民とは無関係なものだ。

「バラまきより、的を絞った支出を」というのは正論だが、低所得者にも行き渡る「定額給付」を批判し、「的を絞った金持ち優遇」である数々の施策を見逃しているのでは本末転倒だ。

それにしても、09年度補正とか、2010年度予算編成をまた自民党中心の政権、お金持ちの麻生総理がやる可能性があるかと思うとぞっとする。

【以下、切貼】

首相、贈与税の大幅減免表明  追加経済対策で

 麻生太郎首相は28日午後、追加経済対策の一環として、高齢者が持つ金融資産を消費拡大に振り向けるため、住宅などの購入資金を生前に援助する際の贈与税を期限付きで大幅に減免する考えを表明した。

 高知市内で記者団の質問に「高齢者が息子や孫に(お金を)渡して家や車を買ってくれたら贈与税を安くする、ゼロにすることは、年数を区切って検討する値打ちがある」と答えた。

 首相は31日、2009年度補正予算編成を念頭に追加経済対策の策定を与謝野馨財務相に指示する方針だが、贈与税減免を追加対策の目玉政策にしたい意向とみられる。ただ、贈与税を減免しても恩恵は富裕層にとどまり、景気刺激効果は限定的との指摘もある。

 首相は、日本の家計の金融資産総額が1400兆円に上るとし「そのまま置いておいたら景気と何ら関係ない。お金は使わないと値打ちがない」と指摘。住宅建設や自動車購入を例に挙げて「ちゃんと消費したと証明できるものは(減免の)対象になる」と述べた。

 首相はこれに先立つ自民党高知県連の講演でも「家を建てるなら贈与税をただにすると言えば家を建て、景気が良くなるのではないか」と述べ、贈与税減免の有効性を強調した。

2009/03/28 22:20   【共同通信】。

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2009年3月30日 (月)

「『ミサイル』の鮮明な画像」=NHK昼ニュースの原稿、字幕は煽りだ=

NHKの昼のニュースのトップは「米シンクタンクが、北朝鮮が発射を準備しているミサイルの鮮明な映像を‥」というもので、映像に添えた説明字幕に「ミサイル‥」とある。続いて、東北への地対空ミサイル移送の映像、市町村の緊急通報システムについての鴻池官房副長官の説明‥

何度も言うが、偽装であるにせよ「人工衛星打ち上げ」と公表されている「ロケット」であり、人工衛星の軌道投入と、ミサイルの弾頭を目標に命中させる技術は同じであるとはいえ、わが国のH2Aロケットの打ち上げをミサイル発射と言わないのと同様、いま北朝鮮が準備していることを「ミサイル発射」とNHK昼ニュースが繰り返して言うことは、国民をミスリードするものだ。

簡単に「ミサイル」と言わずに、「北朝鮮が人工衛星打ち上げ用と主張しているロケット」とわずらわしくともより正確な表現にする。センセーショナリズムに走ることを避けるため、その程度の配慮をすることがどうしてNHKにできないのか。煽りたい麻生内閣、自公連立政権との関係なのか、ジャーナリズムの矜持の問題か。

とにかくおかしいぞ。

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2009年3月29日 (日)

森田健作氏、千葉県知事選当選=タレント選好の有権者の意識をどう変えるか=

簡単に言ってしまえば、教育問題などに変な公約を掲げた右翼のタレント候補がまた当選したということだ。そのままんま東とか、森田健作とか、いいかげんにしてほしいと思う。本人が出るのは自由だが、当選させる有権者には本当にがっかりする。

ただ、その昔に塩野七生さんがエッセイで、ヨーロッパのリベラル派の政治家たちを取り上げてこんなことを言っていたのを思い出す。彼女に言わせれば、右翼の政治家や左翼の政治家に比べ、しばしば小党であるリベラルの派の政治家たちは、政策的には一番正しい政策を掲げ、個人的につきあっても洗練されて魅力的な人物が多い。

それでは、なぜ彼らが政治的に大きな力を持つことができないのか。塩野氏はそこで「彼らには共通して、自分たちが支持されないとすれば有権者が悪い」と有権者を見下したところがあるというのだ。

だから、ここでリベラル派が考えるべきことは「どうやったらリベラル派が支持を集めることが出来るか」という戦略・戦術だ。

ある問題を「部屋の中の象」ということで別とすれば、3つのことが思い浮かぶ。

まずは戦術レベルの話だが、いわばリベラル派のタレントにも選挙に出てもらうための環境作りもすべきであろうということだ。いま、野党の勢力が政権をとったら、ある程度の批判は覚悟の上で吉永小百合とか、壇ふみといった「平和を大事にする」と公言しているビックネームを「軍縮担当大臣」とか、「文化政策担当の文部科学副大臣」といったポストに起用し、近い将来の選挙におけるこちら側のタマになってもらうといったことを考えるべきだ。

二つめに、「きょうも歩く」の黒川氏が指摘する「選挙プランナー」も重要だ。三浦某氏が人気があり、能力がある人だそうだが、「丸川珠代参議院議員」とか、「石原慎太郎知事三選」、「森田千葉県知事当選」といったことにその優秀な能力を使って、国民や国家のためにいいことが何かあっただろうか。

三浦氏がピジネスの都合で「どの党派の人でも、気に入れば応援する」などと言っているけれども、同氏は自民党時代の椎名素夫代議士の元秘書であり、出発点から「右」であることはハッキリしている。ここで言いたいのは、リベラルの方でも同じような人材を育てる必要があるということだ。セクト時代の雰囲気を引きずる斉藤まさしさんでは「古い」ということであるなら、若い人材の育成・起用が必要だ。

もうひとつは、リベラルを横断する複数の支援組織を作り、育てていくことの必要だ。全く思いつきだが、例えば「9条の会」を母体として、西松建設が作っていたようなというと例えが悪いかもしれないけれども、市民からの献金を集める「政治団体」を作り、プロ「平和と人権」の候補者に資金提供していくといったことを、多元的に展開すべきではないか。

個人レベルでも、坂本龍馬のようにコーディネーターとして動く人々がたくさん出るべきだ。武村正義とか、田中秀征といった人々も、老成ばかりしていないで少し動いてほしいものだ。森田敬一郎もここで口ばっかりで騒いでいるのではなく、行動を起こさなければならないかと考えたりしている。

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オバマ大統領、核軍縮・核不拡散で動く=自公政権は何を発信したか=

米オバマ政権はアフガニスタン、パキスタンにかかわる包括的な政策を発表したことに続いて、4月はじめにロシアとの間の核軍縮、さらに世界大の核不拡散にかかわる動きを見せるようだ。

このことについて麻生内閣や自公連立与党から何か有益な発信があったか?。全く何もない。

核軍縮については「既存の条約が今年で期限切れになることについて、わが国はかくかくの所感を持ち、これこれの内容を含む条約の締結を求めたい」とか、「核軍縮にはずみをつけるため、アメリカを含む全ての核兵器国に『先制不使用』の宣言を求める」といった程度の発信があって然るべきだ。

今のような音無では、麻生政権も、自公連立与党も、外務省も「核軍縮などには全く関心がない」と言っているに等しい。やっていることは、北朝鮮の「『人工衛星発射』はミサイルで迎撃する」といった話ばかりなのに、「唯一の被爆国だからIAEAの事務局長のポストをよこせ」など図々しい話だと受け止められるだろう。

核不拡散については、自国の安全に直結する「北朝鮮の核放棄の実現」が最初の関門だ。ところが、6カ国協議においてアメリカ、韓国、中国、ロシアが駆け引きで北朝鮮に対するエネルギー供与をすると言うときに「俺はやらない」と足を引っ張っているのである。

次期総選挙において、民主党を中心とする野党勢力には、これまでの政権の核軍縮・核不拡散への無関心、無責任を払拭する、平和憲法を持つ国にふさわしい外交・安保政策を打ち出してほしい。

オバマ政権は、ブッシュ前政権よりはるかにましな政権だ。しかし、アフガン支援で「軍民一体」を打ち出しているのは、わが国の実績を上げてきた民間支援の当事者の実感とかけはなれた政策だ。「同盟国」などといいながら、日本政府はアメリカにしっかり情報を提供し、親切な助言をするといった努力すらせず、ただ後をついていくつもりらしい。

核軍縮で声明採択へ=来月の米ロ首脳会談で

 【モスクワ28日時事】ロシアのプリホチコ大統領補佐官は28日、主要20カ国・地域(G20)金融サミット(首脳会合)に合わせて4月1日にロンドンで行われるメドベージェフ大統領とオバマ米大統領の会談で、核軍縮条約と米ロ関係全般に関する2つの共同声明が採択される見通しであることを明らかにした。
 米ロの主要な核軍縮条約である第一次戦略兵器削減条約(START1)は今年12月に失効する予定。両大統領の声明は、これに代わる新たな条約の交渉本格化をうたう内容になるとみられる。
 米ロ関係は昨年8月のグルジア紛争などを受けて、冷戦後最悪の水準にまで冷え込んだが、オバマ政権の登場で改善に向かうとの期待が高まっている。(2009/03/28-21:40)

核不拡散で新構想表明へ  オバマ氏、4月5日プラハで

 【ワシントン28日共同】マクドノー米大統領次席補佐官(国家安全保障問題担当)は28日の記者会見で、31日から欧州・トルコ歴訪に出発するオバマ大統領がチェコの首都プラハで4月5日、核不拡散問題に関する重要演説を行うと明らかにした。新たな核政策構想を表明するとみられる。
 次席補佐官は演説内容を明らかにしなかった。ブッシュ前政権はチェコとポーランドにミサイル防衛(MD)配備を計画、ロシアが反発し、米ロ関係悪化の原因となっていたことから、MDに関する新政権の立場や、米側がMD配備の理由としているイランの弾道ミサイル開発に言及するとみられる。
 オバマ大統領は4月1日、金融サミットが開かれるロンドンでロシアのメドベージェフ大統領と初会談し、米ロの核軍縮問題を協議する予定。「核兵器なき世界」を追求すると公約しているオバマ大統領が米ロ会談を踏まえ、核兵器削減に触れる可能性もある。
 次席補佐官によると、オバマ大統領は2日にサウジアラビアのアブドラ国王、3日にフランスのサルコジ大統領、ドイツのメルケル首相とも会談する。【共同通信】

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2009年3月27日 (金)

IAEA事務局長選、日本候補も落選=自民党と外務省は核軍縮問題への取り組みとブッシュ政権追随をちゃんと反省しなければ話が始まらない=

核不拡散と平和利用の確保にあたる国際機関・IAEAの事務局長選で、日本が擁立し「唯一の被爆国出身者にふさわしいポスト」と訴えたキャリア外交官出身の天野氏が3分の2の得票を得られず落選したそうだ。

外務省は「ODAを削減してきたからだ」などと言い訳するだろうが、森田が見るところ、多くの国にとって日本の外交姿勢に「唯一の被爆国としての使命感、魂」といったものが全く感じられなかったということだろう。「ユネスコの事務局長も退任なので」といった役人の天下り枠確保のような話が聞こえてきたあたりからおかしいのだ。

そもそも、最近の核軍縮・不拡散の状況を悪化させてきた犯人の一角は、北朝鮮やイランばかりでなく、核軍縮に背を向け、議会に阻止されたとはいえ「新型核兵器」さえ開発しようとしていた日本の「同盟国」アメリカのブッシュ・チェイニー前政権だ。そして自民党と外務省が主導してきた日本外交はアメリカの「忠実な飼い犬」にすぎないと多くの国が見ている。

その日本は、国連の核廃絶決議案の提出など「ことば」だけは先行するものの、実際は2003年にイラク戦争の開戦が迫った段階で、IAEAのエルバラダイ事務局長も、前IAEA事務局長で国連査察チームのブリクス氏も国連安保理において「さらに査察を続けるべきだ」と主張し、フランスやドイツも開戦に反対していたにもかかわらず、小泉政権はブッシュ政権の開戦に対して「支持」を表明し、森田の理解では、主要国でただ一つ、今日に至るまでその過ちを認めることをしていない。

森田は、広島・長崎における核兵器使用がもたらした熱線・衝撃波・放射線が市民にもたらした巨大かつ深刻な被害について、その実相を世界の新しい世代の人々に伝え続けることはわが国の人類史的使命であると考えているが、自民党政権も外務省も、これまで大平内閣、中曽根内閣、宮沢内閣、福田康夫内閣と何度もサミットを開催してきたけれども、一度たりとも広島や長崎での開催を提案したことすらなく、こうした使命を果たす機会を逃してきた。

昨年は9月に河野衆院議長のイニシアチブでG8議長会議を広島で開催し、ペロシ米下院議長の被爆地訪問が実現したが、これは河野氏の個人的な信念と働きかけに基づくもので、外務省や与党内にこれを後押しする動きが当初からあったわけではない。

北朝鮮の非核化などは、日本の安全保障という面から見ても最優先の課題であるにもかからず、日本政府は「拉致問題」を非核化の問題と切り離すことに失敗し、結果として各国の努力の足を引っ張っている。

「唯一の被爆国」。自民党政権や外務省が言うなといいたい気分だ。少なくとも、顔を洗って出直せ。

【以下、時事通信より】

日本外交に大きな痛手=信任されず「失格」の烙印-IAEA事務局長選

 【ウィーン27日時事】日本政府は、新たな主要国際機関トップのポスト獲得を悲願としてきた。国際原子力機関(IAEA)事務局長選に当たっては、麻生太郎首相自らが昨年9月の国連総会で天野之弥ウィーン国際機関代表部大使の擁立を発表。外務省に中曽根弘文外相を本部長とする選挙対策本部を設置し、全力で天野氏の当選を目指した。それだけに、IAEA特別理事会で天野氏が選出されなかったのは日本外交にとって面目丸つぶれで、大きな痛手となった。

 日本がIAEA事務局長選にこだわった背景には、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の松浦晃一郎事務局長が今秋退任の予定で、主要な国際機関のトップを務める日本人が国際エネルギー機関(IEA)の田中信男事務局長だけになってしまうという事情がある。国際社会での存在感を高めるには、地球温暖化対策が新たな課題として浮上し、原子力の平和利用支援の重要性が高まる中、「核の番人」と呼ばれるIAEAの事務局長はうってつけの役職だった。

 ただ、信任投票でも当選を決められなかったことで、天野氏も南アフリカ共和国のミンティIAEA担当大使も「失格」の烙印(らくいん)を押された。やり直し選挙への出馬は可能とはいえ、実際に再挑戦するのは困難になった。

 こうした事態を予想し、関係者の間では特別理事会が始まる前から「第3の候補」として、セディジョ元メキシコ大統領や経済協力開発機構(OECD)原子力機関のエチャバリ事務局長(スペイン)らの名前が挙がっていた。(了)
天野之弥(あまの・ゆきや)
(2009/03/27-21:23)

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最近の中国、日中関係についての感想

先の全人代では、最近の世界経済の状況とそれが中国経済に与えている影響に焦点が当てられたため「政治改革は棚上げ」という批判報道もあったが、これは問題の緊急性と中国の国際的責任という面からはやむを得ないと思う。

世界の金融において中国の占める位置には大きなものがあり、IMFへの拠出を増やすなら中国は発言権を強めるべきべきであるという中国の主張には当然であるいうという側面がある。日本外交は、もし国連安保理でのポジションを強めたいと考えるならば「国連の安保理改革についてのわが国の主張などと合わせ、お互いの立場をサポートできれば良いと思う」と働きかけたらどうか。

全人代では呉邦国常務委員長から、年金や失業、医療保険などの内容を含む「社会保険法」を年内に成立させるという提案があったことも注目に値する。わが国も同様だが、経済が難しい時期においては、こうした分野の施策が充実していることが社会の安定に有益だからだ。

そもそも中国は「改革開放」「市場経済導入」以前においては、退職労働者の生活保障などは所属した「国営企業」の仕事だったのであり、「市場経済」に転換したなら、いわゆる西側の国々で導入している公的な社会保障制度を整備しなければ、「社会主義」の看板をかかげながら、資本主義国より社会保障で遅れをとるという逆転現象を招く。

全人代閉幕後の会見で温家宝総理が、将来台湾に「這ってでもいきたい」と発言したことは印象に残った。もっとも私は、最近の中国本土と台湾の関係のよい方向への変化を見るにつけ、また、同じ会見で温家宝総理は「われわれは積極的に政治体制改革を推進しなければならない。特に重要なのは社会主義民主政治を発展させ、人民の自由と権利を保障すること、司法体制改革により社会の公平と正義を実現することだ」と述べたが、こうした方向で着実な前進が図られるなら、おのずから問題は多くの人が予想するよりも早く解決に向かうのではないかと思っている。

それにしても、呉邦国常務委員長が全人代での発言で「西側の制度をまねることはない」「三権分立はやらない」という保守色丸出しの発言をする一方で、温家宝総理が会見でこうした政治改革重視を表明する発言をすることには指導部の中にも「色合い」の違いがあることを感じさせる。

中国指導部においても「温かみ」を強く感じさせる人物はかつては周恩来総理ということだと思うが、近年では大工さん出身で歯に衣着せぬ発言で人気のあった引退した李瑞環・元全国政治協商会議主席、それた温家宝総理だろう。昨年、四川省で流された涙は、自分のためではない、人民のために流した涙であることが我々にも伝わった。

日中関係は昨年の胡錦涛主席の来日の際に「戦略互恵」という高いレベルに引き上げられているが、70項目の共同コミュニケといっても、例えば環境の分野などは必ずしも具体的に進んでいないといった不満が中国側にあるようであり、着実な前進を図る必要がある。ショーのような外交より中味が重要だ。

なお、いまわが国の参議院との交流で来日している全人代の代表団=衆参両院が1年交代で交流=が沖縄を訪問することが産経新聞などに「米軍基地の情報を狙った領事館設置の布石」として注目されている。

沖縄は琉球王朝の時代、日本の室町時代・戦国時代、中国の明代に「日本、明国、東南アジア」と等距離にある貿易拠点として栄え、室町幕府が明と交易する方便として「朝貢」の形を整えたのと同様に明に朝貢する形式をとっていたため、形式的には日本と中国の両方をいわば宗主国としていたため、産経新聞が神経質になるのは理解できるが、ここは「沖縄は気候も人柄も暖かく、食べ物や美術工芸、地方色の強い音楽や舞踊など実に魅力的なところでありゆっくりしていって下さい。中国の方が台湾を『宝の島』と言われるのと同様、私たち日本人にとっての宝の島であると考えています」と軽く受け流すのがいいだろう。

そして、産経新聞にとっても、日本政府にとっても、あるいは本土の人間にとっても、先の戦争の終戦の遅れにより筆舌に尽くしがたい惨禍に見まわれ、現在も基地負担に喘ぐ沖縄を本当に大切にすることを真っ先に、真剣に考えなければならないる。中国に「手を出すな」などと言っている暇があるなら、そちらを先にすべきなのだ。
                                                                       
それにしても、産経新聞は佐々某の「北朝鮮のミサイルは、絶対に迎撃しなければならない」などという愚かな議論を大々的に掲載している。警察官僚あがりの石原慎太郎の選対本部長らしい意見だが、これは言ってみれば北朝鮮の「日中」「日米」離間策に乗せられる議論だ。

「戦争だ、という恫喝に屈するな」というが、前にも書いたが発射に「成功」した場合は、国際法上の多数説によるわが領空のはるか上を飛んでいくわけであり、偽装であるにせよ「人工衛星打ち上げ」の国際法的な手続きもとっており、これを「とにかく迎撃ミサイルを発射しよう」などというのは愚論中の愚論。麻生内閣の迎撃命令も「失敗して落ちてきた時」と言っているではないか。こんな頭も性格も悪い爺さんが、たまたま部下だったことがあるというだけで、故後藤田正晴氏の名前を出して自分に箔をつけようとしているのにはいつもあきれかえる。

北朝鮮の「人工衛星打ち上げ」は、そのやり方からして日本政府として容認できるものではないというのはわかる。一方、北朝鮮の農村や都市に暮らすごく一般の人々の窮状を思いやれば、ただただ「迎撃ミサイル発射」といきり立つのではなく、関係各国が種々の問題を乗り越え協力を強化することが必要と考えるべきだ。

こうした問題を考えても、中国と日頃から意見交換を密にし、協力を強化していくことが重要であると思う。
 

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2009年3月24日 (火)

小沢代表続投-衆院選、勝ちすぎないのもいいかもしれない

小沢代表が続投するそうだ。これでは民主党が一党で安定多数を確保して政権をとることは難しいだろう。

しかし、考えてみれば「社民党と連立組まなければ政権とれない」「法案を通すには日本共産党の協力も視野に入れなければならない」くらいの議席数の方が、日本の現状において何をどう転換しなければならないかということとの関係で言えばいいことなのかもしれない。負け惜しみのようだけれども。

この際、大事なのは小沢氏の一身のことではない。小沢氏の「夢」などどうだっていい。肝心なのは、これまでの「自民党政権下のどうしょうもない政治・行政・財界のありよう」を「どう転換するのか」を再度明確に示し、それを現実のものにすることだ。

誰かも言っていたが、野党が多数を握っている参議院の民主党などおとなしすぎる。日本の現状、例えば経済の落ち込みが欧米より深刻なのは、全て小泉・竹中時代にもてはやされた政策の結果である。田母神氏を野放しにして日本の平和と民主主義を危機にさらしているのも自公連立政権だ。

北朝鮮の拉致被害者の問題も、安倍晋三氏や中川昭一氏をはじめとする威勢のいい「ことば」が聞かれるだけで、小泉氏が日中関係、日韓関係を破壊したこと、安倍政権の時に安倍シンパのグループが河野談話批判の広告をアメリカの新聞に出して米議会を敵に回したことなどの影響もあって、実際には一歩も前に進んでいない。中山恭子といった人が何度も要職を占め、大臣までやったのに、何か具体的に成果を挙げたことが一つでもあるのか。現実を見れば、何の実績もないではないか。

小泉純一郎、竹中平蔵、安倍晋三、中川昭一、田母神元空幕長、偽装請負や派遣切りのキャノンの会長(経団連会長)や日教組の教研集会の予約を一方的にキャンセルしたプリンスホテルの幹部など、何度でも参考人招致でも証人喚問でもして、国民の前で問題点をはっきりさせるといったことに力強く取り組んでほしい。

小沢代表も、民主党所属の国会議員たちにも、こうしたことなども通じながら、次期政権のビジョンを明確に打ち出すということのみに焦点を当てて奮起してほしい。良くも悪くも、あなたたちが気張ってくれなければ、歴史の扉がしっかりと開くことがないからだ。

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2009年3月20日 (金)

中国の胡錦涛主席、訪中した北朝鮮首相にクギを差す。

中国の胡錦涛主席が訪中した金英逸(キムヨンイル)首相に対して19日、「6カ国協議を再開させることは、関係国の共通の課題だ」と述べ、ミサイル発射なども念頭に自制を促したという報道がなされている。

中国の北朝鮮に対する働きかけは、水面下で行われることが多く、このような報道に接するのは珍しいことだ。これはどのような「変化」を反映することなのだろうか。

言うまでもなく、1950年に始まった朝鮮戦争の時に、米軍の反撃で敗北の危機にあった北朝鮮に対し、建国間もない共産党政権の中国が鴨緑江を渡河して加勢し大きな犠牲を払いながら米軍を押し返して以来、中朝両国は「血で固められた同盟」という関係を誇ってきた。

今では北朝鮮は、中国からの食料、エネルギーなどの支援がなければ存立できないということは誰の目にも明らかなのだが、中朝関係は中国が北朝鮮のプライドをとても尊重する関係を結んできた関係があり、いまのキムジョンイル国防委員長の父親である金日成主席の時代から、日本側から中国側に対し「北朝鮮に対して影響力を行使してください」と働きかけても「ちょっと大きな声では言えませんが、全然言うこと聞いてくれないんですよ」という関係が続いてきた。

今回、公開の席で中国のトップから、かなりはっきりと例えばアメリカや日本も歓迎するような立場からの話が北朝鮮側に行われた。

この真意はどこにあるのか。中国として、米新政権が6カ国協議から米朝二国間に舞台を移すことのないよう、六カ国協議を本気で動かそうとしているのか。それとも、アメリカなどに一定のありばいを作ろうとしたのか。それとも、異例なトップによる半ば公開の場での発言ということは、さすがの中国も現在の北朝鮮のやり方にしびれを切らしかけているのか。

このトップからの注意喚起が、結果として北朝鮮のメンツを立てることになって、全体がいい方向に動くことに期待したい。しかし、逆にこのような明白な「助言」に対し、かつて毛沢東の中国がスターリンのソ連に反発したような過激な反応に出ないかちょっと心配がないわけではない。

しかし、いずれにせよ北朝鮮に関わることで日本の国益を実現したければ、「日米韓」をしっかり固めることとともに、中国の協力をいかに引き出すが決定的に重要だ。その点について現実が全く判っていなかった小泉政権に象徴される自民党政権、かつての外務省首脳部のあり方に対し、次期政権における「明確な転換」が強く求められる。

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2009年3月18日 (水)

米AIG巨額ボーナス、新規課税で取り戻せるかに注目

巨額の損失を出し、世界経済への影響を回避するためにアメリカ国民の巨額の税金を使った支援を受けて事実上の公的管理の下にある保険・金融会社AIGが、一部幹部社員に多額のボーナスを支給したことで、オバマ大統領はじめ民主、共和両党の政治家たち、また多くの国民が激しく怒っている問題についてだが、政治家たち怒っているのは選挙民向けのポーズという面が大きく、実際には取り戻せないのではないかと思っていた。

ガイトナー財務長官は「AIGはボーナス分を国に返却を」と求めているようだが、それではもらった人はもらい得だ。

しかし、報道を聞いているとボーナスを受け取った人から「税率100パーセント」などの課税によって取り戻そうとする動きもあるらしい。

ABCテレビのレポーターは、「議会でそのような法案が成立する可能性がある。ただし、それが法律的に正しいことかはっきりしていない」ということのようだ。

自民党政権下のわが国でもこのような場合、結局は力のある者のもらい得でうやむやになることがほとんどであるように思うので、貪欲な金融業者を野放しにしてきたアメリカが、ちょっとはましな対応をすることになるのか注目したい。

本当は、「公共事業を受注する業者の政治献金を禁止すべきだ」といった考え方と同様に、「税金の支援を受けた金融機関の職員の給与は、返済まで公的機関の許可制の下に置く」といった、一般的な制度を整えておくのがいいのではないか。

日頃から「高給をとりながらいい加減な仕事で自分の会社や内外の経済に損失を与えても、税金で穴埋めしてもらえて、何のペナルティーもない」というのは、公正さに欠けるように思う。次期政権にはぜひ考えて欲しい。

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2009年3月17日 (火)

ペイリン元副大統領候補の娘、婚約破棄=右翼政治家の粉飾がまた一つ露見=

昨年の米共和党大会で、家族の価値だの何だのと保守的な価値観を強調してブームになっていたペイリン副大統領候補の10代の未婚の娘、ブリストルさんの妊娠について、相手の10代の青年が壇上に上げられ「二人は結婚する」と発表があり、大いに盛り上がった。

それが、実のところ子どもは無事生まれたけれども、二人は婚約を解消し、ABCテレビが求職中の青年にインタビューすると「いつでも子どもに会える」と言うものの、持っている子どもの写真は胎内にいたときのX線写真だけだった。

二人は生き方をそれぞれ、よく話し合った上で自由に決めればいいことだ。とても嫌な感じがするのは「私たちはなんて立派な家族でしょう」といった演出によって有権者に対して自分たちの姿を粉飾したペイリン元候補(現アラスカ州知事)のことだ。

だいたい、ご立派なご宣託で右寄り、保守的、「愛国」的な価値を並べるような連中に限って、いざというときは無責任で、何の反省もないのが普通なので、あまり驚かないが。

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日本テレビ社長辞任

虚偽報道で日本テレビ社長辞任と聞き、報道がこうしたことでケジメをつけるのは結構なことと思う反面、政局にクビを突っ込んで「麻生を辞めさせた後は石原伸晃がいい」とか言っている人などの方が実権を握っていて、痛くもかゆくもないんだろうと思う。

本当は、実権持っている方が責任問われなきゃ、おかしいんじゃないか?

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2009年3月10日 (火)

オバマ政権がES細胞研究への助成解禁-「ひとりよがりのキリスト教原理主義」から「科学を尊重する政治」へのチェンジ

オバマ大統領がES細胞研究への連邦助成を解禁する大統領令に署名した(毎日新聞記事を後掲)という。アメリカ政治がブッシュ時代の「ひとりよがりのキリスト教原理主義」路線から、「科学尊重の現実重視」の路線へのチェンジを進めていることの証左だ。

これについて、朝からNHKのニュースを聞いていて気になったのは「キリスト教原理主義」への言及が無かったことだ。毎日の記事も「保守派」としているが同様だ。

【NHKのページより】

米大統領 ES細胞研究を助成  NHK 3月10日 6時52分

アメリカのオバマ大統領は、人の受精卵が分裂する過程で取り出すことができる特殊な細胞「ES細胞」を使った医療研究を助成する大統領令に署名し、「生命倫理の一線を越える」として拒否権を発動したブッシュ前政権との違いを鮮明にしました。

受精卵が分裂する過程の「胚(はい)」から取り出すことのできる「ES細胞」は、人体のさまざまな組織を作り出し、難病の治療への応用が注目されています。これについてオバマ大統領は9日、ホワイトハウスで演説し、「多くの研究者や医師、難病患者やその家族が待ち望んできた『変革』をもたらすときがきた。ES細胞の研究への助成を解禁する」と宣言しました。そのうえでオバマ大統領は「これまでの政権は健全な科学と道徳的価値観を取り違えてきた。この2つは両立できる」と述べ、研究を助成するための大統領令に署名しました。この研究をめぐっては、「初期の生命を破壊するものだ」という反対論が強いことから、オバマ大統領は厳しいガイドラインを設けるなどの配慮を示しましたが、議会が可決した法案に対し、「生命倫理の一線を越える」として、2度にわたって拒否権を発動したブッシュ前政権との違いを鮮明にした形となりました。

ブッシュ大統領による連邦予算支出禁止が、ブッシュ氏個人のキリスト教右派のイデオロギーや、選挙で共和党の強力な基盤になっているキリスト教原理主義勢力に対するサービスとして「歪められた政策」であったことは自明のことであるのに、容疑者がイスラム圏の人物による事件の際にはすぐに「イスラム教徒」「イスラム原理主義」とあげつらうのに対して、アメリカのキリスト教原理主義勢力に対しては遠慮するというのはダブルスタンダードであり、メディア全般に見られるバイアスだ。

もちろん、イスラムを名乗る過激派に対して「イスラム過激派」と表記することは適切だが、こんどのようなES細胞に関わるニュースで「キリスト教」に触れないなら、ただ単に「過激派」とすることが適当だろう。

いずれにせよ、シリアとかパレスチナの地に起こったユダヤ教、キリスト教、イスラム教は、唯一絶対神を信仰するいわば兄弟宗教で、世界中の紛争の大半はこのいずれかが関わるということは、まことに迷惑な話なのだが、日本人がこの中で、とりたててキリスト教の肩を持ついわれは無いはずなのだ。いくら自民党政権が盲目的なアメリカ追従を続けたとはいえ、アメリカが「宗主国」というわけではないのだから。

ちなみに板垣雄三氏によれば、「原理主義」ということばはキリスト教内部の概念で、「イスラム原理主義」という言い方は、キリスト教圏の人がそれを当てはめて使っているに過ぎないそうだ。

BS1の「おはよう世界」の税所玲子キャスターは「キリスト教の右派」ということばを使って解説していたが、ブッシュ大統領の連邦予算支出禁止は「こうした声に配慮して」という表現にとどまり突っ込み不足の印象だった。

【以下、切貼】

ES細胞:米、研究へ助成解禁 オバマ氏、大統領令に署名

 【ワシントン及川正也】オバマ米大統領は9日、ヒト胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究への連邦予算支出を解禁する大統領令に署名した。受精卵を利用するES細胞研究について、保守派のブッシュ前大統領は01年8月、「生命の破壊につながる」として連邦政府の助成対象を既に作られているES細胞に限定し、新たな研究への支出を禁止していた。

 オバマ大統領は「研究に取り組む科学者を積極的に支援する」と表明。保守派の反対論に対し「健全な科学と道徳的価値観は矛盾しない」と反論する一方、実施にあたり「厳格な指針」を策定する考えを示した。

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 ■解説

 ◇米の研究、より加速--日本・厳しい指針、「遅れ」批判も
 オバマ米大統領がさまざまな細胞や臓器になるES細胞研究支援に踏み切り、米国の研究は加速しそうだ。日本発の人工多能性幹細胞(iPS細胞)研究も技術の基礎はES細胞にある。この分野で米国が「独走」すれば、再生医療の競争で日本は厳しい状況になるが、受精卵を扱うだけに歯止めをどうかけるのかが改めて問われる。

 ヒトES細胞規制は各国で差がある。独は作成を禁止、仏は06年に作成を認めた。英は不妊治療で余った受精卵だけでなく、ES細胞作成のために受精卵を作ることが可能だ。日本は余剰の受精卵から作成を認めている。

 ブッシュ政権下では州の予算や民間の資金で連邦予算を補った。00~06年発表の関連論文453本の40%が米国発。英国10%、韓国8%などと続き、日本は2%、10位だ。

 背景には日本の厳しい指針がある。当初は細胞を実験室で使うだけでも、国が全研究員の適性審査を行った。研究者の批判を受けて、見直しが進められているが、中辻憲夫・京都大教授は「研究推進を掲げつつ、実際はブレーキをかけている。遅れは取り返しがつかないほどだ」と話す。

 遅れは、人工的に作ったES細胞であるiPS細胞の研究にも響く。米国の決断は日本の研究態勢にも波及しそうだ。【奥野敦史】

毎日新聞 2009年3月10日 東京朝刊

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漆間官房副長官「自分からは辞めぬ」は、「総理が、警察敵に回してクビにできるわけないだろう」という意味

漆間官房副長官゛が、「総理が辞めろと言えば辞めるけれども、自分からは辞めぬ」という意味は、「総理が、警察敵に回してクビにできるわけないだろう」という意味であると森田は思う。

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2009年3月 8日 (日)

N響神田さんのフルートはアメリカ製

今週の愛川欣也「パックインジャーナル」(朝日ニュースター)は小沢秘書逮捕「陰謀論」に重点があったらしいが、本放送は息子の高校の卒業式、当日の再放送はゲルギエフ~サンクトペテルブルグ・マリーンスキー劇場のストラビンスキー「火の鳥」「春の祭典」などのオリジナルに近い形でのバレエ公演の放送を受信するのを優先して、今後の再放送を見ることに。

世田谷区にある「科学技術学園高校」の卒業式は、どちらかというと勉強の苦手な生徒が集まる学校だが、校長や理事長の挨拶もよく練られた短いもので、吹奏楽バンドもテクニックは別として心のこもった演奏。なかなかテキバキとした気持ちのいい卒業式だった。

春の祭典のあの振り付けや衣装の版は、テレビでも通しで見たのは初めてで、とても興味深く良かった。それにしても、容姿ひとつとってもロシアのバレエはまだまだ層が厚いと感じた。

ところで、日曜に2年前だかのアシュケナージ指揮・N響ロサンゼルス公演のドビュッシー『海』のビデオを取り出して観たが、前の曲との間に現地レストランで寛ぐ団員たちの様子が流れ、フルートの神田さんが「私のフルートはアメリカ製で、私自身アメリカは初めてなので、楽器も初めての里帰り」という話をされていた。

神田さんの演奏は音楽性も豊か、音がとても美しい。あの黒い木管であろうフルートも名器に違いないと思っていたが「アメリカ製」と聞きちょっと意外な感じ。フルートの事情など全然知らないが、てっきりヨーロッパ製か日本製と思っていた。

もちろん、「アメリカ製」であろうといいものはいいのは日本国憲法も同じだ。

そういえば最近、左派系ブログでは森田敬一郎の親米色が少し浮いているような気がしている。

「右」の方にも、ちょっと前の産経論壇内に「親米右翼」と「民族派右翼」の二色の違いが目立ったけれども、森田の場合は「左派だけれども、相手がブッシュ&チェイニーでは全くダメだが、アメリカのリベラルとの積極連携なら志向する親米ハト」という第4の路線なのかなあとも思う。まあ、こうした分類やレッテル貼りよりも、肝心なことは中身だと思うけれども。

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船橋市議会休日開催

NHKのニュースで、船橋市議会の休日開催の話を紹介していた。

平日の昼間の開催では、働いている世代や学校に通っている世代はなかなか傍聴も難しいのが実情なので、よい試みだと思う。

これは学校の保護者会やPTAなどにも言えることだが、形骸化させないための一つの工夫だと思う。

「自民党時代のお任せ政治」から、「民主党時代の参加の政治」に向け、民主党の政策にこうしたことの推進をぜひ盛り込んでほしい。

【以下、NHKのページより切貼】

給付金支給めぐり日曜に議会   2009年3月8日 NHK

3月8日 19時44分

定額給付金の支給をめぐって、千葉県船橋市では日曜日の8日、市議会が開かれ、多くの市民が傍聴に訪れました。休日の開催は16年ぶりだということです。

これは、船橋市の市議会が、関心の高い定額給付金の支給方法などについて審議の課程を多くの市民に知ってもらおうと実施したもので、休日の開催は16年ぶりだということです。議員が給付金の支給時期や、支給にあわせた地域商品券の発行など、地元経済の活性化策について市の対応をただしました。これに対して、市は「来月中旬から申請書を送付し、5月中旬ごろに支給される見通しで、商店街がイベントなどを企画している」などと答弁していました。船橋市で定額給付金の対象となる人はおよそ60万人で、89億円が支給される見込みです。傍聴席にはおよそ80人が訪れて、熱心にメモを取りながら聴いていました。小学生の子どもを連れた会社員の男性は「定額給付金の支給は決まったことですが、自分の住む街でどのようなやりとりがされるか関心があります」と話していました。船橋市議会の村田一郎議長は「これほど傍聴者が多いのは初めてで、市民の関心に応えられたと思う」と話していました。

【以上切貼】

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2009年3月 6日 (金)

「献金返却」という自民党議員-証拠を見せろ。

加納時男議員とか、二階派とか、西松関係の献金を「返却する」と表明している自民党の議員たちがいて、それをメディアは大きく報道している。

これは、本当に返却したかちゃんと見届けないと怪しい話だ。検察が偽装とリークしている政治団体は解散しているというのだから、いまのところ「誰」に返したらいいのかハッキリしていないなどと言うではないか。

「そのうちハッキリしたら」などと言っているうちに、メディアの関心は他の方に移ってしまい、結局は逃げ切ろうという魂胆の議員もいるのではないか。

「ここに返しました。これがその領収書や振り込みの記録です」というものが提出されない限り、森田は「返却」を信じない。

メディアには社会部というものがあるのだから、検察リークばかり報じていないで、また政治部に遠慮ばかりしていないで、この辺でもちゃんと報道の使命を果たして欲しい。

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2009年3月 5日 (木)

長谷川憲正議員の「竹中参考人招致」要求を支持する

午後の参院予算委質疑の最後は、国民新党の長谷川憲正議員だった。朝日の記事も紹介しているが、長谷川議員は竹中平蔵氏が鳩山邦夫総務相によるかんぽの宿払い下げ問題に関連して「与野党の郵政族議員が結託して」などの非難を繰り返していることについて、竹中氏を参考人招致して見解をただすことを要求し、北沢委員長も「理事会で協議する」と引き取った。

聞いていてなるほどと思ったのは、政府が100パーセント株を持っているのだから、あまり日本郵政がおかしなことやっているならば、臨時の株主総会を開かせて、役員全部入れ替えてもいいのだし、外国にはういう前例もあるという話しだった。

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イミョンバク大統領の多国間軍縮交渉の提案

NHK・BS1で見た韓国KBSのニュースによると、オーストラリア訪問中のイミョンバク韓国大統領はオーストラリアの新聞に寄稿し、東アジアにおいても「多国間の交渉の枠組みを推進することで、北東アジアの軍備競争を抑制していくべきだ」との見解を示しているそうだ。

わが国の自公連立政権や外務省、防衛省から聞こえてくるのは「中国は軍事力を強化している」という話ばかりだ。せめてイミョンバク大統領の今回の発言程度の建設的な発信はできないものだろうか。

ただ騒いでいるだけでは、現実を変えることはできない。

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タックスヘイブン

昨日のNHK・BS1「今日の世界」後半の特集は、BBCがタックスヘイブンを取り上げたレポート番組の紹介だった。

リヒテンシュタインやジャージー島がケースとして取り上げられていたが、アメリカでもイギリスでも金融機関や大企業救済のために巨額な税金が使われている一方で、救済を求める企業の巨大な資産が「税率が低い」「当局の監視の目が届かない」タックスヘイブンに置かれて課税逃れ、資産隠しが行われているということに怒りが集まっているという内容だ。

国境を越える「多国籍企業」ということが言われるようになって30年にもなると思うが、労働者は「グローバルな競争」を口実に権利を削減され、賃金を引き下げられる一方で、カネ持ちは「監督・規制」には「グローバル化」が及んでいないことを良いことに、濡れ手で粟の大儲けに走るばかりでなく、今日の世界的規模のバブル崩壊、金融恐慌・景気後退を引き起こした。

4月のG20サミットでもこの問題が取り上げられる見通しだというが、日本政府からこの問題で、あるべき姿について何かいいアイデアが発信されたという話を聞かない。自公連立政権も、財務省や金融庁も、タックスヘイブンを規制することよりも、これを個人的にどう利用するかを考えたりとか、ワインを飲んだりとかで忙しいのだろうか。

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米ロ関係、ミサイル防衛(MD)に注目

アメリカで政権交代があれば、核軍縮やMDにも良い方向への変化があり得るということをここでずっと言ってきたが、いよいよ実際に動きが出てくることになる。

予定される米ロ外相会談では期限が切れるSTARTⅠに変わる戦略核兵器削減交渉の枠組みについて話し合われるということだし、オバマ大統領がメドベージェフ大統領に「イランの核開発を阻止できれば、アメリカのMD東欧配備は不要になる」という趣旨を含んだ書簡を送ったことが報じられたりしている。

これも世界が正しい軌道に戻るために必要な作業であり、大いに注目したい。これに関わって世界の政策潮流も変化しつつあり、わが国も安倍政権の時にMD開発・配備を決めているわけだが、各党の国防族以外の政治家たちにも(国防族以外だからこそ)、大きな視点から再検討をしてもらいたい。

なお、メドベージェフ大統領の反応についてNHK・BS1の今朝の「おはよう世界」は「MDについて話し合おうというのは評価するが、イランの核開発については取引しない」と要約したが、昨夜の「今日の世界」は「イランの核開発については取引しないが、MDについて話し合おうというのは評価する」と要約していた。前後を入れ替えただけだが、後者の方が米ロ関係全般に前向きな姿勢に聞こえる。

ちなみに、番組で紹介されたロシアRTRのインタビュー映像は「イランの核開発については取引しないが、MDについて話し合おうというのは評価する」という順に言及していた。

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ブラウン英首相は「議会演説」も

麻生訪米での日米首脳会談は「昼食会なし」「共同会見すらない」と言われたが、ブラウン英首相の場合は会談後に記者の質問を受け、昼食会もやり、「議会演説」も行った(切貼後掲)そうだ。

イギリスの首相としても5人目だったという議会演説は儀礼的なものだが、希望すれば誰でもできるわけではない。最近では安倍首相が訪米の際の議会演説を画策したものの、従軍慰安婦問題についての安倍首相の姿勢から認めるわけにはいかないというハイド下院外交委員長(当時、共和党)のホワイトハウス充ての書簡もあって実現できなかったという例もあった。

今回はムリムリ突っ込んだ日程だったため、イギリスと格差がついてしまったが、麻生政権がいつまで続きそうかということを外務省が考えたということもあるのだろうか。

もっとも、どの首相であれ「さすがに日本の首相はいい演説をするね」ということならいいのだけれど、そこはかなり心配だ。将来、もし日本首相の米議会演説という日が来るなら、村上春樹さんに原稿添削してもらうといい。

【以下、切貼】

英首相、新たな欧州観構築を  米議会で演説

 【ワシントン4日共同】ブラウン英首相は4日、米議会の上下両院合同会議で「『古い欧州』や『新しい欧州』など存在しない。あるのは米国の友人である欧州だけだ」と演説、4月5日にプラハで首脳会議を開く米国と欧州連合(EU)が協力し、経済危機を克服しようと呼び掛けた。

 ブッシュ前米政権でイラク戦争を推進したラムズフェルド国防長官(当時)は、開戦を支持したポーランドなどを「新しい欧州」と称賛する一方、反対したフランスやドイツを「古い欧州」と批判した。首相はこうした欧州観をいさめ、オバマ政権下で米欧関係を再構築する必要性を訴えた。

 4月2日にロンドンで開かれる20カ国・地域(G20)の第2回首脳会合(金融サミット)を主催するブラウン首相は、今回の危機を「『経済のハリケーン』が世界中に吹き荒れた」と形容。危機克服には各国の政策協調が必要と力説した。

2009/03/05 09:11   【共同通信】

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政治的判断が稚拙に見える「バシル大統領訴追」だが、世界の人道と人権の歴史にとっては必要な蛮勇かもしれない

「国際刑事裁判所(ICC)がスーダンのバシル大統領を起訴」というニュース(後掲)があった。

ある国の国家元首による残虐な行為に対し、国際社会が法に基づいて人権を守るための措置を執行するという、大きくはこれからの世界が進むべき方向に則ったことである。

もちろん、執行にあたっては実際には難しい問題がある。「スーダンの主権の独立」との関係で、誰がどうやってバシル大統領を逮捕できるのかという問題がある。ダルフール紛争には大きく言ってイスラム教徒のアラブ人勢力による、キリスト教徒の黒人勢力の弾圧という構図があり、また中国がバシル政権に肩入れしてきたという側面もあるため、他の同様な問題よりも欧米のメディアなどの注目を集めているという見方もある。

さらに言えば、今回の訴追により国連や各国のダルフールの難民支援活動がバシル政権側により脅威にさらされることにつながるといった問題もある。

ダルフールのいままさに迫害されている人々の状況が実際に良くなることと、新しい国際刑事機関により、普遍的な正義が実現される手だてが整えられること。一度に両立することが難しい問題にも見えるが、世の中のことで簡単に解決できることなどない。関係者の努力と知恵により人道と人権を守る国際機関が成長するステップとなってほしい。手をこまねいていては歴史は前に進まない。

【以下、切貼】

スーダン大統領に逮捕状  ダルフール紛争でICC  共同通信 2009年3月4日

 【ブリュッセル4日共同】スーダン西部ダルフール紛争をめぐり、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)は4日、戦争犯罪と人道に対する罪などで、スーダンのバシル大統領(65)に対する逮捕状を発付した。2002年に設立条約が発効したICCにとって現職の国家元首に対する初の逮捕状。同法廷のモレノオカンポ主任検察官が昨年7月に請求していた。

 ダルフール地方では03年2月、アラブ系の中央政府に対する黒人系勢力の反政府活動が激化、政府軍はアラブ系民兵と協力して、黒人系住民の村などを無差別に襲撃した。国連によると、約30万人が死亡した恐れがある。

 検察官は、大統領が軍などを指揮して少なくとも3万5000人の市民を殺害したほか、約250万人を難民キャンプに送り、無差別に強姦したなどと主張している。

 ICCは自前の警察力を持たないため、逮捕状執行は外遊先の国が身柄を確保した場合などに限られる見通しだ。ICCは07年5月にもスーダン政府高官ら2人に対する逮捕状を出したが、政府は引き渡しを拒否した。

【以上、切貼】

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2009年3月 3日 (火)

「小沢民主党代表の公設秘書逮捕」-民主党指導部の危機管理能力が問われる

党首が当事者の問題であり、ここは鳩山幹事長、菅代表代行をはじめとする党首を除いた党首脳部の正念場だ。

鳩山幹事長の当初のコメントは、ダメージを弱めて様子を見るために致し方ないと思う。戦術的には適切な対応だったかもしれない。

「企業が政治家に献金はダメ。ただし、政治家個人ごとに設けられている政党支部あてにはOK。パーティー券の購入は良し。しかも1回20万円以内なら名前出さなくて良い」

こんなところが基本ルールだと思う。このルールを聞いたとたんに、回転のいい人なら「何回もパーティーを開いて、各回20万円以内の購入を繰り返してもらえば、いくらでも透明性のない献金をしてもらえる」など、いくつもの抜け穴を考えつくだろう。

西松建設が考えた抜け穴は、「企業の献金」ではなくて、「社員たちの個人の献金」ですよという形式を整え、あとで個人が献金した分を会社がボーナスなどで穴埋めしていたということらしい。

「いいや、個人献金として集めた団体から、上限などの制限も含めすべて適法に受け取ったもので、形式も全て整い、届け出も適正だ。小沢事務所側に何の手落ちもない」というのが、小沢氏や民主党の立場だ。

東京地検特捜部は「形式はそうだが、それは偽装で企業献金だ」と言っているわけだ。

小沢氏側にも言い分があるわけで、法律的には最高裁で有罪が確定するまでは「無罪」を推定すべきだ。ただ、それはあくまで「法律的には」という話で、法律的に正しいということと、政治的に賢明ということは食い違うことがあり得る。

スピード違反で走っている車は多いし、酒気帯び運転も根絶されているわけではない。検挙されるのはほんの一部に過ぎない。-だからといって、検挙されたことをなかったことにすることはできない。

秘書逮捕が不当ないし間違いだったことを証明することは可能だろうし、そう信じたい。しかし、目前の、世界政治の転換点に行われる、日本の政治史にとって重要な選挙には間に合わないだろう。

ここは民主党指導部のギリギリの判断を見守りたい。

ただ、こう書いてきて、やはり「民主党がさわやかに政権をとる」というイメージにより、新しい政権への国民の支持、求心力を作り出すためには、小沢さんが「ここは一度、黙って身を引かせていただきます」と言うことは意味のないことではないという気持ちが強くなってきた。

小沢氏がそう言ったときに、森田は「無責任だ」「敵前逃亡だ」というつもりはない。

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2009年3月 2日 (月)

「両陛下、真珠湾訪問を検討」報道(ワシントン共同)を歓迎する

両陛下の真珠湾訪問が計画されているという報道(下に切貼)を見て、これはとても良いことだと思った。

たとえ家族同士であっても、人と人の一日のつきあいは「おはよう」の挨拶ではじまる。国と国の付き合いであれば、お互いの国のために命を捧げた人々に敬意を表するということが大事な出発点の一つだろう。

戦後の日米関係は、日本がアメリカの示した「自由と民主主義」「武装解除」の憲法草案をほぼ丸呑みし、また米軍の極東戦略(後に中東まで=麻生総理が「自由と繁栄の弧」と呼ぶ=)のため常時駐留を認める、アメリカは天皇制の存続を認めるという取引を出発点にしている。

現在までも、われわれ日本人がアメリカの大衆文化にどっぷり浸かってきた=例えばフランス流の赤ワインブームも、英国風ガーデニングもアメリカメディア経由=ということもあるわけだが、タテマエや美辞麗句はともかく、日米の関係は要は「ビジネスと安全保障」のつきあいであり、心と心の触れあいというところではいま一つ、というのが正直なところではなかったか。ジャパンパッシングが言われ、鳥居坂の国際文化会館の日米文化交流行事なども往事の賑やかさに比べ寂しいものだという。

ちょうど天童荒太氏の『悼む人』が話題になり、『おくりびと』が米アカデミー賞の外国語映画賞を受賞したことなどは、天皇陛下の真珠湾訪問と追悼の機が熟してきていること、あるいはアメリカ人の心に伝わるには良い時期であることを示しているのではないだろうか。

もちろん、天皇の国事行為は憲法に列挙されているものに厳しく限定されるべきで、今回のことも政治的意図は排除されるべきである。

しかし、モンデール駐日大使(当時)の東京大空襲の追悼式典への密かな参列、昨年のG8下院議長広島会議に際してのペローシ下院議長の:原爆死没者慰霊碑に対する丁重な弔意と、それへの答礼の意味も込めた昨年末の河野衆議院議長の真珠湾訪問などは、タテマエの関係や、ビジネスの関係を超えた、日本人とアメリカ人の本当のつきあいのために大きく役立つに違いない。

森田はこれらと同じような視点から、報じられた天皇陛下の真珠湾ご訪問の実現を強く願う。

同時に、アメリカの大統領が日本で同様な行為を行いたいと申し出た時のために、靖国神社がどうしても「A級戦犯」の合祀をやめないというのなら、千鳥ヶ淵墓園の大幅拡充整備など、誰もがわだかまりなく参拝できる国の施設の整備を急ぐべきである。

【以下、切貼】

両陛下の真珠湾訪問を検討  和解象徴、7月軸に日程調整

 【ワシントン1日共同】今年夏に予定される天皇、皇后両陛下のカナダ公式訪問の帰途、両陛下による米ハワイ州の真珠湾訪問が検討されていることが1日分かった。日米関係筋によると、7月を軸に日米両政府が日程調整に入っている。太平洋戦争開戦の舞台となったオアフ島の真珠湾には昨年12月に河野洋平衆院議長が訪れたが、現職首相もこれまで訪問していない。実現すれば、戦後の清算と和解を象徴する歴史的な訪問となりそうだ。

 両陛下は戦後50年の1995年に広島、長崎、沖縄を訪問。戦後60年の2005年には、太平洋戦争の激戦地となった米自治領サイパンを訪れるなど、一貫して「慰霊と鎮魂の旅」を続けてきた経緯がある。

 両陛下の真珠湾訪問は、1994年6月の公式訪米でハワイに滞在した際も計画されたが「天皇の政治利用に当たる」などの反対論が起き断念した。両陛下の外国訪問は2007年の欧州歴訪以来2年ぶりとなる。両陛下の体調も考慮に入れながら慎重に日程調整が進められている。

 ハワイでは日系人団体との交流を主な目的とし、その合間に真珠湾を訪れることが検討されている。真珠湾には旧日本軍の攻撃で沈没した米戦艦アリゾナ記念館があるほか、1945年9月に東京湾の艦上で降伏文書調印式が行われた戦艦ミズーリも係留されている。

2009/03/01 21:54   【共同通信】

【以上、切貼】                                                                                 

                   

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2009年2月27日 (金)

それでは、小沢一郎氏の「第7艦隊で充分」発言に反撃する自民党議員たちに任せておけるのか

小沢氏の発言について、自民党側から「日米安保を損なう」「自主防衛力強化で社民党などとやっていけるのか」とオニの首をとったような批判が寄せられている。

しかし、国民は例えば年金について、ずっと自民党政権と厚生労働省、社会保険庁に「お任せ」でやってきてどういうことになったのかを思い出さないわけにはいかない。

年金についてはお粗末だったけれども、外交・安全保障は自民党政権と外務省、防衛省のやり方については絶対大丈夫だから任せて欲しいと言われても、マユにツバをつけて考えた方がいいだろう。

「アメリカが日本を守っている。日本とアメリカは自由と民主主義という価値観を共有している。だからいまのやり方が正しい」という刷り込みをボーッと信じてしまっていると、いつか年金がボロボロになっていて衝撃を受けたように、日本の外交・安全保障がとんでもないことになつていたことに驚くことになる。

すでに小泉政権の時に、国連がオーソライズしないイラク戦争に憲法の趣旨を踏みにじって支持表明し、陸上自衛隊をイラクに派遣したり、周辺国に航空自衛隊を派遣したりしていることは、そのことの証左とも言えるだろう。

民主党、あるいは小沢一郎氏の外交・安保政策については、かつて小沢一郎氏と横路孝弘氏ら旧社会党グループの間に基本的な合意ができており、自民党や一部メディアの「全くバラバラ」という批判は当たらない。

フジテレビ「とくダネ」の小倉さんも、小沢発言は国民が本当のことを考えるキッカケになるかもしれないと言っていたが、民主党もこの際は、前原前党首が麻生総理に「尖閣も日米安保の対象であることを認めるよう求めろ」といったような、これまでの路線をさらに進めるような方向ではなく、むしろ自民党政権の外交安全保障政策の基本的な考え方について厳しく再検討を求めていくという姿勢が必要だろう。

アメリカから見れば、特にアメリカ軍部から見れば、美辞麗句はともかくとして「日本は戦争に打ち負かした国であり、そこに置く基地はアメリカの既得権益であり、しかも太平洋の西側にあって東アジアから中東にかけて大兵力を動かすときに米本土やハワイを起点にするよりずっと便利。しかも基地の地代は日本政府が払っているし、『思いやり予算』もある。横須賀のドックは第七艦隊の空母をメンテナンスする能力が特に優れており、そして何より『自民党政権』は、『アメリカが日本を守る』。『アジア太平洋の平和と安定に協力しよう』と言ってやれば、何でも言うことを聞く」ということなのだ。

アメリカとの関係は、引き続き日本にとって最も重要な国際関係の一つであることは言をまたない。しかし、そのことと相手の言いなりになることは別のことであり、当然、日本は日本の利益を冷静かつ慎重に考え、その上でアメリカと良い関係を結んでいくということが必要だ。

小沢さんには横路グループとの合意を尊重していって欲しいが、やっぱり心配なのは小沢発言を受けて興奮して「俺たちでなければ日米安保は運営できない」とうっとりしている自民党幹部の政治家たちだ。玉置浩二と石原真理子のルンルンぶりを見るのと同じような、この人たちこそ現実離れしたファンタジーに浸っているのではないかという危惧を持つのは森田だけだろうか。

【以下、毎日新聞、共同通信より切貼】

自民:小沢代表批判相次ぐ 在日米軍削減論で

民主党の小沢代表=盛岡市内で2009年1月31日、狩野智彦撮影 在日米軍削減論を掲げた小沢一郎・民主党代表の発言をめぐって26日、政府・自民党から批判が相次いだ。麻生太郎首相は26日夜、首相官邸で記者団に対し、一般論と断りつつも「防衛に少なからぬ知識がある人は、そういう発言はされないんじゃないか」と強調。小沢発言を引き合いに、民主党の政権担当能力に疑問を投げ掛ける戦術に出た。

 小沢氏は25日、大阪市内で記者団に対し「米国のプレゼンスは必要だが、おおむね(米海軍横須賀基地に拠点を置く)第7艦隊の存在で十分だ。日本の防衛に関することは日本が責任を果たせばいい」と発言した。これに対し、河村建夫官房長官は26日の記者会見で「非現実的だ。政権交代を標ぼうする民主党代表の考えとしてはいかがか」と皮肉った。

 一方、自民党の町村信孝前官房長官も26日の町村派総会で「暴論以外の何物でもない」と厳しく批判。党内からは「日本の軍事増強でカバーする発想なら、共産党や社民党がよく一緒に行動している」(伊吹文明元幹事長)、「民主党はもう政権を取ったような気分で、言いたい放題言っている」(安倍晋三元首相)など、疑問を呈する声が続いた。【三沢耕平、坂口裕彦】

毎日新聞 2009年2月26日 20時59分(最終更新 2月26日 23時01分)

小沢代表の発言要旨     2009/02/26 16:18   【共同通信】

 在日米軍再編に関する小沢一郎民主党代表の発言要旨は次の通り。

 ただ米国の言う通り唯々諾々と従っていくということでなく、私たちもきちんとした世界戦略を持ち、どういう役割を果たしていくか。少なくとも日本に関係する事柄は、もっと日本自身が役割を分担すべきだ。そうすれば米国の役割は減る。この時代に前線に部隊を置いておく意味はあまりない。軍事戦略的に(米海軍)第7艦隊が今いるから、それで米国の極東におけるプレゼンス(存在)は十分だ。あとは日本が極東での役割をしっかり担っていくことで話がつくと思っている。(24日、奈良県香芝市で記者団に)

 (米空軍は)いらないと言っているのではなく、日本もきちんとグローバル戦略を米国と話し合って役割分担し、その責任を今まで以上に果たしていかなければいけないという意味で言っている。日本も米国におんぶに抱っこになっているから。自分たちのことは自分たちでやるという決意を持てば、米軍が出動部隊を日本に置いておく必要はない。ただ、どうしても東南アジアは不安定要因が大きいので、米国のプレゼンスは必要だ。おおむね第7艦隊の存在。あとは日本の安全保障、防衛に関連することは日本が、自分のことなんだから果たしていく、そういうことだ。(25日、大阪市で記者団に)

2009/02/26 16:18   【共同通信】

【以上、切貼】

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2009年2月23日 (月)

ファインスタイン上院議員らがクラスター爆弾禁止法案を提出

『毎日新聞』2009年2月23日付記事によれば、米上院のダイアン・ファインスタイン上院議員らが、アメリカ議会でオスロ条約締結後初めてとなるクラスター爆弾使用禁止法案を米議会に提出したという。歓迎したい。

先日のオバマ大統領の就任式典で進行役を務めたカリフォルニア州選出の民主党、元サンフランシスコ市長の女性議員であるファインスタイン氏は銃器規制論などでも有名なリベラル派で、ブッシュ政権が地下施設への攻撃を想定した新型核爆弾の開発を企図した際には、本会議場にヒロシマ・ナガサキの核被害を示す写真パネルを持ち込んで関連予算の成立阻止の先頭に立ち、同構想を事実上葬った中心人物だ。

民主党大会で大統領候補がオバマ氏に一本化された直後、オバマ候補とヒラリー・クリントン上院議員の二人だけの会談に自宅を提供したことでも知られるが、バネッタCIA長官の指名について報道があった際には上院情報委員長として「聞いてない」と発言、これは「中道」のオバマ側近グループに比べリベラル色が際だっていることの反映かも知れない。

オバマ政権については、その布陣から言っても例えば沖縄の基地負担軽減などを念頭に辻本清美代議士(社民)らから「期待できないものもあることを銘記しておく必要がある」という趣旨の発言がある。それはそれで正確かつ良い指摘だが、同時に民主党リベラル派や社民党、日本共産党の人々、あるいは平和指向の市民団体の人々は、「自民党追随」が基本の自民党議員たちや外務省の連携の対象からこぼれているに違いないファインスタイン議員のような議員や、そのスタッフたちとの交流、連携を積極的に図っていくべきだと思う。

【以下、上記記事の切貼】

STOPクラスター米議会議員団上下両院に使用禁止案を提出

 【ワシントン大治朋子】不発弾が市民を殺傷しているクラスター爆弾について、米議会の上下両院の議員団がこのほど、米軍による同爆弾の使用禁止を定める法案を両院に提出した。昨年12月のクラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)締結後、米国で同爆弾の使用を規制する法案が提出されるのは初めて。米国防総省は禁止に反対しているがオバマ大統領は積極的で、議会でどこまで支持が集まるかが焦点となる。

 カリフォルニア州選出のファインスタイン民主党議員ら上院議員19人は11日、同爆弾の使用禁止などを求める法案を上院に提出した。下院でもマサチューセッツ州選出のマクガバン民主党議員ら民主、共和両党の7人が同日、同様の法案を下院に出した。その後同院ではさらに支持が集まり、共同提案者は17人(22日現在)にまで増えている。

 法案は不発率が1%超のクラスター爆弾の使用を即時全面禁止。さらに使用が認められる対象も「軍事的目標に限り、一般市民が存在するか、もしくは通常居住するとされる地域では使わない」と厳しく限定し、事実上の全面禁止に近い内容となっている。

 米議会ではクラスター爆弾について、一部議員が断続的に規制法案を提出していたが、大半は採決にも至らず継続審議などになった。06年夏の第2次レバノン戦争で不発率の高い米国製クラスター爆弾が多数使われたのを機に、上院は同年9月、国防予算案の審議で市民が密集する地区での使用禁止を求める一部修正案を審議した。反対多数で否決されたが、当時上院議員だったオバマ氏は賛成した。

 法案審議に先がけ、同爆弾の禁止を求める国際平和団体「国政立法フレンド派委員会(FCNL)」(本部・ワシントン)など67の市民団体はオバマ大統領に対し、オスロ条約に署名するよう求めた。

 米国では国防総省が国際世論に押される形で昨年7月、「新方針」を発表。2018年以降は不発率1%超の爆弾の使用を禁じる方針を定めた。しかし事実上、今後10年間の使用を認める内容だと批判されている。

毎日新聞 2009年2月23日 東京朝刊

【切貼以上】

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2009年2月22日 (日)

「日本の財務相がバチカンのラオコーン像によじ登って警報鳴らす」-爆笑と言ってはいられない

今週末も新聞切り抜きなどしながら、羽根木公園・梅まつりの川場村の売店に飲むヨーグルトを買いに出た以外は在宅の週末。

あいかわらずのテレビ。森田敬一郎の発言に続いて(笑)、小倉さんがとくダネの「週間エンタマイスター」で取り上げた幸田浩子さん。月末の津田ホールのチケットは売り切れのようだが、昨年四月の紀尾井ホールでのN響メンバーによるアンサンブルをバックにしたコンサート(NHK・BS)の放送録画を見る。

「とくダネ」で紹介していたドンギアという作曲家が彼女に捧げたという「新しい色の祝祭にて カリヨン」は、そこで紹介されていたイタリアのアンサンブルをバックにしたものより少しテンポが速めのよう。モーツァルトのコンサートアリア『あなたに明かしたい、おお神よ』K.418がとりわけ素晴らしい歌唱だった。

もうひとつは日本映画専門チャンネルで放送された映画『長州ファイブ』(2006年)。幕末の井上、伊藤らの密航は教科書にも出ているかも知れないが、高校生などがイメージをつかむのに良い映画だと思う。

長州は、明治後の軍国主義と政官財癒着を先導したグルーブだけに手放しで礼賛する気にはなれないが、井上が後に条約改正交渉で「鹿鳴館」など軟弱と批判された漸進路線をとったり、日露戦争後に米ハリマンの「南満州鉄道の日米共同経営」提案に前向きの姿勢を示したこと、あるいは伊藤が日露戦争前後にロシアに対して宥和的と言われたハト派的な姿勢の根底に、命がけで体得した国際政治の現実感覚があったことを想起させる。

ところで、録画で見た先週火曜日放送のNHK『爆笑問題のニッポンの教養』は美術解剖学の布施英利さんの話でとても面白かったが、番組のはじめの方でいくつかの美術の映像が流された時に「あれ、これどこかで見たな」という彫刻。

今朝、朝日新聞2009年2月21日付社会面で見たバチカン博物館蔵「ラオコーン」像だ(!)

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中川昭一前財務相兼金融相があの泥酔会見のあと、バチカン観光で柵を乗り越えて警報を鳴らして恥をさらした時に、よじ登ったやつらしい。

まあ、いつ世でも猪武者のように威勢のいいことを主張するのは、たいてい現実を知らない愚かな人々であり、「国家、国家」と声高に叫ぶ連中にかぎって、「ローマのレロレロ」のように国益を大きく損ねるのが関の山なのだ。

威勢がいいのは自民党ばかりではないかもしれないが、『長州ファイブ』でも見て、先人の苦労を学ぶべきだろう。

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2009年2月 8日 (日)

注目記事-共同通信のムシャラフ前大統領インタビュー

パキスタンの内政・経済の安定がアフガニスタンを含む中東の東側ひいては世界の平和と安定の焦点であること、また核不拡散・核廃絶の問題においてパキスタンが重要なカギを握っている点から、注目せざるを得ないインタビュー。

退陣した軍人出身の前大統領とはいえ、現在の民主派政権の政権担当能力には不安が残り、ムシャラフ氏は批判を浴びつつも出してきた結果に着目すれば有能な政治家だったという点もあり、インタビューを実現した共同通信はいい仕事をしたと思う。

日本政府としては第一義的には現政権を支え、パキスタンの民生向上への協力に力を尽くすべきだが、水面下でムシャラフ氏とも接触を保ち情報取得、意見交換をしていくべきだろう。

【以下、切貼】

ムシャラフ前大統領が単独会見  「被爆国日本に全部話す」 2009/02/07 21:37

 【イスラマバード7日共同】パキスタンのムシャラフ前大統領は7日、首都近郊ラワルピンディの旧大統領公邸で共同通信の単独会見に応じ、同国からの核拡散問題について「唯一の被爆国である日本政府に対し、聞かれればすべてを話す義務がある」と表明した。また、核拡散を主導したとして在任中に軟禁下に置いた科学者カーン博士が6日に軟禁を解除されたことについては「彼が拡散した明確な証拠がある」と述べ、博士の「個人的な犯行」との見方を強調した。

 昨年8月の辞任以降、ムシャラフ氏が会見に応じるのは極めて異例。核拡散の詳細を明らかにしてこなかったムシャラフ氏が今後、日本政府に対し核拡散の経緯などを説明する可能性を示唆した。ただ実際に何を明らかにするかについては言及を避けており、実態解明にはなお時間がかかりそうだ。

 核関連技術や資機材を北朝鮮やイランに拡散させたとして2004年に軟禁下に置かれたカーン博士は軍の核拡散への関与を指摘しており、ムシャラフ氏は「彼はうそつきだ」と強く非難。軟禁解除後も双方の主張は食い違っている。

 在任中に進めた核ミサイルや核施設開発については「他国の支援はもう必要ない」と表明、現在は自力開発が可能になったことを明らかにした。カーン博士は昨年、共同通信に対し、1970-80年代に日本やドイツなどから核兵器開発に必要な「重要な部品」を入手したと証言していた。

2009/02/07 21:37   【共同通信】

【切貼、以上】

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そもそも「国債発行」には「貧乏人から金持ちへの所得移転」の側面

「無利子国債」の名の下に、相続税がかからない国債を発行しようという話が出ているという。やはりお金持ち優遇の自民党や財務省はたいしたもので、こうした経済危機の中にあっても、どさくさ紛れに「資産・所得格差」を次世代にまで持ち越す政策を新たに導入するつもりらしい。

もっとも、国債の大量発行にはもともと「貧乏人から金持ちへの所得移転」という要素がある。

30年ほど前に森田が私大の「経済原論」の講義をとった頃は、ケインジアンも半分近い勢力を保っていて、講師で来ておられた故長谷田彰彦・学芸大教授などは「国債は、借り手も貸し手も国民なので、外債に頼らない限り何の問題もない。大蔵省が国債をいやがるのは、銀行に頭を下げなければならないからというだけだ」といった具合だった。政府が借金して公共投資を行えば、ある程度の乗数効果が望めた時代には、必ずしもトンチンカンな議論ではなかったのである。

経済の成熟化で、いまは「投資は効果の大きい分野に」という点に議論を集中しなければならないわけだが、さらに、無利子国債という名の「相続税のかからない国債」の議論を聞いて、森田がずっと考えていて世間ではあまり言われない論点にここで触れておきたいと思った。

素人だけに雑ぱくな議論になるが、以下のようなことだ。ある時期までのケインジアンたちが言っていたように「国債の借り手」も「貸し手」も共に国民だ。ただし、森田が強調したいのは、貸し手と借り手は同じ人ではないということだ。

端的に言えば「国から国債を買って利子を受け取る人」は裕福な人であり、「税金を払って、国債の買い手に払う利子を負担するのは国民全体」なのである。

もちろん、お金持ちの方が税負担は重いのだが、近年までお金持ちの税負担をどんどん軽くしてきたのがわが国において歴史的な流れであり、巨額な財政赤字を作り出しておいて、「新たな負担増は(比例税の)消費税で」というのが、財務省・財界・自民党と、そこにへつらう学界、大手メディアが流してきた話だ。

巨額な国債を発行すると、巨額な利払いが発生する。その利子を受け取るのはお金持ちであり、利子を払うのは国民全体。しかも、低所得者の負担割合を高める「税制改革」が着々と進行している。

そうして格差を拡大していく中で、こんどは「相続税免税」という「格差固定」の知恵を出す。われわれがボーッとしていると、税制はどんどん格差拡大・固定の方向に歪められていく。

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2009年2月 6日 (金)

日本も「宗教地域協力事務所」設置しては

「年越し派遣村」がクローズアップされた時期に、朝日新聞の「声」欄に二度にわたって「お寺は何をやっている。こういう時は本堂を開放して、困っている人を助けるのが宗教の役割ではないか」という投書が載り、フジテレビの「トクだね」でもコメンテーターの一人が同様の言及をしていた。

お寺をはじめ宗教には、こうした面での役割をぜひ果たしてほしい。また、わが国が国際社会において果たすべき役割の一つに、しばしば紛争やテロの温床ともなる途上国の貧困や社会問題への取り組みがある。そうした面でも宗教が果たし得る役割は大きい。

アフガニスタン、ソマリアなどの問題について、危険は伴い、自衛隊派遣云々よりかえって大変なことは事実だが、文官や民間による農漁業支援や教育、保健衛生支援などの方がよほど問題の根本的な解決に役に立ち、わが国に向いている。

政府にとってNGOなどとの協力、NGO活動に対する支援が重要だが、その際に「宗教」という点に着目することは意義がある。モチはモチ屋ということばがあるが、例えばアフガニスタン支援を考えるときに、日本ムスリム協会の知恵と力を借りるという発想は大事なのではないか。

日本の伝統宗教、新興宗教にも「世界宗教者平和会議」といった平和に貢献しようという志向は存在する。「他宗教と協力するより、うちのボスにノーベル平和賞を」というところはあるかもしれないが、ブログで葬儀屋のようなことしかやっていないではないかと言われているよりは、世界平和に直接に貢献したいという志を持つ信仰者も多いのではないか。

政府がコーディネーターの役をやり、対象地域によって適切なグループが前面に立ち、政府と他の宗教は後方支援に全力を挙げる=例えばアフガニスタンにキリスト教団体を派遣すれば、韓国のキリスト教団体の事件があったようにテロの標的になってしまうだろうから、そうしたことは避けなければならない=。

国内のムスリムの力だけでは足りないというのなら、インドネシアやマレーシアの支援団体に資金や後方支援で協力するという考え方もあっていいのではないか。ヒラリー・クリントン国務長官の東アジア訪問にインドネシアが含まれるのにはそういう要素があるのかも知れない。

自民党や民主党の右派も、伊勢神宮参拝ばかり熱心にやっていないで、考えるべきことがある。神社だって「総理の靖国参拝実現」などと内向きのことばかり言っていないで、若い人々が世界の中で誇りを持って生きていけることの助けになるような、神社自身の国家に対する積極的な貢献を考えてほしいものだ。

【以下、毎日新聞2009年2月6日付記事の切貼】

オバマ米大統領:宗教事務所新設 「特定宗派こだわらず」

 【ワシントン大治朋子】オバマ大統領は5日、地域の経済活性化や貧困、教育対策を目指す「宗教地域協力事務所」をホワイトハウスに新設するよう命じる大統領令に署名した。同様の組織はブッシュ前大統領も設置したが、大統領を支持する一部キリスト教右派らが活動の中心となり、「政教分離」を求める批判が絶えなかった。

 AP通信などによると、各種宗教団体のリーダーら25人が同事務所の顧問を務める。地域の宗教団体や非営利法人の活動を支援し、貧困対策や就職支援などに取り組む。また、海外の宗教団体とも連携し、異教派間の対話促進に努めるという。

 オバマ大統領は設置にあたり、特定の宗派にこだわらない方針を強調。「米国が求めている変化は政府だけではなしえない」と述べ、宗教界の協力の必要性を訴えた。

 ブッシュ前大統領が設置した組織も公費で運営されたが、スタッフが特定の宗派に限られ、オバマ大統領は選挙中「政教分離」の必要性を訴えた。

【切貼終わり】

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2009年2月 5日 (木)

【切貼】過去に来広 米大統領補佐官 '09/1/21広島の地方紙 『中国新聞』

やはり少し前の、広島の地方紙『中国新聞』より。記憶にとどめておきたい。

【以下、切貼】

過去に来広 米大統領補佐官 '09/1/21 『中国新聞』

 オバマ政権の大統領補佐官(科学技術担当)ジョン・ホルドレン氏(64)が、ヒロシマを訪れていた。科学者の立場から核兵器の廃絶を目指すパグウォッシュ会議が1995年と2005年に被爆地で開いた年次大会に参加し、講演や、原爆資料館で記帳もしていた。補佐官登用は、核軍縮に前向きなオバマ新大統領の考えの表れといえ、政策形成にも重要な役割を担うとみられている。

 ホルドレン氏は就任前は米ハーバード大教授で環境政策が専門。パグウォッシュ会議(本部英国ロンドン)のサイトによると73年から会議に参加し、87年から10年間評議委員長を務めた。

 被爆地で初めて開いた95年の大会では、「核兵器と戦争の廃絶を訴える」広島宣言をまとめた。この年に会議がノーベル平和賞を受賞すると代表して、「冷戦終結後の軍縮と平和構築」をテーマに受賞記念講演もした。

 さらに05年の被爆地での年次大会で「核“ゼロ”への道」と題した講演を行い、米国が包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准やロシアとの核兵器削減を推し進め、非核保有国の日本とドイツ、ブラジルの国連常任理事国入りなどを提唱。「核兵器禁止の目標を定めるべきであり、それには米国の指導力と世論の支持が不可欠だ」と訴えた。

【写真説明】<左>1995年7月に原爆資料館を見学して「心揺さぶられ、核兵器をさらに自らの問題として考えていきたい」と記帳していた <右>広島国際会議場であったパグウォッシュ会議で講演するホルドレン氏(2005年7月23日、撮影・松元潮)                                

                                     '09/1/21 『中国新聞』
【切貼、以上】

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2009年2月 4日 (水)

「オバマ政権が野心的な米ロ核兵器削減交渉提案へ」-歓迎すべきニュース

オバマ政権が「核弾頭80パーセント削減」を目指す米ロ核兵器削減交渉開始を提案するという報道があった。

大歓迎である。広島・長崎に投下された一発の核爆弾の威力をわれわれは些か知っているわけだが、現在の世界の核兵器庫にはその数十万発分という、全人類を何度も絶滅させる核兵器が蓄積されているのである。

これを放置することは、危険なことであり、資源や財源の無駄遣いであり、米ロにとっては核拡散防止条約の「核保有国の軍縮努力」の違反であり、イランや北朝鮮、あるいはイスラエル、インドやパキスタンに「核を持つな」と言うことばの説得力を著しく損なう行為だ。

レーガン政権時代、高齢でタカ派と見られたポール・ニッツェ氏が旧ソ連との交渉でよい仕事をしたように、米政府代表に超党派の人材起用のオバマ政権としては父ブッシュ政権の国家安全保障担当補佐官を務めたスコウクロフト氏などを考えてはどうか。高齢で無理ということでであれば、ロシアをよく知る弟子のライス・ブッシュ政権国務長官の起用だっていいかもしれない。

さて、こうした時に自公連立政権や、次期政権党を狙う野党がどういうメッセージを発信するかにも注目したい。

「われわれは核の傘に守ってもらっているのだから」と無気力、無関心をさらし続けるのか、広島・長崎の被爆体験を持ち、核兵器廃絶を願う国民の意思を体してオバマ政権のイニシアチブや、もしそれにロシアが応えようとするならロシアに対しても、強い、明確な支持のメッセージを出すのか。大いに注目したい。

【以下、時事通信記事の切貼】

米ロ、核弾頭の大幅削減交渉へ=英紙  時事通信 2009年2月4日

 【ロンドン4日時事】4日付の英紙タイムズ(電子版)は、オバマ米大統領がロシアとの間で過去20~30年間で最も野心的な核兵器削減交渉を行う見通しで、両国の核弾頭を80%削減することを目標にしていると報じた。
 同紙が得た情報によると、この交渉が首尾よく妥結すれば、核弾頭はそれぞれ1000個にまで削減されるという。(2009/02/04-09:49)

【以上、切貼】

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ダッシェル氏の厚生長官指名辞退、残念

昨日はテレビでステファノプロス記者の「恐らく指名辞退にはならないでしょう。だだし、仮に指名が承認されてもオバマ大統領は代償を払うことになる」という解説を聞いて少し安心していたけれども、結局辞退ということになった。

「閣僚候補の指名辞退」という事実だけでも政権にダメージだが、ダッシェル氏の厚生長官起用はオバマ政権の「肝」の一つだと思っていたのでたいへん残念だ。

オバマ政権の当面の課題は「金融経済危機」への対処であり、「アフガニスタン」だが、アメリカの本格的な「チェンジ」の中心課題は医療保険制度改革であることは誰の目にも明らかだ。日本などと異なり、多くの低所得層が無保険の状態にあることが、アメリカが貧しい人々にとって過酷な社会であることの大きな原因だからだ。

クリントン政権も発足当初、ヒラリー夫人を先頭に改革に取り組もうとしたが、議会の協力をとりつけることができずに失敗。その後、中間選挙の大敗で政権の中心課題から外れてしまった。

ダッシェル氏は、オバマ氏が上院議員に当選した2004年の上院選で、現職の民主党・上院院内総務として出馬していて接戦で落選した人だが、なにしろ野党時代には上院・下院の院内総務は所属政党の最高幹部であり、そのようなポストにあったこと自体が会派内での力、人望を示している。

さらに、当選が入れ替わりだったこともあり、オバマ上院議員の事務所には落選したダッシェル院内総務の中心的なスタッフが雇用され、ダッシェル氏自身も当時のオバマ上院議員に親切にアドバイスしてきたという関係にある。

つまりダッシェル氏は、ベテランとしての「安心感」で若い大統領が率いるオバマ政権の信頼感を高めることが期待でき、大統領自身と非常に信頼できる関係がすでにできあがっていて、「皆保険」の方向への熱意において人後に落ちず、そしていちばん肝心な「議会対策」において頼りになるという、オバマ政権にとってキーパーソンになるべき人物だったのだ。

たいへん残念だが、オバマ大統領は選挙戦においても何度も窮地からカムバックしてきた。今度もダッシェル氏辞退をどうカバーするかに注目したい。

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2009年2月 3日 (火)

【切抜貼付】増える離職者を介護職に。国の支援策の内容は。=毎日新聞より=

大量失業発生と、介護の人手不足。自民党政権の施策を【切抜貼付】。実際の動向、改善が必要な点などフォーローしていく必要ありと思う。記事中にもあるが、食べていくことができなければ人材が定着するわけがない。

【以下、切抜貼付】

働くナビ:増える離職者を介護職に。国の支援策の内容は。

 ◆増える離職者を介護職に。国の支援策の内容は。

 ◇職業訓練を充実 返還免除設け月10万円貸し付けも
 ◇現場の待遇改善も不可欠

 派遣労働者の契約の中途解除による離職者の増加など非正規労働者の雇用が社会問題化する中、さまざまな雇用対策が講じられている。中でも介護・医療分野は人手不足感もあり、厚生労働省は、この分野の雇用拡大プロジェクトチームを設置した。介護職への誘導では特に手厚い支援が準備された。支援の内容を報告する。

 介護職に携わる労働者は、00年の約55万人から06年には約117万人と2倍以上に増えているが、試算によると高齢化の進行で14年には160万人が必要になるとみられる。また、介護職の有効求人倍率は04年度の1・14倍から、07年度には2・10倍に伸びており、人手不足が深刻化している。

 そこで、厚労省は雇用問題と人手不足の同時解消を目指し、離職者の職業訓練を充実して介護職への誘導を進めることにした。離職者の訓練で、即戦力としての3カ月訓練(ヘルパー2級)を拡充し、より高度な技能を養成する6カ月訓練(ヘルパー1級)と2年訓練(介護福祉士)を新設。訓練の受講は、ハローワークの福祉人材コーナーであっせんする。

 より高度な訓練を受けられることは望ましいが、その間の生活費が問題となる。これまで、フリーターや非正規労働者の職業訓練では、訓練を受けている間、収入が途絶えて生活できなくなるため、受講する人がなかなか増えなかった。新制度は、離職者が訓練期間中、生活費として月10万円(扶養家族がある場合は12万円)の貸し付けを受けられる。貸し付けを受けられるのは、年収200万円以下。雇用保険給付を受けている人は、給付期間が延長される。

 さらに、貸し付けには返還免除制度を設けた。年長のフリーター、雇い止めや解雇で職を失った派遣労働者、母子家庭の母親などは、介護職に就職した場合は全額、求職活動を行っていれば約8割が免除される。失職した派遣労働者で雇用保険の受給資格のない人でも、10万円の貸し付けを受けながら、介護の資格を取得できる。

 雇う側にも、未経験者を雇用した場合、1人当たり50万円を支給する。希望者を受け入れやすくすることで、就職を後押しする。

 東京介護福祉労働組合の清沢聖子書記長は、「介護労働者を計画的に、地域にバランス良く配置できれば、地域の宝になる」と語る。だが、「過去の不況の時も、離職者は介護職に誘導された。だが入り口を広くしても、低賃金・重労働など労働条件が悪いために、多くの人が離職した。同時に、仕事の安定にも取り組むべきだ」と注文を付ける。

 介護職の離職率(仕事を辞める割合)は07年度で21・6%と、全産業平均の16・2%を上回り、勤続1年未満で退職する割合は約4割に上る。昨年末には、待遇改善のため介護報酬の3%アップが決まったが、どの程度、労働者の賃金上昇につながるのかは不明だ。

 厚労省は支援の実施で約2万人の介護労働者の就職につなげたいとしている。担当者は「離職者と、人材が不足している所へマッチングするため、支援制度の内容に配慮した。介護の仕事の在り方も見直しつつ、人材養成を進めたい」と話している。【東海林智】

毎日新聞 2009年2月2日 東京朝刊

【以上、切抜貼付】

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2009年1月30日 (金)

ラウル・カストロ議長のモスクワ訪問-日本政府の中南米戦略は?

朝のニュースでキューバのカストロ前議長の後継者で、弟のラウル・カストロ議長がモスクワを訪問している映像が紹介されていた。「冷戦終結後はじめて」と聞くと、「キューバ危機」などかつてのソ連とキューバの結びつきを考えると意外な感じがした。

ソ連崩壊で、G8のメンバーに遇されたようにいわば「西側」になったロシアが「後戻りしている証拠ではないか」という見方もあろうが、そういった歴史的な文脈とは切り離した、新しい時代のロシアのグローバルな積極外交という面もあるような気がする。

チャベス政権のべネゼエラへの初の艦隊派遣というのはちょっと極端な例としても、例えば少し前にカトリックの国・ブラジルに本国のテコ入れもあってロシア正教の寺院が建てられ、ロシア系の移民が喜んでいるといったニュースがあった。中南米でもロシア、中国などの資源や貿易をにらんだ外交が活発に展開されているということだ。

わが国の中南米外交は最近どうなのだろう。「新自由主義」で経済が破綻した先輩地域でもあるが、かつては日本からの移民の歴史があり、多くの中南米社会に「日系」という窓が開いている。これはわが国にとって財産だ。

ところが、最近の不況で日本国内各地で日系人労働者が真っ先にクビ切りされ、苦境に喘いでいるという。こういうたいへんな時に思いやりのある振る舞いができるかどうかは、日本政府にとって人道問題であると同時に外交戦略の問題だ。

政治の取り組みに注視したい。

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小沢代表、衆院代表質問に立たず

昨日の衆院代表質問、トップバッターは民主党の鳩山由起夫幹事長で、小沢一郎代表は質問に立たなかった。朝日、毎日の社説も批判したが、やはりここ一番では党首が立たなければと思う。

おそらく小沢政権ができるのだろうが、あいかわらず国民からは見えにくいところで一部の側近議員が幅を効かせるようなやり方を続けるつもりなのだろうかという疑念を持たせる。

民主党の二番手に、田中真紀子氏を起用したのも失敗だった。国民は、民主党の責任感のあるまともな論戦を望んでいるのであり、口汚い罵りを国政壇上で聞きたいと思っているわけではない。

そもそも、田中真紀子氏は「小泉内閣成立の立役者」であり、日本政治の今日の状況を招いた戦犯である。党首が代表質問に立たず、メディア受けだけを考えて党外のこうした人物を起用している民主党には「不真面目」という印象が免れない。

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「ソマリア海賊」に便乗して武器使用制限をゆるめるべきではない

ソマリア沖の海賊対策として海上自衛隊の艦艇を派遣するというが、いちばん肝心な論点はこれに便乗した「自衛隊の武器使用の要件緩和」を進めないことだ。

オーストラリアなど、また日本と同様に法的な問題をクリアーする必要があったドイツなどが去年からとっくに派遣している中で、麻生総理が「中国が派遣した」というニュースが伝えられたとたんに、慌てたように「法改正はあとまわし。とにかく『海上警備行動』で出す」というのはまことに子供じみたことだ。

外務省は一貫して「どの国もやってることだし、国連安保理の常任理事国になりたいという国が出さないわけには」ということのようだが、外務省が本当に考えるべきことは「海賊問題」の根本原因であるソマリアの国家崩壊の問題について、解決のための知恵を出し、国際社会の中で「政治的な役割」を果たすことだ。

やはりここでの一番の問題は、この機に便乗して自衛隊の活動範囲を広げ、武器使用をできるだけ自由にするといった結果を招いてはいけないということだ。

1931年に満州事変を起こした関東軍はなぜあそこにいたか。それは日露戦争の結果手に入れた「鉄道を守るため」であった。1937年に盧溝橋事件を起こした陸軍部隊はなぜあそこにいたか。義和団事件のあとで列強が「居留民の安全を確保するため」に一定の兵力を北京近郊に置くことを条約で認めさせていたからだ。それぞれ、部隊を置いていたことには国際法上の根拠があり、配備の「目的」は侵略ではなかった。しかし、実際に行ったのは「侵略」そのものだったのである。

「それは戦前の話しだ。お前は今の政府も、民主主義の憲法の下にある国民も信じないのか」と言うかもしれない。しかし、年金問題についての社会保険庁の杜撰を考えても、「コイズミ郵政改革」「刺客」といった話しにすぐ踊らされるメディアや有権者の実情を考えても、あまり能天気にもしていられないのが「現実」だ。

ましてや、最近の守谷事務次官の腐敗事件や田母神空幕長(当時)の論文事件を考えても、「日本の軍隊は憲法で禁止されてなくなりました」というタテマエがあったが故に、防衛省・自衛隊に対する実際的なチェックがかえっておざなりにされてきたのではないか」と疑うべきではないか。制服組の人事は、制服組が勝手にやり、文官は容喙することすらできないことになっているというではないか。

「海自派遣ノー、海上保安庁の巡視船派遣を」という社民党、国民新党の主張が正しい。海自派遣となった場合でも、自衛隊の海外での武力行使に大きく道を開く武器使用の基準緩和の法改正などすべきでない。

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2009年1月28日 (水)

アル・アラビア、ナブッコ

今日の国際ニュースで印象に残ったのは、ひとつはオバマ大統領が初の海外TVメディアインタビューにアラブ首長国連邦のアラビア語放送局アルアラビアを選び「イスラム世界は敵ではない」と発信したこと。

オバマ氏がそのような考えであることを我々は知っているけれども、イスラム圏の一般の人々にしっかり伝えることの意味は大きい。まずは会うこと、相手のわかることばで発信することから始めなければならない。素早い取り組み、さすがオバマ氏である。

少し興味を引かれるのは、先発のカタール局アルジャジーラではなくアルアラビアを選んだ理由。イラク戦争中、米陸軍から蛇蝎のように嫌われたことでは同じはずだが。アメリカの一般にジャジーラは「ビンラディンの声明を放送する局」というイメージが強いのを回避したのか。

もうひとつは、コーカサス地方の天然ガスをウクライナばかりでなくロシアも回避したパイプラインで運ぼうというEUが推進する「ナブッコ・パイプライン」の国際会議がブダペストで開かれたというニュース。

東欧のニュースをこまめにチェックしていなかったが、ハンガリーは去年までにロシアがウクライナを回避する新しいパイプライン「サウス・ストリーム」を建設することに参加することで合意していたのではなかったか?

1956年のハンガリー動乱でもわかるように、もともと東欧圏でもロシアとの距離感の大きい国だけに、サウス・ストリーム合意や、昨年のロシア軍グルジア侵攻時のポーランドなどと対照的な静かな動きに「対ロシアでいろいろ考えているな」と感じてきたが。裏事情に若干の興味を引かれる。

「ナブッコ」というのは、あのヴェルディの合唱曲「行け、わが思いよ、黄金の翼に乗って」で有名なオペラ『ナブッコ』と関係あるのかしら。そこでのナブッコ王は世界史の教科書に出でくる新バビロニアのネブカドネザル2世で、このオペラでは最後にはヘブライ人たちにひれ伏す話になっているけれども‥

【以下、切抜貼付】

「米国はイスラムの敵でない」=アラブ放送局と初会見-オバマ大統領

 【ワシントン26日時事】オバマ米大統領は26日、就任後初めてアラブの衛星テレビ局アルアラビアのインタビューに応じ、「米国はあなた方の敵ではない」とイスラム世界に呼び掛けた。また、イスラエルとパレスチナの双方に対し、「交渉の席に戻る時だ」と述べ、和平プロセスの再開を訴えた。
 米大統領が就任後、初の正式なTVインタビューにアラブのテレビ局を選ぶのは異例。2001年の米同時テロ後にブッシュ前政権が推し進めた対テロ戦争で、イスラム世界との間に深まった亀裂の修復に全力を挙げる姿勢を示した形だ。(2009/01/27-13:31)

ナブッコ、上半期の合意目標に  脱ロシアのガス計画

 【ウィーン28日共同】天然ガスをカスピ海からトルコ経由で欧州に運ぶパイプライン「ナブッコ」計画を協議する国際会議が27日、ブダペストで開かれ、参加各国は今年上半期の計画合意、調印を目指すことなどを盛り込んだ声明を発表した。
 ナブッコは天然ガスのロシア依存脱却が狙いで、会議はウクライナ経由のロシア産天然ガスの欧州への供給が約2週間停止したことを受け開催された。ただ、80億ユーロ(約9400億円)を超えるとされる建設費用負担や、天然ガスの供給源確定など課題は残されており、計画実現の道は容易ではないのが現状だ。
 会議にはハンガリーのジュルチャーニ首相のほか、欧州連合(EU)議長国チェコのトポラーネク首相、ブルガリアのスタニシェフ首相、アゼルバイジャンのアリエフ大統領らが出席した。
 ナブッコは全長3300キロで、トルコからブルガリア、ルーマニア、ハンガリーを経てオーストリアまでパイプラインを建設する計画。
2009/01/28 09:55

【以上、切抜・貼付】

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「カニ漁船ロシアに拿捕」トップニュース?

朝起きると、NHKテレビの6時のニュースがトップで「鳥取県から漁に出ていたカニかご漁船が27日夜、日本海でロシア当局にだ捕された」というニュースを流していた。

聞いていると「漁の後、ロシア側に流され、戻ったところを拿捕された」ということらしい。拿捕はそう頻繁にあることではないようなので、ストレートニュースとして伝えることは良いと思うが、森田の印象としては「ロシア側に入っていた」のはこちらも認めていることであり、トップニュースで大々的に報じる内容かな?という印象を持った。

昼のニュースで家族の方が「状況が判らないので」と言っていた。森田もコメントするのはもっと状況がわかってからにすべきかとも思う。しかし、ニュースにかかわる人々に「北朝鮮やロシア、中国に甘い報道をしていると、また安倍晋三氏や菅義偉氏がうるさいから」といった惰性が働いていて、排外主義を煽ることへの戒めが欠けていると困るなあという感想。

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2009年1月27日 (火)

千代田区長選-派遣村に冷たかった現職の再選は?

週末の新聞を見ると、東京千代田区の区長選をやっているらしい。

「年越し派遣村」のフォロー記事で、隣接の中央区長が積極的な対応を見せ、厚生労働省もいやいやながら選挙を控えたポリティカルアポインティーに押し切られて講堂の開放を決めるというなか、千代田区長は関係者の要請に「正月休みが明けないと‥」と冷たかったという。

こうしたことが結果に影響するか、関心あるなあ。

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自公連立政権の「再生可能エネルギー」への消極姿勢

 朝のNHKテレビのニュースで、国際再生エネルギー機関の設立総会があったがわが国政府はオブザーバー出席にとどめたと報じられていた。つまり、わが国の政府は「風力」や「太陽光発電」については、中国やこの機関への対応を検討していたブッシュ・チェイニー政権と五十歩百歩ですと自ら発信したわけだ。

 しかも、側聞するところではもともと外務省も経済産業省も出席すらするつもりがなかったところ、オバマ政権の誕生でアメリカが「欠席」から「オブザーバー派遣」に切り換えたので慌てて日本もオブザーバー参加に切り換えたという。

 経済産業省や外務省は、天下りなどの都合で原子力村というか、財界というか、電事連というか、そういうものにがんじがらめになっているので、野放しにしておけばこの国際機関に「不参加」という結論もまあ予想はつく。朝日新聞でさえ、「風力発電の施設に貴重なオオタカがぶつかって死ぬ」といった記事をよく出していると思ったら、この前は「騒音などで健康被害」という記事を一面に大々的に掲載していた。「沖合を推進しよう」といった話など全く書かずにだ。これも赤字転落下の広告料の都合なのだろう。

 しかし、こうした癒着の構造にばかり足をとられることなく、例えば地球環境問題で経済産業省や外務省をリードして、あるべき方向に持って行くのが「政治のリーダーシップ」の役割であるはずだ。

 少なくとも、現在の自公政権はこの問題について私の期待には全く応えていない。やる気がないのだ。この際、民主党など野党各党はこうした問題についてどういう姿勢で臨むのか、ハッキリ態度を示して欲しい。民主党には電力会社からパーティー券を買ってもらっている議員がかなりの数いるのだろうが「政権交代しはしたけれども、やっぱり政治は電事連の言いなりのまま」といったことにならないよう、今から内外に「宣言」しておいたほうが良いと思う。

以下、NHKのページより切抜・貼付

国際再生可能エネルギー機関

1月27日 6時56分
地球温暖化対策として期待される風力や太陽光発電といった再生可能エネルギーの世界的な利用拡大を目指そうという新しい国際機関が設立され、ヨーロッパ諸国を中心に70か国以上が加盟することになりました。

ドイツのボンで26日開かれた「国際再生可能エネルギー機関」の設立総会には120か国余りが出席しました。国際再生可能エネルギー機関は、地球温暖化対策に加え、世界的な金融危機の影響が広がるなか、新たな雇用を生み出す分野としても注目される風力や太陽光といった再生可能エネルギーを拡大させていくことを目的に設立されたもので、各国での普及を後押しする政策の提案や途上国への技術移転に取り組みます。

設立総会では、ドイツやフランスといったヨーロッパ諸国に加え、発展途上国も条約に署名し、あわせて75か国が加盟することになりました。しかし、日本がIEA・国際エネルギー機関などとの役割の違いが明確でないなどとして加盟を見合わせたほか、中国やアメリカなども会合には出席はしたものの、加盟はしませんでした。それでも加盟した各国の間では、温暖化対策に積極的なオバマ政権に代わったアメリカが今後、加盟することへの期待は高く、新たな国際機関が、再生可能エネルギーの利用拡大に向けた各国の協調した取り組みにつながるかが注目されます。

【ここまで切抜・貼付】

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2009年1月24日 (土)

自民党・古賀誠代議士の「定数削減」「歳費3割カット」発言の意味

古賀氏の発言を故・伊藤昌哉氏風に【翻訳】してみると次のようなことだろう。

「俺も選挙が危ないし、自民党はピンチだ。この際、目立った発言をしてメディアと有権者を幻惑する必要がある。そこでまず国会議員の『定数削減』と言えば賛成する人が多いので、『自民党とか古賀もいいこと言っている』と思わせ、焦点になっている問題から目をそらすことが出来る。まさか実現するはずはないが、もし話が実現の方向にころがっていけば、選挙区をいじるのはたいへんなので必ず『まずは比例代表を減らせ』ということになり、野党の分裂を誘える。もし実現してしまっても、減るのは共産党や社民党で自民党ではない」。

「『歳費3割削減』というのも目立つからいいぞ。俺も含めて本気で賛成する者はいないし、高級官僚などの給料にも連動する話なのでできっこない。もし万一実現しても、相対的には歳費に頼る割合の多い共産党や社民党の受けるダメージが大きい」。

こんなところではないか。

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2009年1月22日 (木)

「民主は早期に政権構想を示せ」-19日付『毎日新聞』社説に同感

先週の日曜日には、自民党と民主党の党大会が珍しく同日に開かれた。これを取り上げた『毎日新聞』の2009年1月19日付社説は、「民主は早期に政権構想を示せ」と題し「仮に選挙の直前まで出し惜しみをするのであれば、共感は広がるまい」と書いている。同感だ。

小沢党首も、菅都連会長も候補者の地道な運動が重要であることを熟知している。それはたいへん結構なのだが「政策面では自民党は壊滅状態で、こちらの面では放っておいてもだいじょうぶ」と考えているのでは有権者は付いてこないのではないか。

逆に突っ込まれるのが心配なのかもしれないが、迷走・麻生政権に対する有権者の不満は、昨年末にハローワークを視察した麻生氏が求職者に説教した場面を取り上げた川柳「あなたこそ何をしたいかわからない」というところが一つの焦点だと思う。

雇用・労働、環境含めた産業政策、教育など課題はある程度はっきりしている。アメリカがオバマ新政権の下で転換する方向もかなりはっきり見えていて、一方、自民党はブッシュ・チェイニー路線に追随した路線からの脱却ができずにいる。

風は吹いてきているのだから、今こそ大きく旗を掲げ、メリハリ効かせて「わが国も民主党政権の下で、これこれのチェンジを実現する」というメッセージを打ち出して欲しい。

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【切り抜き】凍てつくデラウエア河畔にて-オバマ大統領就任演説の絵解き(毎日新聞コラム「余録」より)

オバマ大統領の就任演説の中で、建国の父たちが独立戦争時にピンチに立ったときの話が出てきたが、アメリカの故事に詳しくないので知らない話だった。『毎日新聞』の今日付1面のコラム「余録」にその紹介があったので切り抜き・貼り付け。

岩見隆夫氏が、イージス艦の事故の際に「どの新聞のコラムも、イージスの語源であるギリシア神話に触れていた」と無個性化を嘆いていたが、あの時も「余録」の取り上げ方は他紙と比べて深かったと思う。現在の各紙のコラムの中では、歴史、古典についての知識、引用の適切さにおいて『毎日』の「余録」子が断然優れていると思う。

【以下、2009年1月22日付『毎日新聞』より切り抜き、貼り付け】

余録:厳寒の中の希望

 ドイツ人はクリスマスにはビールを飲んでバカ騒ぎするだろう--こんな見通しなしには米国は独立できなかったかもしれない。独立戦争で英軍に圧迫されたワシントン率いる大陸(たいりく)軍は、英軍のドイツ人傭兵(ようへい)部隊をクリスマスに急襲して形勢挽回(ばんかい)した

▲直前の大陸軍は相次ぐ敗軍で数千まで兵を減らし、凍りつくデラウェア川の岸で野営した兵の中には靴すらない者もいた。歴史的奇襲の2日前、そこにいたある男はたき火の光の中でこう記した。「今こそ人間の魂にとっての試練の時だ」

▲男は「コモン・センス」の著者トマス・ペイン、この時に書かれた「危機」という文章は大陸軍将兵を鼓舞し、独立戦争の勝利に貢献した。米独立革命史の泣かせどころといえるこの場面は、米国の苦難の時代には繰り返し思い起こされる

▲だからオバマ新大統領が、その「危機」を引用して国民を鼓舞したのは、困難な時代の米国リーダーの正道だろう。「未来の世界で語られるようにしよう--厳寒の中、希望と美徳しか生き残れなかった時、共通の脅威にさらされた都市や地方は進み出て、共に立ち上がったと」

▲華麗な言葉のアクロバットを期待する声もあった就任演説である。だが耳に残ったのは国民に正面から現状の厳しさを説き、米国再生への「責任」を共に担うよう求める堅実な言葉だ。そこには過熱気味だった期待を冷却する狙いもあろう

▲仏思想家トクビルは建国間もない米国人を見て「欠点を自ら矯正する力」を見抜いた。行き詰まった政治の大胆な路線転換も、建国の理想を再活性化することで可能となる米国の文明だ。その21世紀版は今、黒人大統領が扉を開いた。

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”The party's over, and now the hard part”

小雨が続く。いつもは歩く代々木上原までの区間、小田急線に乗る。激しい混雑に、これではかぜもすぐ流行ると思う。

昨日、今日、オバマ大統領就任を報じるフロントページが気に入れば額に入れてポスターにしようと『インターナショナル・ヘラルド・トリビューン』を買うが、昨日の写真はしめ切りの関係で軍関係の慈善事業に顔を出した際に白人の赤ん坊を抱くオバマ夫妻の写真と、モールに向かう人々でごった返す夜明け前の首都の様子の2葉。

今日にいたっては”The party's over, and now the hard part”という見出しは良いが、なんとも間の抜けた舞踏会の写真だ。時差の関係で写真が差し代わったヨーロッパ版の執務室の写真の方がいいなあ。

もっとも、写真の選択には編集者の意図が明確に反映されていると考えるべきで「トリビューンも倒産で、気分がショボくなっているのか」などと言っていないで、中味をよく読んでみよう。

「ポスター」には昨年11月6日付1面の当選を喜ぶシカゴ集会でのオバマファミリーの写真を使った紙面で作ることにしよう。

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2009年1月21日 (水)

オバマ大統領就任演説に対する米ABCステファノプロス記者の感想

米ABC「ワールドニュース」におけるジョージ・ステファノプロス記者の感想書きとめ。対話の相手はチャールズ・ギブソン記者、NHK-BS1の録画音声から。

 ギブソン記者 スピーチを聴きますと、私自身感動しましたのは、現在の問題がいかに特別なものであるかについて触れたことと共に、根底にある幅広いテーマに何度も立ち返っていたことです。
 ステファノプロス記者 「責任」、それから「奉仕」ですね。こうしていられるのも先人の犠牲があったからと言っていました。しかし本当に、われわれに気合いを入れるスピーチだったと思います。この若い大統領は国民の肩を揺さぶって「目を覚ませ」と言っているようでした。やることが沢山あるのだと。
 『聖書』の中から引用したのは「コリント人への第1の手紙」です。「子どものようなことはもう止めるべきである」というくだりを引用しました。彼は「私たちが伝統に則ってやっていけば問題も乗り越えられる」と言ったんです。 
 ギブソン記者 そしてブッシュ大統領については、スピーチの中で彼に対して厳しいことばもありましたね。
 ステファノプロス 政権移行はスムーズにいきましたが、スピーチは厳しいところがありました。「ひとりよがりの時代の終わり」「狭い利害を守るのは終わり」とも言いました。これは非難のことばです。ブッシュ大統領の時代に対する非難です。「再び世界でリーダーにならなければならない」と。そのように言ったわけです。 
  ギブソン (中略)われわれ皆に呼びかける、「つらい日々が待っている」ということを伝えるスピーチでした。

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オバマ大統領の就任演説

オバマ大統領の就任演説は、控えめのトーンで言うべきことを言った良い演説だった。

高3の息子が学校行事の「寒稽古(剣道)」とのことで、いつもより早い5時半起き。就任式を終えたオバマ大統領のパレードは開始が一時間ほど遅れたようでスタートしたところだった。就任演説の録画を見る前に『朝日新聞』掲載の「要旨」に目を通す。

目にとまったのは、おしまいの方の「新たな責任の時代」というキーワードを導く部分の「挑戦は新たなものかもしれない。だが、私たちの成否を左右するのは昔と変わらぬ勤労と誠実さであり、勇気と公正さであり、忍耐と好奇心であり、忠誠と愛国心である。これが真理だ。私たちの歴史を通じて、前進の静かな力となってきた。求められているのは、こうした真理に立ち戻ることである。今、私たちに求められているのは、新たな責任の時代である」という部分だ。

いつも森田とは感覚が違うなあと思っているNHK-BS1の高橋弘行キャスターもこの部分を真っ先にピックアップしていた。いい意味での伝統主義であり、とっても「まとも」な印象を与える原稿だ。結論としても正しく、同時にニューヨークやロサンゼルスのリベラル派ばかりでなく、レッドステートの保守的な価値観の人々にも団結をうながす政治的なメッセージにもなっている。

録画しておいたNHK-BS1の未明の中継を見る。「共助」の呼びかけ、イスラムとの関係構築に踏み込んだ国際協調主義も期待通りではあるが特異に目立ったフレーズはなく、「ついに黒人がトップに立った」といったはしゃいだ部分は全くない、ある意味地味な演説だ。

しかし、派手にする必要はもともと無かった。オバマ氏があそこに立ったことが、ある意味全てを語り尽くしていたからだ。

そうは言っても、森田と高橋キャスターの目に引っかかったあの部分。ひょっとしてスピーチライターの原稿にオバマ氏が書き込んだ部分なのかしら。それとも27歳とかいう「天才スピーチライター」の仕事なのかしら。ちょっと気になる‥

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2009年1月20日 (火)

メディアは小泉純一郎氏に、なぜ「訊くべきこと」を訊かないのか

最近はっきりしたことがいくつかある。ひとつは「イラク戦争は間違った戦争だった」ことである。したがって小泉首相の「イラク戦争支持表明」の決断も間違いだった。

「投資銀行」といつたものが跋扈する、規制を骨抜きにした自由経済の推進や、高額所得者の税負担を軽減し、小さな政府のスローガンや「国際競争力」を錦の御旗にした社会保障軽視、労働者の権利軽視の政策が今日の状況をより深刻なものにしていることもはっきりしている。すなわち「小泉改革」なるものの骨格もまちがいだったのだ。

国民の多くは、小泉首相がこうしたことについてどう考えているのか。国民に謝罪するつもりがあるのか、そうしたことには頬かむりしたまま息子に地盤を世襲させようとしているのか、聞きたいと思っている。

ところが、そんなインタビューはテレビでも新聞でもお目にかかれない。インタビューの申し込みさえしていないのか?事務所に断られればそれで引き下がるのか?

それでご本人は呑気に党内政局の会合に顔を出して言いたい放題。それをメディアは有り難がって大放送しているではないか。

マスメディアには、国民に代わって小泉氏に問い糾すべきを問い糾す使命があると考えるのは森田だけではあるまい。

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「消費税引き上げ2011年明記反対」の朝三暮四、偽装騒動にだまされてはいけない

昨夜NHKテレビのニュースをたまたま見たら、山本一太議員が口角泡を飛ばして消費税の「2011年引き上げ明記は景気に負のアナウンス効果が大きい、断固反対」と騒いでいた。今日あたりは小泉純一郎氏も吠えているらしい。

奴らはまたいいテーマを見つけたな。本当に大事な問題は「必要な施策は何で、それは実行されているのか」「財源はどのように確保するのが公正か。その景気への影響をどう考えるか」という、全体を見通した話なのに、「2011年明記に反対」という、部分的な話に矮小化しているのだ。

もちろん、麻生首相も小泉元首相が「郵政」というどうでもいいテーマをフレームアップすることで政局を作り出したのをまねて、「消費税引き上げ」で耳目を集めるとともに財務官僚、また「消費税の地方配分増」をねらう旧自治官僚に乗せられているのか、媚びを売ろうとしているのが見え見えだ。

しかし、本筋の財政論に対して極論すればほとんど意味のない「2011年明記」を争点化すれば、おそらくメディアの大半は山本一太や小泉純一郎の方を支持するすることになる。彼らとしてはテレビに出る機会が多くなり、自分や息子の選挙に有利に働くだろう。選挙後に、その必要があれば自民党を裏切って、民主党政権に参加することに、何となく説得力をもたらすこともできるというつもりだろう。

メディアは「偽の争点」のフレームアップに荷担して「自民党にもいい人はいる」といった誤ったイメージを振りまいてはならない。国民も、山本氏や小泉氏の言うとおりにすれば、福祉の充実した、中低所得者の保険料や医療費までも含めた負担の軽い国になるのか、よく考えるべきだ。二度だまされるのは本当のバカと言われても仕方がないだろう。

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2009年1月16日 (金)

マーク・トウェイン曰く「アダムは幸せだった。なぜなら姑がいなかったから」

昨日NHK・BS1で見た米ABCのニュースが、オバマ大統領のミシェル夫人の母親であるマリアン・ロビンソンさんも大統領一家と一緒にホワイトハウスに住むというニュースを報じる中で、記者が「マーク・トウェインはいいました。アダムは幸せだった。姑がいなかったから」というジョークを枕にしていた。

そんな冗談が出るのは、アメリカにおいては「妻の母」の存在が、日本や韓国の「夫の母」とある意味共通して大きなもの(煙たい存在?)だからなのかなあと思ったりする。そう言えば、『奥様は魔女』でもサマンサのお母さんの存在感は結構大きかった。

キャンペーン中も、大統領の二人の娘の面倒は大きな部分祖母が見ていたようだし、実はジョークと違って、両親との縁がある意味薄かったオバマ大統領と義母との心の結びつきには強いものがあるらしい。

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ミリバンド英外相も「テロとの戦い」という用語批判

イギリスのミリバンド外相が『ガーディアン』への寄稿で「テロとの戦い」という用語は間違っていると批判したと報じられた。

ミリバンド外相は労働党でもブレア前首相寄りで、中道のブラウン首相が世界金融危機で存在感を回復する前に支持率が低迷していた時期に、自らへの党首交代を目指して動くのではないかと言われたブラウン首相にとって目の上のタンコブ「ふたりのデイビット」の一人(もう一人はデイビット・キャメロン保守党党首)だ。

ミリバンド氏は南オセチアでのグルジアの武力行使に端を発したロシアのグルジア本土侵攻の当時、ポーランドに乗り込んでロシアに対する強硬勢をアピールするなど、もともとは「タカ派」であり、ブラウン首相がブレア前首相よりも軍縮問題などに熱心で、経済政策も社会民主主義色が強いのを「右」から批判するポジションをとっていた人で、まあ言ってみればイギリスの前原誠司氏のような人なのだが、そういう人でさえ「テロとの戦い」という用語の毒性を指摘せざる得なくなったわけだ。

テロの撲滅には、その温床となる経済・社会問題の解決が不可欠で、アフガニスタンやパキスタンの現状をみればそれは誰の目にも明らかだ。ブッシュ・チェイニー、また日本の自公政権のように「テロとの戦い」という一言で、戦争が一番だといった単純指向に陥ったり、何十年も積み重ねてきた安全保障をめぐる国会審議が生み出したものをすっ飛ばしてしまうなどというのはとんでもないことだ。

デイビットの語源は古代イスラエルのダビデ王だが、いまダビデ王の地で起こっている問題も含め、わが国にとって、できることは何か。為すべきことは何か真剣に考えるべきだ。

外務省や自民党政権をコントロールしてきた財界は「体裁を考えれば、自衛隊を出すのがいちばん安上がりで楽」などと考えているのだろう。次期政権党である民主党も外交面では「ソマリア海賊対策の海上自衛隊派遣」を強く主張している元外務官僚の田中均氏の影響力が非常に強いという。あそこだって、本当はソマリアの内政崩壊をそのままにしていては、何の問題解決にもならないのだ。

われわれも、目を覚まして、与野党や官界、財界をよく見張っていかなければ。

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米旅客機、NYハドソン川に不時着水

起床して、ラジオ受信機でNHK総合のニュースの音声だけ聞きながら洗面所にいたら、ニュース速報を知らせる信号音が聞こえた。何かと思えばNYの旅客機が鳥の群れに突っ込みエンジンが停止し、不時着水というニュースだった。

1月20日の就任式の前の大惨事といったことにならず、オバマ新政権誕生にミソをつけなくて良かったと思う。しかも全員無事。今のアメリカの経済情勢と結びつけ、こっちも不時着直前のような状況だけれども、このニュースを聞いてギリギリのところで切り抜けることができるような気がしてきたという人もいるかも知れない。

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2009年1月14日 (水)

冷え込み、ウクライナ経由欧州向けロシアのガスパイプライン

東京はあいかわらずたいへん良い天気だが、冷え込んだ。NHK「おはよう日本」のお天気担当・渕岡さんも屋外中継で「手袋では足りない」と暖かい飲み物のカップを持って登場していた。

ウクライナ経由欧州向けのパイプラインのガスの問題、「再開」と報じられていたのに足踏み。ロシアのお客さんと会う人のために「再開は良かった」と昨夕メモ書いて出していたので、個人的には大いに困る。全く、個人的にだけれども。

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2009年1月 7日 (水)

麻生政権は米国にイスラエルを止めることを求めよ

毎日新聞の本日付社説二番手の見出しは「米国はイスラエルを止めよ」。核心を突いた、シンプルな良い見出しだ。

付言するならば「麻生政権は米国にイスラエルを止めることを求めよ」と言いたい。麻生さんは正月からオルメルト首相、パレスチナ政府のアッバス議長(ただし事実上の分裂でガザ地区には支配権が及ばない)に電話を入れて停戦を求めたことをマスコミにアピールしていた。

何もしないよりはうんといい。しかし「アメリカの同盟国」などと胸を張るならば-森田は同盟などという用語は条約に根拠がないと考えるが-、この状況で国連安保理の停戦決議さえユダヤ系の資金と票のために拒否権をちらつかせて阻止するアメリカのブッシュ大統領と、それを踏襲する恐れのあるオバマ次期大統領に対し、「おかしいじゃないか。ハマスにロケット弾テロ停止を求めるとともに、イスラエルにも停戦を求めるべきだ」と安保理の非常任理事国として強く求めるべきだ。そうすることはホワイトハウスや国務省がフリーハンドを確保することを支援することになり、結局はアメリカのためにもなるのだ。

それをしない、できない、考えたこともなかったというのでは「自民党、公明党、外務省はアメリカの犬か」と言われても仕方がないだろう。

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2009年1月 6日 (火)

内橋克人さんの「ビジネス展望」復帰を喜ぶ

今朝、NHKラジオ第一のビジネス展望(6:43頃~)で、久しぶりに内橋克人(うちはし・かつと)さんの声を聞きうれしかった。実は元旦の昼頃に新聞のラジオ覧にお名前を発見し、喜ぶと同時に聞き損なったのをがっかりしたが、けさようやく再会かなった。

小泉「改革」ブーム下にあっても、冷静かつ実証的な分析で日本経済のあり方を論じておられた内橋さんが、体調を理由に一時降板されたときには、いままさに内橋さんの出番であるのにと残念に思い、ご心配申し上げていたけれども本当に良かった。

この番組、水谷研二氏や田中直毅氏のような聞かない方がいい人が出ている日もあるけれども、金子勝氏や寺島実郎氏、藤原直哉氏などのタイムリーな分析が聞けるので朝型の人にはお薦めです。

(ちなみに、内橋さんの元旦に放送された復帰第一弾、「もう政治的レトリックに騙されてはいけない」と2009年の日本と世界の現状と課題を抉ったロングバージョンは、11日までこのNHKのページから聞くことができます)

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2008年12月15日 (月)

小沢一郎氏の「政界再編」否定発言を支持する。

NHKテレビのニュースで、「今の時点で」という限定付きながら民主党の小沢代表が最近賑やかな「政界再編」に否定的な考え方を示したと言っていた。賛成だ。

自民党内で「議連だ」「造反だ」と騒いでいる連中は、要は「選挙後も自分だけは与党でいたい」「目立って選挙にプラスにしたい」と考えているに過ぎない。日本テレビの氏家氏あたりが「再編」の産婆役を自認しているらしいが、こんな類のニュースを大きく取り上げている報道関係者は、本当に頭が悪いか、商売または権勢欲からなる事情を優先しているのかのどちらかだ。

【以下、NHKのニュース原稿】  民主党の小沢代表は京都市で記者団に対し、次の衆議院選挙の前の政界再編について、「まったく考えていない。一度、自民党を中心とした政権を代えてからでないと、ほんとうの意味での政界再編はできない」と述べ、現時点では否定的な考えを示しました。この中で、小沢代表は、記者団が「麻生内閣の支持率が大幅に下がるなか、次の衆議院選挙の前の政界再編の動きが注目されているが」と質問したのに対し、「今の時点で、わたしはまったく考えていない」と述べました。そのうえで、小沢氏は「議会制民主主義を定着させるために政権交代を実現し、一度、自民党を中心とした政権を代えてからでないと、ほんとうの意味での政界再編はできない。今は、ひたすら選挙に向け、国民の支持を得ることに全力を尽くす」と述べ、次の衆議院選挙の前の政界再編に、現時点では否定的な考えを示しました。

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2008年12月 9日 (火)

加藤周一さんの「源氏物語」論

先週末、加藤周一氏の訃報に接する。森田敬一郎の発言をお読みいただいている方にはおわかりの通り、加藤氏は森田が尊敬もし、足下にも及ぶことはないと知りつつ「こんな人に私はないたい」という、いわば目標であった。

月曜の毎日新聞に渡辺保さんの評伝のようなものが出ていて、あいまいな言語である日本語を使って、徹底的に論理的で、もっとも美しい「文体」の散文を書いた人としていた。

もっとも、無駄をそぎ落とした、美しい文体ということでは加藤さんより渡辺さんの方が上であり、その個性も際だっていると思うのは森田ばかりではないだろう。

世界政治の問題について、森田はたいてい加藤さんと同意見だった。世界の文学については知識に差がありすぎて論評不能。

ひとつ、はじめて目にしたときから「そうかなあ」「加藤さんが言うからそうなのかなあ」と思いつつ、唯一加藤さんと意見が違うかなと思ってきたのが加藤さんの「源氏物語」論だ。小川洋子さんではないが、森田の記憶は加藤さんの本当に書いておられたこととかけ離れたものになつているかもしれないけれど、たしか加藤さんは「源氏物語を世界文学史上の傑作という人がいるけれども、当時の大多数の日本人はたいへん貧しく、飢饉や疫病に苦しんでいた。ごく一握りの恵まれた人々の恋愛ばかり書いて、そうした『世界の問題』に目を向けないこの小説は、少なくとも世界的な傑作などとは言えない」といったようなことを書いておられたように思う。そうかなあ、そうじゃないんじゃないかな‥とずっと思ってきた。

森田は墨子の思想(墨家思想)に傾倒している。孔子の思想(儒教)の人道主義や東アジアの「共通語」になっていることには魅力を感じながらも、その「権威主義」、非論理的な伝統主義には反発を感じる。本質的には墨家の方が儒教よりリベラルだと思う。でも、孔子が音楽をたいへん大切にしているのと対照的に、墨子は音楽など貴族趣味であると退けている。音楽好きの森田が、儒家を捨てて墨家に走るというわけにいかない理由の一つだ。

源氏物語は、人の愚かしさ、おもしろさを抉って深いと思う。加藤さんは「私の文章を曲解するな」と言われるかも知れないが、たった一つ残った加藤さんへの異論だ。

もちろん「核兵器廃絶」「九条の会」のことどもを含め、加藤さんへの共感と感謝の方がはるかに大きい。「源氏物語」論が原因で、加藤さんを否定するつもりなと毛頭ない。むしろ、加藤さんの後を継ぐ、若い知の巨人が現れるまで、われわれで微力を尽くして中継ぎを務めるべく頑張るしかないだろうと思っている。

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2008年12月 5日 (金)

ムンバイのテロ事件-地域の子どもたちが絶望せずに勉強したり暮らしたりできるように支援することが最大の「対策」

ムンバイのテロ犯10名のうち唯一の生き残った者についての米ABCのニュースが目に入る。パキスタンの小さな村に育ち、10歳で学校に行かなくなり‥最後は「家族に4000ドル(36万円あまり)提供する」と言われ犯行を決意したという。

テロ対策というと、自衛隊派遣うんぬんという話ばかりする人々がいるが、やはりアフガニスタンとか、パキスタンの小さな村、あるいはインドの貧しい、例えばイスラム教徒の集落に住む子どもが、普通に暮らして、学校で勉強が出来て、過激なテロ集団などにリクルートされるリスクを小さくする支援の積み重ねの方が、はるかに現実に役に立つ「テロ対策」だと思う。

アフガニスタンのカブールなどには、トップの緒方貞子氏の強い意思もあり、JICAの職員が何十人か踏みとどまって全く丸腰で保健衛生などの業務に命がけであたっていると聞くと頭が下がる。日本は「軍」を派遣していないだけに現地で受け入れられるというが、現地にもっととけ込んで成果を上げることが出来るのはイスラム圏で該当地区と民族的にも、宗派的にも相性の良い人々であるような気がする。

この際、日の丸を目立たせようなどという欲張った考えは置いておき、イスラム系の団体や現地の人々によるNGOなどが、貧しい地区の子どもたちがやがては安心して学校に行けるような状況を作り出す指向性をもった社会開発支援のプログラムづくりに知恵を出し、実行に当たってくれるそうした団体、人々に日本政府が資金を提供していくといった方法をさらに模索していくべきだ。

テロを起こすやつは悪いやつでとんでもない、軍事力でたたきつぶせと言っているだけでは何の解決にもならない。浜の真砂が尽きることがないのと同じことだ。

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2008年11月18日 (火)

放送同時通訳の誤訳-国務長官候補としてのヒラリー・クリントンは「リベラルすぎる」のでオバマ支持層に懸念?

オバマ政権の人事が話題になっているが、17日にNHK・BS1で放送していた米ABC「ジスウィーク」のラウンドテーブルを同時通訳音声で聞いていたら、出席者の一人の発言を「ヒラリー・クリントンは外交政策がリベラルすぎるので、オバマ支持層のインテリや若者層は懸念している」という趣旨で訳していた。

あれっ?と思って巻き戻して英語の音声を聞いてみると「リベラルすぎる」と訳されたところは「too right」と聞こえた。

ヒラリー・クリントン上院議員の外交政策は、共和党などの「リベラル」というレッテル張りへの対策として「中道」を強調し、それがためにイラク戦争に当初賛成し、またニューヨーク選出ということもあってイスラエル寄りの姿勢が目立っていた。

発言者の想定するオバマ次期大統領の支持層のコアの部分は、かつてのツォンガス候補(92年)の支持層や、ビル・ブラッドレー候補(2000年)の支持層と重なると見るならば、ここはやはり「クリントンは外交政策が右に寄りすぎているので」という方が当たっているような。

もっとも、仮に実際にクリントン国務長官が実現すれば「右」になるから警戒が必要?いやいや、「右」なのは選挙対策で、彼女の地金はリベラルという見方もあるだろう。

逆に、オバマ氏がコアな支持層が期待するほどの外交リベラルではなく、自分が担当するリベラルな「発言」と、ゲーツ国防長官のブッシュ政権からの留任、クリントン国務長官起用などによる中道・現実主義外交という「実質」でバランスをとっていこうとするようにも見える。

もちろん、アメリカ外交がどうなるかという「風見」ばかりでなく、日本外交どうするかという思索を深め、戦略を練ることが大事であることはいうまでもない。

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2008年10月22日 (水)

海自特殊部隊「訓練」暴行死-自民党議員ヤジ「小さなこと質問するな」

委員会審議で民主党の川内博史代議士が、先日の海上自衛隊の対テロ部隊のリンチ致死事件の疑いの濃い事案について質問していたところ、自民党委員から「小さなことを質問するな」というヤジが飛んだそうだ。

これが自民党の体質か。然るべき立場にある政治家の説明が聞きたい。それがなければ、要は「軍」の論理優先、人命、人権軽視が自民党の体質と断じざるを得ない。

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2008年10月14日 (火)

クルーグマン氏のノーベル経済学賞受賞を喜ぶ

クルーグマン氏は「経済政策がやるべきことは二つだけある。一つは失業を減らすことであり、もう一つは富の再配分である」という論者だ。

世界金融情勢の現実と、これからやってくる大不況により、レーガン政権以来30年猛威を振るったインチキ錬金術経済学=日本では竹中平蔵氏が代表的論者=にいよいよ終止符を打つべき場面でのノーベル経済学賞はまことに時宜にかなっている。最近、もっとも嬉しかったことの一つだ。

新聞コラム執筆、ABCの日曜番組「ジスウィーク」のラウンドテーブル常連と、一般向けにも活発な発言を続け、「だから有力と言われているノーベル賞がとれない」などと言われたクルーグマン氏はもともとオバマ次期政権の経済諮問委員長の有力候補だっただろうが、政策転換を印象づける点からも就任が有力になったのではないか。

世界経済は当面最悪の状況に進むだろう。わが国の経済政策もある意味「何でもあり」ということになるだろう。そのような中で、同じ過ちの芽を摘み、良い方向への軌道修正を行うことで災い転じて福となすためには、われわれもクルーグマン氏のような本質を突いた発言に注目していきたい。

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2008年10月 1日 (水)

インドなどNPT未加盟国に対する核技術協力、核物質輸出を禁止する立法を

最近、いちばん頭にきたことは、日本政府が核不拡散条約に加盟することを拒否しているインドを特別扱いすることに賛成したことだ。

核軍縮に事実上背を向けてきた米ブッシュ政権が、ここ2年来、クリントン政権時代の政策を転換してインドとの核協力を進めようとしてきた。そんなことを認めてしまえば、核兵器廃絶へ向けての現実的な手だてとしての核不拡散条約(NPT)体制が根底から崩れてしまうのに、日本政府は「全会一致を要する」、すなわち日本も「事実上拒否権を持っていた」関係国会議で沈黙を決め込み、ウラン輸出国でありながらインドの特別扱いに反対してきたオーストラリアなどの期待を裏切り、ついには賛成した。

アメリカが議会手続きで手間取っている間にフランスがインドと協定を結んだり、ロシアが大きなビジネスをするだろうなどと言われている。

しかし、他の国のことより日本政府だ。外務省の幹部職員や自民党首脳は、天下り企業の都合、正義を曲げてもアメリカに追随することでムラの中での出世と収入を確保する処世術といったことを優先して、ヒロシマ・ナガサキの体験に基づく、核兵器廃絶を希求すべき日本民族の歴史的使命、日本国憲法の理念などは完全に無視しているのだ。

そんなやつらが、勝手に恥ずべき外交政策を展開するときにわれわれは無力か?

やつらに理想を語ってもほとんど役に立たない。やはり、主権者であるわれわれが政府の役人を従わせるには、法律で縛るしかない。

とりあえず、社民党、日本共産党、民主党や自民党の心ある人々に考えて欲しいのは、「NPT未加盟国に対する核技術供与、核燃料の輸出を禁止する法律」の制定だ。やつらは「アメリカやロシアやフランスがインドでビジネスするのを指をくわえて見ているのですか」と言うだろう。日本がそうした法律を作っても、アメリカなどにブレーキをかけられるわけではない。

それでも、日本国民の一部に核兵器廃絶を指向し、そのために核不拡散体制を強化することをまじめに考えている人々がいることをハッキリ示すことが出来るだろう。少なくとも、やつらが、国民の理想を無視して、勝手にこの分野の外交を進めることにブレーキをかけることができる。

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2008年8月26日 (火)

NHK・BS1の『今日の世界』『おはよう世界』を採点する-ロシア・グルジア問題

 北京オリンピックが終わり、NHK・BS1のレギュラー報道番組も帰ってきた。南オセチアを巡るロシアのグルジア本土侵攻に関するニュースも、久しぶりに「特集」のような形でまとめられた。
 
 同じNHK・BS1でも番組による論調の違いがずいぶんある。『今日の世界』(22:15~)は袴田茂樹氏をゲストに迎え、ロシア側から見れば①NATOのグルジアやウクライナへの拡大はロシアにとって脅威、②90年代は経済低迷でアメリカに対して自己主張できなかったがエネルギーの輸出価格の上昇などで大国意識が出てきた、③メドべージェフは権力維持のために国内タカに向け強硬姿勢を示す必要があるという分析を紹介していて参考になる。

 さらに市瀬卓キャスターは、メドベージェフ大統領が休暇中で、プーチン首相がオリンピック開会式で北京にいる時を狙って南オセチアに軍事侵攻すれば、南オセチアを簡単に「解放」(実効支配回復)できると考えたとすれば、その判断は甘く、双方に大きな犠牲を生じた責任が問われるのではないかという視点を示していた。番組全体として、この問題を俯瞰する上で参考になる特集だった。

 他方、同じNHK・BS1『おはよう世界』(6:15~など)の高橋弘行キャスターは25日、26日ともこの問題について市瀬キャスターとは対照的な、浅薄な見方を語っていた。25日に同じ「判断が甘い」ということばを使いながら高橋氏が示唆したのは、今回の事態を招いたのはアメリカやヨーロッパ諸国の「ロシアの本気度」についての認識の甘さにあったのではないかという趣旨の見方だ。
                                             
 さらに26日に高橋キャスターは今回の事態を通じてロシアが得たものは、南オセチアをグルジアから切り離すことであり、さらに、そうではないかもしれないけれどもとしつつ、ロシアの次の狙いは「ロシアを通らずに、カスピ海の原油を黒海に運ぶグルジア領内のパイプライン」を手に入れることかもしれないと強く示唆した。

 『今日の世界』を見た人は、軍事力で問題を解決しようとしたことにそもそもの発端がある。複雑な問題であり、多くの要素に目配りしながら解決を探らなければならないと考えるだろう。『おはよう世界』のみ見た人は「ロシアは信用できない。われわれは甘く見られないように、アメリカを先頭にもっと強硬姿勢を強めなければ」と思うのではないだろうか。 

 『今日の世界』は英BBC、米PBSレベルの視聴価値のある番組、『おはよう世界』は米CNN、米FOXクラス、あるいは産経新聞、小泉・安倍レベルの有害番組であるというのいうのが、この二日間の番組を見ての森田の評価だ。

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2008年8月25日 (月)

バイデン副大統領候補指名

 日本では一昨日、土曜日の昼頃に米民主党の副大統領候補にジョー・バイデン上院外交委員長が指名さるらしいというニュースが流れた。クリントン政権時代から、民主党が上院多数派の時には外交委員長、少数派の時もマイノリティーリーダーということで、NHK・BS1で見ることの出来るPBS「ジム・レーラー ニューズアワー」やABC「ジス・ウィーク」のインタビュー、討論出演の常連であるためいつも議論を聞いてきたが、たいへんまともな外交政策の持ち主であり、森田が「オバマ大統領」に期待するアメリカ外交の転換を体現する人物であり歓迎したい。

 森田は選挙対策で接戦州の知事、たとえばバージニアのケーン知事などを予想し、バイデン氏は国務長官になるのではないかと期待していたが、仮に副大統領であるとしても、チェイニー副大統領のように政権の政策をリードしてくれるなら結構なことだと思う。

 この前も書いたが、森田がバイデン氏の政策について印象に強く残っているのは、クリントン政権時代から、ブッシュ政権を通じてMD(ミサイル防衛)システム導入について、核戦略を不安定にさせること、巨額の予算を必要とすることなどからかなり強い慎重論を一貫して唱えてきたことだ。

 いまポーランドやチェコへのMDレーダーシステム配備が、グルジア紛争の煽りで米ロ「新・新冷戦」の争点になっているが、世界情勢全体としては「9・11~イラク戦争大政局」の陰に隠れ、また冷戦後から最近のエネルギー価格の上昇などで経済絶好調の大国に復活するまで、低迷の時期が長かったロシアにアメリカに対抗する勢いがなかったことで表面化することはなかったけれども、ラムズフェルド、チェイニー、ブッシュといった人々が権力を長く握ってきたことで進んだ「MD」の開発配備は、これから、世界政治の争点となり、世界の平和と安定にとって障害となってくる恐れがある。

 なお、バイデン氏の指名で日本の外務省の一部にも喜んでいる人がいるだろう。帰国前に『中央公論』に寄稿したりしていたのでよく知られていると思うが、バイデン議員のトップスタッフであるジャヌージ氏は昨年の夏まで1年間、たしか日立がスポンサーで日本の研究機関に一年招へいされていた。元駐米公使の阿川尚之教授の世話で、慶応の大学院でも教えていたそうだ。

 上院外交委員会のトップスタッフに戻っているジャヌージ氏は中国の専門家だが、彼が副大統領の首席補佐官ということになれば、民主党にも人脈を作っておきたいという日本の外交畑の人々の挙げた得点ということになる。また、そうした人々の招へいで日本に滞在したとは言え、ジャヌージ氏本人は極めてリベラルな発想の聡明な人物で、日本滞在中には広島の原爆資料館や靖国神社も訪れ、そうした場所が日本人に大きな存在であることも肌で知ったそうだ。

 「オバマ・バイデン」。なんとか勝ってほしい。

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2008年8月22日 (金)

「国際社会」とやらでも世論調査をやってみては

 福田総理の指示で、防衛省がインド洋などでの欧米を中心とする艦艇への給油活動について紹介するDVDを配布するなどして、「テロ特措法」による給油活動がいかに「国際社会」の支持を得ているか税金を使って国民にPRするらしい。

 国際社会って誰?と聞きたくなるが、まあアメリカ政府の日本担当と、欧米やアメリカに協力する限られた途上国の限られた「軍事・安全保障サークル」の輪の内側にいる人々ということなのではないか。

 寺島実郎氏が以前、ワシントンやニューヨークで日本専門でない国務省のスタッフや、財界人に「給油」のことを聞くと、そもそも知らない人が多いし、詳しく説明すると「それにどんな意味があるの?」という反応だったという話をラジオでしていた。

 寺島さんが言っていることと、福田総理や外務省が言い、日本の報道が垂れ流してる「国際社会が支持している」という説と、どちらが正しいかぜひ知りたいものだ。

 報道各社は、とりあえず欧米の主な国と途上国数カ国でいいので、国内で良くやっている「二段階無作為抽出」の少ないサンプルのものでよいので、世論調査をやって、たとえばアメリカ国民の何パーセントが日本による「給油」を知っていて、何パーセントの人がそれを支持しているか調査して発表してもらえないだろうか?

 政府の宣伝に対して、実証的な姿勢で検証するのもメディアの役割だと思うが。

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2008年8月18日 (月)

陸上100メートル ジャマイカの愉快な世界チャンピオン

 9秒69の世界新記録を出したジャマイカのウサイン・ボルトの走りがいかに凄いものだったかについては、門外漢の森田が付け加えることは何もない。

 スタート前にダンスし、ゴール前に胸を叩いて「勝利のポーズ」、インタビューの合間にはカメラに向かっていたずらポーズ。お調子者の若者に見えてしまうボルト選手の人柄、ジャマイカのゆるい感じの魅力についてもほぼ語り尽くされていることだろう。

 後段については朝ワイドショーの映像見ながら、改めて面白いと思う。ふざけていると思う人もいるだろうけれども、所詮スポーツなのだから、国旗を背負ってプレッシャーに押しつぶされたり、スポーツではなく経済力の戦いになっているような様子を見せつけさせるよりも、映画『クール・ランニング』を彷彿させるような愉快な天才が、やりたい放題をやって(いるように見せて)世界新記録。ジャマイカチームが超大国アメリカに「勝利」というのもたいへん結構。

 それにしても足が長い。モンテゴベイの空港のトイレの男子小用便器の「高さ」に苦笑(苦労に近い)したことを思い出す。イギリスの旧植民地で英語が通じる、ゆったりペースの心地よい国だ。余談だが、下北沢南口商店街にたしか「420」という名前のジャマイカ風の小さなアクセサリー店がある。ある夕方、朝日ニュースター『ニュースの深層』のキャスター金慶珠さんがその店から出てきたのを見かけた。ジャマイカファンなのかしら。

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2008年8月17日 (日)

米民主党の「核兵器廃絶」綱領案を熱烈に歓迎する

 今月末にオバマ候補を正式指名するために開かれる米民主党の綱領案に「究極的核廃絶」を目標とすることが盛り込まれると報じられた。世界を正常な方向に軌道修正する一歩につながるものとして高く評価し歓迎する。

 ブッシュ政権が包括的核実験禁止条約(CTBT)の議会承認を求めることすらせず、新型核爆弾の開発を指向し、2005年にニューヨークで開かれた5年ごとのNPT運用再検討会議でも核軍縮努力について全くほおかむりして、結局のところイランや北朝鮮の核開発に口実を与えるような結果を招いたことを考えると、これは本当に良いニュースだ。

 オバマ陣営の外交安保政策策定の中心には、核軍縮に非常に熱心なダイアン・ファインスタイン上院議員(カリフォルニア)の元政策スタッフが座っているということなので、驚くことではないかもしれないが、9月はじめには河野衆院議長が広島での開催を決めたG8議長会議にペロシ下院議長が出席の意向を示し、高位のアメリカ政府現職首脳(米下院議長は合衆国憲法で副大統領に次ぐ大統領職継承権第2位)としてはじめて広島入りして原爆犠牲者の慰霊碑への献花、原爆資料館の見学を行うということとも符合するニュースである。

 副大統領候補への指名、あるいは国務長官任命も取りざたされるバイデン上院外交委員長はミサイル防衛(MD)の配備決定にも極めて慎重な立場だった議員であり、わが国としてもボーッとしていないで、守屋被告(前防衛事務次官)の主導の元に開発参加を決めたミサイル防衛などについても、最近のブッシュ政権のポーランドなど東欧へのMD基地配備に関わる対ロシア「新・新冷戦路線」なども考慮し再検討を始めるべきだ。

 ところで、オバマ対マケイン。毎日新聞ワシントン支局の及川記者の分析では、夏の世論調査での民主党候補のリードが今程度では過去のデータから言うとオバマ氏勝利は微妙、というより難しいということになるらしい。現政権がグルジアを巡ってロシアとの対決を煽っているのも選挙対策の疑いが濃い。しかし、ここでオバマ氏が当選できるかどうかは「ブッシュ&チェイニー、9・11、イラク戦争、小泉&安倍」という、世界史の進むべき方向に逆行した忌まわしい過去と決別できるかどうかの一つの大きなターニングポイントになり得るので、注視という以上に注目せざる得ない。

 オバマ頑張れ!

【以下、時事通信の記事のコピー】。

究極的核廃絶を追求=オバマ氏持論を明記、現政権から大転換-米民主党綱領案

【ワシントン15日時事】米民主党が25日に開幕する全国党大会で採択する予定の政策綱領案の全容が15日、明らかになった。時事通信が入手した綱領案によると、安全保障関係では、「核兵器のない世界を追求する」として究極的な核廃絶を目指す方針を明記。イランや北朝鮮に核放棄を求めるとともに、米国自身も核兵器削減・廃絶に向けて具体的行動を取ることを打ち出した。
 究極的核廃絶は、党大会で大統領候補に正式指名されるオバマ上院議員の持論。2000年の党綱領では核兵器の大幅削減が盛り込まれたが、廃絶まで踏み込んだのは初めて。新型核兵器開発計画を進め、国連総会で日本政府提出の核廃絶決議に7年連続で反対票を投じてきたブッシュ政権の核政策からの大きな転換となる。
 綱領案は核廃絶に向けた具体的行動として、(1)冷戦期に製造された核兵器をロシアとともに検証可能な形で削減する(2)新規の核兵器開発を中止する(3)米議会による包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を促進する-ことを明記。国際原子力機関(IAEA)管理下の国際的な核燃料貯蔵構想や、核拡散防止に関する国際首脳会議の09年の開催も提唱している。(2008/08/16-13:08 時事通信)

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2008年8月15日 (金)

野田消費者問題担当相に、靖国参拝の存念についてちゃんと説明して欲しい。

 全国戦没者追悼式のテレビ中継と共に黙祷する。保岡法相、大田農相、野田消費者問題担当相の三閣僚が靖国神社参拝のニュース聞き、不愉快に思う。

 福田総理の考え方が、閣僚に貫徹しない。ブッシュ大統領は誤った政策ばかり推進する、頭の悪い大統領だと思うが、ホワイトハウスに一定の規律、緊張感を保っているらしいのは福田さんにも見習って欲しい。もっとも、福田さんもワルで選挙対策のために役割分担をしているのだろうか。それとも、あいかわらず町村官房長官が足を引っ張っているということか。

 横着な財界ボンボンの大田農相、田中角栄被告の弁護士だった保岡法相については初めから何の期待もしていないので何か言うつもりはないが、野田大臣には「A級戦犯合祀を決して改めない靖国神社に閣僚が参拝することは、わが国がサンフランシスコ講和条約で東京裁判の結果を受け入れたことが国際社会復帰の原点だったということを見失うことにならないか」という点について質してみたい。

 高市早苗代議士などよりよっぽどましな政治家だと思っているが、こうしたことに納得いく説明が聞けなければ信頼を寄せることは出来ない。

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2008年8月14日 (木)

ロシア・グルジア衝突の遠因は米ブッシュ政権の単独行動主義にある

 グルジアの南オセチア自治州をめぐるロシアとグルジアの軍事衝突は、EU議長国フランスの調停で停戦の合意を見たものの、8月14日朝、東京で見た各国のテレビニュースはロシア寄りの武装勢力によるグルジアへの報復攻撃が事実上続いていることを伝え、破壊された町から逃れてきたグルジア人の様子を報じている。

 ブッシュ大統領やライス国務長官の大げさな牽制発言や、ミリバンド英外相らの強硬発言とは裏腹に、今のところ米軍などがイラク派兵にも参加した「同盟国」グルジアに直接の軍事支援を行うことにはなっていない。一方、ロシアも西側の牽制に対しては鉄面皮ぶりを示しながらも、かつてソ連が50年代にハンガリー、60年代にチェコを軍事的に蹂躙したのに比べ、トビリシ軍事制圧、親ロシア政権樹立といった挙には出ていない。あたりまえといえばそうだが、メドベージェフ政権がエキセントリックな政権ではないことの証左とも言えるのではないか。

 クシュネル仏外相が、いきり立つポーランドやイギリスの外相をたしなめて「今は誰が悪いと言っているよりも、出血を止めるときだ」と言うのは当を得ており、とりあえずみなその線で踏みとどまっていると言えるだろう。

 ロシアの土産物にマトリューシカというこけし型の入れ子人形がある。大きな人形の中から、一回り小さな人形が出てきて、さらにその中に‥とどんどん小さなものが出てくる。ソ連時代は、一番大きな人形が「ソ連」で、その中に「グルジア」という人形が入っていて、さらにその中に「南オセチア」が入っていた。もうひとつ「ソ連」の中に「ロシア」が入っていて、そのなかに「北オセチア」が入っているマトリューシカもあって、オセチアはその時から南北に泣き別れになって別の人形に入っていたけれども、何せソ連というタガがしっかりはまっていたし、グルジアはソ連の独裁者だったスターリン、ゴルバチョフ政権のシェワルナゼ外相の出身国だったこともあって「ロシア」と「グルジア」の関係も、内実はともかく矛盾が表面化しにくい関係にあった。

 この比喩で言えば、今は別のマトリューシカに入っている南北オセチアが一つになりたいということで、しかも、これはどうもロシアの工作もあって全体として「南オセチアがグルジアのマトリューシカを出て、ロシアのマトリューシカに移りたい」という話しになりかけているから、グルジア政府やグルジアのナショナリストたちにとっては、同じグルジア内のアブハジア自治州の問題もあるし、これは決して容認できないという対立になっているわけだ。

 ソ連が崩壊する中でグルジアは独立を果たした。グルジアの人々の中には「ロシアはもうこりごりだ。これからはアメリカの同盟国となって自由で豊かな国になるのだ」と言う人たちがいて、サーカシビリ大統領や議会の多数派はそうした人々を代表している。一方で、おそらく「同じ国だったんだし、グルジア正教とロシア正教で、古くからビザンツ帝国の仲間じゃないか」という親ロシア派もいるのだろう。そしてどの国とも同じで、本音を言うとどっちに付くかより生活第一という人がその真ん中で一番の多数派なのではないか。ただ、いまのグルジアは郵政民営化熱に浮かされて判断停止していた時のわが国のように、反ロシア派が一時的に大多数を占めているのかもしれない。

 クシュネル仏外相が今はどちらが悪いと言うときではないというのは正しいが、敢えて分析的に言えば、8月8日に南オセチアに先制軍事攻撃を仕掛けたのはグルジア軍だ。南オセチアの市民に1,000人以上の死者が出て、駐留していたロシアの平和維持部隊にも犠牲者が出ている。

 もちろん、わが国がかつて中国東北部(旧満州)を軍事占領するきっかけを作るために、二度までも自らの手で鉄道爆破事件を起こしたように、ロシアの情報機関がグルジアに「先制攻撃」を起こさせるような挑発を工作したり、グルジア軍に工作員を送り込んでいる可能性はあるけれども、いかんせんわが国の真珠湾攻撃と同様に本来「先制攻撃」というのは劣勢になったときの責任論で分が悪い。

 さはさりながら、ロシア軍が報復と称して南オセチアの範囲を越えてグルジア領内に侵攻し、いくつかの町を徹底的に破壊したり、逃げてきた人の口から「若い人々が人質にとられた。女性たちがどういう扱いを受けているかはわからない」という話を聞くと、ロシア当局にも軍や、武装勢力に対する手綱はしっかり握っていてもらはなければ困るぞと切に思う。

 ブッシュ大統領が「グルジアには選挙で選ばれた唯一の政府がある」と強調している。それはその通りだが、パレスチナの選挙でも、ずっと前のアルジェリアの選挙でもアメリカに都合の悪い勢力が選挙で勝ったときには選挙はなかったような顔をする彼らのやり方を知っているだけにしらける面もある。BBCのレポーターもこれには説教くさいと言っていた。マケイン大統領候補が「ロシアをG8のメンバ-にしておいていいのか」というのは先走りで、票目当ての悪しき発言だ。

 これは森田の感想だが、サーカシビリ大統領は若く颯爽としているが、アメリカとの連携にのめり込み、虎の威を借るキツネのようにロシアを挑発する姿勢は賢明なものとは思えない。EUが停戦調停に当たるときに提案した「南オセチアの将来の地位については話し合いで」という一項は頑なに拒否したという。ロシアからの自由を叫ぶ一方で、オセチア人はずっと俺の言うことを聞けと言うのではダブルスタンダードと言われよう。

 アメリカの政権が「有志連合」などと言って「俺の言うことを聞く者だけには特に目をかけてやる」という外交姿勢だったことが今回の事態の根底にある。アメリカに国際協調派の政権が出来て、21世紀初頭の十年弱の軌道を修正する。オセチア問題、グルジア問題の解決はそこからようやく始まるのではないだろうか。

 わが国においても民主党などによって、ブッシュのポチになって尻尾を振って喜んでいた小泉・安倍政権の「米単独行動追従主義」と福田政権の全く不十分な修正に変わる、日本外交のフレッシュな路線が打ち出されることが切に望まれる。

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2008年8月 6日 (水)

63年目の広島平和記念式典

朝、広島の式典の中継を見る。中国から大阪の領事館の女性領事が初めて出席する様子が映し出されていた。

朝日の社説、毎日の「余録」などにもあるように、あのアメリカで「核軍縮」について風向きが変わりつつあるという。一昨年のキッシンジャー氏らの「核全廃」に向けての行動の呼びかけ、昨年、東京でも公開されたスティープン・オカザキ監督の『ヒロシマ・ナガサキ』もケーブルテレビで多くの人々に見られたという。先日のNHKの放送でも、ブッシュの地元・テキサス州の高校の先生が授業でこの映画を取り上げた様子を紹介していた。

昨夏、ワシントンでクリントン政権で国防次官補だったキャンベル氏と会った人が言っていたが、米印核協定に関連して核軍縮について聞くと「核兵器というものは、全く意味がない」と断言したそうだ。日本風に言えば「防衛族」のキャンベル氏だけに「60年前と違って、ハイテクの極めて精度の高い誘導装置と、爆発力の強い爆薬を使えば、広島に落とした原爆程度の攻撃の成果は(何十万人の市民の生命を奪うということを除けば)通常兵器で挙げることが出来る。軍需産業もそれで充分儲けることができる」というリアリズムからなのだろうが、とにかく民主党系とはいえワシントンDCに事務所を構える現実派にもそんな声があるのだ。

秋葉市長の平和宣言に、9月のG8下院議長会議に言及があった。ペロシ下院議長はバリバリのリベラル派だが、アメリカのハイレベルの政治家の広島入りは戦後初めてのことだ。彼女が何を感じ、どのようなメッセージを出すのかに注目したい。日本の左右メディアからは「原爆投下を謝罪するか」という紋切り型の質問が出るだろう。そこは大統領選挙への影響を考えて=どこの国にも頭の悪い右翼はいつぱいいるから=クリントン前大統領と同様「謝罪はしない」という発言になるだろうが、今回はとにかく彼女が広島に足を運ぶこと自体に、これからにつながる価値があると思う。

次期大統領がCTBT(包括的核実験禁止条約)の批准を目指す政策転換をし、次期上院がこれを承認すれば、平和・軍縮にとり大きな転換になる。転換というより、冷戦後の正しい軌道への回帰ということになる。月末の民主党大会で議長を務めてオバマ大統領候補指名を宣言し、レイバーデーの3連休を利用して議長専用機で飛来するペロシ議長が、こうした点でも何かメッセージが出すのかにも注目したい。

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2008年7月18日 (金)

ロシアが四川大地震の被災学童1,000人をウラジオストックなどに招待

 NHK・BS1の2008年7月18日未明から朝にかけての枠で放送された中国中央電子台およびロシアRTRのテレビニュースで、中国の四川大地震の被災地の学童1,000人あまりがロシア政府の招待でウラジオストックやノボシビリスク州のキャンプ地への3週間ほどの滞在に招待され、17日に出発したという映像を流していた。

 内陸の四川省や陝西省、甘粛省出身の子どもたちは、海を見るのは初めてという子どもたちも多いそうで、張り切って飛行機に乗り込む子どもたちの明るい表情を見てほっとした。ロシア側も「中国料理を用意しているし、水温も海水浴にちょうど良い」と張り切っていた。

 これは良いニュースであると思うと同時に、ロシアもなかなかやるなと思った。ソ連崩壊後の極東アジアは経済停滞やインフラの老朽化などのイメージが強く、廃船になった原子力潜水艦の解体などは日本が資金面でずいぶん協力した。それが、ブッシュ政権のイラク戦争開始も関わるロシア経済の絶好調と、プーチン~メドヴェージェフ政権のAPECのウラジオストック誘致や極東ガスパイプラインの推進など、ロシアは「極東」地区を大いにてこ入れしているわけだが、このニュースは金額としてはそれほど大きな話してないにしても、そうした流れの中でのニュースであるとも受け取れる。

 「ロシアが中国の子どもを大事にするのはあたりまえではないか、ロシアだの中国だのはもともと仲間。ロシア・中国・中央アジアによる『上海協力機構』に見られるように、日米同盟とは別の側だ」という見方をする人がいるかもしれないが、その点、森田のこれまでの経験に基づく見方は異なる。中国のある知識レベルの人の外交面での日本に対する評価を一言で言えば「でも結局はアメリカに従うんでしょ」というものであるとするならば、中国のロシア観を一言で言えば「油断できない」というものだ。

 小さな行事だし、「宣伝」と言えばそれまでかもしれないが、ロシアは極東における中国の対ロシア観を改善する機会をうまく捉えたと思う。ロシアの東アジア政策にプラスになるだろう。それにひき換え、わが日本の政府は、対中国にせよ、対ロシアにせよ、何もよい知恵を出していない。それどころか、何の必然性もないタイミングで「竹島問題」を持ち出して、日韓関係を極端に悪化させることで外交の足下を自ら崩している。

 洞爺湖サミットにはやたらカネもつぎ込み、プレーアップに努めたけれども、自民党政権には外交に関して本当の意味での「やる気」が感じられない。

 四川の子どもたちのために日本政府も今からでも何か考えたらどうか。政府がダメなら、自治体や企業でもいいから。

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2008年7月16日 (水)

芥川賞に中国人女性作家の作品選ばれる

 芥川賞に中国人である楊逸さんの『時がにじむ朝』が選ばれた。1面で報じた毎日新聞に「文学史上の事件」という見出しが躍っているが、日本もいよいよ本当の「国際化」の時代を迎えつつあるのだなあと思う。たいへん結構なことだ。

 サルコジ大統領がローマ帝国の領域と重なる地中海諸国会議を盛大に開催し、シリアのアサド大統領の出席を実現してレバノン情勢や中東和平に積極貢献するアピールに成功して存在感を示しているのと対照的に、わが国は本当なら日本が提唱して主導権を握るべき「六カ国協議」をアメリカ提唱、中国の仕切りに任せて文句を言うだけ、挙げ句の果てにはせっかく親日政権になりそうだった李明博政権に対して、何の戦略もタイミングの判断もなく「竹島問題」をわざわざ持ち出して「対日強硬路線」に追いやるなど、国のトップや政府のレベルでは「外交3流」を絵に描いたような現状だが、「中国人作家が芥川賞受賞」というニュースは、馬鹿な政治家や役人のレベルとは別に、国民の日常のレベルで、また文化のレベルでの「日本の存在」の可能性が高まってく可能性といったものを感じさせるのだ。

 すでに漫画・アニメなどポップカルチャーの世界など、政治・外交に関わりない部分で日本は世界の中に居場所を確保しているが、さらにアートや文学の世界でもいっそう魅力を発信し、また交流を育て、公的な部門でも各国の人々に日本語を学ぶ機会を提供し、日本の資料に触れる場を増やす作業を、これまでの「お役所仕事」のレベルから革命的にレベルアップすることを考えるべきだ。

 いつも言うことだが、わが国の外国語教育のほぼ「英語オンリー」の状態は早く改めるべきだろう。中学での外国語は、半分は英語でいいとしても、もう半分は中国語、韓国語、スペイン語、アラビア語などを第一外国語で学べるようにする方が、日本の未来は明るいように思う。

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2008年7月14日 (月)

「竹島」明記の愚

 福田内閣が、竹島(韓国名・独島)がわが国固有の領土であると中学校の学習指導要領の解説書に初めて明記する方針を固め、文言の最終調整に入ったと報じられている。日本では小泉内閣が過去に遠のき、韓国では李明博政権が誕生したことで改善ムードだった日韓関係はこれでたいへんなことになるだろう。

 「固有の領土である」ということがわが国の主張であるというのは、国際法という「法律」の世界の話であり、そんな話をわざわざ持ち出すというのは、韓国から見れば「島根県編入」のいきさつそのものが日本による植民地化の序曲であったと位置づけられているという「現実」「政治」を無視した最悪の愚挙であると思う。

 誰が起案し、誰が承認したのか。つまり誰に責任があるのか、野党とメディアは徹底的に追及して国民の前に真相を明らかにして欲しい。福田内閣は行政文書の管理に関心があるというが、それくらい追いかけられるようでないと話にならないということは確認しておきたい。

 そもそも「固有の領土」という概念自身、見方によってはあやふやなものだ。中学生に教えるべきは、イデオロギーとも言うべきわが国の一方的な見解ではなく、「係争」「対立」が存在するという現実だろう。

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2008年6月10日 (火)

党首討論とりやめ

小沢党首はなぜ党首討論に立とうとしないのか。国民に説明しない首相はいやだ。やはり政権交替には民主党の党首チェンジが必要なのではないか。

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2008年6月 5日 (木)

オバマ候補指名確実に=「反論理」の時代の終わりのはじまり=

 オバマ氏が米民主党の大統領候補になることが事実上確定した。イラク戦争、温暖化問題や核軍縮問題への真剣な取り組み拒絶、社会保障軽視など、長く続いた21世紀初頭の「反論理」の時代がようやく終わりを告げる転機となろう。

 ヒラリー候補との泥仕合化で、やや光明に翳りがあるような印象であり「党の亀裂修復、白人労働者層対策、女性票対策」などからヒラリー候補の副大統領候補指名を考えるのか、それとも「当選後の仕事のやりやすさ、古い政治との決別を優先」して違う副大統領候補を選ぶのかというのも悩ましい選択だが、いずれにせよオバマ氏の候補者決定についてNHK・BS1で見るABCの報道も「歴史的」を繰り返していた。

 「反論理」が世界を席巻した原因には、ビル・クリントン政権時代の倫理退嬰への反動、9・11などがあるが、歴史の分岐点はブッシュ対ゴアの2000年大統領選のフロリダに見るように、「紙一重」が運命を分けることがある。

 わが国でも、あいかわらず「上げ潮」だの、「地上部隊派遣ならアフガニスタンに自衛隊を出すのに民主党も賛成するだろう」、「資源値上がりは投機が原因ではない。フリードマンが言っていたではないか」といった反論理の言説がまかり通っている。

 まだ森田ごときにもやることがあるぞ。とオバマ候補確定のニュースを聞いて思った。

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2008年6月 2日 (月)

コメ減反とりやめるべきか?

週末の注目発言は、世界的な食料価格の高騰を受けて「コメ減反政策をやめ、増産を図るべきである」という町村官房長官の発言と、それに対する加藤紘一元幹事長の「コメは余っている。自給率アップには大豆や小麦を作ることが大事だ」という批判だ。

どちらの意見が正しいのか。データの裏付けを得ながら、おいおい勉強しなければならないが、現段階の印象としては「減反とりやめ」策にもそれなりの理屈があると思う。

「減反取りやめ」策は、政府筋の話しとしてすでに人づてに聞いたことがあった。その説に沿って言うと、減反をやめるとどうなるか。コメはいちだんと供給が増え価格が下がる。このこと自体消費者に朗報だが、同時に国際的なコメ価格上昇で縮小傾向にある内外価格差がかなり縮む。その結果、今のような国際的に極端な高価格にある現状でも、アジアの富裕層向けに売れている日本産のコメの国際競争力は高まる。

コメの価格が下がれば、農家の収入が減るという問題がある。わが国の環境、生態系、農村部の景観を守るためには、農家を支えるためには民主党の主張するような財政支出が必要になるが、減反政策をやめることで現在そのために支出している補助金は必要なくなる。農水省関係者の試算では、必要な新しい補助金の金額は、現在の補助金より少なくて済むという。

町村官房長官の主張が「小泉構造改革」と同様のインチキ話なのか、それとも加藤紘一氏の方が、現在の利権構造と保守的な心情に寄りかかった政局がらみの「ああいえばこういう」類のことなのか。いずれにせよ、農政の方向性については集中した再検討が必要だ。各政党も、国民に選択肢と自らの方向性を示すべきだ。

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2008年5月30日 (金)

「自衛隊機中国派遣見送り」の報に

「中国が自衛隊機派遣要請」という見出しをみて、「ぜひ派遣すべし」とフライングで感想を述べてしまったが、結局は派遣見送りだそうだ。

たしかに日本海軍による重慶爆撃は、ゲルニカや広島・長崎に先立つ、無差別都市空爆の世界史における嚆矢であったという指摘もあるわけで、町村官房長官ばかりでなく、森田自身も、そこまで一気に乗り越えることができるような期待を持った不明は恥じなければならないと思う。

とにかく、今は自衛隊派遣の可否などはサイドストーリーに過ぎないので、中国のニーズにどうすれば最大限に応えることが出来るかに意識を集中すべきだろう。

それにしても、自民党の一部に「中国は失礼だ」といったもの言いが聞かれるというのは呆れてしまう。相手の悪口を言うよりも、例えばアメリカの軍用機は、かつてはユーゴの中国大使館誤爆事件や偵察機の強制着陸事件などもあった米中の軍同士の関係を乗り越えて、すでに救援物資を運んでとっくに中国に飛んでいるという現実を直視すべきだ。

つまり、残念がるなら「ぜひ来てください」と言ってもらえるような信頼関係を構築できていないことを残念がるべきなのだ。小泉首相の靖国参拝で、アメリカが米中関係の信頼構築に努めた5年間を、わが国は空費してしまったことのツケがまわってきているだけの話と考えるべきだ。とにかく、繰り返しだが、今はそんなことより何をすべきか、何が出来るかに集中すべきだろう。

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2008年5月28日 (水)

中国の「自衛隊機派遣」要請に驚く

第一報を聞いて驚いた段階での感想だが、まず結論から言えば、飛べる輸送機とヘリコプターを全部提供してでも要請に応じるべきだと思う。

驚いたのは、阪神大震災の時のわが国と同様に、外国の援助受け入れには全く不慣れであるように見受けられ、また日本の「軍」だの日の丸には強いアレルギーがあるに違いないと思いこんでいた中国から、日本の「軍」用機の派遣要請があったことだ。

背景には、おそらく中曽根元首相のような人々から中国政府に売り込みがあったのではないかと想像する。そう言えば、空自のOBでイギリスの危機管理会社の顧問として中国に駐在している人がいるという話を聞いたこともあるので、そういった「民間」レベルの中国政府への助言もあり得ると思う。

森田は基本的に、社会の中でミリタリーの占める位置が大きくなることに賛成ではない。しかし、ここは「自衛隊のセールスマンたちに乗せられているかな」という懐疑を持ちつつも、彼らが日頃語っている「自己完結で外に出て役立てる組織は、日本では自衛隊だけ」という点に当たっている面もあると思う。実際に役に立てる可能性は大きいのではないか。

法的には「国際緊急援助隊法」といったことになるのか?とにかく名古屋高裁で違憲判決が出たような、アメリカの戦争を手伝うための海外派遣ではなく、まさしく要請を受けての災害救援派遣だ。

政府間の調整などに、なかなか大変なことはあるのかもしれないが、ニーズに最大限応える派遣が、迅速に行われることを期待したい。この問題では、ひょっとすると森田と安倍晋三氏あたりは同じ意見ということになるのだろうか。それとも、中国に軍事機密が漏れるから慎重にと言うのだろうか。

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2008年5月21日 (水)

クラスター爆弾国際会議-NHK山澤記者のレポートに違和感

おととい5月19日(月)、ダブリンでクラスター爆弾の禁止を目指す「オスロ・プロセス」の最終合意をめざした会合が始まった。小型爆弾を多数ばらまくクラスター爆弾は、一昨年、イスラエルがレバノンに侵攻した際に使用され、戦闘が終わって軍隊が撤収したあと多数残った不発弾の事故で、多くの子どもたちが亡くなったり、手足を吹き飛ばされたりしたことで、かつての「対人地雷」と同様、人道的観点からの廃止論が高まった。

「オスロ・プロセス」は、対人地雷の時のカナダ政府の役割をノルウェー政府が買って出たもので、この「有志」のプロセスには対人地雷の時と同様に、アメリカ、ロシア、中国といった国々は参加していないが、志ある国々の政府と国際NGOが連帯して、具体的な措置を動かし、国際世論も動員することでこうした国々をも動かそうというものだ。

各紙で報じられている通り、一方ではアメリカ、ロシアなど禁止に反対でこのプロセスに参加していない国々があり、その反対にノルウェー、中南米諸国など全面廃止に積極的な国々、そしてその中間に「部分禁止」を主張する英仏独などの国々がある。

それでは、わが国、日本政府の立場がどうかと言えば、朝日新聞2008年5月20日付3面の記事では「日本や英仏独などは‥『信頼性が高く、正確なものは除外すべきだ』という立場を取る」と書いている。さらに毎日新聞の同日付は英独仏は「最新型」のみを例外とすることを主張しているのに対し、日本は現在保有するものを持ち続けることを前提に「不発率が実戦で10%以上もあるとされる現有の『改良型』の堅持を主張している。国連の軍縮関係筋は『日本の主張に同調しそうなのはフィンランドくらいだ。逆に、他の部分禁止派と全面禁止派の溝は狭まっている』」と報じている。

現段階での日本政府は、当時の小渕外相が政治決断する以前における「対人地雷」の時と同様、アメリカにおもねる外務省と、軍事力維持の面だけから廃棄に反対する防衛省が積み上げてきた、いわば霞ヶ関のお役人たちボトムアップで形成された政策を主張することに止まっている。自民党政権が長く続きすぎたせいか、そこに憲法第9条の理想などかけらも見あたらない。福田さんにも、せめて小渕さん程度の大所高所からの政治的な判断を期待したいものだ。

ところで、このことを報じた2008年5月19日放送のNHK・BS1の「今日の世界」(22:15~)において、スタジオからの原稿読み上げと字幕では、わが国が英独などとともに「全面禁止」には反対し、「部分禁止」を主張していることを紹介していたが、現地からの山澤里奈記者のレポートでは、わが国がどういう立場をとっているかという話がスッポリ抜け落ちていた。これでは極右の経営委員長とは逆の意味で「どこの国のニュース番組なの?」ということになってしまう。「合意をめざすノルウェー政府代表が部分禁止を主張しているイギリスやドイツの政府代表を訪ね、妥協点を探っている」というだけの原稿は、「日本は全面禁止に反対している」という事実の印象を、作為的に薄めようとしているのではないかと感じた。

NHKの国際部記者が、外務省の役人や自民党の一部政治家と良い関係を築いておきたいというのは処世術かもしれないが、あまりに「アメリカ政府に最大限に媚びを売り、日本国民にはそのことを最大限覆い隠しておきたい」一部外務官僚に操作されていることが見え見えで、その思惑通りの放送をしているのでは公共放送の使命を果たしていることにならないと思う。

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2008年5月19日 (月)

ハマスとも、イランとも対話を

ブッシュ大統領が中東歴訪で「ハマスは和平の障害」などと発言し、ヒズボラとも対決姿勢を示しているという。そもそも、選挙はもう少し先に延ばしたいというアッバス大統領に対し、ブッシュ政権が「早期総選挙」を無理矢理押しつけたのが、総選挙でハマスが勝利する要因の一つだったのだ。自分で原因を作っておきながらよく言ったものだ。

政権末期で「業績」を残したいために、イスラエル=パレスチナ和平問題に取り組んでいると言うのだが、いくらイランのアフマディネジャド大統領が「イスラエル抹殺」などの過激発言をしているからとは言え、イラン軍事攻撃にはっきり反対していた中央軍司令官を更迭するなど、ブッシュ=チェイニー路線は政権が終焉するまで有毒ガスを発し続けているようだ。

ネタニヤフ政権時代に一度だけイスラエルに行ったことがある。帰国するとモサドじゃないかなという感じのイスラエル大使館の人がやってきて「東エルサレムがパレスチナ国家の領域になるという考え方をイスラエルが受け入れているわけではない」と強調していたが、現地エルサレムで会った、ユダヤ教過激派のテロで亡くなったイツァーク・ラビン首相の息子さんなどは、われわれから見ても常識的な、リベラルな考え方の人だった。

イスラエル建国60年ということで、イスラエルのいろいろ立場の人々のことが新聞やテレビで紹介された。どの国にもごりごりの頭の悪い「右」は存在する。イスラエルにおいては極めて強い。でもラビン氏の子息のような、まともな人々も少なからず存在するので、こうした人との連帯の輪を広げていくことは大事だと思う。ブッシュの前には、カーター元大統領が政権の反対を押し切って、シリアでハマスの指導者と会談したと言うが、こうした「対話」以外に問題解決に近づく方法はない。

一方、イランも「核開発支持」「反米」の保守派が圧倒的に強いとは言え、一般市民のレベルでは密かに「アフマディネジャドは勘弁してほしい」という空気も根強いと言う。森田はイランと対話するというオバマ氏を支持する。

同時に、アメリカの民主党系の人も「アメリカにとってイラン問題は、実はイスラエルの安全の問題」と率直に話してくることを勘案すると、わが国としてはイランに対して「アメリカのイラン攻撃には反対。NPTの範囲内なら、核の平和利用の権利も理解する」と言った上で、「ただし『イスラエル抹殺』は過激すぎるので、そういうことを言うのはなんとか止めてほしい」と直接に働きかけることが大事ではないか。

中東1課も2課も頑張っていることは知っているけれども、カーター元大統領や、悪い方で活躍しているブッシュ大統領に比べ、日本は中東情勢において「不在」を続けているように見える。

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2008年5月15日 (木)

内田樹氏の「頭を冷やせ」になるほど。

東京は久しぶりに良い天気。昨日までコートを着て、事務所近くまで地下鉄を乗り継いだのに、今朝は日よけにキャップをかぶって外苑東通りをウォーキング。事務所に入ると、やはり昨日まではモーツァルトの短調のピアノコンチェルトなぞを聞いていたのに、今日はベートーヴェンの交響曲第3番『英雄』、往年のジョージ・セル指揮クリーブランド管弦楽団の演奏CDなど久しぶりにかけてみる。

ここのところ、チベットのことで中国に対して批判というよりは誹謗中傷する連中に頭に来て、特に聖火リレーをデモで妨害する行為に対する反発から、カッカと来ていろいろ言いながら、なんとなくスッキリしない気分でいたところ『毎日新聞』2008年5月12日付夕刊で内田樹氏の「争いがとりあえず決着するために必要なのは、‥当事者の少なくとも一方が(できれば双方が)、自分の権利請求には多少無理があるかもしれないという『節度の感覚』を持つことである」「『いいから少し頭を冷やせ』というメッセージが政治的にもっとも適切である場面が存在する。そのような『大人の常識』を私たちはもう失って久しいようである」という論を見た。

いつも内田氏の議論は面白いと思うが、今度も第三の視点を出すとすればこういうことかとなるほどと思った。ただし、内田氏も「そんなことは言っていない」と言われるだろうが、森田としては21世紀に入ってからのわが国の政策の方向性の誤りについて批判し、代替プログラムを模索することを「自制する」つもりは毛頭ないけれども。

【以下は、毎日新聞2008年5月12日夕刊より内田樹論文 =『内田樹の研究室』より=】      

オリンピックの聖火リレーをめぐる騒動を眺めていて、いささか気鬱になってきた。何か「厭な感じ」がしたからである。何が厭なのか、それについて少し考えたいと思う。
 熱い鉄板に手が触れたときに、私たちは跳びすさる。「手が今熱いものに触れており、このまま放置すると火傷するので、すみやか接点から手を離すことが必要である」というふうに合理的な推論してから行動するわけではない。たいていの場合、私たちはわが身に何が起きたのかを行動の後に知る。
 聖火リレーにまつわる「厭な感じ」はそれに似ている。
 だから、この論件については、誰の言い分が正しく、誰の言い分が誤っているというような「合理的」なことは申し上げられない。それは「厭な感じ」が議論の内容ではなく、論を差し出す仕方のうちに感知されているからである。語られている政治的言説の当否は私にとっては副次的なことにすぎない。
 私が「厭な感じ」を覚えたのは、たぶんこの政治的イベントに登場してきた人たちが全員「自分の当然の権利を踏みにじられた被害者」の顔をしていたせいである。
 チベット人の人権を守ろうとする人々も、中国の穢された威信を守ろうとする人々も、聖火リレーを「大過なく」実施したい日本側の人々も、みな「被害者」の顔で登場していた。ここには「悪者」を告発し、排除しようとする人々だけがいて、「私が悪者です」と名乗る「加害者」がどこにもいない。
 そんなの当たり前じゃないか、と言われるかも知れない。権利を主張するということは「被害者」の立場を先取することなのだから、と。
 まことに、その通りである。「本来私に帰属するはずのものが不当に奪われている。それを返せ」というのが権利請求の標準的なありようである。それで正しい。困ったことに、私はこの「正しさ」にうんざりし始めているのである。
 近代市民革命から始まって、プロレタリアの名における政治革命も、虐げられた第三世界の名における反植民地主義の戦いも、民族的威信を賭けた民族解放闘争も、つねに「被害者」の側よりする「本来私に帰属するはずの権利の奪還」として営まれてきた。
 私たちが歴史的経験から学んだことの一つは、一度被害者の立場に立つと、「正しい主張」を自制することはたいへんにむずかしいということである。
  争いがとりあえず決着するために必要なのは、万人が認める正否の裁定が下ることではない(残念ながら、そのようなものは下らない)。そうではなくて、当事者の少なくとも一方が(できれば双方が)、自分の権利請求には多少無理があるかもしれないという「節度の感覚」を持つことである。エンドレスの争いを止めたいと思うなら「とりつく島」は権利請求者の心に兆す、このわずかな自制の念しかない。
 私は自制することが「正しい」と言っているのではない(「正しい主張」を自制することは論理的にはむろん「正しくない」)。けれども、それによって争いの無限連鎖がとりあえず停止するなら、それだけでもかなりの達成ではないかと思っているのである。
 私が今回の事件を見ていて「厭な感じ」がしたのは、権利請求はできる限り大きな声で、人目を惹くようになすことが「正しい」という考え方に誰も異議を唱えなかったことである。「ことの当否を措いて」自制を求める声がどこからも聞こえなかったことである。
 「いいから、少し頭を冷やせ」というメッセージが政治的にもっとも適切である場面が存在する。そのような「大人の常識」を私たちはもう失って久しいようである。

(毎日新聞2008年5月12日付夕刊)

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2008年5月14日 (水)

朝日新聞記事「五輪の囚人」(4月28日付)

最近、新聞を読んでいて「えッ」と思った記事があった。それは、中国で当局批判を行って投獄されたり、そうした人々を助ける弁護士の活動を報じたものだった。一昨日、池上彰さんのコラムを読んでやっぱりメモしておこうと思った。

森田自身も、基本的人権の尊重されるべきことは人類普遍の原理であると思っている。また日本国憲法の定めるところにより、わが国も国家としてそのような立場であるはずである。ここに報じられたような事実があるならば、メディアがこれを報道するのは当然のことだ。「えッ」と思ったのは、申し訳ないことに中国駐在メディアは、当局の目を恐れてこのような報道は自己規制してしまうだろうという先入観があったからだ。

以前、故田中角栄元首相の葬儀に際して、ある政治家が読んだ弔辞について田中真紀子代議士が「父の全てを語って下さいました」と礼を述べた。実は、その弔辞を担当した歴史観に欠け、空気ばかり読むライターは、田中角栄氏の事績を振り返る弔辞から「ロッキード事件と裁判対策としての自民党闇支配」については全て欠落させていた。

昨年の温家宝首相の国会演説、先般の胡錦涛主席の早稲田大講演で「日本の戦後の歩み」が高く評価され、ODAへの感謝も述べられた。「タブー」は破られた格好だが、これら首脳スピーチが歴史の流れを語る際に言及が避けられるのは、『大地の子』が中国で放送されなかった原因とも考えられる「文化大革命」と、6・4天安門事件だ。しかし、実はここを抜きに中国の本当の歴史を語るのは難しい。

こうしたことが率直に語られるようにというのは、当面の外交課題というのとは少し違うだろう。しかし、とにかく「五輪の囚人」を取材した記者や、この記事の掲載を決断したホネのある人々の頑張りが助けとなって、いつの日にか、中国の人々とこうした20世紀後半、あるいは21世紀初頭の「歴史」についても構えることなく本当のことを語り合える日が来るといいなと思う。

【以下は『朝日新聞』2008年5月12日付夕刊be4面の池上彰氏によるコラムの写しです】

(池上彰の新聞ななめ読み)「五輪の囚人」 記者の怒りと勇気、感じる

 新聞記事の中には、これだけの内容に仕上げるには、さぞかし苦労があったのだろうと思わせるものがあります。最近では、「北京百日前」企画のひとつである「五輪の囚人」が、そのひとつでした(4月28日朝刊)。

  中国で、「北京五輪に巨費を投じるより人権状況を改善してほしい」という署名活動をしただけで、「国家政権転覆扇動」の罪で懲役5年の判決を受けた男性。逮捕された後、拘置所でベッドに手足を縛りつけられたまま食事や排泄(はいせつ)を強いられたという。この男性は、「五輪の囚人」と呼ばれる。
 人権活動家を支援する弁護士が、「公安」と名乗る4人の男に拉致され、3日間も監禁されたという。
 別の弁護士は、逮捕されている活動家の面会に行く途中で暴漢に襲われ、重傷を負ったが、警察は取り合ってくれない。
 中国国内で相次ぐ事件の数々を伝えています。「共産党独裁政権の弾圧を恐れずに人権や民主、法治、言論や信教の自由などを訴えているのは活動家だけではない。彼らを支援する弁護士も、身の危険にさらされながら闘う」と北京の朝日新聞記者は書きます。
 活動家の弁護をする弁護士は、弁護士の業務を停止させられたり、本人自身までもが国家政権転覆扇動罪に問われたりする危険があるというのです。
 こうした事実を、中国の報道機関は報じません。報道機関自らが、共産党中央宣伝部によって統制されているからです。
 「権力は党に集中する。その幹部に不正がはびこる。メディアは沈黙する。大衆が不満を募らせても、党批判は断罪されかねない。罪に問われた被告を守ろうとすれば、弁護士にも身の危険が迫る。
 これが中国の現実だ」
 記事には、記者の怒りが滲(にじ)んでいます。しかし、報道の自由がない中国で、日本の新聞記者が、こうした現実を取材すること自体、当局の妨害を受けるはずです。電話が盗聴されていることを前提にして、取材対象に迷惑をかけないように配慮しながら、取材の連絡を取り合う苦労。
 当局にとって都合の悪いことを書けば、その後、陰に陽に嫌がらせを受けることが容易に予想できる中で、ペンを鈍らせることなく、どこまでのことが書けるのか。
 この記事を書いた記者は、きっと中国の弁護士たちの行動に勇気づけられて、ペンをとったのでしょう。その記事を読むことで、私たちもまた、勇気づけられるのです。

(朝日新聞2008年5月12日付夕刊be4面)

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2008年5月13日 (火)

民主党の「平沼赳夫氏との連携」には賛成できない。

四川省で大規模な地震があり、大きな被害が出ているという。被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げると共に、日本政府も有効な支援に力を尽くしてほしい。

さて、毎日新聞の2008年5月12日(月)付朝刊2面に、「合い言葉は反自民-政界再編へ『野人の会』」という見出しの囲み記事が出ていて、国民新党の綿貫民輔氏と平沼赳夫氏の顔写真が二つ並んで載っている。

週の初めから変なものを見てしまったという気分だ。まずは、第3極なんてものは現段階で国民にとっては不要だ。必要なのは、今の連立与党から、今の野党にスッキリ政権交代が実現することで、アメリカ一辺倒の戦争協力路線と、弱者切り捨ての新自由主義路線からの「転換」を明確にすることだからだ。野党にはそういう旗をまずしっかり立ててもらうことが必要だが。そもそも第3極などというものを必要としているのは、参議院のコントロールを取り戻したい自民党の方だ。

平沼氏というのがそもそも気に入らない。綿貫氏なんて者も前議長として偉そうなこと言っているのがプレーアップされているが、宮沢内閣時の自民党幹事長として政治家としては全く無能であることをさらけ出した「みんなで靖国神社に参拝する会」の神主さんに過ぎない。もっとも、国民新党については亀井久興幹事長がテレビで話していることが党の路線であるとするなら、外交ハト派、マクロ経済重視の保守中道路線と言えるわけだが。

平沼さんは「極右」ですよ。いまの後藤田代議士と故後藤田正晴代議士との関係に似たような血縁関係にあり、義理の祖父になっている戦前の平沼騏一郎首相は、戦前の構図の中でも「右」と言われた人で、米内海相や山本五十六海軍次官が体を張って抵抗した「日独伊三国軍事同盟」を強力に推進しようとしていた首相在任時に、ヒトラーが突然ソ連と不可侵条約を結んだことにパニックを起こし、欧州情勢は「複雑怪奇」とって政権を投げ出してしまったような人だ。

平沼氏のこれまでの言動を見ると、極右体質も、情勢判断能力の欠如も、まさしく「おじいさん」の生き写しだ。以前「民主党の早期問責提出は、麻生太郎内閣への交代の引き金になり、そうすれば中川昭一、安倍晋三らがもれなくついてくる」というようなことを書いたが、平沼氏はイデオロギー的にも、もれなくついてきそうだという点でもこのご一統なのだ。

民主党はこんな平沼氏の選挙に協力するため、同氏の選挙区への候補擁立を見送っている。民主党岡山県連は、昨年当選した変な参議院議員の擁立など、ちょっとおかしいのではないか。

とりとめないこと書いてしまったが、kojitakenという方が書いておられる「きまぐれな日々」というブログの民主党は平沼赳夫一派との連携を模索するな(5/3)、タカ派政治家の劣化(5/12)、平沼赳夫首相」の悪夢(5/13)が参考になると思います。

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2008年5月11日 (日)

葉千栄氏の胡錦涛主席来日に関する感想=上田紀行氏を迎えた番組で=

胡錦涛主席の来日について、5月8日(木)放送のCS朝日ニュースター『ニュースの深層』におけるキャスター、葉千栄氏のコメントが興味深かった。

葉氏は、日中友好6団体主催のレセプションに日本側(!)の出席者の一人として列席したそうだが、「もし中国にいたら、雲の上の人で絶対に姿を見ることがなかっただろう」という胡錦涛氏のナマで見る印象の第一は、「腰の低い人だ」というとだったそうだ。演壇に上ると3方向に向かって一度づつ、3回お辞儀をするるこれは毛沢東以下のかつての中国のトップのイメージからは想像できないと言うのだ。

それを聞いたゲストの上田紀行氏が「(ギョーザ、チベットなど)いろいろまずいから、低姿勢だったんじゃないの」と混ぜ返していたが、葉氏は中国にいる友人たちと電話で感想を交換していたようで「聞いてみると中国での共産党の会合でも同じだそうです」ということだった。

葉氏の感想の第二は、胡錦涛氏は他の指導者に比べ非常に「親日的」なのではないかという印象を持ったということだ。胡耀邦時代の青年交流の話は、今回の訪日の報道を通じて多くの人々が再び共有するところとなったわけだが、日本と中国の両方のカルチャーを肌で知り、ジャーナリトストとして「人」と話し、「人」を見続けてきた葉氏の観察にはさらに重いものがある。

10年前に来た江沢民前主席は、宮中晩餐会に人民服で現れ、日本側が「反省と謝罪」を明記しなかったからと文書に署名しなかった。5年後や10年後の指導者は、アメリカ一辺倒かどうかはともかく、日本などは全く先進国グループのワンオブゼムとしか見ないだろうことを考えると、今回の「10年ぶりの中国国家元首来日としての胡錦涛主席来日」について、日本側は大きなチャンスを逃してしまったのではないかと言う気がしてくる。

葉氏の感想の3つ目は「こんなことここで言っていいかどうか」と声をやや潜める葉氏のいつものスタイルで、胡錦涛主席に続いて演壇に上がったのが令計劃(れいけいかく)中国共産党中央書記処書記・党中央弁公庁主任、王滬寧(おうこねい)党中央書記処書記・党中央政策研究室主任の二人であり、葉氏流の表現で「たいへん偉い人」である戴秉国(たいへいこく)国務院国務委員、楊潔チ(ようけつち)外相、武大偉外務次官(六カ国協議代表)らが、この二人に対しもたいへん遠慮して、一歩も二歩も下がっていたのが印象に残ったということだった。

葉氏は、5年後の中国指導部の一端を垣間見た気がするというが、一方で腹心・令計劃氏はともかく、王滬寧氏は葉千栄氏が上海の大学で演劇を専攻したり、新劇俳優だった時代には「復旦大学の国際政治の先生に過ぎなかった」ので意外感があったようだ。これもクレムリノロジーの一種だろうが、分析の視点を持ち、データ観察を積み重ねてきた人の話だけに、記憶に止めておきたい。

なお、NHK・BS1が放送した早稲田大学での胡錦涛主席講演を報じる中国中央電子台のニュースの映像も、まず「令計劃主任と王滬寧主任」の二人、ついで「戴秉国国務委員、楊潔チ外相」の二人を映し出していた(ただし同時通訳の音声は「令計劃主任、戴秉国国務委員らが同行」としていた)。

ちなみに、早稲田講演は恐らく王滬寧氏の「監修」だろう。戦後日本に対する肯定的評価、ODAなどの支援に対する感謝などはすでに昨年四月に温家宝首相が国会で演説した内容に含まれていたので、驚くような内容だったわけではないが、温家宝演説が素晴らしい内容ながら、おそらくさまざまなリサーチの結果、助言などを盛り込みすぎて、全体の構成がややゴシック的な感じになっていたのに対し、胡錦涛早稲田講演は清朝末期の留学生たちのことをはじめ歴史的な視点を織り込みながらも、シンプルな流れでまとめられ、結語に早稲田構内の演劇博物館の「世界は舞台」というシェークスピアのことばを引き「世界という舞台で共に役割を演じていこう」とまとめる洒落たものだった。

番組のゲスト・上田紀行氏は、最近ダライ・ラマとのインタビューを本にしていて、胡錦涛来日についても、例えば「唐招提寺などで胡錦涛主席を接遇する仏教関係者は、チベットのことを強く言うべきで、日本にもそれくらいの気概がなければ」といったことを言っていた。それはともかく、上田氏と葉氏が、チベットの歩みについて詳しく論じていくのを聞くのはたいへん参考になった。ダライ・ラマは柔軟な思考と反射神経を持つ、たいへん興味深い人物のようだ。聞いていて、中国にとっても、ダライ・ラマが死ぬのを待つのではなく、対話する方がよいのではないかと思った。

もっとも、日本の「仏教界」に対して上田氏はかいかぶりないしは無理なプレーアップがあるように思う。全国の僧侶の大半は、通夜・葬儀と法事に時間の大半を過ごしており、うんと偉いお坊さんたちの「世界宗教者平和会議」などへの参加などは例外として、平和の問題、貧困の問題はじめ社会問題との関わりに、鎌倉時代、あるいは江戸時代以前の仏教関係者が持っていたような真剣な関わりの片鱗も感じられない。

上田氏は、そういった問題にも関心を持ってきているのは知られている。チベット問題を、カンフル剤として日本仏教の(葬儀業ではなく宗教としての)再興につなげようというセンスは、政治的には正しい計算と言えよう。ただ、結果として日中関係の健全な発展を阻害する反中国扇動に流れないようにお願いしたいものだ。

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2008年5月10日 (土)

「フリーチベット!」より、日本企業による人権侵害=外国人研修・実習 不正=を糺すべき

「フリーチベット」を叫ぶ人々を見て、人権問題に関心を持ち、行動する若い人々がたくさんいることを知り、たいへん結構なことだと思う。

こういう人々には、外国の政府がやっている人権侵害を安全地帯から批判するだけではなく、ぜひ自国の企業がやっている、また自国の政治・行政がそうした行為を事実上作り出したり、放置している「外国人研修・実習の不正」といった問題にも目を向け、行動してほしい。

その辺が、本当に「人権」に関心があるのか、ただ安倍晋三たちのように外国の悪口を言って劣情を満たし、あるいは「右」の世論に阿って政治基盤を拡大しようとしているだけなのかのリトマス試験紙になるだろう。

チベットの人権について、人類社会の一員として発言し、行動することはよいことだ。しかし、それ以前に、日本企業が行っている、また日本政府がそれを事実上手助けしている問題については、日本国の主権者である日本国民は、直接に責任を負っているからである。

こうした人権侵害を放置しているのは日本の恥だ。外国人労働者の処遇問題は、経済がらみで自己の利害にはねかえってくる可能性があるからと目をそらし、自分は何の痛みも感じない「フリーチベット」にのみ狂奔するのは、愚かなだけでなく、卑怯だ。

【以下はNHKニュース原稿貼り付け】

外国人研修・実習 不正が急増

5月10日 6時32分
法務省は、外国人が日本の技術を学ぶ「外国人研修・実習制度」で、研修生らを不当に安い賃金で働かせるなどの不正行為があったとして、去年1年間で前の年のおよそ2倍の449の企業や団体に処分を行いました。

「外国人研修・実習制度」は、平成5年に、日本の技術や技能を発展途上国などへ移転するために設けられましたが、安い労働力を確保する手段として使う企業があとを絶たず、法務省入国管理局は、企業への立ち入り調査を増やすなど指導を強化しました。法務省のまとめによりますと、その結果、去年1年間に不正行為があったとして処分を受けたのは449の企業や団体に上り、前の年のおよそ2倍に増え、過去最高となりました。このうち、残業の割増賃金を支払わないなど不当に安い賃金で働かせていた企業などが175と最も多かったほか、中には、研修生らが逃げ出すのを防ぐためにパスポートや預金通帳を強制的に取り上げるなど、悪質な人権侵害に当たるケースもあったということです。政府は、現在の制度には問題が多いとして来年までに見直すことにしていますが、法務省は「制度の見直しと並行して、企業側に対する指導もさらに強化していきたい」と話しています。【NHK】

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2008年5月 8日 (木)

イエメン論議は「A」、対中外交強硬論は「C」=フジテレビ朝ワイド『トクだね!』採点=

フジテレビの『とくダネ!』は、アンチ中国の国民感情に棹さすばかりで、結局1930年代から40年代に戦争を煽ったメディアのDNAをまさしく継承していると大いに不満。上村某というう元新聞記者に「安倍首相は靖国に行くかもしれないと脅しをかけながら中国と駆け引きしたが、福田首相はダメ」などと言わせているのを聞くとがっかりする。

もっとも、イエメンの誘拐事件についての小倉智昭氏はじめレギュラー陣の論議を聞いていると、なかなか座談のレベルは高いと思う。古代のシバの女王の伝説から、最近の天然ガスが出るまで中東でも非常に貧しい国だったことの紹介、岩上安身氏の「日本の女性と驚くような危険なところで出会うことがある」という注意喚起や、サウジ出身といわれるアルカイダ幹部も、ルーツはイエメンにある場合が結構あり、「貧困」がテロの背景にあるという解説は適切だ。岩上氏の対中強硬論には、結果として中国内の江沢民のような保守強硬派を利することになると思うので賛成できないが。

小倉さんも「パンダ以外に何か成果はあるのか」というのは、僕から見れば悪態だが、小倉さんのチームがテレビに出ている人々の中ではかなりいい方だというのも事実。中国の人たちには「ましな方でもこういう感じよ」と教えることで、参考にしてもらうことにするか。ところで、昨日出ていたデーブ・スペクターという人は、だじゃればかり言っている人かと思ったら、日中をめぐる国際政治論などはバランスがとれた見方をしていると思った。高木美保さんは、いろいろなことで良い意見を言っているが、対中外交については空気に流されて強硬論を煽る方に回っている。テレビで煽るより、中国政府に直接助言するようにした方がいいんじゃないか。ちょっと残念。

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2008年5月 7日 (水)

連休中の国際ニュースから

事務所で連休中の国際ニュースをまとめてザッと見る。フランスのフィヨン首相は訪米して英語で講演「フランス風のイントネーションを楽しんでいただきたいと思いまして」。別に「大統領の母」もインタビューに登場しており、就任一年の共同インタビューで国営テレビのニュースキャスターに「どうしてあなたの改革は失敗したのか」といきなり突っ込まれていたサルコジ大統領の盛り上げに必死。

韓国の李明博大統領も支持急落はサルコジ氏の後を追っている感じ。若い有権者が、目先の変わる活気ある「右」の大統領を選べば局面が良くなると錯覚して、政策の方向性が間違っていたり、曖昧だったりする指導者を選ぶと、大いに落胆することになるという例。わが国は同じ轍を踏みたくない。

その韓国のニュースで、「北」が核放棄を印象づけるため寧辺原子炉の「冷却塔」を自分で爆破する準備があるというものに少し驚く。韓国のテレビや新聞は、日本のメディアや官僚から見ると「飛ばしすぎ」らしいが、小渕内閣の頃「韓国メディアは飛ばしすぎ」と役人たちが言っていた羽田-金浦のシャトルはちゃんと飛んでおり、米朝が思いの外進んでホントにならないとは限らないだろう。

胡錦涛主席の非公式晩餐会の松本楼は、日本で革命運動をやっていた孫文を支援していた人の末裔が経営者。餃子、ガス田も大切だが、刹那的にならずに100年の視点を持っていくことも大切だろう。過去100年の前半は日本の侵略が重いが、「欧米列強からの自立」という観点から辛亥革命に協力した日本人もいるのだ。明るい面を掘り起こして、今後の100年を展望したい。

【以下はリンクした胡錦涛首席、孫文、松本楼関係の毎日新聞夕刊記事の貼り付け】

胡・中国主席:来日 日中交流秘史に光 両首脳、東京・日比谷の松本楼で夕食会

 ◇「国父」孫文支えた梅屋庄吉しのび

 福田康夫首相は6日夜、胡錦濤国家主席を東京・日比谷公園内のレストラン「松本楼」に招き、非公式の夕食会を開いた。警備が難しい都心のオアシスをあえて会場に選んだのは、松本楼にまつわる日中近代史の「秘話」に光を当てようという双方の計算があった。

 中国民主主義革命の先駆者で「国父」と呼ばれる孫文(1866~1925年)。その政治活動を物心両面から支えた梅屋庄吉という日本人がいたことは、あまり知られていない。松本楼の経営者は梅屋の末裔(まつえい)にあたる。

 実家が長崎の貿易商だった梅屋は、19世紀末に香港で2歳年上の孫文と知り合い、その革命思想に深く共感する。日本活動写真株式会社(日活の前身)を設立し映画事業で財をなした梅屋は、孫文に多額の資金援助を繰り返した。さらに梅屋夫妻は孫文と宋慶齢との結婚を仲介し、東京・大久保にあった梅屋邸で披露宴を催したという。

 2人の友情は群を抜いていたが、梅屋は「孫文トワレトノ盟約」について「一切口外シテハナラズ」と遺言したため、貴重な資料は長く公開されることがなかった。

 夕食会では、梅屋のひ孫にあたる松本楼常務の小坂文乃さん(40)らが孫文ゆかりの羽織や宋慶齢の手紙などを両首脳に披露した。胡主席にとって、孫文をたたえることは、中国共産党とともに抗日戦線を担った国民党の再評価につながり、現在の台湾で国民党を率いてきた馬英九・次期総統への前向きなメッセージになる。台湾との和解プロセスというわけだ。

 福田首相にとって松本楼は、父・赳夫元首相が三枝夫人と結婚式を挙げた場所。自然な形で日本人が辛亥革命を支援した歴史を振り返り、中国の対日感情に訴えることができるメリットがあった。

 年1回の「10円カレー」で有名な松本楼は1903年、日比谷公園と同時に開業した。松本楼の創業者である小坂梅吉の孫と、梅屋の孫が後に結婚したため、梅屋の資料は小坂家に引き継がれた。小坂さんは「両国のトップにこの歴史を伝えることができて光栄です」と話している。【古賀攻】

毎日新聞 2008年5月7日 東京夕刊

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2008年5月 3日 (土)

憲法記念日に思う=転換必要、改憲不要=

朝日新聞の世論調査では「9条改正 反対66%、賛成23%、差が拡大」という見出しを見て、結構なことだと思う。志ある人々の踏ん張りがあったし、安倍前首相が在任中の昨年3月に「従軍慰安婦に強制の証拠なし」と国会で答弁したことで、米民主党主導のアメリカ議会どころかブッシュ政権の逆鱗に触れて失速した敵失あたりが一つの転換点だった。参院選の結果も大きい。

それでも憲法改正が「必要」とする人が56%なのに対し、「必要ない」が31%にとどまるのは、森田としては大いに疑問あり。

日本は今、路線の転換を必要としている。ブッシュ・チェイニー路線にひたすら追随して戦争を手伝おうという外交安保路線の「転換」、「構造改革」を謳い文句に労働者の賃金を引き下げ、アメリカ頼み、中国頼みの見かけ上の好況にあぐらをかいて福祉・環境重視の内需振興への転換を怠って時間を空費してきた経済政策の「転換」が必要なのだ。

日本国憲法は、国民主権、議会制民主主義、自由から生存権までの基本的人権の尊重、平和主義と、近代国家の基本法として申し分ないものだ。森田としても「行政文書の全デジタル化と完全公開」とか、「平時における外国軍隊の常時駐留禁止」などの改正を行うというのなら、結構なことだと思うが、いま必要な「転換」のためには改憲など全く不要であり、むしろ「日本国憲法の趣旨をより徹底させる」ことが必要なのだというのが現在の情勢認識であり、憲法改正などやっている暇はないと思っている。

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2008年4月23日 (水)

刑法改正による終身刑創設を

光市の未成年者による母子殺害事件に死刑判決。いくつかの意見を見たが、たとえばきっこのブログ「命でしか償えないこと」、逆に少数派を自称する反戦な家づくり「光市事件の不当判決について」の両方に共感を覚えてしまった。

「刑法改正による終身刑の創設」についてはどちらの派にも絶対的な否定論はないようなので、いつも微温的な森田としては「刑法改正による終身刑創設」を、神学論争決着以前に政策プログラムに乗せるべきだと思う。20年もすれば仮釈放になることもある「無期懲役」と「死刑」の落差は大きすぎるだろう。

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2008年4月22日 (火)

「高齢者医療新制度」=保険料で徴収するか、消費税で集めるか、累進税を充てるか=

年金からの天引きが始まったことも引き金か、という親子心中事件も起きて、高齢者対象の新医療制度への反発が厳しさを増している。

この制度設計の根底には「小泉・竹中」構造改革路線がある。高齢化で構造的に増える社会保障歳出についても他の政策経費と横並びで歳出カットが課され、厚生労働省はとにかく全分野での収支を改善するために「扶養家族になっている人にも保険料を課そう」「とりはぐれのないように年金天引きだ」と「小泉歳出削減路線」になんとか従おうとした結果出てきたのがこの制度である。

そして、この動きの背景にある考え方は「どんどん削れ。もうこれ以上削減されたらかないませんから、どうぞ消費税を引き上げて(社会保障費を確保して)くださいというところまで削れ」というのが小泉首相が言っていたと伝えられるところだ。これは森田がやや得意とする「翻訳」ではなく、本当にそう言っていたらしい。

そんな、死人まで出して社会保障の手当の必要な人々を恫喝し、増税を受け入れさせようというのが、小泉・竹中路線、またそれに同調する財務官僚たちの考え方だ。その一方で、ミサイル防衛システムという、やがて無用になり巨額経費を消費するだけの軍備競争はやっていこうと言うのだから、なんともはや、「軍備拡張、弱者切り捨て、愚民政策」の「右」全開の路線である。

困った状況に陥った人々が安心できるシステムを維持し、あるいは作り直していくことは必要だ。イデオロギー的に「小さな政府」を言うのではなく、本当に必要なシステムはどのようなものかを検討し、そのための財源について合意作りに努めるというのが本筋だろう。森田自身は、「インチキ小さな政府論」よりも、政府サービスの適正規模をしっかり検討し、その上で財源の確保についても国民合意の形成に努めるということが大事だと思う。端的に言って国民負担の上昇は説明でき、納得が得られる範囲なら選択肢から排除すべきではないと思っている。

ただし、国民負担には単純化すれば

①ひとり頭いくらと決まっていて、貧しい人ほど負担が重くのしかかる「保険料」、 ②消費に比例するので、低所得の人に負担が重いが、たくさん使う人がたくさん払うという面もある消費税、 ③税金は払う力のある人がたくさん払う所得税や法人税などの累進税

という三つの集め方がある。金持ちの味方の政府・与党から出てくるのは「保険料を上げるのが無理なら、消費税引き上げしかない」という、二者択一の選択肢だけだが、官庁と族議員が結託して設けている種々の特例措置撤廃、資産課税などの適正化といった方法も組み合わせるべきで、それらも含めてしっかり見直すというということが必要だろう。

2年前の制度改正時は、マスコミも「小泉改革支持」一辺倒でこの問題をわざと見過ごしていた。福田さんは「今になって騒ぐとは」という気分だろう。しかし、安倍政権ですら参院選の結果に恐れをなして半年導入を延期し、結局実施は難しいとも言われた制度変更を、強い反発を予想できずに導入してしまった福田さんの目測力は批判されても仕方がないだろう。

民主党は「ふざけるな」という高齢者の声に唱和していれば、当面の選挙にはいいのだろう。しかし、国の将来を考えるとそれだけでは十分ではない。社会保障、あるいは財政について「このように転換する」という原理、プログラムをぜひ整理して打ち出してほしい。

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2008年4月18日 (金)

「空自イラク活動違憲判決」に思う

名古屋高裁の「空自イラク活動違憲判決」(2008年4月17日)について、私は以下のようなことを思った。

【1】 「バクダットは戦闘地域であり、そこに多国籍軍の兵員を輸送するのは武力行使と一体になった行為であり、『特措法』にも違反し、違憲である」というのは、論理的で常識にかなった判決だ。この常識的な判決が「異例」と受け止められるのは、すなわち、通常は政府・与党に都合が悪い判決は、司法行政の中枢によって押さえ込まれていることの証左である。ほとんどの裁判官は「空気読み過ぎ」なのだ。そもそも、「司法試験には憲法第9条は出題されない」というあたりからおかしい。

【2】自衛隊の海外派遣と憲法9条の関係については、次の立場があり得る。

[A.一切認めない。] [B.国連PKO協力法に基づく、国連の一員としての活動に限定。]

[C.「周辺事態法」「イラク特措法」などに基づき、米軍をお手伝い。]

森田は 、宮沢内閣の段階における[B] の立場を基本にするべきであると考えている。[C]については橋本内閣の「日米共同宣言」で「アジア太平洋にお手伝いの範囲を広げよう」という発想が示され、小渕内閣の「周辺事態法」で法整備が行われた。小泉内閣のイラク戦争支持と派兵は、そういった積み重ねをさらにすっ飛ばした蛮行と呼ぶべきだろう。

[C]までやるのが「同盟国だから当然だ」「それくらいやらなければ日米安保が持たない」という意見の人も多いようだ。しかし森田は、それは必ず今度の「イラク戦争支持と派兵」のように、時の政権によって拡大解釈され、わが国自身のせっかくの「国際紛争解決の手段としての武力行使の放棄」という外交資源ともなる国家の原則を台無しにすると考える。

「日米安保条約」本体で、お互いに約束しているのは、「日本がアメリカに基地を提供する」ということと、「アメリカが日本を防衛すること」だ。アメリカがもし「守ってほしければもっとよこせ」「ショーザフラッグ、ブーツオンザグラウンド、もっと戦争を手伝え」という時に、歴代駐米大使のようにそのお使い走りになっていてはダメなので、「平時における基地提供と、事実上の無制限な自由使用だけではご不満ですか?条約以上のことについては、主権者の日本国民の声を聞く必要があります」としっかり主張し、国益を守ってもらわなければならない。

【3】軍事評論家の江畑謙介氏が「イラクに輸送目的で自衛隊を派遣した以上、何を運んでいるか他の国は関心がない。水や食料、燃料はいいが兵員や弾薬はだめなんて(今回の判断は)世界の常識と懸け離れている。兵員を運ばないことで自分の手が汚れないというのは自己満足だ」と判決を批判している(東京新聞)。

 江畑さんは兵器について、また軍事について豊富な知識を持った方だ。ここで言っておられることもファクトとしては当たっている。しかし、森田なら同じ指摘の上に立って「だからこそ、日本の輸送機の派遣自体、多くのイスラム圏、あるいは途上国の一般民衆から見れば、アメリカの戦争に荷担した敵対行為に見える。平和憲法の国だなどと言ってもインチキじゃないかと言われることになる」と言いたい。

江畑氏は続けて「世界貢献はこのような考え方では行き詰まるだろう。日本は食料自給率が低い。海外貢献せずに飢えてしまっていいのか」とコメントしている。江畑さんがどのようなご意見を持たれようとそれは自由だが、新聞社は誰に何を聞くかはもっと考えた方がいい。「世界貢献」といったことについてどう考えるかについてコメントをもとめるには、もっと適当な人がいそうである。

【以下は中日新聞の貼り付け】

空自イラク活動は違憲 名古屋高裁判決

2008年4月18日 02時28分

 自衛隊のイラク派遣は武力行使の放棄などを定めた憲法9条1項に違反するとして、全国の市民や元外交官ら約1100人が国に派遣差し止めや慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は17日、多国籍軍の武装兵士を輸送する航空自衛隊(空自)の活動について「憲法に違反する活動を含んでいる」として違憲との判断を示した。同項$について違憲の司法判断が示されたのは初めて。慰謝料などの訴えそのものは棄却されており、主文以外の判決文には法的拘束力はない。
 勝訴した国側は事実上、上告できず、原告側も上告しないため判決は確定する見通し。
 判決理由は、審理を担当した青山邦夫裁判長(退官)に代わって高田健一裁判長が代読した。

 判決は、現在のイラクの状況について「泥沼化していて、国際的な武力紛争が行われており、イラク特措法でいう戦闘地域である」と指摘。
 空自が米国からの要請を受け、2006年7月以降から実施しているバグダッド空港への空輸活動について、多国籍軍の戦闘行為にとって必要不可欠な軍事上の後方支援を行っていると認めた。
 その上で「他国による武力行使と一体化した行動であって、自らも武力の行使を行ったとの評価を受けざるを得ない」と述べ、「イラク特措法に違反し、かつ、憲法9条1項に違反する活動を含んでいる」と認定した。
 派遣差し止めについては「控訴人(原告)らに違憲な戦争の遂行や協力などを強制される事態にはなっていない」として、原告としての訴えが認められないとした。
 06年4月の名古屋地裁での1審判決は、派遣差し止めなどについて却下した。
 これまで憲法9条に違反するとの判断が示されたのは、1973年9月、札幌地裁で出された長沼ナイキ基地訴訟の判決だけ。長沼判決では、自衛隊の存在について憲法9条2項(戦力不保持)に違反しているとした。

<判決の骨子>
▼イラク、特にバグダッドはイラク特措法が自衛隊の活動を認めていない戦闘地域に該当する
▼空自による多国籍軍武装兵員のバグダッドへの空輸は、他国の武力行使と一体化した行動で、自らも武力行使したとの評価を受ける
▼空自の空輸活動は、武力行使を禁じ活動地域を非戦闘地域に限定した特措法の規定に違反し、憲法9条1項に違反する活動を含んでいる
▼違憲確認請求と差し止め請求は不適法。平和的生存権の侵害までは認められず、損害賠償請求は認められない
(中日新聞)

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2008年4月17日 (木)

「NHKスペシャルは格差や貧困に偏りすぎ」=自民党・世耕議員の偏向質問=

少し前になるが、3月31日に参院総務委員会でNHKの新会長を呼んでの参考人質疑が行われ、世耕弘成議員(自民党)が質問に立っていた放送をテレビで見た。たまたま自動録画をセットしている「視点論点」の時間を変更しての放送だったので目に止まったわけだが「NHKスペシャル」についての発言がちょっと聞き捨てならない感じがしたので参院の会議録から紹介したい。

「最近若干、この一年ぐらい気になるのが、どうもNHKスペシャル、看板番組、NHKが世の中に、今これが問題ですよ、世の中こっちの方へ注意をしなければいけないんじゃないかというような注意喚起の番組だと思っていますが、その内容がこの一年ぐらいどうも、格差の問題とかワーキングプアの問題とか貧困の問題、どうもそっちに偏り過ぎているんじゃないか。この問題も私は非常に重要だとは思いますけれども、しかし余りに内容としてそっちに偏り過ぎている」

「その背景にある厳しいグローバル競争の現状とか、あるいは中国が今世界でどうなっているか、アジア諸国が今世界でどうなっているか、日本のアジアにおける立場がどうなっているか、そういうことをもう少しスポットライトを当てる番組が不足をしているんじゃないか。これは私は感覚で申し上げているんではなくて、現場でも経済部とか国際部の人がいろいろ企画を上げてもなかなか通らないという声も私は聞いております。そういう中で、新会長として、こういった面についてもやはりビジネス御出身の立場としてもう少し重点を置くべきではないかということについてはどうお考えでしょうか」

これを聞いてみなさんはどう思われるだろうか。森田は、3度に渡る『ワーキングプアー』の放送などは、現実に起きている問題に警鐘を鳴らす、公共放送の使命を果たしたものであると高く評価している。森田には世耕氏の発言は「国民の多くが本当のことに気づくと困るからもっと工夫しろ。あんたは、せっかく我々が送り込んだ財界出身の会長なんだからうまくやれよ」と聞こえる。

もちろん、国会内で行われた逃げも隠れもしない政治家の発言であり、この発言について何か法的な追及を行うべきだといった話しではない。しかしひとつ言えることは、自民党という政党は、NHKについてこういう考え方であるということを、有権者としてよく認識した上で選挙権を行使したいということだ。

あの安倍晋三氏も、何の羞恥心もなく元気に復活してドイツに出張してメルケル首相と会談するそうだ。こういった人たちが、NHKをすっかりねじ曲げてしまわないうちに、一度自民党は5年くらいは野党にする必要があると思う。

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2008年4月16日 (水)

「問責決議可決は参議院の存在価値をなくすだけ」=小泉発言=を支持する

小泉純一郎氏は「外交」もダメ、「マクロ経済政策」もダメな政治家だが、多くの人が知るところでは「大衆操作」を最も得意とし、さらに森田の評価としては「政局」を極めて得意にする人だと思っている。

その小泉氏が後掲のNHK原稿のように「問責決議可決は参議院の存在価値をなくすだけだ」と野党を牽制しているという。小泉氏のねらいは、福田康夫総理を援護射撃することで派閥に貢献する姿勢を示しつつ、彼が元々持っていた「派閥を通じて政治的基盤を作り出す」という、「改革派政治家」とは違う「もう一つの顔」を発揮しているのだと思う。

冷徹な小泉氏のこと、予想もつかない展開となる場合を除き「歳入法案を衆院3分の2により再議決」 → 「問責決議が提出されて可決されようと、衆院解散はしない」 → 「問責決議可決なら、参院は完全に無視し、衆院3分の2で2ヶ月ごとの『再議決』を繰り返して国政を独裁運営する」と腹を固めているということだろう。現に報道された発言の中で「もし問責決議案が可決されれば、福田総理大臣や大臣も参議院に出て行く必要はなくなる」と言っている。本来は「出たいのに出席させてもらえない」というのを、開き直って「出なくていいなら結構」と切り捨てるつもりだ。

そんなことは許されない?いやいや、掟破りの「地頭力」が小泉氏の本領である。これは半分以上本気だ。ただ、単にそうすることを決めているというだけなら、何も報道されるように公言する必要はない。小泉氏の狙いは、NHK原稿の言うように「問責決議提出」への牽制だ。つまり、小泉氏は自民党にとっての政局対処ということだけではなく、「福田首相を援護する」という姿勢を明確にしているのだ。

もちろん、小泉氏の「福田援護」は自分のためである。この動きを通じて、自らの権力のリソースを強化しようとしているのだ。「牽制」なぞすれば、民主党の「問責決議」提出の方向は強まるとも考えられるけれども、とにかく「自民党としては強行突破」、そして小泉氏自身としては「安倍再登板」や「麻生太郎政権」ではなく、「できるだけ福田を守りたい」ということだろう。

このブログで語ってきたことの多くは小泉氏に対する批判だった。しかし、ここは森田としても浅井の裏切りで北陸から大返しする織田軍のしんがり、羽柴秀吉に明智光秀や徳川家康が加勢した故事に習って、「小泉発言支持」を表明したい。

もちろん、森田の狙いは小泉とは別だ。森田の観点からすれば、ここで福田が総辞職に追い込まれれば、次の政権は麻生太郎政権だろう。麻生氏については、中国ばかりでなく韓国政府ですら強いアレルギーを示しているが、森田が知る限り、麻生氏は実はかなりバランス感覚、常識のある人だ。

ただ、この場面で福田から麻生にチェンジするということは、中川昭一、安倍晋三といった人々がもれなく付いてくるということを意味している。小泉・安倍時代にボロボロになった近隣外交がようやく落ち着いて来ているときに、また「極右」の政権を作るのは災厄ではないか。前にも書いたが、あの連中がまた衆院3分の2の権力を握って、来年の通常国会でもやった日には、とりかえしのつかないことになりはしないか。

だから、民主党にとって賢明な策は、自民党内の「右」や「道路族」が福田に後ろから斬りつける口実を与えないために、特定財源問題では自民党と折り合い、少なくとも参院採決で否決して両院協議会に持ち込み、参院の問責は出さないのがいちばんいい。そのことで福田と取引し、「7月解散」「9月解散」などがもし確実に勝ち取れればいいではないか。

森田好みのカードとしては、「福田首相VS岡田民主党首」が政権交代の可能性が大きいと思う。「麻生太郎首相VS小沢一郎党首」では、「まさかの政権交代逸機」ということになるのではないか。

【以下はNHKのホームページより】

小泉氏 問責決議案でけん制

4月16日 19時43分
自民党の小泉元総理大臣は16日、大阪市で講演し、税制関連法案の取り扱いに関連して、民主党が参議院に福田総理大臣に対する問責決議案の提出を目指していることについて、「問責決議案に法的拘束力はなく、参議院の存在価値をなくすだけだ」と述べ、けん制しました。

この中で小泉元総理大臣は、与党が税制関連法案を衆議院で再可決した場合に、民主党が参議院に福田総理大臣に対する問責決議案の提出を目指していることについて、「問責決議案には法的拘束力はないし、もし問責決議案が可決されれば、福田総理大臣や大臣も参議院に出て行く必要はなくなる。そんなことになれば参議院は存在価値をなくすだけだ」と述べました。そのうえで、小泉氏は「気にいらないからと言って問責決議案を出すというのは、権力の使い方を知らない。たまたま参議院選挙で勝って権力を使いたい気持ちもわかるが、問責決議案を出せば、国民から問責を受けるのは民主党だ」と述べ、民主党をけん制しました。さらに、小泉氏は「こういうときに突っ張り合っていてもどうにもならない。今は、話し合い、譲り合い、妥協し合ってよいものを作っていこうという時代だ」と述べ、与野党がよく話し合うべきだという考えを示しました。

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2008年4月12日 (土)

「物価高はしょうがない」(福田首相)は間違い。過去10年の主要国指導者が引き起こした人災だ。

福田首相が、恒例の新宿御苑における「桜を見る会」で「まあ、いろいろありますよ。物価が上がるとか、しょうがないことはしょうがないのだから、耐えて工夫して切り抜けていくことが大事だ」と発言したそうだ(共同)。

「しょうがない」は間違いだ。食料品価格の上昇、エネルギー価格の上昇と、欧米の金融危機と信用収縮による景気後退などには、はっきりした原因がある。

端的に言えば、アメリカの「戦争」と「バイオ燃料推進」、またいかがわしい金融システムが生み出すバブルに依存した経済システムの破綻が原因となり、無責任な投機マネーにコントロールがきかないことが状況の悪化に拍車をかけているのだ。

日本など主要国の首脳は、それに歯止めをかけることができず、オールタナティブを示すことができなかった。特に日本は、今でも「イラク戦争支持」は間違っていなかったと公言し、「金融立国」なぞ幻想に過ぎないというしっかりした整理を打ち出せずにいる。いまだに「改革が充分でないからだ」などと寝言を言っている人がいる。

アメリカがITバブル崩壊後も続けた、住宅バブルと「証券化」などのテクニックを悪用した信用創造による好況は、破綻した。このアメリカのバブルと中国経済の成長に便乗するだけで、中身のない、あるいはせいぜい労働分配率を下げて企業の見かけ上の業績を上げただけの「改革」騒動の一方で、「内需拡大」につながる必要な政策展開を全くさぼってきた日本の政府与党中枢と霞ヶ関の罪は重い。

主犯はブッシュ政権と、小泉・安倍政権だが、「しょうがない」などと言って、起こっていることの原因についていい加減な情勢判断で済ませていては、わが国の将来はたいへんなことになる。ここは厳しい分析によって、何が間違っていたのかをまずハッキリさせるべきだ。

外交も、内需拡大に主眼を置いた経済政策も、そして現実に起こっている弱い立場の人々の状況深刻化にセーフティーネットをしっかり張ることについも、必要なことは「原理をハッキリさせた上での『転換』」だ。これは、総選挙で「なんとなく民主党中心の政権が出来ました」というだけでは充分ではないだろう。

「食料、エネルギー価格の高騰」、「金融システム動揺と世界大の景気後退」「日本の内需主導への転換の遅れ」「社会保障政策の機能不全」などについて、現状を厳しく分析し、「次の政権の4年間」で成し遂げる「転換」のゴールとプログラムを明確にし、自民党に変わる政権を形成する人々にそのような政策の採用を迫り、新しい政権に対する国民的な支持をとりつけるよう力を尽くす。

日本のリベラル派言論人、政治に関わるリベラル派の一人一人が、いま大きな使命を負っている。

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2008年4月10日 (木)

「とくダネ!」小倉智昭さんのチベット問題発言=チベットという地域は中国の領土の一部という言い方認める国際人はそんなにいない=は視聴者をミスリードする発言

チベット問題がクローズアップされている。森田は世界中のどこであれ、人権は守られるべきであり、民族自決権、民族文化は尊重されるべきであると考えている。チベットの人々の人権は守られるべきだし、中国政府はチベット民族の伝統文化を尊重し、より高度な自治を認めていくべきだと思う。これは「信条」の問題。

他方、現在の国際関係は、お互いがお互いの「領土、主権」を認め合う主権国家同士が、「お互いの主権を尊重する」という前提の下に外交関係を結んでいるというのが、平たく言った国際社会の基本ルールだと思う。これはかなりの程度の「現実」の問題。

この二つはオールオアナッシングではないが、矛盾することもしばしばである。小倉さんの番組中での発言は、リベラルな小倉さんだけに論旨の大方には同意できる。しかし、福田総理が「中国の内政問題」と発言するのを、「チベットが中国の一部という言い方を認める国際人はほとんどいないんじゃないか」と一刀両断にするのは、視聴者に日本政府がとるべき政策について誤った示唆を与えるのではないかと思う。

森田なら、「福田さんは中国の内政問題と言うけれども、国家間の関係としてはそうだということは認めるけれども、人権の問題は人類普遍的な問題なんだから、『内政問題であるというのは理解するが、私は、日本国民はチベットの人権が尊重されることを願っている』ともっと強く言うべきだ」と言うところだ。

国威発揚の聖火リレーにクールな視線を送るのは正しいのかもしれないが、暴力による聖火リレー妨害を容認するかのような姿勢も問題だと思う。イスラム教徒を弾圧する人々に甘く、たまたま批判されるべき対象がアジアの国家だとかさにかかってバッシングしてくる欧米メディアに引きずられるのはいかがなものかと思う。それでなくとも、中国は扱いの難しい国だ。欧米と違って、わが国にとっては引っ越せない隣組であり、今後の国益を考えた上でも戦略をもってつきあわなければならない相手だ。メディアにも賢明な対応を望みたい。

【以下は、番組中の小倉智昭氏の発言】

「日本政府、福田さんは『チベット問題は中国の内政問題だ』ということで、『友好的な話し合いをして下さい』と言うだけなんですよね。でも国際的に見ても、誰がどう考えても、チベットという地域はチベット民族のものであって、中国が言うように『中国の領土の一部』というような言い方を認める国際人は、そんなに僕はいないんじゃないかと思うんですよね。

今もう、チベット民族は言葉を奪われ、さらにチベット語の名前を奪われ、そして結婚問題だってね、中国男性とチベットの女性の結婚は許すけど、中国女性とチベット男性は許さないとか、結婚はね。仏教を弾圧したりとか、これで国際世論が黙っているわけがないですよ。

そういう状況でオリンピックをやって、聖火リレーはきれいごとでやっていいのかって思うのは誰しも一緒だと思うんですけどね。」

(2008年4月10日 8:00~「とくダネ!」=フジテレビ=」 家庭用録画の音声より)

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2008年4月 5日 (土)

キャンディーズ解散30周年イベントを目撃して

キャンディーズの解散コンサート30周年の「同窓会」に出かけてきた。当日朝の「天声人語」(後掲)に取り上げられたのにも驚いたが、後半登場して往時の映像と共演したバンドMMPの演奏ご機嫌で、楽しいイベントだった。

大里さんという方が構成を担当されたということだが、前半に30年前のコンサートの前半に洋楽が連続して歌われた場面(多くが未放送)をあまり加工せずに流していき、そのコーナーのしめくくり近くにアースウィンドアンドファイアーの「ファンタジー」が歌われたところで、はじめてパックステージのキャンディーズが仲良く楽しげにしている思い出の映像が映し出されるといったように、とてもセンスよく、本当の意味で「構成」されたイベントだった。

どうして解散30年後に、こうしたことが成り立つのか不思議の感に打たれた。大里氏自身がアミューズの会長を退く区切りのイベントと考えられたとのことで、「キャンディーズ」という人をハッピーにさせる、罪のないメモリーで音楽、映像、放送、イベントといった分野で力のある大人たちが、思いっきりのお遊びをしたというところだろう。大里さんの謝辞に大手広告代理店、放送局、芸能プロダクションなどの名が次々に上がったのを聞きながら「この世界も偉い人が多いんだな」などとも思った。

今、こんなイベントが成り立たせることができた、3つの条件といったものを考えてみた。ひとつは、キャンディーズそのものの性格だ。そもそも可愛くて面白い。映像出演の伊東四朗氏や小松政夫氏は3人が本当に仲が良かったこと、「ズンズンチャッチャ、ズンズンチャ」という毎週のギャグ的な振り付けも自分たちで考えて一生懸命に練習するなど、いつもまじめに全力投球という姿勢を絶賛、また吉田照美氏とともに特別MCを務めた大橋照子さんはキャンディーズのメンバーは「品が良かった」とコメント。昨今のタレントを思い浮かべながらなるほどと思った。

3人がファンを前に、また記者会見で語る場面を見て、さすがにミキちゃんの「変な大人になるよりは」というのには参ってしまったけれども、基本的にキャンディーズのメンバーは自分たちのことをよく知っていた、賢い人たちだったと言えるだろう。分をわきまえたミューズたちが、可愛くて面白いのだから、当時からまわりのおじさんたちは「一肌も二肌も脱いじゃうぜ」ということだったのだろう。つまり「神話」の核心部分に「真実」があった。それが昨夜のイベントを成り立たせた3要素の一つだ。

二つめは、全国キャンディーズ連盟や、それと同世代の人々が「何かを待っている」、自分を奮い立たせる何かがほしい。時に青春時代を振り返りたいという空気が存在するということだろう。

上は全共闘世代。これには正直言ってついていけない。でも、例えば政界でも「現場」はこの世代に牛耳られている。下は、「個」と「過剰同調」のないまぜになった世代。なんだか元気が出ない。

30年前。韓国はまだ光州事件より2年も前の朴大統領の暗い軍事政権の時代だった。中国は毛沢東主席が死去して文化大革命が終わる、改革開放がようやくはじまる貧しい時代だった。アメリカはベトナム戦後のリベラルに勢いがある時代だが、わが国はなにしろすでに「全国キャーンディーズ連盟」の時代だったのだ。

豊かに育った世代が、退廃に陥ることなく、キャンディーズや全国キャンディーズ連盟の無垢な心で、どんな時代を創ることができるのか。これは日本が先に直面している東アジアの新しいチャレンジであるのかもしれないし、昨夜のお祭りは、その現場に帰る前に「穢れ」(「気」の枯れ)を落とす「禊ぎ」だったような気がしてきた。

昨夜のイベントを成り立たせた3要素の最後のひとつは、「やろうと言い始めた人の『本気』」にあったのだと思う。

石黒謙吾さんとは、いつもやりとりがあるわけではないけれども、ほとんど初対面の四半世紀前から堂々と「キャンディーズの元追っかけです」と名乗っておられた。昨日、会場の様子を見て「これは、本当の、ホンモノだったのだ」と遅ればせながら痛感した。

思い立ち、まず大里さんという人に会いに行く。この面談先の選択は、石黒氏の素晴らしい政治的センスを示しているが、同時に、石黒さんのキャーンディーズおよび全国キャンディーズ連盟に対する「思い」がホンモノだったからこそ、大里さんに火がついたのだと思う。

 「人をハッピーにさせるホンモノ、キャンディーズ」、それに「本当にのめり込んでいるホンモノのファンで、同時に組織力、行動力のある石黒氏の存在」、「大里氏をはじめ、いまキャンディーズをもとめる空気の存在がホンモノであること」。この三拍子がそろって、昨夜のお祭りが成立した。

石黒氏は、最後にステージで「キャンデイーズは『私たちは幸せでした』と言って終わりましたが、僕たちは『僕たちは幸せです』と、未来形で語っていきたい」といった話をされた。一夜の夢を見せてくれ、また「ホンモノ」でなければ人は動かないよと暗に教えてくれたた石黒さんに心より感謝。

【以下は、『朝日新聞』2008年4月4日付コラム「天声人語」の貼り付けです】

 時代と切り離せない音や像がある。その端っこに、若くて熱かった自分がいる。落ち込んだ日など、私たちは時の引き出しから熱い記憶を取り出し、少しだけ元気になる▼70年代に青春が重なる方なら、耳目にキャンディーズを呼び出せるかもしれない。私事になるが、上京の春は「年下の男の子」、下宿を移った2年後には「やさしい悪魔」。どちらの旋律も、引っ越しのホコリの中で流れていた。彼女たちの解散から、きょうで30年になる▼旧後楽園球場での解散公演は5万人を集めた。紙テープで埋まったステージ。3人は最後の曲の中で「本当に、私たちは、幸せでした」と叫び、高く手を振り、抱き合って泣き、肩を組んだまま奈落に消えた▼ほぼ同じ場所で今夜、当時のファン組織、全国キャンディーズ連盟の有志らが企画した「大同窓会」が開かれる。約1万円の参加費には紙テープ10本が含まれ、2千人の働き盛りがあの日の映像に放つはずだ▼発起人に名を連ねる大手電機メーカー社員(52)が言う。「皆でアイドルを超えた存在にしようと燃えた4年間は、人生のベースになりました。それぞれ成長した全キャン連の仲間と集い、次のステップへの手がかりにしたい」▼解散宣言の「普通の女の子に戻りたい」は流行語になった。伊藤蘭(53)、田中好子(51)のお二人は今も芸能界に、藤村美樹さん(52)は家庭にいる。いずれも参加の予定はない。されどこよい、普通のおじさんたちが同時代の引き出しを合鍵で開け、少し元気になる。そしてたぶん、明日の日本も。

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2008年4月 3日 (木)

大阪、京都での「靖国 YASUKUNI」上映決定を歓迎する。

報道によると、大阪市淀川区の「第七芸術劇場」、広島市中区の「サロンシネマ」、京都市下京区の「京都シネマ」などが映画を予定通り上映することを決めたそうだ。自民党の稲田代議士一派の陰湿な圧力や、右翼の威圧には「屈しない」という姿勢を示されもので、高く評価すると共に連帯のエールを送りたい。

これらの館がリスクを負って使命を果たされようとすることに対し、皆で何か支援の方法を考えたい。

右翼の暴力に対しては、警察が法秩序を守る観点からもちゃんと役割を果たすことが大切だ。トップが基本姿勢を示すことが大切であり、かつて加藤紘一代議士宅が焼き討ちされた際には、小泉首相も、安倍官房長官も、一週間以上何のメッセージも発しなかったことがあったが、ここは福田総理および国家公安委員長から「言論の自由、表現の自由を暴力やいやがらせで損なおうとすることは、法秩序に対する挑戦であり、警察も毅然とした姿勢で臨むべきである」というメッセージが発せられて然るべきである。

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2008年4月 1日 (火)

NHKに映画「靖国 YASUKUNI」の放映を望む

「靖国 YASUKUNI」という映画が話題になっていたので、ぜひ見にいきたいと思っていた。上映予定館を調べたところ、便利なのはシネマート六本木というところなので、そこに出かけてみようと思っていた。

ところが、残念なが」ら「上映中止」ということだ。自民党の「右」が補助金の対象としておかしいというプレッシャーをかけ、映画館も右翼の威圧を受けたとか、それを恐れて「自粛した」などと言われている。

これを「あの2008年の桜の頃が、日本における言論の自由のターニングポイントだった」ということにしてはならない。

具体案が一つある。できれば地上波のチャンネル、次善の策としてはBS2でもよいので、NHKが放映することだ。

僕はNHKの視聴料をちゃんと払ってきた視聴者の一人として、事情があって映画館で見ることの難しい作品を見るチャンスがほしいという素朴な要望なのだが、同時に「いろいろな見方のある作品ですが、議論を深めるために放送します。視聴者のみなさんはどう思われますか」というスタンスでの放映は、公共放送の使命に合致していると思う。

もちろん、制作サイドでテレビ放映はビジネスの妨げだからいやだというのなら仕方がないが、そうでないなら積極的にNHKと対話されてはどうか。件の自民党・稲田代議士も、安倍前首相のお仲間ながら、言論の自由は守られるべきで、上映が不可能になることは望んでいないという趣旨のことを言っているらしいので、よもや放映に反対するということはないだろう。

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2008年3月28日 (金)

民主党(小沢一郎党首)よ、政局に賢明に対処せよ

小沢さんは「暫定税率即時廃止以外は認めない」という。ここで騒ぎを大きくしなければ、秋の党首選で今の地位を守ることが出来ないという判断なのかと勘ぐられている。

もちろん、けんかは勝たなければならない。しかし、「政局だけ」で年度末に多くの人々に余計な混乱を招いていては、民主党の政権奪取は危うくなるだろう。「どっちもどっち」という声がかなり広まっていることに気づいているのか?

たしかに、福田首相は昨日の会見で「道路財源の一般財源化」に踏み込み、党内の反発を買って自らの基盤を危うくしている。小沢氏としては、ここで福田内閣を総辞職に追い込み、自らが党首選を迎える前に解散に打って出そうな軽薄な「次期内閣」の誕生を待つということだろう。

しかし、党内基盤を危うくしてもロジカルな政策判断にカジを切った福田氏は、小泉元首相のように鮮やかに有権者のハートをつかむ才能はないにせよ、国民一般の支持を静かに、最低限度回復する可能性もあると思う。仮に福田内閣総辞職せず、秋の遅い時期まで解散もせずということになると、小沢氏の「保身」が、「民主党政権成立の可能性」を巻き添えにする恐れがある。

「軽薄な次期内閣」となっても、それは中川昭一氏らの影響力の強い「安倍亜流内閣」になる可能性が大きいのではないか。そんなものができて、また近隣諸国との関係を破壊し、解散もせずに来年の通常国会で300議席で安倍内閣のようなとんでもない立法を続けるリスクだって考えなければならない。

「ガソリン値下げで政局動乱」は、小沢氏特有の、政局の大読み違えになるのではないか。今の自民党がバカで、横着で、強欲で自分のことしか考えていないのは初めから判っている。民主党が同じようなことやっていてはせっかくのチャンスを逃す。賢明に振る舞うことで、勝利を確実なものにしてほしい。

「いつ、どういう形で行われるにせよ、衆院選で勝利して民主党中心の内閣をつくる」。民主党の戦略はそれ一本でいいではないか。「国対政治」で自民党に泥仕合に持ち込まれるのは、民主党に有利とは思えない。ここは鮮やかな「痛み分け」を演出すべき場面だ。

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2008年3月22日 (土)

リチャードソン知事のオバマ支持表明=マケイン対策にプラスになるだろう=

ニューメキシコ州知事のリチャードソン氏がオバマ候補支持を表明したことが、同氏が選挙の帰趨に大きく影響を与えるヒスパニック(スペイン語圏出身)であることから注目され、また同氏がクリントン政権でエネルギー庁長官、国連大使と要職を歴任したクリントン夫妻と最も近い政治家の一人であるため「サプライズ」とも受け止められた。

もっとも、最近の予備選報道を丁寧に見ていた人は気づいていたと思うが、ヒラリー候補、オバマ候補の両雄が予備選で獲得する代議員数がもしオバマ候補のわずかなリードのまま拮抗するといういちばん蓋然性が大きいケースの場合、連邦議会議員や党幹部で構成される「特別代議員」がそれを覆すことができるかという議論について、リチャードソン知事が「それは認められない」と発言していたため、その段階ですでに「サプライズ」と受け止めてた人は多いのではないか。

リチャードソン氏は、早くから「ヒラリー大統領候補の副大統領候補の一人」と目されてきた。すでにカリフォルニアやテキサスでオバマ候補がヒラリー候補に及ばなかったのは、ヒスパニックのクリントン夫妻支持が厚いというだけでなく、同じマイノリティーながらアフリカ系とヒスパニックの相性の悪さとでもいうものを感じた人も多いだろう。

リチャードソン氏は、党と国家の未来を考えてオバマ支持を表明したに違いないが、ひょっとするとヒラリー候補がオバマ氏取り込みのために「オバマ副大統領候補指名」を表明したことが、彼には自らを副大統領候補にはしないという意味であると聞こえたとしても不思議ではない。予備選撤退前の候補討論会の際に公衆の面前でヒラリー候補に「あなたはいい『副大統領候補』になるだろう」と言われたことも、見せた笑顔とは対照的に含むところがあったのかもしれない。大統領候補だって人間ですからね。

さてこのサプライズ、「オバマ対マケイン」となった場合、民主党大統領の誕生にはプラスが大きい。簡単に言えば、マケイン候補は「外交タカ派、内政ハト派」で、昨年夏に「ブッシュ大統領、マケインら共和党穏健派、最左派の民主党ケネディー上院議員」という連合が不法移民に比較的マイルドな法案を議会で推進し、両党の内政強硬派に敗れて法案が成立しなかった時に、ヒスパニックの間にはマケインの受けがとても良かったということがあるからです。

というわけで、11月の本選で帰趨を左右するかもしれないフロリダやテキサスで、マケインは共和党候補が他の候補だった場合に比べ大善戦が予想されたので、民主党候補はヒスパニック対策を強化する必要があり、オバマ候補の場合はそれがなおさらです。

陣営内部の情報にアクセスしていないのでわからないけれども、来年はオバマ大統領、リチャードソン副大統領という組み合わせかもしれません。その場合、朝鮮半島政策はクリントン政権のラインを継承するという可能性が大きいと思われ、これは東アジアの平和にとって好ましいことであると思います。

リチャードソン氏は、アメリカの銀行のメキシコシティー支店で20年近く働いていた父親が、メキシコ生まれの夫人の子供が生まれる時に、子どものアメリカ国籍を確かなものにするためにカリフォルニアに移住したといういきさつがあるらしい。森田は昨年にワシントンDCに行った際に、空港の書店で何気なく「Between Worlds」というリチャードソン氏の自伝を買ってきた。ホコリを払って読んでみる必要がありそうだ。

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2008年3月 3日 (月)

オバマ(次期)大統領は「逆レーガン」となるだろう。

2008年3月3日の午後、東京で見る米ABCテレビ番組「ジスウィーク」のラウンドテーブル後半は、もう「マケイン対オバマ」について双方の強み、弱みの分析という方向に話が行っていた。番組冒頭のヒラリー、オバマ両陣営選対幹部の「対決」におけるヒラリー陣営の「オバマ候補は演説だけ」という言葉はすでに痛々しい。

出演者たちのコメントを聞いたり、毎日新聞ワシントン支局の笠原敏彦氏の「増幅するオバマ神話」(3月3日付朝刊7面)といった記事を読んだりして思ったのは、オバマ氏は「逆レーガン」なのかもしれないということだ。

28年前、再選を目指したジミー・カーター大統領は、初当選時より得票数を延ばしながらロナルド・レーガンという俳優上がりの右よりのカリフォルニア州知事に敗れた。あの時囁かれたことばが「レーガン・デモクラット」ということばだ。

いちばん簡単に要約してしまえば、本来なら民主党支持層であるある若者たちが、レーガン候補に「未来」を感じ、超党派的な投票で「新しい」大統領を誕生させたということだろう。

超党派的な人気で誕生したレーガン大統領の政権は、マクロ財政政策においてこそ標榜していた「小さな政府」ではなく、大軍拡に伴う「赤字拡大」と規制緩和の組み合わせという伝統的な保守主義路線とは違う路線をとったものの、外交においても最高裁長官の任命をはじめとする社会面でも、結局のところ、簡単に言ってしまえば「右」の路線を突っ走った。

次期オバマ政権は、投票に向けたレトリックにおいても、就任演説においても、「統合」という超党派的なシンボルを掲げ、若い共和党支持層の支持も得て成立するだろう。

しかし、オバマ氏の政策を分析しているしている人々は「まさしくリベラル」と見ており、森田としてもオバマ氏が「逆レーガン」として、右の一部の支持も獲得しながら、アメリカ社会を、また世界政治を再びリベラルな方向に引っ張ってくれるのではないかと期待したい。

日本国内では、安倍晋三氏が森派に復帰し、派閥活動を再開したというアナクロなニュースも報じられているが、次期政権党である民主党は、また日本の政治全体を「ブッシュ・小泉時代」の破壊から再生に向け転換したいと考える心ある人々も、オバマ次期政権の誕生と世界政治の正常化という、ほぼ実現が確実な事態に呼応して、どのようなプログラムを示し、オバマ氏と連帯していくのか、その可能性を具体的に考えていくべきだ。

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2008年2月28日 (木)

イージス艦衝突事件=ゴーストップ事件を想起する必要あり。ミサイル防衛システム導入は見直しを=

イージス艦あたごが引き起こした衝突事故に関して、防衛省が捜査に当たる海上保安庁に連絡することなく、艦長を本省にヘリで呼び出して聴き取りを行っていたという。これはシビリアンコントロールにとって分水嶺であり、われわれはゴーストップ事件を想起しつつ厳しく始末にあたらなければならない。

簡単に言えば、自衛隊が市民社会との関係で違法行為を問われたときに警察の管轄下に入るのか、勝手に行動することが許されるかという重大な問題なのだ。

先にも触れたが、自民党の憲法改正案は軍事裁判所の創設を謳っている。今回の事件に当てはめていえば、「事件の捜査には憲兵隊があたり、裁判は軍事裁判所の管轄になるので、海上保安庁は引っ込んでいろ」という状況を作るための改正案だ。

私はそんなことは認めたくない。自民党には改正案の「改正」を望みたいし、そうしないなら、次の総選挙以降、永久に野党になってもらいたい。

防衛省、自衛隊の抜本的なネジの締め直しが必要であることに多くの国民が気づいたわけだが、とりわけ象徴的なのは進めつつある「ミサイル防衛システム」導入の取り扱いだ。

これは、防衛省内でも意見が真っ二つに割れていたと言われている。そもそも本家のアメリカでもクリントン前大統領は、対人地雷禁止条約や全面核実験禁止条約を推進する文脈の中で、一時は国連演説で「配備計画の延期」を表明するなどしていた。

しかしブッシュ政権が誕生し、イラク戦争の下手人でもあるチェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官がミサイル防衛を強力に推進する。わが国でも北朝鮮のミサイル発射や核実験に対する国民世論の沸騰を奇貨として、それに便乗する人々が多くなる。

そう言った中で、防衛省を牛耳った腐敗の権化である守屋前事務次官が強力に推進して配備を決定したのが「ミサイル防衛システム」であり、この巨費を要し、東アジアの核戦略にも微妙、というよりは、はっきり言って核軍備競争を激化させる要因となるシステムの現場を、どういう人々が運用することになつているかと言えば、今回の艦長だの見張り役だのといった人々と同じような人々なのだ。あたごがその尖兵であることは、広く報じられているとおりである。

「全ては艦長である私の責任です」と短いセンテンスで言い切れないエリート自衛官を見て多くの人が感じたと思うが、安倍晋三氏、衛藤征四郎氏あたりが鉦と太鼓で実現した「防衛庁の省昇格」など、きわめてナンセンスなことだった。

もうひとつ言えば、人命が失われた大事件だが、マスコミがこの事件を熱心に報道する一方で、たしかイラク戦争の際、海上自衛隊の幹部自衛官が、大臣にも内閣にも指示を受けていないのに、勝手に米海軍に連絡して「空母の出港時に、海上自衛隊のイージス艦が護衛に当たるよう、米海軍の方から要請してほしい」と頼み込んだといった話にはほとんど反応しなかったのは困ったことだ。

こういう軍人の政治的な動きは、軍艦の操船ミスによる事故などよりも国家の運命に悪影響を与える。

真珠湾攻撃の航空艦隊司令長官の南雲忠一という軍人がいる。この人は「日米交渉妥結の時は断固引き返すべし」という山本五十六連合艦隊司令長官に、「引き返せるわけがない」とタテつく一方で、第二次攻撃を見合わせて米軍の石油備蓄を温存させ、空母を撃ち漏らしている。ミッドウェーでは艦載機を「直ちに発進させるべし」という山口多聞少将の進言を退けて爆弾を魚雷に再びつけかえる作業をさせて大敗を招いた。

しかし森田は、南雲の大罪はそういった軍事面での無能以上に、元老東郷平八郎元帥まで担ぎ出してのロンドン軍縮条約反対運動の先頭に立って旗を振り、日本を愚かな戦争の路線を歩ませるお先棒をかついだことにあると考えている。この点で南雲が断罪されたことはないわけだが、同じようなことがいま繰り返されていないか、われわれは目を光らせる必要がある。

「ミサイル防衛システム」の洗い直し。イージス艦事故をきっかけとしてやるべき仕事の一番であると考える。

それにしても「亡国のイージス」という小説のタイトルを考えた作家は優れた時代感覚をしていると思う。

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2008年2月24日 (日)

町村防衛大臣、与謝野官房長官が良いと思う。

石破辞任後。町村官房長官では福田内閣が持たない。

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2008年2月21日 (木)

倖田來未さんバッシングに湯川れい子さんの一言

2008年2月20日付の『朝日新聞』朝刊17面の「声」欄に、音楽評論家 湯川れい子さんの以下の投書が掲載されていた。共感覚えたので、書き留め【全文引用】。

すてきなことみつけようよ

音楽評論家 湯川れい子(東京都世田谷区 69歳)

 歌手の倖田來未さんが「35歳をまわるとお母さんの羊水が腐る」と言ったとかで、CM打ち切りやメディアのバッシングを受けているようですけれど、結婚した仲間に「早く赤ちゃん産んだ方がええよ」と言った意味で、つい表現がすべってしまったということでしょう?

 確かに「腐る」という表現は感心できないし、間違っているとは思うけれど、ここまで鬼の首でも取ったように寄ってたかってバッシングするようなことでもないと思うんですけれど。

 それよりも、あまりに多くの添加物が環境ホルモンとして母体に影響を与え、年齢が高くなるほどリスクが高まるとも考えられているのですから、そういうことの方こそメディアは取り上げてほしいと思います。

 いずれにしても、寄ってたかって小さな問題をバッシング対象にするというのは、大人の社会までがイジメの体質を持ってきているようで、気持ちの良いものではありません。イヤなところを見つけて責めるより、もっと気持ちの良いステキなところをみつけてほめる習慣を、国も社会も身につけたいものですね。

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2008年1月11日 (金)

テロ特措法、衆院再議決=「恒久法」?まさか国会の事前承認を外すつもりじゃないだろうな=

インド洋で米艦などに無料で給油を再び行う法案が、午前の参院本会議で否決され、午後の衆院本会議で自民党、公明党の与党などにより、3分の2の多数によって再議決されることになった。

憲法に定める手続きに則ったことであり、再議決自体はやむを得ない。しかし、中身について考えると、こんなことのために「衆院3分の2による再議決」を使うのは、権力の濫用ないしは段取り能力欠如の露呈としかいいようがない。

正月のNHKラジオで寺島実郎氏が、最近訪れたワシントンで、日本と直接関わるセクションにいないアメリカの外交官や、ビジネスマンと話した際に、テロ特措法の話をすると「何のこと?」という反応で、事実関係を説明すると「それで、給油活動には何の意味があるの?」という反応だったそうだ。

外務省や、アメリカの「日本屋」の話だけ聞いていると、安倍前首相ではないが現実離れした話を信じてしまうことになりかねない例だと思う。

「再議決」の前から、政府与党首脳レベルの「だから(自衛隊海外派遣の)『恒久法』が必要だ」という発言がニュースで報じられている。まさか今回「再議決」する法案みたいに、国会承認の手続きを外すつもりはないと信じたいが、そこは一番肝心なポイントとして注視したい。

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2008年1月10日 (木)

「パナソニック政経塾」に改名?

例外もいるのだろうが、出身者の大多数が右よりの風見鶏、ロクでもない者たちであるあの塾も改名するのだろうか。いまだに田舎の知的水準の低い保守層には、何となく有り難がられているブランドイメージがあるので、改名はしないか。

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2008年1月 9日 (水)

カムバック果たしたヒラリー候補

米大統領選のニューハンプシャー州予備選で、民主党のヒラリー候補がアイオワの敗北からカムバック、「よもやの脱落か」から態勢を立て直し、「ヒラリー、オバマ2強」という情勢に持ち直した。

昨年初夏からのオバマ旋風を、民主党寄りのアナリストたちは「強い対抗馬が現れたことで、戦いを通じヒラリー候補が、本戦に向けてより強い候補になる」と歓迎していたが、最近のウィンフリー熱からアイオワの勝利にかけては「お灸が効きすぎている」感じだった。

オバマ候補の理想主義的な外交論は魅力的だ。もし大統領になればアメリカが変わり、世界が変わるだろう。でも、ブッシュ側近のローブ氏がオバマ氏に「ヒラリーを負かすには」というアドバイスを与えるコラムを発表したといった話を聞くと、彼などは「困難だけれども、本選挙でもし共和党が勝つ目があるとすれば、それは民主党候補が『アフリカ系』で『父親はイスラム教徒』のオバマ氏になった場合」と読んでいても不思議ではない。

とにかく、本選挙で民主党に勝ってもらわなければ困る。幸い、ヒラリー候補も、オバマ候補も、貧困層の立場にいちばん寄り添い、貪欲な大企業やロビイストたちと戦う姿勢を明確にしているエドワーズ候補も、三人ともいい候補だ。仮に3人とも断念に追い込まれる事態になっても、アル・ゴアという最強のスペアーが控えている。リタイアするであろうバイデン候補、リチャードソン候補(ヒスパニック系)も、良い国務長官、副大統領候補になるだろう。

共和党はロムニー候補はモルモン教、ハッカビーでは建国の父たちの教えに背いて神権政治になってしまう。トンプソンも箸にも棒にもかからないということで、宗教色の薄い安保の専門家であるマケイン氏が相対的に浮上しているが、決め手に欠けるようだ。

さあ、いずれにせよアメリカは変わる。われわれも、ちゃんと準備しなければならない。

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2008年1月 8日 (火)

行方不明となっていた岩田和輝君は、1月8日に無事発見保護

資料を片付けながら「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」という映画の放送録画を見る。ナチスの追及と死の恐怖にたじろがず、聡明な理性と優しい心に生き、状況に立ち向かい処刑された女子学生に、心から敬意を抱いた。

それに比べ、自分はなんと呑気な暮らしぶりと反省していたところに、横浜で行方不明になっていた、発達障害の少年が無事保護されたという嬉しいニュースがあった。

人ごととは思えず、でも何もできない自分にいらだちを感じてもいたが、他方、発達障害に関わる方々がメーリングリストなどで呼びかけ合う様子、あるいは朝のテレビのワイドショーで「発達障害」について情報をかみ砕いて説明しながら、視聴者に心から協力を呼びかけているように感じられたレポーターの様子などに、心ある人々が、ゆるやかにでも力を合わせようという空気が感じられ、「まだ日本も捨てたものではない」などと思った。

よい一年のスタートが切れたような気がする。

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2007年12月27日 (木)

「一人あたりGDP、世界18位」は政策の基本軌道が誤りだったことの証左

内閣府が26日発表した「国民経済計算」によると、93年に世界第2位だった一人あたりGDPが、06年にはカナダ、フランス、ドイツにも抜かれ世界18位に低下したという。これはこの間のわが国の採用してきた政策の基本コースに誤りがあったことが累積した結果と考えるべきだ。

世界のGDPに占める割合が低下し1割を切って9.1パーセントになったというのは、中国、ロシアなどの躍進を見ても、当たり前のことのように思うが、小泉政権に象徴される「新自由主義路線」を走ってきた政府や財界の基本路線が、彼らが暗に「福祉が行き過ぎで日本より効率が悪い」とほのめかし続けてきたフランスやドイツに遅れをとるような結果を招いたのだ。

正規雇用を派遣やパートに置き換え、賃上げを渋ることで人件費を削り、医療費の自己負担分を引き上げるなど低所得者に厳しい負担増を図ってきた今の政府・経済界の路線が、自分の首を絞めているのだ。

民主党の小沢一郎党首が、かつての新自由主義路線を改め、昨年春あたりから「格差」を問題にするようになったのは良い方向への転換だった。民主党にはさらに、負担すべき人々が払うべき税金を払うことで、福祉を充実して内需を拡大し、ヨーロッパにあまり遅れをとらないような、「ニュー社民主義」のような方向性、プログラムを確立し、示してほしい。

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2007年12月21日 (金)

平安時代、藤原仲成処刑以来350年近く死刑を停止したわが国の朝廷=『毎日』コラム「余録」より=

学生時代、大学にアムネスティー・インターナショナルのグループを作りたいという友人に誘われて参画した。アムネスティーが「良心の囚人」とよぶ、世間で言う政治犯の釈放に当局への書簡送付などソフトな「直接行動」を粘り強く進める団体の趣旨に強い共感を覚えたが、当時は「死刑廃止」の主張には違和感を覚えた。

フランス革命で大量殺人を犯し、奴隷の売買や虐待について明確な謝罪をしていないヨーロッパ諸国が死刑廃止を訴えることに偽善を感じる人も多いだろう。

しかし、死刑の実情についての新聞記事を読み、9・11同時多発テロの際に、報復の連鎖を避けるべきというヨハネ・パウロ二世の言葉に共感し、今もイラクなど世界の現状にその言葉の正しさを日々感じている自分としては、「人類には、死刑を正当化している原始的な段階に止まる人類と、死刑を止めたより進歩した人類の二種類がある」と考えるようになっている。

アメリカでは、1970年代の最高裁判例変更で多くの州で復活した死刑が、最近のニューハンプシャーのように一部の州で再び廃止される動きがあるという。あのアメリカでも、州によっては死刑を廃止しているのだ。日本は、それでも中国やイスラム圏と同様に死刑制度を続けるのか。

そんなことを考えていたら、毎日新聞の12月20日付のコラム「余録」で興味深い事実を知った。保元の乱で藤原信西が復活させるまでの平安時代、天皇家25代、350年近く、わが国では死刑が停止されていたというのだ。余録子も言っているが、こんな例は世界にもまれだろう。仏教思想の影響が指摘されるが、とにかく「死刑廃止」はわが国と天皇家の、世界に誇るべき伝統なのだ。

「死刑」を続けるのか。それは、われわれがこれからどのような社会を作っていくのかという大議論の中にしっかり位置づけ、タブーとせずに議論していくべきだと思う。

【以下は、12月12付『毎日新聞』コラム「余録」の写しです】

余録:死刑停止

 「死罪を行えば海内(かいだい)に謀反(むほん)の輩(ともがら)たえず」は「平家物語」の平重盛の言葉だ。保元の乱の際、天皇家25代にわたって長らく行われなかった死罪を藤原信西(しんぜい)が復活させたのを批判する。清盛に死罪を思いとどまらせるためだ▲信西は後の平治の乱ではその報復を受けることになった。重盛はそこで仏教的な因果応報を説くのである。実際に朝廷は810年の藤原仲成(なかなり)の処刑以来、350年近くにわたって死刑判決があれば減刑し、事実上死刑は廃止されていた▲背景には仏教思想があったものの、たとえ仏教国であれ何であれ、こんな長期にわたり死刑を停止した例は世界でもあまりないだろう。その復活をもたらしたのは武家の台頭で、それから850年もたてば日本も世界もまるで様変わりする▲国連総会は死刑執行の一時停止を加盟国に求める決議案を賛成104カ国で採択した。ここでの日本は米国や中国など53カ国とともに反対票を投じ、棄権は韓国など29カ国である。決議の背景には、死刑廃止にむけた国際的圧力を強める欧州連合(EU)などの働きかけがある▲「死刑停止」といわれても、昨今の凶悪犯罪の冷血、被害者遺族の無念を目の当たりにすれば、とても受け入れられないという方が多かろう。ただ凶悪犯罪は日本だけでないのに、この30年間で一挙に100カ国以上も増えた死刑廃止・停止国である。その経験や、掲げる価値を踏まえた論議はもっとあっていいように思える▲裁判員制度では市民が死刑判決にかかわる局面が生まれる。死刑の現実を見つめ、人間の罪と罰をめぐる深みのある考察が求められる今だ。平安時代ほどの論争もない方がおかしい。

毎日新聞 2007年12月20日 0時01分

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2007年12月20日 (木)

国会は古森NHK経営委員長を呼ぶべきだ。

NHKの古森経営委員長(富士フイルムの持ち株会社の会長)が、強引な委員会運営でホコリをたてているようだ。複数の経営委員が公の場で委員長が世間に説明していることと違うことを言っている。公共放送であるNHKの経営委員会が、強引な運営によって偏った方向に引っ張られていることを伺わせる事態である。

NHKが、イデオロギー偏向によってねじ曲げられてはならない。とにかく、経営委員の承認権を持つ国会は、古森氏を呼んで、事実関係を聞くことからはじめ、委員会の公正な運営を確保する努力をすべきである。

【以下は東京新聞の記事の貼り付け】

NHK経営委員が委員長批判会見 求められる説明責任
2007年12月20日 朝刊

 NHK経営委員会の菅原明子委員、保ゆかり委員が十九日、会見を開いて、次期NHK会長選出をめぐる古森重隆委員長のやり方を批判した。経営委員が公の場で委員長への不満を述べるのは前代未聞の出来事。「強引で、看過できない」(菅原氏)というのが理由だが、両氏の説明と古森氏のこれまでの発言は、事実関係で食い違いが目立つ。両氏の批判を受けて古森氏は「一方的な運営をした事実はない」と反論しているが、説明責任を果たす必要があるのは間違いなさそうだ。 (小田克也)

 「威圧的で、議論を封殺する」。両氏は、古森氏の議事運営をこう言い切った。

 その具体例として、経営委員による指名委員会(13日)の模様を取り上げ、「新会長についてNHKの内部から起用するのか、それとも外部からか」という議論のスタートがそもそもおかしく、人物本位で選ぶべきだと意見を述べたが、古森氏に聞き入れられなかった-と主張した。

     ◇

 これまでの会見で古森氏は、十三日の指名委員会で各委員に次期会長の候補者を挙げてもらうと述べていたが、菅原氏によると「(事前に)そういう働きかけはなかった」という。

 NHK会長は放送法に基づき、全国八地区から選ばれた八人と地区に関係なく選ばれた四人の計十二人の経営委員中、九人以上の議決により選出する。要するに多数決で選ぶのだが、「委員長は、できれば採決しない方向を考えていた」と菅原氏。これが事実とすれば、放送法との整合性の点で疑問符がつく。

 菅原氏は「(13日の指名委員会後の会見で)古森委員長は、外部からの起用に反対だったのは一人と言ったが、正確には答えを保留したのが二人、内部からの起用がいいと言ったのが二人いる」と説明。

 放送法によれば、会長が任期満了を迎えても、新会長が任命されるまで在任することになる。

 従って、古森氏が意中の人物を提案しても「(経営委員の)四人が反対に回れば、現執行部が残る確率はある。(内部、外部からの起用以外に)第三のオプションとして、それもあり得ると思っていたが、委員長は会見で、そのことも説明していない」とも述べた。

     ◇

 古森氏の議事運営がおかしいと思うなら、両氏は記者会見を開く前に委員会の場でただすべきではないのか。十九日の会見でこう記者団に問われた菅原氏は、「委員会は議論できる状況にない。この方法しかなかった」と語った。「委員長は声が大きかったり、自分の意見を強く推されるので、思ったことが言えない」とも。「委員長に議事録をテープに残して公開してほしいとお願いしているが、人事案件だから、と言葉を濁している」と不満をあらわにした。

 九州・沖縄地区選出の保氏は、「特定の候補を推薦しない委員もいる。(委員長に意中の人物の)名前を公表してほしいといっても公表してもらえない。地方にいる者などは、いきなり二十五日に言われても判断できない」と、困り顔だった。

 こうした両氏の批判に対し古森氏は、次期会長選出について、「すべての委員から意見を聴取の上、少数意見にも配慮し、今後の議論の対象とした。各委員からの個別の推薦もさらに呼びかけていた。両名の意見についても十分に議論し、経営委員会としての機能を果たしていく」などとするコメントを発表。批判は当たらないとの考えを示したが、矛盾点についてはあらためて説明する必要がありそうだ。

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2007年12月15日 (土)

公明党太田代表の防衛費削減案を支持する

連立与党である公明党の太田代表が、来年度の防衛予算について、最近の水増し請求事件などを踏まえ徹底的に精査して減額すべきであり、さらに平成21年までの5年間にに24兆円を支出するとしている「中期防衛力整備計画」についても来年夏までに大幅に見直すべきであると発言しているが、支持したい。

防衛調達は割高である。また小泉「改革」ブームの時も、小泉氏らは祖父の小泉又次郎逓信相が参画していた浜口雄幸・民政党内閣がロンドン軍縮条約調印など軍事費削減に力を入れたのと対照的に、巨額な支出を要するミサイル防衛(MD)の開発参加、配備を決め、またイラク戦争支持、自衛隊派遣など「アメリカのお手伝いと海外派遣重視」の軍備増強路線をひた走った。

生活保護を事実上切られて餓死する人が出、障害者や高齢者医療費の自己負担を増やす一方で、軍事費だけは聖域にし、あげくのはては守屋夫妻の醜い腐敗事件である。自民党に自浄を期待するのは難しいだろうが、福祉と平和の党であるはずの「公明党」が、黙っていていいはずがない。テロ特措法の衆院再議決は、公明党の協力がなければ不可能だ。次期衆院選だって、自民党は公明党の力を借りなければ過半数維持も難しいだろう。

公明党がスジを通すならば、連立政権の軌道はましな方に修正されるだろう。もし、自民党が公明党の意見を無視するならば、一般の国民は公明党が連立を離脱し、今度は民主党と組むことになっても、あまり強い違和感は持たないだろう。他方、ただただ自民党の後をついて歩き、いざとなると説明のないまま連立の組み替えに走ろうとするなら、厳しい批判を招くことは免れないだろう。

公明党頑張れ!ととりあえず言っておこう。

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2007年12月13日 (木)

大阪府知事選、自民党の狂った人選

きっこのブログが言っていることに尽きていて、言い足すことなし。核武装論者の阿倍晋三氏を首相にしてしまった自民党であるとはいえ、「憲法改正して核武装すべきだ」などという人物に知事選出馬を要請すべきではない。

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2007年12月12日 (水)

民主党は人事も含めた本格的な政権構想提示を=解散は想像以上に遅い可能性も=

福田首相と自民党がいつ衆議院を解散するかについては「油断させて意表を突く」という「戦術的」な判断もあり得るので断言できないが、今のところメディアで報じられている関係者の言動から予測すると、内閣としても自民党としても「法案、とりわけ予算関連法案が参議院で否決されても、衆議院で再議決できる『与党3分の2議席』をできるだけ手放さない」ということを基本に据えている可能性が高いと思う。

テロ特措法については、参院選前に教育基本法改悪などはあきらめて優先していれば、あるいは参院選直後に、長期の臨時国会を開いて強行採決を重ねれば、仮に参議院で民主党が2ヶ月採決しなかったとしても、切れ目なく派遣を続けることができたわけで、給油艦が戻ってきたことは、全て安倍前総理の自滅によるものとはいえ、民主党は勝利を収めたと言える。

しかし、公明党も解散時期についての暗黙の了解と引き替えに再議決を了承したらしい今後は「衆院3分の2による再議決」については、所与の条件として考えなければならないだろう。

「越年引き延ばし」は、「経済情勢が難しい中で悪い影響が大きい」と与党は宣伝する。かつて細川内閣が小選挙区制導入を最優先して越年国会を設定したときには、現実に経済情勢に悪影響を与えた。

ここは、民主党の考えを国民に明確に示す一方で、テロ特措法の早期採決により否決することが良いと思う。引き延ばしより、夏か秋、またはもっと先になる総選挙に向け、次期小沢一郎内閣の主要閣僚の顔ぶれと優先的に実現する政策を、メリハリをもって打ち出すことに重点を移すべきではないか。

なお、少し前に『朝日』の社説が書いていたが、イラク撤退法案を早々に採決してしまったのはやはりもったいなかった。小泉純一郎元総理を参考人に呼ぶことも含め、対イラク開戦支持表明が本当に良かったのか、徹底的に洗い直すということをなぜやってくれなかったのか。そこに期待していただけに残念だ。「参院多数」をどう活かすか。民主党も「戦略」をしっかり持ってほしい。

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2007年12月11日 (火)

消費税を「社会保障税に」=朝三暮四効果で金持ち優遇税制を目論む自民党税調会長発言=

週末のテレビでも、自民党の津島税調会長が「消費税は社会保障税に」と発言したと報じられている。

この話を聞くと「社会保障の費用は高齢化で増えるし、消費税をほかの目的に使われるよりも、使い道を限定した方がいい」と思う人がいるかもしれない。

だまされない方がいい。社会保障の費用が増えたときに、その財源をどの税金に求めるかを考えるときに、本来ならば資産課税、複雑な企業向け優遇税制の整理、高額所得者がより多く負担する所得税なども検討対象にすへきなのに、「消費税」の名称を「社会保障税」に切り替えれば、「社会保障の増加分は第一義的に消費税で賄うことを国民合意にしたのだから、消費税アップで対応すべきだ」という話に換骨奪胎されていくだろう。

私は、適切な水準の社会保障水準を確保するために、増税は必要かもしれないと考えている。しかし、それをすべて「消費税で賄う」と決めるような、金持ち優遇税制の導入に道を開くことには反対だ。

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2007年11月30日 (金)

「防衛省改革会議」報道の不思議

誰がどういう基準で人選しているのかが出ていない。福田総理が官邸に設けるという「防衛省改革会議」のこれまでの報道だ。

政府与党中枢、つまり結局は役人と自民党のボスたちが都合のいい顔ぶれを人選し、都合良く運営しようということは初めからわかっているわけだが、だからといって新聞やテレビ報道がブリーフィングを受けたままを回覧板のように配信し、放送していていいわけがない。

もっと国民に「よく見えるように」。報道はその使命に応えてほしい。

なお、国会。特に野党が多数を占める参院は、官邸お手盛りの「防衛省改革会議」に遠慮する必要などさらさらない。さっさと特別調査会を設けて、国政調査権を充分に発動し、参考人質疑、証人喚問も含め気張ってほしい。

なお、内閣の「防衛省改革会議」は「機密保持の徹底」を3本柱の一つとするという。「焼け太り」は奴らのお家芸である。なにせ、普通選挙法に治安維持法を抱き合わせた連中の直系の「子孫」たちのやることだ。監視の目を緩めてはならない。

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2007年11月26日 (月)

ベジャール氏逝去

連休中にモーリス・ベジャール氏死去の訃報を聞く。20年近く前、一度だけベジャールバレエ団のNHKホールでの公演の客席に足を運んだ。

当時、ソ連崩壊以前で、ゴルバチョフ氏のペレストロイカと新思考外交に強く触発されたベジャール氏が、旧レニングラードのバレエとの交流をきっかけに創作した出し物がメインで、「歴史」「時代」に敏感だった、20世紀型の芸術家だった。

もっとも、バレエ公演にめったに足を運ぶことのない身としては、まだ存命中だったジョルジュ・ドンと、美しい、美しいロシアの女性バレリーナによる『悲愴』の第四楽章によるデュエットに、ただただ見惚れていたわけですが。

そういえば、出し物のひとつは「ニーベルンクの指輪を演出するパトリス・シェロー」というひねったもので、大柄の男性ソロが悩みを見せつつ「意思の力」を発散させる不思議な踊りだった。題材になった、シェロー氏が指揮のピエール・ブーレーズとフランス人同士で組んだバイロイトの同公演は、当時は大ブーイングも浴びニュースにもなったが、最近の変な演出に比べればおとなしい方だったらしい。近年、バレンポイム指揮のものがNHK・BSで放送されたが、あれはシェロー演出のものだったのだろうか?

そのバイロイトでは今年、ワーグナーのひ孫か何かの女性演出家が、大胆な現代的な演出で「保守的なワーグナー家」のイメージ脱却を図ったとか。

『朝日』の訃報によると、ベジャール氏の代表作のひとつに「ニーベルンクの指輪」が挙げられていた。「演出するパトリスシェロー」ではなく、ワーグナーの本編の翻案もあるのだろうか。日本との縁も深かったと聞く。いずれにせよ、「芸術」「時代」「政治」「肉体と精神」‥。「ベジャール」というその名前だけからも、いろいろなことを連想させる人だった。

こんど、ベジャールと並ぶような『春の祭典』を振り付けるバレエ作家は、どこから出る、どのような人なのだろうか。時は流れゆく。

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2007年11月20日 (火)

調査捕鯨に欧米の批判=ロジカルな発信が必要=

わが国の調査捕鯨について、欧米の批判が強い。CNNの日系人元アンカー、サチ・コト氏が日本のイメージを最も損なったニュースとして安倍晋三氏の政権投げだしと、迷い込んだクジラを助けられず、肉を売るために解体している映像を挙げたことを書いたが、アメリカ国務省のスポークスマンが記者会見で「自制」を促し、オーストラリアは労働党が政権をとったら、海軍の艦艇を派遣して捕鯨を阻止するという話も出ているという。

捕鯨継続が日本の死活問題だとは思わないが、例えば幕末にアメリカが日本に開国を迫った口実が捕鯨船への薪水の供給であり、かつてアメリカをはじめとする国々が、照明用の油をとるためにクジラを乱獲し、資源の枯渇を招いたといった歴史的ないきさつを考えるにつけても、そのアメリカに「捕鯨などとんでもない」と言われると、やれやれ、と思わざるを得ない。

動物虐待は良いことではない。しかし、牛を殺すのは良くて、クジラを殺すのは聖書に書いてあるからダメで、日本人は野蛮だというのでは、一種の人種偏見と言わざるを得ない。

もっとも、ここで感情的な反発を内向させて黙り込んでしまっては、誤解を増幅させるばかりだ。ロジカルに説得する努力を放棄して、既成事実だけを積み上げていこうとする発想は、満州事変後のやり方と同じになってしまう。

ここは、一部クジラの生息数回復が漁業資源の脅威になっているなどの科学的データを、日本政府として国民や海外メディアにいちだんと分かりやすい形で示していく、冷静な作業が必要になるだろう。相手が無茶を言っているにしても、「問答無用」スタイルではなく、親切な説明と対話の路線をとるべきだ。

それにしても、日本と同様に「死刑」を廃止せずに処刑を続け、イラクで何十万人もの人間がテロで殺されるような状況を作っておいて「日本の捕鯨は野蛮だ」などと、本当に暢気なことだ。

そうそう、オーストラリアとは非常に良い関係を構築したらしい安倍晋三前首相には、できるだけ早くオーストラリアに特使で出てもらって、この件で日豪摩擦を火種のうちにしっかり消してきてもらいたい。安倍氏でもひょっとしたらその程度なら日本国民の役に立てるのではないか。

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2007年11月16日 (金)

元米国防省高官、ジェームズ・アワー氏=守屋前防衛事務次官の証人喚問で額賀・久間両氏とともに名前が出た産経新聞「正論」常連=

昨日の参院外交防衛委員会での証人喚問で、守屋前防衛事務次官が「久間・額賀氏が同席」と名前を出したのは、「それ以外の人は名前を出されたくなければおとなしくしてろよ」という恫喝だと思うが、産経新聞「正論」常連の元米国防省高官であるジェームズ・アワー氏の名前も出ていた。

元高官といっても、たしかレーガン政権の頃の話しで、産経新聞くらいしか相手にしない小物なので、わざわざ言及するのもやや気が引けるが、日頃もっともらしく、安倍晋三前内閣と足並みを揃えて「日本が国際社会から信頼されるためには、米同盟を強化する必要があり、集団自衛権についての憲法解釈を変える必要がある」「いざという時のフィリピン上空くらいまでの制空権確保は、日本の航空自衛隊が担当すべきだ」といった意見を発表していたと思う。

防衛調達をめぐる胡散臭い会合に出ていたと国会証言で聞いて、なるほどああいった意見は、自分の商売、コンサルタント業のための発言だったということがよくわかる。軍備拡張を煽る発言には気をつけろ。その陰には死の商人と、そこに群がる日米のゴキブリのような元政府高官たちが大勢いるのだ。

総理大臣の靖国神社参拝問題や、北朝鮮の拉致問題、従軍慰安婦問題などで愛国新聞を気取っている『産経新聞』も、こういったアメリカの軍産複合体の手先には、大きな発言席を用意している。同じ穴のムジナということだろうが、この面では「売国新聞」と言うべきである。

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2007年11月15日 (木)

衆参「ねじれ」現象に関する一考察=選挙によらない性急な「解消」より積極的な側面に目を=

はじめに

 最近、福田総理が民主党の小沢一郎代表との党首会談で、いわゆる「大連立」提案し、それを党に持ち帰った小沢代表が、党内の賛成を得られずにいったんは「辞意」を表明するという騒動がありました。これはそもそも、衆議院では自民党・公明党の連立与党が3分の2の議席をもっている一方で、参議院では与党が過半数割れを起こしているという、いわゆる「ねじれ現象」を解消することを目的とした動きです。

 ここでは、そのいわゆる「ねじれ現象」について、そのことが持つ意味、諸外国や過去の事例と比べてどうかといった点、また、この「現象」は果たしてただ「困ったこと」なのか、それとも積極的な側面にも光を当てるべきなのかについて少しお話ししたいと思います。

1.「ねじれ」諸外国の例 =大統領制= 

 「ねじれ」といってすぐ思い浮かぶのは、共和党のブッシュ大統領が行政府を押さえる一方で、上院は僅差とはいえ、昨年の中間選挙で「野党」民主党が上下両院を制したアメリカの例です。民主党が「野党」と申し上げましたが、かなりの程度厳密な「三権分立」の制度をとっているアメリカでは、「法律」や「予算」はあくまでも「議会」が作るものなので、「議会では民主党が与党」と言った方がより正確なのかも知れません。

 もちろん、予算も法律も議会が権限を持つと言っても、大統領には憲法上「拒否権」が付与されており、例えば「イラク撤退法案」とか、「イラク駐留予算を含まない補正予算」といったものを議会が可決しても、大統領は拒否権で対抗できるので、「大統領が拒否権を行使した」「それに対して、議会は少し内容を変えた補正予算をもう一回議決した」「大統領がまた拒否権行使」といった応酬が起こるわけです。

 大統領の姿勢が頑なな時は、議会が折れない限りそれがエンドレスに続いてしまうことになり、議会民主党指導部としては、有権者から「統治能力」を疑われないためにも、また時にはアメリカが国際社会に負っている責任といった観点から、ある程度のところで妥協しなければなりません。

 私は、今のアメリカ議会のペロシ議長以下の民主党指導部は、いいところで妥協していると思いますが、しかし、「妥協」は今度、民主党支持層の中の強硬派といいますか、左派といいますか、そういう勢力の反発や失望を招くことも避けられず、現に、世論調査ではいまのアメリカ議会に対する支持率は、ブッシュ大統領の支持率とどっこいどっこいの低支持率になっています。

 さらに、アメリカの場合は議員の独立性が強く、例えばブッシュ大統領は移民規制については、やや移民に対して柔軟な法案を、民主党リベラル派のエドワード・ケネディー上院議員らと一緒になって作って推進しようとしたものの、民主・共和両党の強硬派の抵抗にあって法案成立に失敗しました。つまり、「大統領府と議会のねじれ」以前に、議会内の「まだら模様」で話しはより複雑なわけです。

 やはりよく知られるように、フランスにおいても大統領と議会多数派の「ねじれ」はしばしば起こります。社会党のミッテラン大統領の下で、保守系のシラク首相の内閣が国政を担当したり、逆に保守のシラク大統領の下で、社会党のジョスパン政権が国政を担当するという姿をわれわれは見てきました。

 ただし、フランスの場合は、アメリカのように「むずかしい」「ねじれている」という風にはなりません。これは、フランスの大統領は外交・安全保障を統括するものの、憲法上の議会に対する立場はアメリカのように強力なものではなく、内政については事実上、内閣と議会に権限があるという制度上の違いがあるからだそうです。政治学者によっては、「フランスの大統領制は、事実上、議院内閣制に近い」という言い方をする人もあるようです。

 ドイツやイタリアにも大統領がいるわけですが、それぞれ憲法上の権限はフランス大統領よりも弱く、しかも直接選挙ではなくて、国民議会や下院に比べて権限の弱い「上院」が選出するということもあって、「ねじれ」が起こることが少ない上に、「ねじれ」が起きても問題は小さいわけです。

2.「ねじれ」諸外国の例 =国連、議院内閣制=

 国連も「ねじれ」の例として挙げられるかも知れません。国連の意思決定機関は総会ですが、よく知られる通り、安全保障に関わる問題については安全保障理事会が絶大な権限を持っているので、ここにねじれ現象が生じることがあります。

 そもそも、国連が出来た時からの「パレスチナ」「イスラエル」問題について、総会は「イスラエルの1967年の占領地から撤退」を決議しているのに、安保理で拒否権を持つアメリカがイスラエル寄りの姿勢を貫いて実力行使を阻んでいるため、問題は結局未解決のままであり、世界の最大の不安定要因でありつづけています。

 国会の多数派が内閣を構成する「議院内閣制」の国々では、ねじれといったことが問題になることはめったにありません。そもそも、ねじれがおこらないように内閣を構成することが基本だからです。

 ただし、同じ大統領制でもアメリカとフランスで、それぞれの大統領の憲法上の権限の違いによって「ねじれ」が起こったときの「こじれ方」が違うように、議院内閣制の国々おいても、例えば憲法上の「第二院」の第一院に対する権限の強弱によって状況は大きく異なってくることがわかると思います。

 端的に言って、日本国憲法においては、予算や首班指名については衆院の優越が定められているものの、「一般の法案について参議院の権限が極めて強い」ということが国際比較の上で言えるわけです。もちろん、このルールで60年やってきて、7月の選挙もそのルールに則って民意が示されたわけですから、今になって急に「参議院の権限が強すぎる」と言い始めるのはフェアーではないかもしれません。しかし、日本国憲法の制定過程を見ても、GHQが示した憲法「草案」は一院制だったにも関わらず、日本政府・国会が今の制度をバタバタと決めたいきさつがあり、よりよい制度設計について考えることは、国会にとっていつでも検討課題であるということは言えると思います。

3.「ねじれ」を活かす

 「大連立」が自民党にとって都合がいいというのは事実でしょう。しかし、本来は「民意の反映を第一義に政策協議を積み重ねて内閣を構成することで、結果としてねじれを生じないようにする」というのがスジで、「今の権力を握り続けるために」「いまのやり方や政策を変えないために」ということを優先して、ねじれの方をむりやりに解消してしまうというのは、「国民の選択」と「議会政治」のフィードバックを考えたときには本末転倒と言わなければならないと思います。

 これは私自身の考えであり、皆さんそれぞれのお考えがあるかも知れませんが、私はまず、政府・与党が予算や法案を作るときに、参議院の構成という「現実」を出発点に、できるだけ提出前に「自公連立与党」以外の党派の意見をいろいろな方法で聞いて、あらかじめ歩み寄ったものにして出すということが必要ではないかと思います。選挙向けのパフォーマンスという点からは、別の考え方があるのかもしれませんが、「現実主義」に立って国民のための政策を実現するにはそれしか方法がないでしょう。

 さらに、政策協議と称して一部の党派とだけ密室協議するやり方よりも、国会審議の場でオープンな主張のぶつけ合い、妥協を図っていくということが必要であり、有意義になってくるのではないでしょうか。

 これまでの政策決定過程は、与党の党内審議で、各省庁とのすりあわせや民意の反映は一応終わったものとし、国会に提出された予算や法案は「行政府と与党の完成した共同作品」であるという仮定の下に、国会は言ってみればその完成品を認めるか、認めないかスタンプを押す、というだけの作業になっていると言うことができるかもしれません。

 日本国憲法の制定過程で、芦田小委員長の下、委員の腹蔵ないやりとりで条文が練られていったように、「国会」が予算や法律を平場で練り上げていく。危なっかしいと思う人はいるかもしれませんし、特に国会や政治家をコントロール下においておきたいお役人たちは「絶対に勘弁してくれ」ということかもしれませんが、私は書生論かもしれないけれども、議会制民主主義とは本来そういうものではないかと考えるわけです。

しめくくり

 安倍前首相の当事者能力の欠如が招いた参院選大惨敗により、今日の状況が生まれたわけですが、いわゆる「ねじれ」は、「大連立」といったことで無理やり解消すべき困った事態ではなく、国会審議の活性化による民主政治発展のチャンスだという側面があるのではないか。いささか突飛かも知れませんが、そんなことを思う今日この頃であります。

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2007年11月14日 (水)

新聞投書「日米で大違い 接待への姿勢」

【『朝日新聞』2007年11月8日付「声」欄に、愛知県安城市の無職、宮本光男さん 63歳の投書「日米で大違い 接待への姿勢」という投書が載っていた。広く読まれるべきと思い、以下にそのまま書き写します。】

 約20年前のことである。自動車メーカーで、発売前の新車の安全や排ガス関連の審査を担当していた。その時、国内審査では、運輸省の審査官の審査のあと、必ず有名料亭で飲食接待をした。高級クラブでの二次会もだが、審査官たちは当然のように受けて、断る人はいなかった。

 一方、来日した米国環境保護庁の審査官は、規則によりメーカーの人との飲食は1回のみ許されているとの理由で、他の接待は一切受けなかった。休日の京都や奈良への観光も、自分の分はきちっと払って帰国した。

 私が米国環境保護庁に出張した際、審査官たちは日本土産も法令で禁止されていると、一切受けとらなかった。日本と米国との接待に対する習慣の大きな違いを垣間見たような思いだった。

 今回、守屋前防衛事務次官の証人喚問のテレビ中継を見たが、「接待は受けて当然だ」というような態度は、役人根性丸出しで、今も昔も全然変わっていないと実感した。

 接待地獄に陥っている日本の役人が、米国の役人のようなすがすがしさを身につけて欲しいと思うのは私だけだろうか。

【森田付記】何でもアメリカのことをありがたがるつもりは毛頭無いが、良いことはどんどん真似たらいい。韓国の学者から聞いた話しだが、民主党の岡田克也前党首は、韓国の団体が韓国の要人などとのアポイントを整えた旅行に招待しても、旅費もホテル代も必ず自己負担して帰るそうだ。総理就任前の安倍晋三氏は対照的にすんなり丸抱えで招待されたらしいが。

そもそもカルチャーを変えなきゃダメなので、小中学校の教育指導要領を改訂して、「役人はたかったり、盗んではダメ」ということを義務教育で叩き込むべきだ。文部科学省は教科書に「沖縄の集団自決は軍の命令でない」などと書かせるよりやることがある。

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2007年11月13日 (火)

安倍晋三前総理、衆院本会議出席

鬱病で療養中と言われる安倍晋三氏が衆院本会議に出席されたそうだ。お元気になられたのならたいへん結構なことだ。国会議員の職は重いものであり、総理をあんな風に投げ出して日本の国際的なイメージを破壊した安倍氏が、その職責を続けられるほどに健康を回復されたのなら、たいへん結構なことだ。

さっそく、前総理としてインドに政府特使として出ていただきたい。安倍氏は総理就任以前から、インドとの関係には並々ならない熱を入れられた。そのインドは、温暖化ガス問題でG8をはじめとする国際社会にすっかり背を向けてしまっている。核不拡散条約にも入らずに核兵器保有を続け、NPT体制維持強化というわが国の国策にも真っ向から反対する行動をとっている。

ここは安倍さんの出番だ。国家に尽くすため、国会が閉幕したら、直ちにインドに旅立って欲しい。

ただ、もし仮に、こう言われると困る程度の回復ぶりであるならば、今度は国家がどうのという問題以前に、安倍さん自身についての人道的な問題として、議員は辞職して療養に専念することをお勧めしたい。もし鬱病が完全に直っていないのであれば、また判断を誤られる心配もある。それは国民にとってたいへん迷惑なことなのだ。

極右にとっては、あなたはかけがえのない政治家なのかも知れないが、国民一般にとっては、あなたの代わりはいくらでもいるし、その人々は療養などしていないで、給料分は働くのだ。

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2007年11月12日 (月)

辛酸なめ子氏「勝手に盛り上がってください」-政治の浮世離れを的確に一刺し

辛酸なめ子と言う人が「どうも政治家というのは、勝手に盛り上がる人たちのようだ。松下政経塾に取材で一日密着したことがあるが、夜通し政治を語り合ったり、朝礼で誓いの言葉を叫んだりしているうちに、どんどん浮世離れしていくように見えた」と発言している(『朝日新聞』2007年11月8日付「私の視点-ワイド-」)。鋭い。浮世離れといえば「美しい日本」を叫んで、イデオロギー反動路線をひた走った安倍晋三氏がチャンピオンだが。

例の大連立、小沢辞任表明騒ぎにかかわってのコメントだ。「政党が合体したら、国民より米国とか、巨大な力の方ばかり優先してしまいそうだ」というのもその通り。しめくくりに「どうぞ勝手に盛り上がってください。庶民は庶民で政治に期待せず、堅実に生きていきますから」というのも、とてもいい。

ただし、やつらは野放しにすると、欲に流されてとんでもないことをやりたい放題にする連中なので、期待はせずとも、厳しく監視していかなければ庶民の現実の利益が守れないということも事実だ。「識者」が有権者の「あきらめ」を誘う冷笑コメントを発表することには注意が必要だとも思う。

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2007年11月 9日 (金)

ひろいもののテレビドラマ「ジュリアス・シーザー」(2002年、米など)

世界史を勉強中の高2の息子と、NHKスペシャル「ローマ」3回、同ハイビジョンスペシャル「ローマ皇帝の歩いた道」2回のうち前編を見たところ、息子が「シーザーの扱いが軽いな」と言うので、たしか正月にTBSが放送した米伊など合作のテレビドラマで未見だった『ジュリアス・シーザー』の録画テープを引っ張り出して見た。これが拾いものだった。夜中の放送で、見た人も少ないだろうから、NHK-BSでも放送した方がいいのではないだろうか。

スッラのクーデターで生命の危機にさらされ、逃亡途中で海賊に捕まるエピソードのあたりから、暗殺までを描いているが、ジェレミー・シストという線の細めな俳優がシーザーを演じていることもあり、塩野七海さんの『ローマ人物語』によって語っている、型どおりの英雄豪傑ではなくちょっとインチキ臭い、しかし人間的な魅力と胆力のあるシーザー像と一致している。

ブルガリアでロケしたというガリア遠征の合戦シーンもなかなかの迫力で、エジプトの宰相がポンペイウスを暗殺する場面のおどろおどろしさ、自決するカトーと、葬儀の主催を申し出るシーザーに対しカトーの息子が示した威厳ある態度もよい。一方、シーザーの娘ジュリアとギリシァ人奴隷家庭教師の心の触れあい、その家庭教師が奴隷反乱に参加して捕らわれ、ジュリアの救済を断って仲間と共に処刑されることを選ぶ場面など、なかなか心を打つ。

シーザー暗殺の場面で終わるので、シェークスピア劇では見せ場であるアントニーのシーザー追悼演説、あの「ブルータスは高潔な人物である」で始まり、表面上はブルータスらを持ち上げながら、演説を聴いたローマ市民が「シーザー暗殺は間違いではなかったか?」と局面を転換するに至る弁舌の場面はない。しかし、脚本がよく工夫していて、男前の若手俳優が演じるアントニーが、ルビコンを渡る前のシーザーから元老院に先乗りを命じられ、公衆にシーザーの立場を代弁する演説をして喝采を受ける場面が描かれていた。

アメリカの脚本家組合が大規模なストライキをやっているというニュースが伝えられているが、このドラマを見て、アメリカの脚本家の力もたいしたものだと改めて思った。

それにしても、日本政治にはシーザーのような人間力、アントニーのような弁舌力をもって局面を転換するような人材が「平民派」の方から出ないものか。右の方は「小泉マジック」を繰り出して、後継の安倍氏が凡庸すぎた故に今は後遺症に悩んでいるわけだが。

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2007年11月 7日 (水)

ツタンカーメン王のミイラ展示へ~「一神教」の起源はエジプト?

ツタンカーメン王のミイラを展示することになったというニュースを聞いて、「祟り」の話しは大丈夫かとふと思ってしまう。もちろん、「祟り」などは迷信に過ぎないが、第一次大戦後のツタンカーメンの王墓発掘は、例外的に盗掘を免れた「黄金のマスク」発見など華やかな話題の一方で、発掘実行者のカーター氏こそ長生きしたものの、これに関わった多くの人々やその親族が、当時次々に死去するという不思議なことが続いたという事実があるからだ。

最近、中央公論の古い方の『世界の歴史』第1巻をようやく読み終えたが、その後半にそのエピソードがやや詳しく具体的に書かれていて、かなりびっくりしながら読んだ。

そういえば、「古代エジプト」は、中学生の頃学校で習ったときには「四大文明」の一つとして強調され、ピラミッドの存在感からも子ども心に大きな存在だったが、歴史を少し勉強すると、現在のイラクあたりのメソポタミア文明こそが農耕、都市文明、文字の使用などあらゆる面で「人類文明のルーツ」という性格を持つ一方で、古代エジプト文明はややローカルな存在であることを知ることになった。

もっとも、旧版『世界の歴史』第一巻を読んで、だからといって古代エジプトを全く軽視していいわけではないと思った一節に触れた。エジプトの宗教はよく知られるように、太陽神の「一神教」だ。一方で、古代オリエント世界の大半は「多神教」であったことが知られている。

古代エジプトは長く独自性を保っていたが、同時に、広くオリエント社会と交易をしており、また一時アッシリアの支配を受けるなど、侵略したり、されたりの関係も重ねた。この本では、その結果、エジプトの「一神教」の発想がオリエント社会に移入されたというのである。

宗教の話しは書き方に気をつけなれればならないが、森田は「一神教」はしばしば不寛容につながり、紛争の原因となったり、深刻化の原因になっていると思っている。そして、現在世界の紛争のうち、どちらの当事者もある時期シリアないしパレスチナで生まれた「ユダヤ教、キリスト教、イスラム教」のどれとも関係がないというのは、レアケースであると感じている。

ハム人の古代エジプトは、アラブ人の現在のエジプトとは「直系血族」ではないが、世界文明・思想史上「ローカルでマイナー」な存在と勝手に決めつけていた古代エジプト文明が、実はいちばん大きな(負の?)遺産を生んでいたことになる。

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2007年11月 5日 (月)

岡田党首再登板に期待=自・民「大連立」破談&小沢辞意表明に、民主党はあわてる必要ない=

民主党だけが大きなダメージを被ったという見方が多数だが、私はちょっと違った見方をしている。先週、福田・小沢会談で合意しかけた「大連立」が民主党役員のほぼ一致した反対で流産し、日曜夕方には小沢氏が辞意を表明したというニュースについてだ。

読売のナベツネ氏と似通った意見を持つのはこそばゆいが、私は自民党が完全野党に転落することを回避し、権力の座に止まろうとするならば、とりあえず「大連立」を組む以外に方法はないだろうと見ていた。もちろん、大連立の踊り場の先に政権長期担当の継続の道が開けるか、結局民主党政権ができるのかはわからないが、とにかく現状のままでは来年には民主党単独政権ができて、自民党は10年は干されると見ていたからだ。

「もともと大手飛車取りだったので、『大連立』はできなかったけれども、小沢を辞めさせて、民主党にダメージをあたえたのだから良かったのだ」という後講釈が聞かれるが、そうではないと思う。「大連立」という執権延命のカードを切るなら、党首会談任せでなく、伊吹幹事長も、町村官房長官も、評論家のようなことを言っていないで、民主党各方面に全力で工作し、土下座してでもコトを成し遂げるという意気込みが無ければできるわけがない。小沢氏が提案を持ち帰ったら、民主党役員の半分は賛成という状況を作っておかなければ話しにならない。

落語に「首提灯」というのがあるが、今の自民党幹部は、自分たちの権力が風前の灯火だという危機感が欠けている。命がけでやらなかったことが成就するわけもなく、「大手飛車取り」などと言っているうちに、奈落の底に落ちることになるだろう。

一方、小沢氏については逆に、なぜ勝てるケンカを慌ててしくじるようなことをしたのだろうか。「大連立」が必要なのは自民党の方なのであり、ここは焦らして焦らして、値段をつり上げつり上げ、民主党内の合意形成をじっくりやれば良かったのだ。破談にするにしても、自民党に最も大きなダメージを与えるカタチでの持って行き方があったはずだ。

政治資金団体が大量の不動産を買っている問題や、巷間言われる旧防衛庁調達問題などで焦りを感じる理由があったのだろうか。

しかし、過去のことを言ってもしょうがない。もう賽は投げられたのだから、民主党は新しい党首を選び、再び結束して自民党に戦いを挑むしか道がない。幸い、全体の構図・構造は昨日、今日のムードとは異なり、「民主党政権」成立の蓋然性の方が大きいのだ。

幸い、自民党側にも小泉マジックの再現は不可能だ。オオカミ少年の安倍晋三氏も退陣し、「内容勝負」の時代を迎えているのではないか。軟投型とはいえ、まじめな教養人である福田康夫氏に対抗するには、生真面目な岡田元党首の再登板がいちばんいいように思うが。マスメディアも、風まかせのその日暮らしのようなやり方でいいのか、そろそろ目を覚ます頃だろう。

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2007年11月 1日 (木)

自衛艦の航海日誌「紛失」-国民主権の確保には政府の「文書」および「情報公開」に関するルールの見直しが必要

 たとえば11月1日付『毎日新聞』朝刊は28面に◆「破棄あり得ない」 長崎・佐世保基地を最後に退職した元護衛艦乗りの海自OB(59)は「(保存期間は決められているが)航海日誌は、たとえ船が退役しても捨てたりできるものじゃない。なぜ、廃棄しなければならなかったのか。うさんくさい」という話しを紹介している。

 わが国は、官僚機構に事実上いいように操作された自民党単独政権が長く続いたために、「文書」は何について作られるべきで、それはどのような手続きで保存されるべきで、定められた手続きが守られなかったときにはどのようなペナルティーが課せられるべきかが「いい加減」なままだ。

 四半世紀前に「情報公開」のキャンペーンがあり、ようやく10年あまり前に「情報公開法」が制定されたが、そもそも政府の文書作成はどのようにあるべきかという基本論がないがしろにされてきた。情報公開法についても、施行されるときに例えばある役所の新人の公務員たちが忙しそうにしているので何をやっているのか聞くと、役所のパソコンの中にあるファイルを、「これは役所の文書、これは個人の文書」と仕分ける作業をやっていて、これが膨大で手間がかかるという返事が返ってきたことがある。

それはつまり、本当は全部役所の文書だけれども、「個人持ちの文書は公開の対象外」というルールを利用して、隠したい文書をそのカテゴリーに分類し直していたわけだ。

もうすぐできる民主党政権は、永久政権というわけでもないだろうから、こうした「政府の文書、情報に関する国民主権の確立」という観点から法制度の見直しにぜひ取り組んでいただきたい。与党になると、ついつい「野党自民党を利することになるのでは」という「欲」が判断をくらませる可能性があるのでクギを刺しておきたい。

新聞などプレスも、この問題をもっと突っ込んでもらいたい。記者さんの「芸」は、ルールの隙間を突いて、インフォーマルに情報を聞き出すことなのかもしれないが、やはり「情報は国民のもの」というルール確立に力を尽くし、その上で問題発見や取材のワザを競うという方が王道だろう。

【以下は共同通信の関係記事】

新たに2隻の航海日誌不明  防衛相「規則順守されず」

 石破茂防衛相は31日午後の衆院テロ防止特別委員会で、海上自衛隊補給艦「とわだ」など3隻で航海日誌が保存期間中に破棄されていた問題をめぐり、新たに2隻の日誌の一部が所在不明になっていることを明らかにした。航海日誌を船内に1年、地方総監部に3年保存する部内規則が「ほとんど順守されていなかった」とも指摘、海自内のずさんな文書管理の実態が浮き彫りとなった。

 海自の給油量訂正に絡む隠ぺい問題では、再発防止策を11月中に示した上で、来年3月末までに組織改革案を策定、来年の通常国会に防衛省設置法改正案を提出する意向を表明。「統合幕僚監部、陸海空幕僚監部、内局という在り方が国際標準とは思っていない」と抜本的な組織再編の可能性にも言及した。

 守屋武昌前防衛事務次官の証人喚問については「防衛省で聴いたのと違う話が(喚問で)出ている。もう一度試みてみたい」と述べ、再聴取を検討する考えを示した。

2007/10/31 18:52 【共同通信】

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2007年10月31日 (水)

民主党の「取り調べ録画」刑訴法改正案提出方針を支持する

えん罪事件などが絶えず、裁判官が「お気の毒」などと人ごとのようなコメントを言っている現状を考えると、取り調べに「録画」を義務づける法案を出そうという民主党の方針は理にかなっている。

長く続いた自民党一党天下の下では、法改正というと業界団体の利害に関わるようなチマチマした話しばかりで、「刑事訴訟法」改正によって人権保障をより確かにしようといった話しはほとんど聞いたことがなかった。参院の与野党逆転を現実に活かそうとするもので評価できる。

「お役人の天下」を終わらせるには、「刑法」「民法」などの基本的な法律からはじめ、政治が「立法権」を持っていることをハッキリさせるため、国民サイドに立って見直していく作業が必要だ。いろいろなお考えがある問題かも知れないが、森田は死刑廃止論であり、そこまで世論形成が進んでいない現段階でも「死刑と無期の中間に『終身刑』を作る」といった刑法改正はすぐに行うべきだと思う。

いま、前防衛事務次官の「接待漬け」が問題になっているけれども、お役人のごっつぁん体質を根本から直すには、収賄に関する刑法の条項に「職務権限にかかわらず」と書き込む改正をして、お役人は「物がほしければ自分でお金を出して買う」、「飲んだり食べたりしたければ自分でお金を出す」というルールの転換を行うべきだ。今は職務権限が裁判所に認定されなければ贈収賄にならないという、便宜供与については事実上無法状態なのだ。

元官僚の坂東真理子という人が書いた「女性の品格」と言う本が売れているそうだが、「品格ある女性は、お世話になった人に季節のおいしい食べ物を贈る」と書いているらしい。さすがに元キャリア官僚だけに頂き物が大好きなのだろうが、こういう根本的なところから直していかなければ、政治・行政の腐敗はいつまでも無くならないだろう。

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2007年10月30日 (火)

メディアは元幹部自衛官の佐藤元久参院議員(ヒゲの隊長・自民)に守屋前次官の批判だけ言わせておいていいのか

フジテレビの朝番組「とくダネ!」が、昨日の守屋前防衛事務次官の衆院・証人喚問を報じる中で、「この人も声を上げた」と安倍政権下の7月の参院選で自民党から比例代表で当選した佐藤正久議員の「俺たちが現場で苦労しているののに何やっているんだ」というニュアンスの守屋批判コメントを語る様子を流していた。

ここでこの番組が作りだしている構図は、「防衛省の役人トップの腐敗はあまりにひどい。イラク派遣などで現場で苦労している無垢な自衛官たちが気の毒だ」というイメージだ。

実際には、明らかになっている接待攻勢は業者の防衛省・自衛隊に対する接待攻勢の氷山の一角なのであり、むしろ防大出の制服組の自衛官たちのうち、有望とされる者には若い頃から高級食品を中元・歳暮に送りつけるのに始まり、激しい接待攻勢がかけられているのが実情だと巷間言われている。

この際必要なのは、関連業者との会合等の実態、報告などのルールが守られているといったことの洗い直しだ。野中弘務氏はかねてより「会合の飲食代を接待側が持つことに対する規制を緩めるべきだ」と主張している。野中氏の政見には賛成できるものが多いが、この問題については賛成できない。意見交換はオフィスですればいいのであり、情報公開は公平に、オープンで行うのが筋だ。

実態と離れて、「腐敗官僚」に対し「清廉な制服組」というイメージを作りだしていては、戦前「腐敗した政党政治」を叩いて、結果として軍部の台頭を招いたのと構造的には同じことを繰り返すことになる。

巨額の調達をめぐる不正は、大正時代の海軍大スキャンダルのジーメンス事件、いやきっと明治維新当初からの軍・官僚組織の宿痾なのだ。これには政治家・軍人、背広・制服の別はない。仮にもマスメディアに関わる人々は、多少なりともそういう歴史感覚を持って事実にメスを入れてほしい。

佐藤議員に対しては、防衛産業・商社などの制服組への働きかけの実態について詳しく聞くべきなのであり、内局の腐敗を叩いてアリバイを作る片棒をかつぐことなどあってはならないのである。

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2007年10月26日 (金)

対イラン開戦を決して「支持」してはならない

アメリカが対イラン単独制裁を打ち出し、アメリカ国内にも対イラン開戦を危惧する声が高まっているという。結論から先に言うが、もしアメリカが対イラン開戦に踏み切るとしても、日本政府は決してこれに「支持表明」をすべきでないと思う。

先日、『硫黄島からの手紙』の脚本家、アイリス・ヤマシタ氏が発言したパネルディスカッションを見に行った話しを書いたが、そこで元CNNのアンカー・パーソンで、PR会社を経営しているサチ・コト氏が、近年のアメリカメディアにおける対日イメージを良くした事例の一つとして、小泉首相(当時)が対イラク開戦に直ちに支持表明したことを挙げ「本当に素晴らしかった」と言っていたが、あれは結局アメリカの誤った政策を後押ししただけのことであり、日本はこれまで中東においてなんとか守ってきた「平和国家」のイメージを失った。

そうした政治的資源の損耗と引き替えに何を得たのか? 対北朝鮮政策で「拉致問題解決なくしてテロ国家指定を解除すべきでない」という日本の立場を尊重してもらえたのか? 結局は小泉氏が個人的にご褒美としてエアフォースワンでプレスリーの屋敷に連れて行ってもらってチャラにされてしまっているのではないか。

冗談はともかく、わが国は国際紛争解決の手段としての戦争を自ら禁じており、それは「良くないこと」だからそうしているのだから、日本国憲法が他国を制約するものではないけれども、自分は良くないこととして自ら禁じていることを、他国が行うことだからと言って「支持」するというのは、ロジカルでない。

それでは日米関係が危うくなる? いや、それは小泉内閣や安倍内閣、あるいは谷地事務次官や加藤駐米大使が、憲法や平和を大切にしようという気持を持つ多くの日本国民の気持ちを無視して「もっとやります」「私の力でもっとお手伝いするようにします」と対米忠誠競争を繰り広げた結果である。彼らが、現実離れした「期待感」をアメリカに植え付けてしまったのが原因なのだ。

最近、正体を現してきたシーファー大使や、アーミテージ氏はキーキー言ってくるだろう。民主党政権で日米関係を仕切ろうとしているキャンベル氏も、アメリカ政界で自分の日本に対するコントロール力を誇示するために、ハードラインで来るだろう。日本国内にも中曽根康弘氏や外務省、防衛省のある種の連中、自民党の中谷元、民主党の前原元代表らのようにそれに呼応する人々も出るだろう。

「過剰な忠誠競争」でなく、「リアリズム」に基づいて日米関係を考えれば、ベトナム戦争やイラク戦争同様、日本の基地を事実上の後方基地として、ほとんど無制限に使わせるということについて、将来はともかく、今回から急に安保条約に基づく事前協議を求めるといったことが適当かどうかは、慎重に考慮していいだろう。イランとの間で、新たなビジネスを進めるといったことは、凍結も検討すべきかもしれない。

しかし、そこまででいい。「戦争で国際紛争を解決するのを手伝うのは、わが国の原則と違う」と言うべきだし、実際問題として考えても「アフガニスタンでもイラクでも、お店だけ広げてしまって収拾つかなくなっているじゃないですか」と言うべきだ。

日本の「筋」を通す上でそうだし、アメリカ国民にもいろいろな人がいるのだから、チェイニーやアーミテージといった人々だけにシッポを振っていては、この先困ったことになるかもしれないというリアリズムも持つべきだ。

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2007年10月23日 (火)

シビリアンコントロールの問題として満州事変と本質的に同根=海上自衛隊の給油記録「誤報告」と政治的な隠蔽=

「テロ対策」としてインド洋に派遣している海上自衛隊の給油艦による、ペルシャ湾で活動する米軍空母への給油量について4分の1に過小報告し、海上自衛隊の制服組は福田官房長官(当時)がそれを根拠に「アフガニスタンでのテロ対策以外に転用がない」と答弁した時にはそのことを知っていながら、勝手な判断で隠蔽していたことが明らかになった。

自衛隊の海外での活動という、憲法の根幹に関わる問題について、自衛隊の制服組が勝手に情報を操作して、法律の逸脱を隠すということが罷り通っていては、シビリアンコントロールもなにもあったものではない。これを放置しては、やがて1931年に中国東北部で「満州事変」と呼ぶ戦争を勝手に始めた愚かな歴史が繰り返されることになるだろう。

石破防衛相が早速「徹底した再発防止」を言っているのは当然だが、それ以前に事実について究明することが大事だ。違法行為があるなら、「再発防止」以前に司法当局の捜査があるべきだし、こんなことが罷り通っていることに違法性がないと言うのなら、シビリアンコントロールに関わる「法の不備」は明確であり、必要な立法措置をとるべきだ。

これまでにも一、二度書いたが、「日本は戦争に負け、戦犯は裁かれ、憲法九条で軍隊はなくなった」というタテマエがあったため、かえって旧軍の愚行についての究明や、自衛隊に関するシビリアンコントロールの制度的な保障がおざなりになっている。

事実上の軍隊があり、時に米軍などと行動を共にし、役所の名前が「防衛省」に格上げされた今こそ、また「給油」や「前次官の腐敗」が大きなニュースになっている今こそ、徹底的な洗い直しを行うべきだ。

なお、前次官の腐敗は官僚組織全般に共通する問題で、徹底的な解明が必要だ。娘の留学がらみでも腐敗が起こっているとなると、官僚の家族の倫理観も問わねばなるまい。一罰百戒と言う点からは親族の証人喚問なども必要なのではないか。

しかし、一連のニュースの核心は制服組が勝手な振る舞いでシビリアンコントロールを犯していたことだ。前次官の腐敗には「国防総省にすら楯突く民族派(前次官)を、小池百合子氏に象徴される米軍産複合体のエージェントたちが叩いている」面も見え隠れする。「腐敗」「証人喚問」などワイドショー的には面白いが、まず追わなければならないのは「シビリアンコントロール」の方であることを忘れてはならないと思う。

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2007年10月22日 (月)

中国の指導部人事の?

中国共産党の5年に一度の党大会が終わり、胡錦涛指導部の二期目の顔ぶれが決まった。ほぼ予想通りということなのだろうが、若干の?が残った。

上海の汚職摘発、成長一辺倒の修正、黄菊氏の死去といった様々な背景から、5年前の胡錦涛体制発足時の人事が、退く江沢民氏と上海閥のやりたい放題だったことに修正が加えられるのだろうとは多くの人が思っていたが、上海の汚職摘発の時期などに江沢民派から胡錦涛派に鞍替えしたのではと言われた曽慶紅氏が引退し、同じ江沢民派でも引退が早くから取りざたされた賈慶林・全国政治協商会議主席、直前に香港情報で引退と報じられた呉邦国・全国人民代表大会(全人代)常務委員長という、あまり内容のない二人の江沢民派大幹部が残されたことに若干の違和感というか、失望が残った。

江沢民派の地位が高い凡庸な人物を残し、有能な故に危険な曽氏を切ったのか、それとも江沢民派が根強いのか。「次世代」に注目することが必要なのだろうが、気になったのはむしろ上記の点だ。ひな壇の江沢民氏は不機嫌のようだったが、あれはポーカーフェイスなのか。

賈慶林氏は先の来日時に「引退」と外務省筋は囁きあっていたが、中国のマスコミ関係者は「人事は指導者の腹一つ。本当のことは発表されるまでわからない」と言っていた。その通りなのだろう。

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2007年10月17日 (水)

ヒラリー・クリントン候補のCTBT(全面核実験禁止条約)批准公約を熱烈歓迎する

来年の米大統領選に出馬を表明しているヒラリー・クリントン上院議員が、「フォーリンアフェアーズ」誌電子版に初めて包括的な外交政策を発表したそうだ。そこに毎日新聞の及川ワシントン特派員による記事によると、「全面核実験禁止条約の批准」も公約にすると書かれているという。大歓迎だ。

ゴア副大統領(当時)をブッシュ大統領が僅差で破り、さらに9・11からイラク戦争までの世界政治の「大逆流」が発生し=そのことを一部アメリカ人や尻馬に乗る日本のメディアは「世界は変わった」などと言っていたが=、「ゴア氏が京都に乗り込んで決めた温暖化対策」や、「ビル・クリントン大統領が世界の首脳に先駆けて署名した全面核実験禁止条約」が皆ホゴにされていたのが、昨年秋の米議会中間選までのアメリカと世界の大きな流れだった。

「温暖化」の方は、バイオエネルギーが票やカネになるのだろう、今年になってブッシュ大統領以下アメリカ政府が「6年間」の無視から一転して積極的になり、日本の外務省や安倍首相もそれまでは全く本気の関心を示さなかったのに、アメリカ様がご意向を変えたので、慌てて来年日本で開催のG8サミットの主要議題だ、日本がリーダーシップをとるなどと騒ぎ出している。

2005年春にニューヨークで開かれた核拡散防止条約再検討会議は、一方では「核開発の権利」ばかり言い募るイランやエジプト、他方はCTBTなどに見向きもしないアメリカの対立で、何の成果も生まずに終わってしまった。

もう開発されてから60年にもなる「核兵器」という古くて巨大な破壊力について、人類の政府組織は安定感のある管理を実現していない。通常兵器の命中精度の向上などにより、やろうとすることに比べて「核爆発」など「何の意味もない」という声は、アメリカの安全保障専門家の間にも聞こえるのである。

北朝鮮やイランは、核不拡散体制を尊重し核兵器やその開発は放棄すべきだが、ブッシュ政権のように「お前たちは核を持つな」という一方で、核不拡散条約で約束した核軍縮に向けての努力については知らんぷりということでは、話しに説得力がない。

アメリカがクリントン政権時代に立ち戻って、包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准するというのであれば、それは正しい方向への明確な転換になる。アメリカの次期大統領には、ぜひこのような考え方の人になってほしい。日本政府も、ブッシュ様が「苦しうない」と言う温暖化問題だけでなく、広島・長崎で核攻撃を体験した国家として、再び核軍縮に向けて力を注ぐべきだ。

漏れ聞くところでは、G8サミットの同じ年の秋に、同じ国で開かれることが恒例になっている「G8下院議長会議」について、河野洋平衆院議長は広島開催を関係各国などに打診しているという。成否は定かではないし、来年秋までには総選挙で議長も交代している可能性が高いが、次期議長もこのアイデアは継承してほしいと思う。また、9月のベルリンでの会談で広島開催に賛意を示したというペロシ米下院議長は、実際には11月の大統領選を控えて来日が難しいかもしれないが、その場合は、別の時期に単独で来てもらって、日本の議長が広島、長崎に案内するのがいいと思う。

それを「初の女性大統領誕生」→「アメリカ大統領初の広島・長崎訪問」につなげることができれば、日米の本当の絆を強め、核兵器のない北東アジアに向けての強いメッセージを発信することができるだろう。

【以下は毎日新聞記事のコピー】

アメリカの選択:’08大統領選 ヒラリー氏「就任後60日以内にイラク撤退開始」
◇CTBT批准も--ヒラリー氏、就任後公約

 【ワシントン及川正也】08年米大統領選で民主党有力候補のヒラリー・クリントン上院議員は、外交誌「フォーリン・アフェアーズ」11・12月号(電子版)に包括的な外交政策を発表した。当選を果たせば、就任後60日以内にイラク駐留米軍の撤退を開始する方針を表明。また、核不拡散政策の柱として核実験全面禁止条約(CTBT)への批准も公約とした。

 クリントン氏は「イラク戦争は米軍の能力を弱め、装備を消耗させた。アフガニスタンへの注意をそらし、同盟国を遠ざけ、米国民を分断した。戦争終結が米国の指導力を回復する第一歩になる」とブッシュ政権のイラク政策を批判した。

 現在16万人規模のイラク駐留米軍のうち、対テロ戦で緊急展開が可能な特殊部隊を除き、戦闘部隊(陸軍旅団)と支援部隊のほとんどを段階的に撤退させる方針で、これに代わってイランやシリアを含めた外交的手段による地域安定化を進める。また、アフガニスタンでの国際テロ組織アルカイダや旧支配勢力タリバンに対する軍事作戦を強化する意向を表明した。

 イランについてはウラン濃縮活動停止を求め、「国際社会の意思に従わなければ、すべての選択肢を俎上(そじょう)に載せる」として、武力行使を否定しなかった。北朝鮮問題では「国務省の外交的努力で遅ればせながら進展を見せている」と言及した。

 また「中国との関係は今世紀、世界で最も重要な2国間関係になるだろう」とし、米国が中国の経済的台頭に備える一方、将来の協力関係構築を目指すべきだと指摘した。インドとの関係強化の必要性も強調し「オーストラリア、インド、日本と対テロ戦争や地球温暖化などの問題で新たな協力関係を構築しなければならない」としている。

毎日新聞 2007年10月16日 東京夕刊

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2007年10月16日 (火)

警察庁が「命の教室」-教育・警察連携が持つ可能性

警察庁が来年度から、犯罪被害者の遺族の思いを子どもたちに語ってもらう「命の教室」という事業をはじめるという記事を見た(2006年10月9日付『毎日新聞』)。受刑者などを対象に行って効果を挙げている事業の対象を一般の子どもたちに広げるということのようで、教育効果を考えても、また遺族の方にわずかでも慰めにつながるとするならば、たいへんよいことだと思う。

以前、アメリカ・ネブラスカ州オマハの私立小学校の授業を見学したときに、長身・制服の女性警官が教壇に立って「麻薬」に関する授業を行っているのを見たことがある。その授業は単発ではなく、同じ警察官が半年にわたって行うもので、森田が見学した日は「薬」そのもののことではなく、「お前も万引きしないと、仲間はずれにするぞ」と言われたときにどうしたらいいかというケースについて、子供たちに意見を言わせ、警察官が先生役としてアドバイスするという内容だった。

先生の話の内容も、法律云々というタテマエの話しではなく、人間関係術にわたる巧みで子供たちを惹きつけるものだった。

過激派が横行した70年前後の子ども時代、午後家にいると交番のお巡りさんがまわってきて、家族構成などを聞きながら雑談していくということがあった。警察の人に「ああいうことを充実させると、地域の防犯力というか、テロ対策なんかにもいいんじゃないですか」と話したことがあるが、「最近の若い警察官は、対人関係が苦手な者が多く、そうやって地域と関係を作っていくことがなかなか難しい」と聞いて少し驚いたことがある。

最近の子供たちの「薬物汚染」などひどいものがある。教育と警察が連携して、例えば定期的に警察官が教壇に立ち、麻薬や犯罪についての情報を子供たちに与えながら、子供たちと一緒に安全な地域づくりを考えるといったことも良いのではないだろうか。

そうすることは、警察官や警察組織の自己認識を「国家権力」というだけではなく、「人権を守る組織」「地域ととも安全を守る組織」という方にも向けていく効果が期待できるのではないだろうか。警察官のコミュニケーション能力アップにもプラスになると思う。

すでに「学校評議会」などに所轄の署長などを招いている学校も多いのだろうが、こうしたもっと生徒たちの身近なところで「市民と歩む警察」を作っていく努力を充実してはどうだろう。

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2007年10月 5日 (金)

安倍前首相が「任命」した古森重隆NHK経営委員長(富士フィルム社長)の偏向に要注意

安倍前首相の退陣は、さすがの温厚な国民もあまりの偏向に「ノー」を突きつけたということだが、安倍氏の教育基本法改悪強行成立などの悪しき実績は消えない。安倍氏の応援団である富士フィルム社長の古森重隆氏が、NHK経営委員長に就任したことも、安倍政権の亡霊として監視が必要だ。

なにしろ、参院選挙中の報道が野党寄りに偏向していたかのような圧力発言だ。NHK叩きが続く中で、NHKの現場は「憲法60年」にしても、もうすぐ体験者がみな他界してしまうであろう年齢に達した、先の大戦についての「証言」を集めたドキュメンタリーにしても、よい仕事をしているのが気に入らないのだろう。

古森氏が経営委員にふさわしい人なのかどうか、ここはよほど注意して見ていく必要がある。参議院も責任をもって考えるべきだし、われわれも必要があれば「富士フィルム」に対して何らかの意思表示をしていくことも考えるべきだろう。

「朝日新聞」が、社説で古森氏のNHKの経費削減などについての言動に拍手を送っていたが、たまたま対立した経緯があるからといって、肝心なことを外していると思う。

NHKの議事録公開はたいへん結構なことだ。政府の各種「審議会」も議事録公開を法的に義務づければ、少しは国民の目が行き届くことになると思う。

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2007年10月 4日 (木)

プーチン大統領、退任後は首相就任?

10月1日のロシア与党「統一ロシア」党大会に際し、プーチン大統領が12月の総選挙に与党名簿一位で出馬し、来年五月の大統領退任後は首相に就任するという考え方について「現実的」と発言したそうだ。

帝政時代のロシアは「皇位継承順位」について明確な原則が無かったため、結果として血で血を洗う歴史が綴られることになった。ソ連崩壊後の新生ロシアも、高齢・病身のエリツィン氏からプーチン氏への円滑な権力委譲がうまくいったことには、関係者の政治的判断力・能力が高かったこともあるが、偶然に助けられたこともあると思う。

憲法の規定で大統領を続けることができないプーチン氏が、政治上圧倒的に大きな存在であり、国内をまとめていくには同氏の存在が不可欠だという見方は強いのだろう。そのことと憲法上の規定が矛盾する現実iにより「強権的な憲法改正による独裁制の復活」「新しい権力者と、引退したはずのプーチン氏の権力闘争」といった状況が起こることを心配させる。

12月の総選挙に出馬、後継大統領には自らの意のままになる人物を指名し、5月までの大統領任期を最後まで務めた後は首相に就任して実権を握る。このシナリオは、プーチン氏が権力を握り続けることで政治の安定を確保するとともに、手続き的にも合法的、民主的な手段をとることになる。「狡猾」という人がいるかも知れないが、賢明な行き方だ。

「プーチン与党が圧倒的多数の議会」という現状の下では、プーチン独裁のバリエーションと見られても仕方がないが、将来、ロシアの民主主義が成熟すれば、プーチン氏がそんなことを考えているかどうかは別としても、「多元的な議会による議院内閣制」が次第に確立し、幅広い国民の声を汲見上げる民主的なロシアに進む可能性を開くものとも言えるだろう。

もっとも、そうなるにしてもそれはずっと遠い未来のことだ。「ロシアが欧米並みの人権重視の国になり、また外交面でも柔軟な国になってほしい」「なるといいな」という願望を持つのは自由だが、「民主的な手続きを最低限満たしながら、内実は強権的で、外交面でも強硬なロシア」の存在は「現実」であり、日本の対ロシア外交もそれを織り込んだものとしなければならないだろう。「領土問題が解決しないのは、全てロシアがこちらが望むような理想の国になってくれないのが原因だ」というのでは、非現実的な理想主義と言わなければならない。「価値観外交」だの、「平和と繁栄の弧」などと言っている場合ではないのだ。

政治も外交も結果だ。橋本・エリツィン当時のやり方で問題を解決できず、領土が戻ってきていないことについて、それを主導した丹波元大使ら外務省の人々は責任を負わなければならない。タフだがある程度合理性を重んじるプーチン大統領の時代に、だだただ時間を空費した小泉純一郎元首相、田中真紀子元外相といった人々の罪は一段と重い。

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2007年9月28日 (金)

時津風部屋の集団暴行致死事件

「『僕いい子になるから迎えに来て』というのを信じてやれなかったのが悔しい」というお父さんのコメントを読むのはつらい。遺品には真っ二つに折られた携帯電話もあったという話しに激しい憤りを感じる。

「伝統」という名の下に悪風を残すことは許されない。「伝統」ということばは、しばしば権威主義、アカウンタビリティー否定の隠れ蓑になる。安倍前政権の下で教育基本法が改訂され、「伝統文化の尊重」が盛り込まれ、さっそく議論が生煮えのまま「武道必修」という方向性が出されているが。

徹底的に膿を出すべきだ。相撲は「国技」を自称し、そう思っている人も多いのだから、相撲が悪しき伝統を墨守するのではなく、あたらしい「よき伝統」をどう作っていくべきかについて、開かれた議論が望まれる。

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2007年9月27日 (木)

ミャンマー反軍政デモと日本

ミャンマーでエネルギー価格大幅引き上げを契機に、25日には僧侶らを先頭に10万人規模の反政府デモがあり、昨日は軍の発砲などで死者が出ている。国連事務総長は初の総会演説でこの問題にいちばん長い時間を割き、ブッシュ米大統領やブラウン英首相も軍事政権への強い牽制、批判を述べている。

テレビのコメンテーターたちは、「軍事政権の選挙結果の否定や人権弾圧を欧米は批判し、経済制裁などをしてきたが、中国などが制裁破りをするのでうまくいかない」といったことを言っている。

中国については、天安門事件直後と現在では対応に変化があり、さらにオリンピックなどを控えて欧米政府やメディアを意識するだろう。

中国の悪口を言っているよりも、まずわが国、日本がこの問題にどのような姿勢で臨むかが重要だ。

ミャンマーの軍政について、欧米やオーストラリアの批判的な姿勢に対し、日本政府は「慎重な関与を続けるべきだ」という姿勢を続けてきた。アメリカから足並みを揃えるように言われても、外務省の一部の役人たちは「日本外交の独自性」を声高に語らないまでも、アウンサン・スーチー女史の身辺に協力者を作って、うちうちでは彼女を貶めるようなうわさ話を流すなど、基本的に「軍政支持」、民主勢力には冷酷な態度だった。

アメリカから、中東での戦争を「手伝え」と言われるときは、ハイハイと憲法・法律ギリギリの線で一生懸命やるのに、「これは人権問題だから大事だよ」と足並み揃えることを求められても、それは無視する。これが自民党と外務省主流の対米姿勢だ。

安倍前首相も、「集団自衛権行使」という名の「軍事攻撃への協力」にはことのほか熱心だった反面、民主党主導になったアメリカ上下両院が「従軍慰安婦問題は旧日本軍による人権蹂躙問題」と認識していることが理解できず、「河野談話は証拠がない」発言が袋だたきに合い、訪米でブッシュ大統領と米議会に「謝罪」するハメになり、我々からは「謝る相手が違うぞ」と批判を浴びるトンチンカンぶりを示した。

軍事介入はわが国の憲法の原則と相容れない。私は「経済制裁」も、戦争に準じる行為として、本質的には日本国憲法の原則と相容れないと思っている。しかし、ミャンマーの軍政の暴力と人権弾圧は、1973年からのチリや、1979年の韓国・光州で起こったことと同じように、暴力・殺害・拷問などが横行していることが容易に想像できるだけに、見過ごすことはできない。

日本政府は、ミャンマー政府に対し、直接に「事態が暴力を用いずに収拾されるべきこと」「基本的人権が尊重されるべきこと」を強く申し入れるべきである。「大使」などが手厚い処遇が与えられているのは、レストランで高級料理を食べているためではなく、こういう時に、日本人の志を代表して、強面の相手にもハッキリ物を言うためである。

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2007年9月26日 (水)

福田内閣の組閣

2005年9月の小泉解散の選挙中、自民党大勝予測が強まる中、強い危機感を抱いて書き始めたこのブログ、早くから振り子の振れを予測し、また望んできたが、2007年の参院選の与野党逆転で一応の使命(?)を果たすことができた。

そういうわけで、つい最近までブログを閉じようと思っていたが、思うところあって、少し続けてみることにする。

連休明け、中秋の名月の9月25日は、午後に衆参本会議での首班指名、両院協議会などのプロセスあり、福田康夫氏が内閣総理大臣に。19時半前より町村新官房長官による名簿読み上げ。

安倍改造内閣の閣僚多くを引き継ぐ。《所信表明後、代表質問直前の安倍前首相退陣》を受けての組閣という面もあり、妥当な選択だと思う。党派的な批判を横に置くとすれば、実は安倍改造内閣の顔ぶれはトップを除けば自民党内閣としてかなりいい線をいっていた。その点、1940年の第二次近衛内閣を連想した(あの時は松岡外相が戦争の原因になったけれど)。

もちろん、いくらよい顔ぶれを揃えても、トップがトンチンカンでは話しにならない。しかし今度は、うちのカミさんが官房長官としての登場時に「森内閣の拾い物」と言った、良識と皮肉な味わいのある福田氏の下で、自民党政治はかなり正常化するだろう。参院が野党多数であるという現実をしっかり踏まえた政治運営をされるなら、次期総選挙で民主党主導の小沢政権ができるまでの間、国民としても漂流感を味わわなくて済むかも知れない。

官房長官が読み上げた人事で、ひとつだけ驚いたのは山谷えり子首相補佐官の留任だ。安倍流の、極右の変な「教育改革」にブレーキをかけてきた伊吹文科相が幹事長になってしまったので、リベラル色の新文科相起用と教育改革担当の補佐官ポスト廃止でバランスをとるかと思ったら、どうもそうではない。旧岸派、旧福田(父)派の国家主義のシッポが出たか、何か考えがあってのことか、ウォッチのポイントである。

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2007年8月22日 (水)

美しくない敗者-韓国ハンナラ党パックネ元候補との対比で

韓国の大統領予備選で敗れたハンナラ党のパックネ前党首について、産経新聞あたりは前党首の父君・朴正煕大統領の軍事独裁政権時代をなつかしんでか「美しき敗者」というフレーズを使って大いにプレーアップしている。

産経が言うことに賛成するのは気が引けるが、メリハリのある出処進退と、ニュースで見た敗戦のスピーチは、政治家としての判断力と天性を感じさせた。仮に打算に基づくものであったとしても、賞賛に値すると思う。宮澤喜一さんが言っていた「負けっぷりをよくする」とはこのことだと思う。

それに比べて、「美しくない敗者」が権力欲だけで居座る国もありますね。

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2007年8月 9日 (木)

小沢党首対小池防衛相論争-日米関係の長期的な安定に資するのは小沢氏の立場だ

「イラク特措法」延長問題として語られている問題は、ひと言で言えば、アメリカなどの「対テロ戦争」をお手伝いするために、インド洋などに海上自衛隊の給油艦を出して、アメリカなど各国海軍の艦艇に無料で給油するサービスを、10月一杯という期限を延長して続けるかどうかということだ。

これについて、民主党の小沢一郎党首は「これまでも反対してきたし、今度も同じ」としていて、面談して延長を求めたアメリカのシーファー大使に対しても、「アメリカ軍の展開も、国連の決議による派遣でない」としてはっきり拒否の姿勢を明らかにした。当初「面談拒否」と伝えられ、いつもの横着ぶりが民主党の足を引っ張るのではないかと心配したが、面談した上でハッキリ考えを伝えたのはたいへん良かった。

これに対して小池防衛相はアメリカで、小沢党首は1991年の湾岸戦争の時で時計が止まってしまっていると批判し、アーミテイジ元国務副長官も「同盟の後退になる」と反対しているそうだ。

森田は、これは大事なところだと思っており、この問題について小沢一郎氏の立場を100パーセント支持する。森田は日本国憲法と、国会審議の積み上げから言っても、自衛隊の海外派遣は「国連による集団安全保障」という範囲であるというのが、これまでに形成されてきた国民合意の線であると考えているからだ。

小池防衛相は「時計が止まっている」というが、それ以後の「9・11からイラク戦争」という世界大の異常な政局の中で、「ブッシュ大統領」「小泉&安倍首相」という、いまや日米で全く国民の信頼を失った政権、また外務省の柳井元事務次官、谷地現事務次官といった連中が日本国憲法の原則とは相容れない「日米軍事同盟」路線を進めてきたことが違法であり、不適切なのであって、「時計が止まっている」というのが仮に正しい表現ならば、悪行を精算して「その時点まで戻す」ことが正しいのだ。アーミティジ氏は「同盟が後退する」というが、そこまで戻さなければいけないのだ。

アーミティジ氏は「同盟を後退させればお前たちを防衛しない」という脅しをかけているのだろう。しかし、われわれが「日米安全保障条約」で約束しているのは「基地提供」であり、森田は日本の防衛をアメリカに委ねるべきだなどという気持は毛頭ないが、条約上は基地提供の見返りにアメリカが日本防衛を約束しているというのが、国際法上の基本線であると考えている。

「同盟国」などと自民党の政治家や読売新聞はじめいい加減なメディアは気安く言い、歴代内閣や外務省も勝手にワーディングしているけれども、国会で批准承認された条約としては「同盟条約」などとことも結んでいない。アメリカが、いまの安保条約による「事実上無制限に日本に軍事基地を置き、事実上無制限にそこからアメリカ軍を世界中に出撃させられる」という条約上の立場以上を求めるのは、贅沢というものだ。参院選の「民意」は、直接にこのことを言っているわけではないと思うが、これほどハッキリした審判の一部には「9・11からイラク戦争というアメリカ逆上の世界政局とアメリカ国内におけるブッシュ政権の一時的な高揚に露骨に便乗した小泉・安倍路線への批判」が含まれていることを、アーミティジ氏らはちゃんと認識して物を考えなければ、2007年7月の「革命」後の日本政治と安定した関係を結ぶことは難しいだろう。

もともとは「靖国」でも「歴史教科書」でも国粋右翼で、アメリカと価値観のレベルでは摩擦を内包している小池防衛相は、小沢民主党が筋の通らない軍事協力に消極的な局面を利用し「小沢バッシング」によって、自らと安倍政権のアメリカでの受けを良くしようとしているわけだ。しかし、参院選に示された民意のセンターラインを無視した発言で米政界をミスリードすることは、長期的には日米関係の安定した発展を犠牲にして、自らの利益を図る行為であり許されない。

小沢ガンバレ。いい線いってるぞ。

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2007年7月 5日 (木)

米ロ、新核軍縮で協議 START1失効に向け=まじめにやってもらいたい=

 最近の米MDの東欧配備計画をめぐるロシアの激しい反発、ケネバンクポートの米ロ首脳会談などについて、「大国として扱え」というロシアのわがままをブッシュ政権があやしていると見るか、「9・11~イラク戦争」という世界の「一時的な逆流」が収まり、「冷戦後」に時計を戻すというトレンドが現れていると見るかは人によって意見が異なるかもしれない。

 しかし、核軍縮という側面から見ると、「米ソが核兵器削減交渉に取り組む」ということ、また現在のところ両国外相が公言している「安全保障の必要性を満たす最低限の水準」という目標は歓迎すべきものだ。

 両国が核兵器削減に取り組むのは、核不拡散条約(NPT)体制において、彼らが「核兵器国」の地位を得、世界の多くの国々に「非核兵器国」の立場を受け入れさせるための必要条件、約束なのだ。

 就任した安倍内閣の小池百合子防衛相は、広島・長崎の原爆投下に言及した際に、過去のことに加え「将来の『核不拡散』が重要」という趣旨のコメントをしているが、これでは米ロ英仏中の核軍備増強を不問にし、北朝鮮やイランなどのことばかり問題にしていることになる。「将来の『核軍縮』および『核不拡散』が重要」というべきなのである。

 安倍内閣は久間前防衛相を辞めさせ、なんとなく「反核」のポーズをとっているが、実のところアメリカに対して核兵器削減を強く求めるつもりなどさらさらないことが、小池防衛相の発言にも垣間見られたように思う。

【以下は目にとまった東京新聞の記事】

米ロ、新核軍縮で協議 START1失効に向け
2007年7月4日 東京新聞夕刊

 【ワシントン=立尾良二】ライス米国務長官と訪米中のラブロフ・ロシア外相は三日、共同声明を発表し、二〇〇九年に失効する第一次戦略兵器削減条約(START1)に代わる両国の新しい核軍縮体制について協議を開始したことを明らかにした。

 両外相は声明で「自国や同盟国の安全保障にかなう最小限のレベルに、戦略核弾頭を削減する」と述べた。

 新しい核軍縮体制は米ロ首脳会談でも議題になった。両国の担当外務次官らも同日、ワシントンで記者会見したが、協議を開始したばかりであり、START1に続く新しい条約になるのか、核弾頭の上限個数を決めるのかなどいずれも未定と述べた。

 米国と旧ソ連は一九九一年、核弾頭の上限を六千個にするSTART1に調印。二〇〇一年に完全履行したが、この条約は〇九年に失効する。九三年に米ロ間でSTART2に調印したものの、ロシアが〇二年に条約を破棄。同年、両国が核弾頭を一二年十二月までに千七百-二千二百個に削減する戦略攻撃兵器削減条約(モスクワ条約)に調印したが、核弾頭の廃棄は義務づけられていない。

 AP通信によると、今年一月時点で、両国の保有核弾頭数はロシアが四千百六十二個、米国が五千八百六十六個という。

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2007年7月 3日 (火)

久間防衛相辞任-批判する自民党議員は核軍縮のために何をした

原爆投下が仕方がないという発言で久間防衛相が辞任した。

辞任も「仕方がない」というご本人の心境だろうが、報道を見ていて変だなあと思うのは、例えば改選を迎える東京選出の自民党参議院議員。この人が、核軍縮に向けて何か努力したと言う話しを一度たりとも聞いたことがない。それなのに、久間発言を捉えて「万死に値」だの何だのと非難している。

2005年4月のニューヨークのNPT再検討会議が、一方は米ブッシュ政権、他方はエジプトやイランの独善的な態度で何ら成果を挙げなかったことに対し、何か意見表明したり、ブッシュ大統領といい仲だった小泉前総理や小泉政権の首脳に何らかの抗議をするよう働きかけをしたというのか。あるいは、社民党の保坂展人代議士が指摘しているとおり、被爆者の立場に立って何かしたことがあると言うのか。

こうなってから、選挙目当てに批判の声の尻馬に乗るだけだというなら、なんとも情けない、見苦しいことだと僕は思う。

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2007年6月27日 (水)

愛国心がたりないんじゃないか-安倍自民党CMにエルガー「威風堂々」=どうして外国の「第二の国歌」?=

自民党の選挙CMは、イギリスの作曲家エルガーの行進曲「威風堂々」をバックに安倍首相がなにか話すらしい。

三谷幸喜脚本のテレビドラマで使われたり、木梨憲武氏の「酢豚の素」かなにかのCMで使われたメロディーであり、耳に馴染みがあると感じる人も多いだろう。

このエルガーの行進曲、イギリスの「第2の国家」として親しまれており、エリザベス女王の来日パレード時に演奏されたり、近年NHKも中継している夏のロンドンの風物詩「プロムス」のラストナイトコンサートでも、アンコールの最後に会場が一体となり、大英帝国をなつかしんで斉唱する曲でもある。

日本の選挙で、他の国民が「第2の国歌」として愛している曲を使うというのは変な選曲だ。何でも借り物で済ませようとする政権の性格の反映といえばそれまでかも知れないし、やっぱり「帝国」に憧れているのかな。

エルガーは「愛の挨拶」などでも知られ、アニメ版の「のだめカンタービレ」では佳曲・ヴァイオリンソナタがいいところで使われていたが、引っ込み思案でヒット作に恵まれず、軍人の娘だった奥さんにシリを叩かれ、叩かれ作曲してようやくヒットしたのが「威風堂々第一番」だという話しを聞いたことがある。その辺がなんとなく安倍夫妻を連想させる。

それにしても、何で外国の「第二の国歌」なのか。愛国心が足りないんじゃないか。

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2007年6月24日 (日)

「防衛省主導で自衛隊海外派遣」?

 防衛省と自衛隊の人たちが、海外派遣を自分たちの手で企画、実施したいということだろう。現在では「偉そうにしている外務官僚に、道具のように使われるのはまっぴら」「アメリカの国防総省のようになりたい」ということだ。

 国民の立場からすれば、どこが担当しようが、国民、国会の民主的なコントロールが確保され、適切な判断と正しい手続きの下に実施されることが大事なのであって、役人の縄張り争いについてはどっちでもいい。

 しかし、戦後の体制の中でやや「継子扱い」されてきたが故に、防衛省・自衛隊に対する民主的なコントロールの実質についてはあやふやなところがある。そこのところの整備をしっかりしないで、防衛省や自衛隊の権限を肥大化させていくことは危険きわまりないとも思う。

 社会保険庁も大問題だが、「防衛省」と格上げされ、自民党や民主党の右派が憲法改正して「軍」にしようとしている防衛省・自衛隊については、旧軍とは別の組織であるという前提でいろいろなことが大目に見られてきたが、これからはそういうわけにはいかない。「お役人」は、国民が監視を怠ればとんでもないことをするのが常だが、防衛官僚や自衛官も同様であり、この人たちは人を殺す力や、国家を戦争に巻き込んだ実績があるのだから、よほど注意なければならない。

【以下、共同通信記事のコピー】

防衛省主導で海外派遣を  会議発足、恒久法も視野

 防衛省は22日、自衛隊が実施する国際平和協力活動の在り方を話し合う「国際平和協力活動・関係幹部会議」の初会合を開き、自衛隊や各国の取り組み状況について意見交換した。

 今年1月に防衛庁が省に昇格し、自衛隊の海外派遣が付随的任務から本来任務に格上げされたことを受け、外務省や内閣府の国際平和協力本部事務局が主体となって実施してきた国際平和協力活動を防衛省主導で行えるよう態勢を強化する狙いがある。海外派遣を随時可能にする恒久法(一般法)制定も視野に検討を進める方針だ。

 会議は防衛相以下、副大臣、政務官、事務次官、関係局長、統合・陸海空各幕僚長ら幹部で構成し、今後、月1回ペースで会議を開く。

 会議では、イラク、インド洋、ゴラン高原、ネパールの4地域で実施している自衛隊の活動や、国連の取り組み、各国の派遣状況を確認した。

2007/06/22 20:32 【共同通信】

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2007年6月22日 (金)

沖縄県議会の「教科書検定・集団自決」意見書採択に思う

これは沖縄県議会の意見書が言っていることが正しいと思う。

よく安倍総理はじめ右の人は「歴史家の判断に任せるべき」と言うが、歴史家の多数の判断が変わったわけでもないのに、一つの判例をわざわざ取りあげて、文部科学省が検定意見をつけるのはよろしくない。そもそも裁判自体が政治的な狙いで起こされているのではないか。

教科書をめぐっては偏った動きをする官僚がいるのだろうし、調査官の人選も偏っていて信頼性に欠けるということだろうし、制度全体に問題がある。しかし、基本は総理大臣のものの考え方だろう。「軍」の犯罪を隠して戦前レジームを美化したいのは、憲法9条を変えて「戦後レジームを脱却したい」というのだから、当然と言えば当然なのかもしれないが。

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2007年6月19日 (火)

「野党多数」の次期参院は「9・11後」「バブル後」などを検証する調査会設置を

「まずは過半数取ることに専念を」「虎皮は油断の元」という声がかかることは承知の上でのことだが、来る参院選で「与野党逆転」を達成してから、次の衆院選まで、民主党はじめ野党がどうするかがとても大切だ。

リクルート事件、消費税などが争点だった89参院選時、社会党・土井ブームもあり野党過半数となったものの、本格的な政権交代には結びつかなかった時の経験などよく反省し研究する必要があるだろう。しかし、何と言っても首班指名、予算、条約の批准承認以外の一般の法律案は参院で可決しなければ成立しない。今回は与党が、参院に送られた法案が否決されても「衆院3分の2による再議決」する「数」を持っているということはあるが、憲法上の参院の力は構造上「大きすぎる」と言っても過言ではないのだ。これをフルに活かし、「新たな自民党中心の連立による多数派形成」といった方向に流されるのではなく、政権獲得に道筋をつけなければならない。

個々の法案の取り扱いなどについて、与党が賢明であれば「政策協議」の場面が増え、野党の考えを自公連立政権に部分的に受け入れさせる作業への取り組みということになってくる。「年金」をどうするかは、当然、最も重要な課題になる。

私が強調したいのは、それらのことと同時に、野党に取り組んでほしいのは、表題に書いたように「9・11からイラク戦争にかけてのわが国の政策を調査・検証する調査会」「プラザ合意以後、主としてバブル崩壊後から今日に至る財政・金融政策ならびに、いわゆる『改革』全般を調査・検証する調査会」といった、過去10年、20年、わが国の政府がとってきた政策を、やや長期的に厳しく検証する、参院の公式な機関としての調査会の設置である。

自民党主導の政権が続いたおかげで、外交面での漂流についても、旧大蔵官僚たちや、中曽根総理や竹下総理、あるいは小泉総理や竹中平蔵氏ら自民党政権首脳が行ってきた、「弱肉強食」で格差を拡大する一方、日本経済再生を遅らせてきたその日暮らしの政策運営について、国会レベルでの包括的で公式な検証は行われていない。せめて「憲法調査会」程度の構えで、当時の責任者や学識経験者を次々に参考人として呼び、同調査会程度の『報告書』はまとめてほしい。

人間は、今起こっていることについて学ぼうとしてもなかなか学ぶことはできない。歴史に学ぶべきである。わが国にとって学ぶべき歴史は、韓国に対する植民地支配や中国侵略といった60年以上前のこと、それらも大事だがそればかりではない。正村公宏氏がずいぶん以前に語っていた表現で言えば、現在の日本の状況は、80年代以来、自民党と各省の官僚たちが、いい加減な判断に基づく、いい加減な政策の積み重ねてきたことが招いた結果であり、せっかく自民党が参院で「野党」に転落するのだから、自民党が国会の多数を握り続けてきた間は、国会レベルでは封印されてきた「しっかりした検証」を行ってほしいのだ。

そうすることによって、おのずから「次代の政権」の役割が明確になり、国民にも、次期衆院選の判断の基準を提供することが出来るだろう。

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2007年6月13日 (水)

安倍首相の「私的懇談会」-報道ぶりで事実上の提灯記事に

たとえば昨日、2007年6月12日付『毎日新聞』朝刊2面の左肩に、「集団的自衛権 公使容認論が大勢 安保法制懇 公海上の米艦護衛で」という古本陽荘記者の署名記事が出ている。

「私的懇談会」は都合のよい人々を集め、権威を装い国会の民主的なコントロールを形骸化するための装置であるという批判は、中曽根内閣の臨調だの、防衛費対GNP比1パーセント枠撤廃のための私的懇談会の頃には、広く共有されるようになっていたと思う。

毎日新聞も、日頃はその点について批判的視点をもって報道している。ところが、先に掲げた記事を読むと、「私的懇談会」であることは明記しているが、しかし基本的には「かくかくの議論が大勢を占めた」といったことを、恐らくブリーフィングされたまま書いている。

例えばこれを高校生が読んだとすると、「とにかく大勢を占めた」ならそうするのがいいのだろうと誤解しかねない。

「公海上で米艦が攻撃された時の護衛」というのを、「集団的自衛権」についての憲法解釈変更の突破口にしたいという安倍氏とか岡崎氏の意図についてはよく伝わってくる。

これについては「日本防衛のアメリカ艦船の護衛は正当防衛、個別的自衛権の範囲内のこと」という指摘が以前からあり、久間防衛相もそのような持論であることにふれつつも「しかし委員からは『それでは限定的なことしかできない』と、解釈変更を支持する意見が相次いだ」などと書いているのは、事実上の提灯記事になってしまうのではないか。

言うまでもなく、集団的自衛権とは「自衛」ということばを使っているけれども、集団的「攻撃」権のことであり、国連のお墨付きがないことでも、アメリカの手先になって軍事力を使えるようにしようという話しで、仮にこのようなストレートな記事であっても、私的懇談会でこんなことをやっていること自体に批判があるということも書き込んでいくべきだ。取材対象といい関係を結んでいたいとということばかりが先に立つようでは困る。

と文句を書こうと昨日から思っていたら、今日の紙面のコラム「発信箱」で元村有希子記者が、この記事に直接触れたわけではないが、有識者会議について「身内だけで国の方針を決められてはたまらない」と書いていた。その通りだ。

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2007年5月24日 (木)

「温暖化ガス削減」も大事だが、「核軍縮・不拡散」を忘れるな!=猪口邦子代議士などもっと働くべし=

ニュースを聞いていると、安倍内閣は今年のドイツでのサミットと、来年わが国で開催されるサミットの中心テーマは「温暖化ガス削減問題」であると考え、わが国が「主導権」を発揮すべく削減目標設定に取り組んでいるそうだ。

もちろん、温暖化ガス問題は重要であり、そのことに異論はないが、ブッシュ政権がソッポを向いているときには主要課題としてまじめに取り組むことをせず、「イラク戦争」の世界政局が終局に向かう中、EUが先手を取り、イギリスのブレア政権がイラク戦争毒消しのために、より意欲的な数字を打ち出し、件のブッシュ政権ですら6年間無視していたのに、風向きが変わったかのようにバイオエタノールを柱に意欲的な目標を打ち出した後になって尻馬に乗って騒いでいるに過ぎない。「主導権」とはちゃんちゃらおかしい。

「温暖化対策」が世界政治のなかで動き出そうとしているのは、「9.11同時多発テロからイラク戦争、イラクの泥沼化」という大政局の中で、一時的に凍結されていた、本来取り組まれるべきテーマが再浮上しているというように捉えるべきだ。

それなら、「ブッシュ様のお許しが出たから、温暖化問題に取り組もう。格好だけでも主導権をとっているようなポーズをなんとか決めよう」といったいつもの対米盲従ばかりでなく、「9.11以来の一時的大逆流」の中で、背景に押しやられていたテーマの中で、日本が、わが国が、自分の頭で考えて、何が再び優先的に取り組まれなければならないかについて、イニシアチブを発揮すべきである。

「共和党主導の米上院、ブッシュ政権、9.11からイラク戦争」という流れの中で、温暖化ガス規制問題が進まなかった構造を象徴したのが、共和党主導の米上院の決定による、アメリカの京都議定書離脱だった。

同様に思い出すべきは、クリントン大統領が世界の首脳に先駆けて署名した全面的核実験禁止条約の批准が、共和党主導の上院によって阻まれたという事件である。

冷戦終焉後、父ブッシュ大統領、クリントン大統領の下で推進された国際協調と核軍縮・不拡散のそれなりに誠実な追求と対照的に、ご承知の政権の下、ご承知の事情によって逆流の中にあったのだ。2005のニューヨークでのNPT再検討会議におけるブッシュ政権代表の悪態と、会議の不首尾は、その最たるものだった。

日本政府は、ポチのようにアメリカ政府に追随して「温暖化ガス削減」を叫ぶばかりでなく、アメリカ政府に対して「核軍縮・不拡散も忘れないでくださいよ」と強く言うべきだ。温暖化ガス対策が2007のドイツサミットの売りなら、2008日本サミットは本来ならば「核軍縮・不拡散の新たなステージへ」をテーマまとするべきである。

野党は、ぜひそのような課題設定を打ち出してほしい。自民党でも、軍縮問題に詳しいはずの猪口邦子代議士などは朝日新聞に立派な意見も発表しているのだから、口先だけではなく、政府の政策に反映するようもっと働いたらどうなのだろうか。評論家ではなく、与党の政治家なのだから。結果を出さねば存在価値なし。

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2007年5月23日 (水)

安倍訪米、中東歴訪の内幕より=やはりブッシュの使い走りだった=

外交通の方々はとっくに知っていた話しかもしれませんが、久しぶりに永田町に出かけて耳にしたことのひとつ。「日米首脳会談で安倍首相はブッシュ大統領より『サウジアラビアの首脳に、イラク政策などでぜひアメリカの中東外交に足並みをそろえてほしいと強く働きかけてほしい』と要請を受け、サウジでの首脳会談の冒頭で、そのことをかなりまじめに、力を込めて語ったが、サウジ側はこのことについては全く相手にしなかった」そうだ。

父ブッシュ政権の湾岸戦争以降のサウジアラビアの内情について、公開情報をある程度継続して見ているだけでも、ブッシュ大統領の話を真に受ければ、サウジ側と大きな齟齬を生じるとともに、日本の自主性が疑われて国益を損なうことぐらい常識としてわかるはずなのに。学力不足でも首相になりたがった本人、その彼を選んだ自民党のレベルは、イラク国内にスンニ派・シーア派の対立があることすらちゃんとは理解しないままイラク戦争を始めたブッシュ大統領同様、実に、実に困ったものだ。

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米民主党議会指導部、「イラク撤退期限」削除で賢明な収束=「首相公選論」の反面教師=

アメリカの民主党議会指導部が、イラク戦費法案の「撤退期限」削除で大統領に妥協という報道。止むを得ないと思う。

愚かにもウォルフォビッツ世銀総裁(6月末で辞任)を最後までかばい続け、ゴンザレス司法長官擁護についても頑ななブッシュ大統領が、イラク撤退について議会と賢明な妥協をすることは想像できない。

同じ大統領制でも、フランスの大統領制などと違って強すぎるアメリカ大統領の「拒否権」は、「構造の問題」であり、ここで決着を引き延ばせば、結果として民主党が「泥沼化」の共犯者になってしまう。

初の女性下院議長であるペロシ女史も、就任早々の最低賃金引き上げなどの実現以降、「成果のない会期」と責められているが、引き続き、上院とともに「9.11とブッシュ政権」のせいで本来進むべき軌道を大きくそれてしまったアメリカ政治と世界政治の軌道修正のために王道で踏ん張り続けてほしい。

やはり決着はヒラリー・クリントンまたはオバマ民主党大統領の誕生を待たねばならないだろう。共和党はマケイン、ロムニー失速後はリベラル色にもかかわらずジュリアーニ前ニューヨーク市長が浮上しいて、民主党の脅威になるかもしれないが。

「強すぎる大統領拒否権」という「構造問題」は、わが国の一部にある「首相公選制」を冷静に考える機会を与えている。やはり首相は議会の過半数、少なくとも相対多数の支持を得ていなければ、民意を汲んだ安定的な政局運営はできないと思う。大統領選挙と議会選挙を別にするならば、首相は大統領が議会多数派を指名する慣行のフランス型がよい。

イスラエル型の首相公選導入は、アメリカの「強すぎる大統領と議会の不毛な競合」という構造問題を、わが国にも持ち込むマイナスの方が大きい。

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2007年5月22日 (火)

今よりずっとましだった経団連会長・平岩外四氏の訃報

元経団連会長・平岩外四氏の訃報聞く。政治献金斡旋中止は、成立した細川内閣に擦り寄ったという見方もできるけれども、見識と理想を感じさせた。東京電力の問題もあってか最近声が聞けず残念だった。

やはり兵士として前線で辛酸をなめた経験、そして豊富な読書量に裏打ちされた発言には重みがあった。出身メーカーのキャノンは汚い偽装請負、自身はたまたまレーガン政権下のアメリカにいたから弱肉強食路線に感化されただけという今の人とはモノが違った。

(参考 こんな発言見つけました)

http://abe.jp-j.com/?eid=557743

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2007年4月25日 (水)

安倍氏はアメリカが嫌い?―アメリカ人が草稿書いたって、いい憲法ならいいじゃないか。

安倍首相は、昨日の自民党の改憲大会で今の憲法は占領下で、GHQの素人のアメリカ人が草稿を作成したのだから、早く改正すべきだという趣旨のことを話したらしい。

いつも言うが、民政局スタッフの多くはハーバードやエールのロースクールを出ていたり、大学教授の経歴があったりで、少なくとも「成蹊大学の学部出」より、知性において少しだけ秀でている可能性が高いのではないか。

今の憲法は「お父さんはアメリカ人じゃないか」との差別的発言ともとれるが、人は人種や職業ではなく、その人自身の品性や能力で評価されるべきであるのと同様、私は憲法も「誰がお父さんか」ではなく、良い憲法なのか、悪い憲法なのか、そのことによってこそ評価されるべきであると考える。

国民主権、基本的人権の尊重。第9条については解釈改憲で「変遷」が進んでしまっているし、イラク派兵などでそうとう危ういけれども、後藤田さんも強調していたように「この憲法の下で、外国で日本の部隊が一人の人をも殺していない」のは、日本国民が誇りに思っていてことだと思う。

というわけで、森田は安倍主導の改憲には、アメリカ軍の攻撃を手伝えるようにするために「集団的自衛権」についての政府の考え方を変更しようという最近の動きとともに反対だ。

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2007年4月24日 (火)

ハルバースタム氏を悼む

デイビッド・ハルバースタム氏がサンフランシスコで交通事故死と聞き、たいへん残念だ。まだ73歳であり、できればインタビューしたい人物だった。

ベトナム戦争報道で名を馳せたハルバースタム氏のジャーナリストとしての姿勢は、最近の日本の新聞やテレビの30歳代、40歳代の記者たちが、取材対象と良好な関係を維持し、同業他社とさえ横並びを保ってお互いが、無事デスク、部長、それから上にいくとか、無事定年まで勤めるなり、関係会社に天下りすることしか考えてないんじゃないかと見受けられる様子とは対照的なものだったと言えるだろう。

志のある記者は、ハルバースタムのごとく状況を巨視的に捉え、権力のウソを見破り、そのプレッシャーをはねのけるジャーナリストを目指してほしい。ハルバースタムだって、ベトナム戦争の当初は政府の発表を鵜呑みにしていたそうだから、自分の目でしっかりものを見、自分の頭でしっかりものを考えていれば、誰だって日本のハルバースタムになる可能性は開かれているはずだ。若いジャーナリスト、ジャーナリスト志望者の奮起を望みたい。

冥福を祈る意味で、久しぶりに『ベスト・アンド・ブライテスト』を本棚から引っ張り出してみたいと思う。

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2007年3月30日 (金)

道徳、「教科」に格上げするなら

「教育再生会議」が道徳を「教科」に格上げ提案へという記事を見て、また戦前回帰の復古調か、中国の古典思想の中でも硬直した「朱子学」で『尽忠報国の士』を育てようというのか、とあきれるばかりだが、どうしても「教科」に格上げするというのなら、内容について取りあげてほしいことがいくつかある。

まず「女の人を甘い言葉で騙して、非人道的な職場環境に追いやる」なんてことは、最も道徳に反するということをしっかり教えなければならない。

ついで、悪いことをしたらちゃんとあやまること。証拠の書類がないからあやまらない、なんていうのは最低の態度だということを小さいときから叩き込まなければならない。

この二つのテーマについては、従軍慰安婦問題が教材として好適なのはいうまでもないだろう。

普通の人でも、特に社会的に影響力を持つ人、例えば東京都知事といった地位にある人は女性を「ババア」と呼んだり、近隣諸国出身の人に「第三国人」といったことばを当てることは、日本社会の品位を汚す非道徳的な行為であることも、実例を挙げて教えるべきだ。誰のことだかわかるよね。

政治や官僚の腐敗を、子どもの頃から防止するためには、「公務員は、職務権限云々といったことと関わりなく、人からタダでものをもらうようなことをしてはいけません」と叩き込むべきだ。冬休みの宿題は、特に政治家や公務員、財界幹部の場合は「お父さん、お母さんに届いたお歳暮の一覧表を提出しなさい」というのがいい。

そうは言っても、道徳「教科」化などより松岡大臣を「嘘つきは道徳に反する」とクビにする方が、よほどいい道徳教育になると思うけどな。

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2007年3月28日 (水)

北京オリンピックまで500日

2008年の北京オリンピック開催まで500日を切ったそうだが、私はひとりの日本人として、この大会の成功を願わずにはいられない。

「中国の国威発揚じゃないか」という意見もあるかもしれない。わが国の1964年(昭和39年)の東京オリンピックもそうだったという見方もあるだろう。

しかし、オリンピックは言うまでもなく平和の祭典だ。戦後、田畑政治という人(故人・日本水連会長)がオリンピック招致を言い出したきっかけは、国際競技大会に復帰した日本選手にアジアの人々から浴びせられた罵声であり、「平和国家日本」の再出発を国際社会にアピールすることだったという話しが最近の「その時歴史が動いた」(NHKテレビ)で紹介されていた。

そのような田畑の意向もあり、東京オリンピックの聖火はラングーン、クアラルンプール、マニラ、香港、台北など日本が戦火をもたらした地をリレーし、開会式の最終ランナーは原爆が投下された日に広島で生まれた青年が務めた。しかし、画竜点睛を欠いたのは中国とは国交正常化前であったため、東京オリンピックには中国の参加がなかったことだ。

東京オリンピックは「2回目」だった。1940年(「紀元2600年」)に開催が決まっていた東京大会は、1937年に始まった日中戦争における日本の行為を批判したアメリカやイギリスが不参加を決めたことなどにより、1938年に中止されている。

この二つのことを考え合わせると、北京でオリンピックが開催され、それに日本も参加すると言うことは真に喜ばしいことであることがわかる。私たちが北京オリンピックの開催を祝福し、よきスポーツ交流の実を挙げることができれば、20世紀の恩讐を超えて、日中が平等なパートナーとして歩み始めることを象徴するイベントになるのではないか。

国威発揚や公共投資誘導の観点から「3度目」の東京オリンピックを言うよりも、まずアジアの平和、近隣外交の面から北京オリンピックの持つこのような側面について考えてみることが必要なのではないだろうか。

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2007年3月19日 (月)

朝日新聞東京版記事「過去に例がない」は間違い-県知事経験者の都知事選挑戦

けさの『朝日新聞』東京本社版34ページの「知事語録」で、各県の知事さんたちが浅野前宮城県知事の都知事選立候補に述べた感想を紹介していているが、リードに「知事経験者が別の都道府県の知事に立候補するのは過去に例がない」と記者が書いているのは事実と違うと思う。

森田の知る限りでも、かつて坂本元兵庫県知事が「革新系」で都知事選に出馬して敗れた例があり、その話は結構有名ではないか。地方版の記事とはいえ記者の水準劣化、ないしは政治に関する教養の不足を感じさせる誤まりであり残念だ。

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2007年3月 6日 (火)

アメリカ議会の「従軍慰安婦謝罪要求決議案」に関連して

すでに各紙社説などに必要な論点はみな出ていると思いますが、一点だけ補足的に申し上げたいことがあります。それは、この問題も国際法上は韓国との国交正常化の時に「解決済み」というのがわが国の政府の立場だったにもかかわらず、なぜあの時、一歩踏み込んで官房長官談話が出されたのかという点にかかわってのことです。

日本と韓国の侵略と植民地支配にかかわる問題は、国交正常化の時に決着しているというのが、日本政府と韓国政府のお互いの了解事項です。日本はおわびの気持ちを込めて経済協力を約束する。一方、韓国国民個人の被害については、韓国政府が補償するというのが日韓関係正常化の根本であることは、両国がお互いに了解しているわけです。

日韓正常化の時には「慰安婦問題」がクローズアップされることはありませんでした。クローズアップはされなかったけれども、これも大きくは日韓基本条約のワク組みの中に含まれているというのが国際法上の事実なのだろうと思います。

しかし、宮沢内閣の頃、被害に遭われた女性たちが次々に名乗り出られてわが国の政府に謝罪と補償を求められて大問題になる。日本側の一部には「それならどうして日韓正常化の時に名乗り出て主張しなかったのか。もう決着していることを後出しのように言われても」という反応があったのも事実です。法律論だけで言えば、そういう理屈も一概には否定できない。

しかし、一方で韓国は日本以上に儒教倫理の極めて厳しいお国柄ですから、若い頃にはそんな酷い目に遭ったという話しをすることは、恥ずかしいし、差別される恐れもあるし言い出せなかったというのは真実だと思います。しかし、もう高齢になり、この世を去る前に、やっぱり人間として、真実を告白し、あんな酷い目に遭わせた人々に謝罪のひと言も言わせなければ死んでも死にきれないという気持ちを表されたに違いない。これは、ちょっと想像力を働かせればわかることです。

こどもが遊びの中で言う言葉に「ゴメンで済めば警察いらない」というのがありますが、この場合は「国際法だけの話しですませるなら政治家はいらない」という場面だったと思います。法律的には決着済みでも、目の前に血の叫び、魂の叫びがある。そして、冷戦終焉後の日本にとって、隣国である韓国との関係はこれからたいへん重要になってくることは目に見えている。日本国民と韓国国民が、これから良い関係を築いていこうと言うときに、この問題についても韓国の人々がどういう気持ちでいるか、日本政府に対してどういう態度をとってほしいと思っているのかを無視して前に進めるわけがない。

法律論だけでは割り切れない真理をすくいあげようとする努力も時には必要であるわけです。「政府の文書による証拠が無い」などと言いますが、その当時の政府の文書管理規定が整った法制度だったのかという問題があり、これは現在の問題でもあります。仮に制度が整っていたとしてもそれが守られていたという保障ができるのか。むしろ、軍をはじめ政府機関は戦争に負けると文書を大量に焼却し、一時は空が黒くなるほどだったというのをみんな知っているわけです。

ただし、官房長官談話が表明したことが、日韓正常化当時の法的な決着と矛盾しない範囲でのことだっただけに、慰安婦の方々に「日本の誠意」を伝える役割を担われた「女性のためのアジア平和基金」に関わられた方々などには、二重の意味で負担をかけた=つまり、韓国の方々には「日本政府の公式の補償でないなら受け入れられない」と批判され、日本の一部からは「国際法上決着していることにカネを出すなど土下座外交だ」と批判された=わけです。

しかし、日本人の誠意を伝えようと骨を折られた活動の積み重ねは、今日の日韓関係、また将来の日韓両国民の心と心の触れあいにとっては決して無駄ではなかった。誠意に基づく行動に無駄なことなどあるはずがないわけです。

「官房長官談話を見直すべきだ」云々と言っている人々が今もいるわけですが、そういう人々の動きが、アメリカ議会や韓国のマスメディアにどういう反応を引き起こしているか。20世紀前半に日本が韓国国民に対して、また中国や東南アジアの戦場で行ったことについて、何か正当化したり、「本当は日本は悪くなかったんだ」といった、世界の中で日本人にしか通用しないことを言い募って、何かわが国の国益の観点から、得になることがあるのでしょうか。

「夜郎自大」ということばがありますが、われわれは本当の意味での未来志向であるべきで、過去に焦点を当てて「日本は悪くなかった」といった話しに熱中するのはいい加減にした方がいいと思います。米下院の決議案といったものに対しても、事実と違うことについて冷静に指摘するのはいいですが、基本的には「20世紀前半のわが国の振る舞いについては、ご指摘にごもっともなこと多く、わが国の国民はみな反省しています」と言うべきなのです。世耕補佐官が火消しに躍起ですが、安倍総理が「強制性の定義云々」で河野談話を否定したい本音を記者団に漏らしたことは、国際社会の日本不信を増幅する愚かな失言でした。

アジア系アメリカ人の中で、地盤沈下している日系が居場所を探すといった小さな話しに付き合わされて、日本の評判を落とすなどは馬鹿馬鹿しいことだと思います。

                                                                          以上 

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2007年2月27日 (火)

「いじめ」問題に取り組むつもりがない安倍内閣-「非科学的」な文部科学大臣

「いじめ」とは人権侵害そのものである。学校にいじめの問題があり、多くの子どもが苦しみ、自殺する子どもさえたくさんいるということは、すなわち学校で人権がちゃんと守られていない現実があるということだ。「いじめ問題に取り組む」とは、「学校で人権が守られるようにする」問題なのだ。

伊吹文部科学大臣は先週末に、わが国では人権が過剰に尊重されているという認識を表明したそうだが、いじめ問題についてだけ言っても、これはたいへん誤った認識だ。こんな大臣がトップではいじめ問題は絶対に解決しないだろう。

同じ講演で「日本は極めて同質的な国」「大和民族がずっと統治してきた」といったことをまだ言っているらしい。ミトコンドリアDNAの分析によって、「日本人」形成過程はかなりの程度科学的に解明されているわけだが、伊吹氏の言う「大和民族」というのは、科学的に言えばどこの誰のことなんだろう。伊吹氏自身はそういった科学的な認識には興味がないのかもしれないが、今は英語の名刺には「サイエンス」を担当する役所の大臣だと書いているのだろうから、もう少し科学に関心をもってもらいたいものだ。

「人権はおいしいバターだが、バターだけ食べればメタボリック症候群になる」という趣旨のことも言ったそうだ。科学担当大臣なら、昨年暮れにニューヨーク市がトランス脂肪酸(TFA)を禁止したというニュースに若干の関心は持っただろうか。発言は「バター」と言わず、「マーガリン」と言った方が、少しは時事的なセンスがあるということになっただろうに。わが家などは何十年も買っていたマーガリンを昨年止めて、同じメーカーのバターに切り替えた(それで伊吹発言にカチンと来たという説あり)。

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2007年2月26日 (月)

ロシアのフラトコフ首相来日と聞いて

ロシアのフラトコフ首相が来日するそうです。フリステンコ産業エネルギー相、グレフ経済発展貿易相や財界人らも来るということで「経済代表団」といった趣き。

「環境・エネルギー面での協力にお互いの利益がある」「日本からの投資拡大にはロシア側のさらなる環境整備が必要」など経済関係については一般に言われていること以上にここで付け加えることはありません。

世界情勢が「9・11」「ブッシュの戦争」という局面から、普通の状態にかなり戻ってきているというということを申し上げているわけですが、ロシアとの関係で申し上げますと一時期の「ソ連崩壊」「混乱と弱い経済のロシア」という局面が終息し、「強い政治指導と豊富な資源の大国」のカムバックということが言えると思います。

そういったことが先日のミュンヘン安全保障会議で、アメリカの東欧へのミサイル防衛配備をめぐってプーチン大統領が「アメリカは危険な大国」と発言し、翌日ゲーツ米国防長官が「同じ情報機関出身者としてノスタルジーを感じるが、冷戦は一回だけでいい」という応酬の背景にあると思います。

それでは、日本も冷戦時代に回帰してアメリカとの同盟一辺倒に回帰するのか?。ロシアに対しては「日本国内はそのような意見ばかりではない。最近は底流に隠れているが多極的な世界、地域協力を重視すべきだという意見もある。ただし、ロシアが対日強硬路線をとると、反動でそのような声はかき消される恐れがある」という発信をする必要があると思います。
 
領土問題解決の「潮目」は、実は宮沢総理の指摘したエリツィン政権成立後の1990年代初頭ではなく、1987年~89年頃だったと思います。今回もまた、自民党政権と外務省は小泉前総理の責任が大きいとはいえ、2~3年前の「潮目」を逃したというのが大局だと思います。

「ロシアのカムバック」「9・11とブッシュの戦争という局面の終焉」によって日ロ関係も「普通の状態」に戻って安定する=領土問題解決は遠のいていくように見受けられます。

このままでは「普通の日本人にとって、ロシアというと何といっても思い浮かぶのは『領土問題』である」という現状が変わらず、これは将来、協力が必要になった肝心なときにお互いの手を縛る恐れがあると思います。可能な限りそのような危険は平時において取り除いておいた方がよいのであり、双方が「ともに一つの問題を解決しようと願うパートナーである」という気持ちをもって解決を求める姿勢を常に保っておくべきだと思います。

文学、音楽にはじまりゲルギエフ(指揮)、ネトレプコ(ソプラノ歌手)、シャラポワ(テニス)とロシア国民のパーソナリティーには日本人を深く魅きつけるものがあるわけですが、「北方領土問題」という呪文が生きている限り、一般の日本人にとって「帳消し」になってしまうというのも「現実」なのだということは、ロシア側にはっきり伝えた方がいいと思います。

安倍首相との会談も予定されているようですが、安倍晋太郎外相(のち自民党総務会長)、安倍晋三外相秘書官(当時)父子は主観的には日ソ関係改善に努力したとのことですが、それが例によって中味の何も無いカラッポなものなのか、それとも多少何か芸のあることなのか、注目してみたいと思います。

                                                         

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2007年2月19日 (月)

北の核放棄へ「日米韓」「日米韓中ロ」の結束が重要-聖学院大総研のシンポジウム

先週末の16日(土)午後、池袋で開かれた聖学院大学総合研究所主催のシンポジウム「東アジアの平和と民主主義」を聴講しました。「六者協議」妥結以前に計画されたものだけに、発言者はあらかじめ印刷配布された冊子に書いたことと離れて、合意をめぐっての評価などについて発言しました。

17日(日)のNHK「日曜討論」にも出た伊豆見元静岡県立大教授は、「アメリカでも保守派は『核の完全廃棄ではないのに与えるものが多すぎる』と批判しているが、彼らが強硬論を唱えて取引を拒否している間に、北朝鮮が持つプルトニウムは生産が続いて5倍に増えた。これからが大変だが、『初期段階』でプルトニゥム増産を止めるだけでも、これまでの何の歯止めもない状態よりよほど良い」と評価し、「重油5万トンプラス95万トンというのも、北朝鮮が94年の枠組み合意で目論んでいた重油総量の5分の一以下で、金額の面から見てもアメリカにとって安い合意だ。それでも合意したのは、北朝鮮にとってアメリカとの関係が前進する可能性に魅力があるということだ」と指摘しました。

さらに伊豆見氏は、合意が成立した原因は、アメリカ政府が北朝鮮の核実験後、国連決議の草稿に「六者協議復帰を」と書き込んだことでわかるように、北の核の脅威を本物と考えるようになって「取引をしよう」と政策を変えたことが大きいと述べました。この点でパネラーの朝日新聞記者の渡辺勉氏はイラク戦争の現状により軍の人員配置が厳しくなっていること、さらに中間選挙の敗北が政策転換の背景であると強調しました。

日曜午前の各局テレビ出演者の顔ぶれがアメリカ、日本の視点にほとんど限られていたのに対し、このシンポジウムは韓国、中国からのパネラーの発言が興味深かったです。

韓国からの康仁徳・韓国極東問題研究所長(中央情報部出身、金大中政権の初代統一相)は、合意を一応評価しつつも「金正日氏の言うことは『十分の一くらい信じられる』という実感を持っているが、大事なことはアメリカ、韓国、日本の3国が結束を固め、その結束に基づいて中国に共同歩調を求めていくこと。現在の韓国の政権はアメリカや日本と歩調を合わせることよりも、単独で北支援にのめり込んでおり、これは良くない」と強調しました。

中国の金熙徳・中国社会科学院日本研究所副所長(延辺生まれ)は、中国の見方は幅広いが「北が核を持つことは認めない」ということは一致している。中国は本音では認めるつもりだという見方は間違っていると強調しました。

金副所長は関連した背景説明として「中国社会科学院などの中国の研究機関では、部内の議論における発言は全く自由。しかし、刊行物などでは一定の範囲に収まるよう編集部が執筆者に協力を求める。北朝鮮についても、以前から厳しい意見はあったが、核実験前は外に出さなかった。実験後、そう言う意見も外に出すことになり、見かけ上中国の北に対する厳しい意見が急に出てきているように見えるかもしれない」と述べました。

さらに、興味深い話しとして「(第三国の)外交官などには『北を崩壊させても、中国が後を支配下に収めれば問題ないではないか』といった粗雑な話しを持ちかけてくる人がいるが、中国は自らの現実的な利害に基づいた戦略に従って行動するので、そのようには動かない」「中国人に北朝鮮と韓国のどちらが好きかと言えば、10人中10人が『韓国』と言うだろう。しかし、北を崩壊させるか、守るかと言えば、全員が『守る』と言う。それは戦略上の判断だ」。

さらにパネルディスカッションで北の将来像について意見交換がありましたが、金熙徳副所長は「北朝鮮以外の社会主義国は、全て改革開放に踏み切るか、崩壊した。私たちは崩壊を望んでおらず、改革開放に導きたい」とし、次期指導者についての質問に「個人的には、次も世襲することは難しいと思う」と発言。その点は韓国の康仁徳氏も「世襲は難しい。集団指導体制で安定するのが良い。韓国の大多数も一挙の統一を望んでいない」と展望を示しました。

さらに、金熙徳副所長が「私は北の非核化には6カ国協議の他の5カ国が結束を維持することが肝要だと思う」と述べたのに対し、渡辺記者は「中国、韓国が戦略観を持ってこの問題に対処しているのに対し、日本政府の戦略がなかなか見えないのは残念」という趣旨のコメントをしました。

安倍政権は『拉致問題』という、自国のというよりも、自らの政権の利害に汲汲としてしているように見え、大きな戦略を打ち出すということがありません。これは無いものねだりというものですが。

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2007年2月15日 (木)

6者協議合意-日本も行動すべきと言う河野太郎代議士に賛成

北朝鮮の核をめぐる6者協議の合意について、河野太郎代議士はメールマガジン「ごまめの歯ぎしり」2月15日付でウラン濃縮や既存核兵器について曖昧など不十分な点もあるが、北がミサイル搭載可能な核弾頭開発に進めば、わが国にとって本当の脅威になるので、そういった国益の観点から日本政府も合意の実現に向けて、出来ることをすべきだという趣旨の発言をしている。

このブログで何度も言ってきた通り、森田も全く同意見だ。河野太郎代議士といつも意見が一致するわけではないが、この問題については森田とアメリカのまともな人々との意見が一致しているということかもしれない。

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2007年2月11日 (日)

六本木東宝シネマズの『不都合な真実』チケット売り切れ

明日、家族を連れて六本木東宝シネマズにゴア元副大統領の『不都合な真実』を見に行こうと思ったけれども、前売り券は夕方までの4回までは全て売り切れ。来週以降にすることに。

12月30日の午後に『硫黄島からの手紙』を見に行った時には(たまたま安倍総理の前日だった)、ずいぶん入っていたけれども前夜の予約でいちばんいい席だったので、なかなかの人気のようだ。これは嬉しいニュース。

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2007年2月 6日 (火)

二度目の柳沢厚労相発言

最初の発言について「柳沢さんは自民党の中でも、良識のあるまともな人なのにね」と話していたところ、再度の失言。社民党の福島党首に「やっぱり頭数でしか考えてないのか」と言われても仕方がない。

いつも同じことを繰り返しているが、これからの頭数を心配するのと同じくらい、すでに生まれている子どもたち「一人一人をもっと大切に育てる」ことを考えなきゃ。小学校の一学級の人数を15~20人くらいにすることなどをすぐにやるべき。

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2007年1月10日 (水)

インド核保有容認へ(読売)

読売新聞朝刊1面トップに「インドの核保有容認へ」という記事が出ている。ブッシュ大統領が主導したアメリカとインドの原子力協定は、NPT体制を根底から揺るがすものであり、昨年の共和党主導の議会で承認されたが、アメリカ国内にも強い反対意見がある。

核軍縮を求めるわが国としてはこれを安易に容認すべきではない。

北朝鮮の核実験については騒ぎ、このことは見過ごすというのであれば日本の原則、意思はどこにあるのかを問われることになる。

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2006年12月20日 (水)

天下為公

麻生太郎さんが派閥をつくり、「為公会(いこうかい)」と名付けたそうだ。

「天下をもって公となす」。『礼記』が出典とのことだが、むしろ、近代中国建国の父・孫文がよくこう揮毫していたように思う。

麻生さんも結構中国に敬意を払っているのだなと思ったり、いやいや、台湾でよく見かけたんでしょうと思ったり。

孫文の墓、中山陵は南京にあります。清朝時代には日本を革命運動の根拠地の一つにしていました。対華21か条要求を発出した後のわが国に対しても「今後日本が世界文化の前途に対し、西洋覇道の鷹犬となるか、或は東洋王道の干城となるか、それは日本国民の詳密な考慮と慎重な採択にかかるものであります」と、「今からでも遅くない」というように呼びかけてくれた人でもあります。

まあ、手遅れだったわけですが。ちょっと思い出しましたので。

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2006年12月12日 (火)

シンクロの井村前ヘッドコーチ中国招聘のニュースを歓迎する

シンクロナイズドスイミング日本代表の井村雅代前ヘッドコーチが、北京五輪で中国代表の指導に招聘されたというニュースは、一部には「中国脅威論」の一種として迎えられるかもしれないが、これも「日中文化交流」のひとつの可能性を示すものであると思う。

明治維新以来、とにかく「追っかけ」一方だった日本から、オリンピックに全力を注ぐ国に得意種目の指導者がコーチとして招かれるということ自体誇らしいことだが、それ以上に、井村さんの指導がどのように成果を結んでいくか、あるいは困難に直面するかといった「過程」において、日本の国民性と中国の国民性といったものについて、お互いがよく理解する契機の一つになり得ると期待するからだ。

われわれは、ややもすると「国際」とか、「国際性」というと欧米ばかりを思い浮かべる傾向があるが、「中国の井村コーチ招聘」は、日本の「国際性」を一段高いレベルに引き上げるきっかけとなるような気がする。

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2006年11月30日 (木)

防衛庁「省」昇格で問い直すべきこと

戦争が終わった時に、問い直すべきことがたくさんあった。例えば、サイパンや沖縄で地上戦に動員された民間人は、東条英機の「虜囚の辱めを受けず」という戦陣訓を叩き込まれていた一方で、捕虜の扱いに関する国際法を一切教えられておらず、「アメリカ軍の捕虜になったら、たいへんな目に遭う」と信じ込まされて自決に追い込まれた。こういった問題の経緯を検証して責任の所在を明らかにし、再発を防止するための措置は政府によってはなされていない。

「東条さんが東京裁判で処刑され、憲法で軍隊もなくなってしまったのだから‥」というのが、その辺を曖昧にする大きな理由だった。

防衛庁「省」昇格で、普通の国に一歩近づく。担当大臣の役職は「防衛大臣」となり、戦前の陸軍大臣、海軍大臣と閣内での地位はうんと近づく印象だ。自衛官、防衛官僚も海外で胸を張って歩けると喜んでいることだろうが、それならば「そもそも軍隊はなくなったのだから」と不問にしてきた、シビリアンコントロールや、軍による人権侵害に関わる問題などについて、過去の事例を洗い直し、適切に処置していくことが重要だ。

元朝日新聞記者の田岡俊次氏が指摘しているとおり、画策されている憲法改正において、一般の司法と別に軍事裁判のシステムを作ろうといった話しを決して認めてはならないといったことが、最も基本的な問題の一つであることは言うまでもない。

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2006年11月18日 (土)

アメリカでプレーステーション3発売騒動

朝、CNNがアメリカでもプレーステーション3が発売になり、けが人が出たり強盗が出たりと騒動になっていると報じていた。ウォルマートを批判していた前副大統領候補のエドワード前上院議員も子息のために「ウォルマートで」購入申し込みをしていたとかで「妻が‥らしい」と釈明というのもご愛敬だ。

冷泉彰彦さんがメールマガジンで、ユーチューブで秋葉原での発売の様子などを見たアメリカの若者たちが「すごい」と思ったという説を述べられていて興味深い。先の中間選の上院バージニアで当落と多数派逆転を決めたのも、「大統領候補」とさえ言われていた共和党保守派現職のアレン議院が、遊説のうまくない発言を撮影してはユーチューブにアップしていた民主党ウェッブ候補陣営のボランテイアのビデオカメラに向かって「また君か」と不快感を表明するために「歓迎するよ、マカカ」とインド系への差別用語で呼びかけたのがきっかけだったことを思い起こさせる。

アメリカで日本関係のニュースが大きく扱われるのは、松坂大輔などプロ野球とこの辺の話題ということなのだろう。どうしても「日本、日本」と騒ぎたい右翼の政治家たちは、ソニーに頼んで、電源を入れたらまず日の丸が出るようにお願いしたらいいんじゃないか。郵政解散のマジックでマスコミを操作し、国民を騙して得た大議席で「教育基本法」を変えて、個人の内心の自由を力で侵すことに熱中するよりは、よっぽど副作用が小さくてPR効果がある。

まさか「企業の自由は神聖にして侵すべからずだからできません」などとはいわないでょうね。

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2006年11月14日 (火)

やはり極端に右に偏った安部内閣-安保有識者会議に岡崎久彦元駐タイ大使ら

首相官邸主導で外交・安保政策を立案・決定する「日本版NSC(国家安全保障会議)」の創設に向け設置される、有識者による「国家安全保障に関する官邸機能強化会議」の顔ぶれが報じられているが、その人選に安部内閣の極右偏向ぶりがよく出ている。

森本敏氏、柳井元駐米大使などはテレビの討論番組で「親米右派」の立場でよく出てくる顔ぶれだが、久しぶりの元警察官僚の佐々淳行氏は、後藤田さんの弟子を自認しながら後藤田さんとは似ても似つかぬ自衛隊の海外派遣積極論者。とにかく、これらの人々はチャンスがあれば自衛隊の活動範囲を広めようとしてきた人々だ。

国連公使として安保理入りに取り組み、それが小泉総理の靖国参拝で挫折して帰国した北岡伸一東大教授は、右寄りの中でも人格・識見優れた人だが、それにしても早い段階から、例えば太平洋西岸のどこかの国に政情不安定が起これば、その沖合に海上自衛隊の艦隊を派遣して情勢急変に備えるのは憲法の禁ずるところではないといった、古典的な考え方というか、軍事力行使に極めて抑制的な立場とは言い難い人だ。

極めつけは岡崎久彦氏だ。なんでも陸奥宗光のご子孫だそうで、たいへんな名門だが、外務省の局長だった時代から著書で、日本はアングロサクソンと同盟していた時代は繁栄したといった雑ぱくな議論を振り回し、日本国憲法を重視して日米安保の強化に反対する人々や、平和と軍縮を指向する勢力を蛇蝎のように嫌った言辞で際だってきた人物だ。

最近では、この人が靖国神社の遊就館の展示のうち、日米開戦の原因についアメリカを批判した部分「だけ」について改変を主張し、神社側も受け入れたという報道が耳に新しい。要は、アジア侵略の反省に欠け、アメリカ一辺倒の、日本国憲法を敵視した改憲論者だ。

このような人を、日本の将来の安全保障システムを考える要の諮問機関に起用すること自体が安部政権の本質をよく表している。

安部政権組閣の際に、「補佐官」を国会に引っ張り出すことが必要だと指摘した。野党の要求にまだ与党が応じないようだが、小池補佐官がカッコよく欧米を視察して記者のぶら下がりにも答え、このような人選を仕切っていることに、国会のコントロールが全く効いていない。引き続き、野党の奮起を望みたい。

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2006年11月10日 (金)

菅義偉総務相のNHKに対する愚かしい「命令」

菅義偉総務相が10日午前、NHKの橋本元一会長を総務省に呼び、北朝鮮による日本人拉致問題を重点的に扱うよう命令したという。

拉致問題はすでにバランスを欠いて、重点的に報道されている。「もっと拉致問題で北朝鮮に毅然たる態度を示す報道を」と望む人々もいるのかもしれないが、それはポーツマス条約に反対して日比谷で焼き討ち事件を起こしたり、「満州国」建国問題で国際連盟の決議を承認できないとして席を立った松岡全権の帰国を歓呼で迎えたのと同じ心持ちでいる人々の声だ。

政治や報道に責任ある人々のとるべき態度は、そういった国民や国家主義に毒された政治家の熱狂に身を任せて流されるのではなく、冷静に、賢明に進路を選択することである。

今回の菅総務相の命令は、法的には適正なものなのかもしれないが、戦前の政治家たちの愚行を思い起こさせる極めて愚かしい蛮行であり、こういった困った政治家を閣僚に起用している安倍首相、また自民党・公明党の政権担当が適当なのかどうか、強く疑問を抱かざるを得ない。

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2006年11月 9日 (木)

米中間選-世界政治の分水嶺となり得る上下両院「民主過半数」

以前にも書いたが、上院選で民主党が過半数を制することができれば、アメリカ政治がようやく『9・11の呪縛』から目覚め、正常化するプロセスに入ったことが確かなこととなり、世界の政治情勢も良い方向に反転する-と祈るように開票を見守った。接戦のバージニアで最後の1事前にABCのステファノプロス氏が「上院の民主党議席増は3から6」と予測した上限の「6」、共和党との多数派交代に必要な最小限の数「6」にどうやら達したらしい。

ニュージャージーを取りこぼさなかったので、テネシーのフォード候補は届かなかったけれども、アメリカ国内のみならず、「同盟国」はじめ世界の国際協調派にとって「及第点」という結果が出た。外交委員長がバイデン氏に交代することをはじめ、全ての上院の委員長が民主党に交代することになる。選挙前にラムズフェルド国防長官を交代させなかったことで自ら敗北を確かなものにしたブッシュ大統領に感謝したい。

もちろん、民主党は第1期クリントン政権の時に、なぜか「軍隊内の同性愛を認める」といったマイナーな話題にはまり込んで1994年のギングリッチ革命で上下両院の多数派の地位を失った失敗を繰り返してはいけない。選挙中はブッシュ大統領から「サンフランシスコのリベラル」と叩かれ続けたペロシ次期下院議長が、引き続き「バラバラ」な党内を穏健寄りにまとめていけるか、上院民主党指導部ともどもガバナンスを示すことができるかが重要だが、それもこれも、今回必要だった「勝利」を得たからこそ、大きな課題になっているのだ。

産経新聞や「企業の利益」しか見ない各紙の経済部の記事は「民主党多数となれば保護主義が強まる」と早くも近視眼的で紋切り型の記事を書いているが、まず大事なことは、日本外交が「ブッシュ大統領のホワイトハウス」一辺倒ではやっていけないことがはっきりしたことをちゃんと認識することだ。

安倍政権は「官邸とホワイトハウスの結びつきを強める」と張り切っているが、これは現在の状況とはかみあっていない。外務省の一部にも、もともと日米安保協力の枠組み強化という発想があるが、今の段階で「ブッシュ=チェイニーライン」との一体化を進めることに何のメリットがあるのだろうか。

安倍内閣や外務省ばかりでなく、自公与党指導部、小沢民主党など野党、あるいはアメリカの政権と議会多数派が一致している場合はあまり出番がない衆参両院の議院指導部などもそれぞれ、潮目が変わったことをちゃんと自覚して「日米関係を新しい状況に適合して機能させ、それが日本国民、ひいては世界の市民に貢献できるよう」、ボーッとしていないでしっかり目を覚まして取り組んでもらわなければならない。

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2006年10月31日 (火)

「6カ国協議再開」の報に

中国政府が「6カ国協議再開で合意と発表」という報道を聞いて、よくも悪くも「やれやれ」という感じだ。

うちの高校生の娘なども「また北朝鮮が振り回そうとしてんじゃないの?」とクールな反応だが、しかし、「戦争を選択肢にすべきでない」「しない」のだから、とにかくテーブルに就くことが大事だ。

アメリカ政府には、核兵器開発を進めさせないためには何が効果的なのかをよく考えて政策を進めてほしい。「偽ドル札を刷るから金融制裁」というのは法律論としては正しいのだろう。しかし、正しい政策でも時と場合を考えて、特に国家としての総合的な政策遂行の中にちゃんと位置づけて判断してもらわなければ困る。

「北の核実験は、アメリカがいいところで金融制裁を発動したのが原因だ」と言うのはいいすぎかもしれないが、法律論として正しいということと、起こっていることに責任があるのかないのかということは別問題だというのも事実だ。

北朝鮮の政権も、実現したいことが何なのかをそろそろちゃんと判断し、明確に示さないと、国民を悲劇に引きずり込むことになるのではないかと心配だ。1930年代の日本とアメリカの交渉をよく研究してほしい。あの時もそうだし、対イラク戦争開戦を考えてもわかるとおり、アメリカにはあとからよく考えると「本当は、そんなに戦争したくなかったのに戦争を回避する努力を怠った」ということがある。あなたたちほどではないが、とてもユニークな国なのだ。

では、わが国の安部政権。藤原帰一教授が言っているので、北の核実験後のわが国の対応はパーフェクトなのだろう。しかし、そんなことは秀才を集めた外交官たちなら出来て当然のこと。そうではなくて、核実験などさせないために日本政府は何が出来たのか、しなかったのか。あるいは再度の核実験や核兵器開発の継続をさせないために日本政府は何をするのか、が問われている。

みんなで前向きの知恵を出していこう。

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2006年10月23日 (月)

衆院補選、民主党の敗北-「格差」への焦点の当て方が足りない

民主党の衆院補選敗北の報道に関わって、いちばんけしからんと思うのは新聞が「教育基本法の採決が促進されるだろう」といった話しを結果が出てから言い、また「北風」だけでなく、「格差を訴えても票にならない」と言うニュアンスの、ただ根拠がないというよりも、民主党を肝心なことに集中することからそらせるようなことを書いていることだ。

もちろん、付和雷同で政権やスポンサー、軽薄な多数派読者のレベルにおもねるマスコミに責任を転嫁するわけにはいかない。

民主党は、自民2勝なら教育基本法はこうなるといった発信をもっと強くしなければならなかったし、自民党が創価学会票のゲタを履いている以上、日本共産党ととの対話にも、もっと真剣に取り組むべきだ。共産党の方も前世紀前半の「社民主要打撃論」のようなことから、早く脱却してほしい。

民主党にとって、問題は「政策課題の絞り込み」への集中力と、党内からの変な発信を抑えることも含めての「発信力」の問題だ。何度も言うが、党の「中枢神経」をちゃんと機能するように育てなければならない。それは長い取り組みになるかもしれないが。

広告批評家の天野祐吉氏がコラムで「ワーキングプアー」などとぼかした言い方をやめて「貧困勤労者」とハッキリ言うべきだと書いているが、「今日も歩く」の黒川氏も触れていた先週木曜の「クローズアップ現代」の、介護の現場が貧しい処遇が原因で人手不足を来たし危機を迎えているといった話しなど、総理の夫人がどうしたとか、イヌの選挙応援起用は動物虐待だとかといった話しとは全く別の、しなければならない、きかなければならない『本当のはなし』があるはずだ。

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2006年10月12日 (木)

「重大な脅威」というのは、煽りだ。

北朝鮮の「核実験」について書いたところ、sa-lalaさんという方から、

「北朝鮮(の核実験)を『重大な脅威』とした談話がありましたが、この語彙選択はどう思われますか?個人的には、意図的に国民をあおるような、大変不快な語彙選択だと思ったのですが。。」

というコメントをいただいた。安倍首相の最初のひと声が「重大な脅威」だったわけだが、sa-lalaさんのコメントには目を覚まされる思いがした。冷静に対処すべき状況に、政府が、政治家が情緒的な言葉をインフレさせていくことは、極めて危険なことだ。やはり「安倍政権成立」といった状況で、麻痺させられてしまっているところがある。

久間防衛庁長官は会見で「核兵器を小型化し、弾道ミサイルに載せられるようになれば、重大な脅威となる」と発言したそうだが、「重大な脅威となる」を、「重大な脅威を構成する『能力』を得ることになる」と言い換えれば、7月のミサイル発射の時に書いたように、これはほぼ正しい認識であると思う(脅威という評価が成り立つには、「能力」だけではなく、「意図」が認められることが必要)。

一方、久間氏は「小型化し、弾道ミサイルに載せられるようになれば」と、脅威となるのに必要な条件を述べている。論理的には、久間氏も「まだ脅威ではない」と言っているわけだ。

われわれにとって具体的な課題は、北が実験を重ねて「弾頭小型化」「ミサイルに載せられるようにすること」を阻止することだ。この点については米国務省の元担当官プリチャード氏、あるいは伊豆見元氏らも同様の見解を示している。

それは、安倍政権や自民党が推進している、ただ制裁を強化するといった方法では実現できまい。日本政府は「対話と圧力」と言ってきたが、やはり対話に引きだし、ギブアンドテークで誘導した方が目的に近づける現実的な可能性が大きい。核実験を継続しないほうが得だという条件を作り出して惹きつける必要がある。

「6者協議に復帰すべきだ」と決めつけてるばかりでなく、「どうやったら6者協議に引っ張り出せるか」をプラグマチックに考えることが政治家や外交官の仕事だ。アメリカに直接「対話」を促すことも当然必要だ。

非難の言葉をエスカレートさせて世論を煽ることではなく、できることをやること。「政治は結果責任」という安倍総理が、その言葉の意味をしっかりと理解して行動できるかが厳しく問われている。

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2006年10月10日 (火)

辻元清美代議士(社民)のブログ発言「パトリオット・ミサイル搬入できず!――沖縄の闘いが示すもの」に注目

社民党の辻元清美代議士のブログ発言にご注目あれ。

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2006年10月 9日 (月)

北朝鮮の核実験

2006年10月9日午前、北朝鮮が核実験を実施したと発表した。規模が小さいため、アメリカ政府も最終的な確認はしていないようだが、わが国としては「核兵器廃絶」「次善の策としての核不拡散条約体制の強化」「平壌宣言に基づく日朝国交正常化の追求」といった、国の基本路線と相容れないものだ。全体としては「北朝鮮を国際社会にどうやって軟着陸させるか」という発想を持ち続けていかなければならないが、「核実験」という現実にどう対処していくか。重い問いに長く取り組んでいかなければならない。

いまのところ、内外各方面の反応は予想の範囲に留まっているが、やがて「日米安保強化」「MD開発協力推進」「制裁措置の追加」といった、日米の軍産複合体にとって都合のいい方向にメディアも流されていく危険が大きい。むしろ「日本はそれでも核武装せず」という、日本人としてはあたりまえに考えていることでも、諸外国から疑念が持たれることについては改めて良いメッセージを積極的に出すことを考えていくべきだろう。

報道でひとつ珍しいと思うのは「明日にも国会決議」という話が出ている点だ。海部内閣当時の1990年夏、イラクがクウェートに侵攻したとき、当時の西岡自民党総務会長(現民主党参院議員)が臨時国会の召集を主張したのに、誰も相手にしなかった頃と比べると、国際安全保障に対する政党、国会の反応のスピードに大きな変化が感じられる。

国民の関心、世界の潮流に敏感なのはいいことだ。ただし「拙速」ということがないよう、例えば決議の文面に、これまで慎重に避けられていた表現がどさくさに紛れて挿入され、それが「国会決議」として前例になって国を誤るきっかけになるといったことは回避しなければならないと思う。

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2006年10月 6日 (金)

安倍晋三氏、このままいくとノーベル平和賞候補か(冗談です)

安倍晋三首相が、衆参本会議の代表質問で先の大戦に至るわが国による植民地支配と侵略に反省を表明した「村山談話」を政府として継承していると言ったので戸惑っていたら、衆院予算委員会ではあれよあれよと言う間に村山談話どころか、いわゆる従軍慰安婦問題について日本政府(軍)の広義の関与を認めて当事者に謝罪した「河野官房長談話」まで個人としても受け入れていると表明し、戦争指導者の責任問題についても、東条内閣の閣僚として対英米開戦の閣議決定に署名した祖父・岸信介氏の責任についても認めたと言う。

「じゃあ、あんたが今まで言っていたことは何だったんだ」と右の人でなくとも言いたくなる。村山総理が「日米安保を堅持する」と言ったときの右の人たちの気持ちが想像できるようになった。安倍氏の場合は表面上にせよカムフラージュにせよ、「良い」方向への転換だけに振り上げた拳のやり場に困ってしまう。こうなったら、佐藤栄作氏のように国際社会を究極まで騙してノーベル平和賞でも狙う気かしらと皮肉の一つも言いたくなってしまう。

国会対策としては、共謀罪も来年の通常国会に先送りの方針と伝えられる。安倍内閣が予想したような出方に出れば、国会は半年以上大混乱になり、来年参院選では非自民勢力が必ず過半数を獲得し、日本の政治もようやく転換点を迎えると楽観していたが、これでは民主党以下、相当ふんどしを締め直してかからねばなるまい。

官邸か側近に、極右グループとは違うマキャベリストがいるのだろう。マキャベリが簡単に言ってしまえば「神を信じるなんて馬鹿なことをしてはいけないが、決して大衆の前で『神を信じない』と言明するような、もっと馬鹿なことをしてはならない」と言ったように、総理として、国会で歴史認識について本音を言うようなことをしては「教育基本法改正と集団的自衛権についての憲法解釈変更はじまり、第9条など日本国憲法廃絶に至る中心課題が実現できない」と諭し、安倍氏も受け入れたのだろう。

もともと新宿高校の新左翼だった塩崎官房長官か、党本部に利害関係のあるIT業者ばかり連れてきているという世耕補佐官か。マキャベリを「しっかりと」読んでそうなのは中川幹事長だが。馬鹿な右翼が相手なら戦いやすかったが、ずる賢い権謀術数家たちとの長い戦いが始まったようだ。

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2006年10月 4日 (水)

民主党の判断力が問われる細野議員・山本モナさん不倫スキャンダル

民主党の細野豪志代議士と「NEWS23」に起用されたばかりのアナウンサー山本モナさんの不倫スキャンダル報道が写真週刊誌であり、騒動になっている。

森田は、このことについて一番問われているのは次期政権を担うべき民主党の「中枢神経」がちゃんと機能して、一方では筋道立った、他方では選挙等におけるダメージを回避する賢明でバランス感覚のある判断を下すことができるかどうかという点だと思う。

山本モナさんや「NEWS23」については、2チャンネル等では非難が集中しているらしい。脇が甘い、「倫理規定」に反しているというのはそうかもしれないから叱られるのは仕方がないだろう。しかし、森田は批判を恐れずに言わせてもらえば「報道に携わる人なんだから、取材対象にそこまで接近できたということについては、褒められこそすれ一概に非難されるべきものではない」と思う。TBSが表向き「休養で降板ではない」と慎重な姿勢をとっていることを支持したい。むしろ、裏でコソコソ「自主的な降板」を促すようなことをしていないことを願いたい。

細野豪志議員についても、調子に乗っていたことは否めないだろう。民主党の政調会長代理のポストについて「進退伺い」に止めているそうだが、党を救うためには「辞表」の方が良かったと思う。一方、「罰」についてはあらゆる方面からすでに与えられてるだろう。政治家としての将来は、全てこれからの本人の努力と有権者の理解にかかっているとしか言いようがない。

やはり焦点は民主党の中枢がどう対処するかだ。1960年代から70年代にかけ、西ドイツ(当時)の社会民主党がブラント首相~シュミット首相のリレーを成功させて国をリードできたのは、人気のあったブラント首相周辺の共産党スパイ事件や、あまり表に出なかったけれども女性問題に、ヴェーナー氏ら党幹部が大局を見て、適切に断を下した結果だからだ。

報じられたスキャンダルは、日本の政治全体を考えればたいした問題ではない。政治家の私生活について、アメリカのような偽善ピューリタン的厳格主義で断ずるのがいいか、フランスのようなおおらかさで見るのがいいかは意見が分かれるだろう。やはり、ここでの焦点は、それらを飲み込んで民主党がどんな判断、危機管理を示し、次期政権政党としての信頼感を示せるかどうかにあると思う。

森田が民主党党首なら「役職全面剥奪、次期総選挙の公認内定取り消し、ただし新たな立候補志望者とオープンな候補者選定に名乗りを挙げて競う権利は100パーセント保障する」という処分をする。

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2006年9月29日 (金)