2008年5月 8日 (木)

イエメン論議は「A」、対中外交強硬論は「C」=フジテレビ朝ワイド『トクだね!』採点=

フジテレビの『とくダネ!』は、アンチ中国の国民感情に棹さすばかりで、結局1930年代から40年代に戦争を煽ったメディアのDNAをまさしく継承していると大いに不満。上村某というう元新聞記者に「安倍首相は靖国に行くかもしれないと脅しをかけながら中国と駆け引きしたが、福田首相はダメ」などと言わせているのを聞くとがっかりする。

もっとも、イエメンの誘拐事件についての小倉智昭氏はじめレギュラー陣の論議を聞いていると、なかなか座談のレベルは高いと思う。古代のシバの女王の伝説から、最近の天然ガスが出るまで中東でも非常に貧しい国だったことの紹介、岩上安身氏の「日本の女性と驚くような危険なところで出会うことがある」という注意喚起や、サウジ出身といわれるアルカイダ幹部も、ルーツはイエメンにある場合が結構あり、「貧困」がテロの背景にあるという解説は適切だ。岩上氏の対中強硬論には、結果として中国内の江沢民のような保守強硬派を利することになると思うので賛成できないが。

小倉さんも「パンダ以外に何か成果はあるのか」というのは、僕から見れば悪態だが、小倉さんのチームがテレビに出ている人々の中ではかなりいい方だというのも事実。中国の人たちには「ましな方でもこういう感じよ」と教えることで、参考にしてもらうことにするか。ところで、昨日出ていたデーブ・スペクターという人は、だじゃればかり言っている人かと思ったら、日中をめぐる国際政治論などはバランスがとれた見方をしていると思った。高木美保さんは、いろいろなことで良い意見を言っているが、対中外交については空気に流されて強硬論を煽る方に回っている。テレビで煽るより、中国政府に直接助言するようにした方がいいんじゃないか。ちょっと残念。

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2008年4月24日 (木)

「移民100年」日本ブラジル交流年に寄せて

今からちょうど100年前の1908年4月28日(訂正しました)、ブラジル移民第一陣を乗せた笠戸丸が神戸を出港した。今年はそれを記念して「日本ブラジル交流年」とされている。

昨日朝、ホテルニューオータニの新館エレベーターで日系ブラジル人が扉を開けて待っていてくれて、こちらの背広を指して「日本の人はこういう格好。ブラジル人はこうね」とリラックスしたスタイルを話題にした。とても人なつこい感じ。初対面らしい日系人同士で「日本語話せる?」「‥(手を左右に振る)」「僕は話せないよ」と日本語でやっている。イベントでの来日だろう。

「ブラジル交流年」にこんなこと思う。

1. 100年前に神戸を出航した笠戸丸の781人の移住者が、現在では140万人に  達している。一世の方々にはたいへんご苦労された方が多いわけだが、いまブラジルの人に「日系人のイメージはどうですか」と聞くと、「知的で、勤勉だ」という答えが一般的だと聞くと、この先人たちの努力が、今日の日系社会の繁栄の基礎を作っていることを嬉しく思うとともに、わが国の昨今の状況を考えると、私たちがブラジル日系人社会に学ぶものがあるのではないかと思う。

2. 世界に躍進著しいブラジルとの関係は日本の未来にも大きな影響を与える。日本の農産物輸入の40パーセントがブラジルからと聞くと、いちだんと「よろしくお願いします」と声を大にしたくなる。

3. 現在日本では31万人のブラジル国籍の方々が暮らしている、浜松市などには大きなブラジル人社会ができていると聞く。日系の人々には、わが国の労働市場開放の先鞭をつけてもらっているわけだが、これらの人々の日本語学習の支援、子どもたちの就学支援や、社会保険の問題などは、世界の中で生きる日本という観点からも、ブラジルと日本の絆という面からも、日本の政治や行政にとって大きな課題である。

4.百年前の笠戸丸出発の今日、東京で記念レセプションが開催され、到着記念日である45日後の6月18日にはブラジルで記念行事が行われるらしい。ブラジルは距離について言えばとても「遠い国」だが、昨日のエレベーターでの一瞬の出会いに、心と心は近いと感じる。この100周年の行事を機会に、これからの100年、1000年の日本・ブラジ  ルの友好関係、日本人と日系ブラジル人の方々との絆を強めていきたい。

                                                                         

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2008年4月10日 (木)

「とくダネ!」小倉智昭さんのチベット問題発言=チベットという地域は中国の領土の一部という言い方認める国際人はそんなにいない=は視聴者をミスリードする発言

チベット問題がクローズアップされている。森田は世界中のどこであれ、人権は守られるべきであり、民族自決権、民族文化は尊重されるべきであると考えている。チベットの人々の人権は守られるべきだし、中国政府はチベット民族の伝統文化を尊重し、より高度な自治を認めていくべきだと思う。これは「信条」の問題。

他方、現在の国際関係は、お互いがお互いの「領土、主権」を認め合う主権国家同士が、「お互いの主権を尊重する」という前提の下に外交関係を結んでいるというのが、平たく言った国際社会の基本ルールだと思う。これはかなりの程度の「現実」の問題。

この二つはオールオアナッシングではないが、矛盾することもしばしばである。小倉さんの番組中での発言は、リベラルな小倉さんだけに論旨の大方には同意できる。しかし、福田総理が「中国の内政問題」と発言するのを、「チベットが中国の一部という言い方を認める国際人はほとんどいないんじゃないか」と一刀両断にするのは、視聴者に日本政府がとるべき政策について誤った示唆を与えるのではないかと思う。

森田なら、「福田さんは中国の内政問題と言うけれども、国家間の関係としてはそうだということは認めるけれども、人権の問題は人類普遍的な問題なんだから、『内政問題であるというのは理解するが、私は、日本国民はチベットの人権が尊重されることを願っている』ともっと強く言うべきだ」と言うところだ。

国威発揚の聖火リレーにクールな視線を送るのは正しいのかもしれないが、暴力による聖火リレー妨害を容認するかのような姿勢も問題だと思う。イスラム教徒を弾圧する人々に甘く、たまたま批判されるべき対象がアジアの国家だとかさにかかってバッシングしてくる欧米メディアに引きずられるのはいかがなものかと思う。それでなくとも、中国は扱いの難しい国だ。欧米と違って、わが国にとっては引っ越せない隣組であり、今後の国益を考えた上でも戦略をもってつきあわなければならない相手だ。メディアにも賢明な対応を望みたい。

【以下は、番組中の小倉智昭氏の発言】

「日本政府、福田さんは『チベット問題は中国の内政問題だ』ということで、『友好的な話し合いをして下さい』と言うだけなんですよね。でも国際的に見ても、誰がどう考えても、チベットという地域はチベット民族のものであって、中国が言うように『中国の領土の一部』というような言い方を認める国際人は、そんなに僕はいないんじゃないかと思うんですよね。

今もう、チベット民族は言葉を奪われ、さらにチベット語の名前を奪われ、そして結婚問題だってね、中国男性とチベットの女性の結婚は許すけど、中国女性とチベット男性は許さないとか、結婚はね。仏教を弾圧したりとか、これで国際世論が黙っているわけがないですよ。

そういう状況でオリンピックをやって、聖火リレーはきれいごとでやっていいのかって思うのは誰しも一緒だと思うんですけどね。」

(2008年4月10日 8:00~「とくダネ!」=フジテレビ=」 家庭用録画の音声より)

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2006年8月30日 (水)

岡田克也・前民主党代表の投稿に共感

朝日新聞2006年8月30日付朝刊、13面に岡田克也前民主党代表がアフリカ視察報告の投稿をしている。

国会議員といえば、なんだか大して意味のないことばかりに忙しく走り回って、頭も空っぽなような連中が多い中、問題意識の持ち方、真摯な姿勢に共感する。

同議員のページに掲載されている。

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2006年8月 7日 (月)

イスラエル軍のレバノン侵攻-小泉内閣、外務省は何をやっているのか

イスラエルのレバノン侵攻、ヒズボラやハマスとの「戦争」によって多くの人命が損なわれ、中東ひいては世界の安全が脅かされているのに、小泉内閣も外務省もいったい何をやっているのだ。

小泉総理はイスラエル等の訪問の後、暢気にラクダに乗って記念写真をとって欧米、イスラム圏で笑いものになっていたというし、帰国しては外交などは放り出し、国内遊説で松下村塾などを訪ね、自らを偉人になぞらえてかキングメーカーを気取っているだけだ。世界のGDPの1割を占める国家の指導者として無責任きわまりない。

麻生外相も、総裁選向けPRでバクダットなどに出かけているのでなく、今回の状況打開の鍵になる「米ーイラン」対話、「米ーシリア」対話を斡旋すべくテヘランやダマスカスにこそ出向くべきではなかったか。

けが人も出ていない北朝鮮のミサイル発射には騒ぎまくり、死者が多数出続けている世界情勢の中心テーマには手をこまねいてアメリカの出方待ちでは、国連安保理の常任理事国を目指すなんてちゃんちゃらおかしい。

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2006年6月29日 (木)

今年、沖縄で発せられたことば~朝日新聞・論説コラムより

『朝日新聞』2006年6月29日付夕刊2面のコラム「窓」に、先週の沖縄戦没者慰霊祭での4人の発言を紹介した三浦俊章論説委員の文章が出ていた。優れた点描であると感じ、ここからどう歩みを進めるべきか考えさせられた。

河野議長も言いっぱなしでは困る。

【以下は頭書コラムの貼り付けです】

(窓・論説委員室から)いまだ終わらぬ戦争

 歴史は終わっていないのだな。そもそもあの戦争の意味づけに、戦後日本は正面から取り組んでこなかったのだ。沖縄戦の全戦没(せんぼつ)者を悼(いた)む23日の「慰霊(いれい)の日」の式典に初めて出席して、その思いを強くした。
 県南部糸満(いとまん)市の平和祈念(きねん)公園での式典には、遺族ら4500人が集った。太平洋戦争の末期、沖縄は本土決戦を遅(おく)らせる捨て石にされた。凄惨(せいさん)をきわめた地上戦で20万人が亡くなり、民間人がその半数を占(し)める。県民の4人に1人が犠牲(ぎせい)となった。
 追悼(ついとう)の思いで式典に集った人々の心はひとつのはずである。だが、発せられた言葉は見事なまでにすれ違(ちが)った。
 沖縄県遺族会会長は、小泉首相の靖国(やすくに)神社参拝をたたえる追悼のことばを述べた。若い世代を代表する女子高校生は、米軍基地がいまだにあることへの怒(いか)りを自作の詩に込めて朗読した。
 その直後にあいさつした小泉首相は、沖縄戦について昨年とほとんど違わぬ文章を読み上げたあと、米軍再編に伴(ともな)う手厚い振興(しんこう)策を約束した。
 耳に残ったのは、河野洋平衆院議長のあいさつだった。開戦を決めた情勢判断の誤りや、戦争続行が沖縄に強いた犠牲の検証を呼びかけた。「我が国が今後、同じ過ちを繰り返さないためにも、どうしても必要なことである」と言い切った。
 これが、現在の私たちが立っている場所である。空を見上げると、61年前の夏と変わらない焼けつくような太陽が照りつけていた。〈三浦俊章〉

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2006年6月28日 (水)

「日本・中国・韓国」犯罪グループによる誘拐事件のニュースに、外国語教育の方向性を考える

女性誘拐犯が「日中韓」グループだったというニュースを聞いて、そういう時代かなと思った。徳川時代の鎖国、冷戦など一時の歴史的な条件が隔てていた日中韓は近くて近い国になってきた。

こんどのような事件に接して考えるべきことは「中国人や韓国人はできるだけ入国させるな」「犯罪予備軍として警戒しろ」といった、中国人や韓国人を遠ざける方策ではないと思う。

犯罪グループだってこんなに協力できるのだから、文化・学術や経済産業、政治・行政などあらゆる分野で協力の潜在的可能性は大きいと考えるべきだ。同じ東アジアの文化的な伝統の上に立ち、しかし全く個性の異なる文化の出会いは新しい創造の源泉となり得る。

犯罪抑止という面だけについて言っても、例えば捜査当局全体の「中国語」「韓国語」の能力の水準を高めるといったことが効果的だろう。

しかし、それらのことをとってつけたように実現することはできない。国策として、外国語教育における英語一辺倒を改め、第二外国語として中国語や韓国語を学べる機会を飛躍的に充実すべきである。小学生に英語を教える「特区」があるそうだが、第一外国語が「韓国語」「中国語」「ロシア語」という市町村があってもいいと思う。その場合、第二外国語として英語を学べる機会の充実が必要であることは言うまでもないが。

日本はアメリカの植民地ではないのだから、外国語教育のあり方について、もっと国益を真剣に考えた構想を持つべきである。そうしたことが日本の「国際化」の本当の意味での出発点になるだろう。

ピンは「日中韓のコラボレーションの未来」のため、キリは「不心得な中国人や韓国人の犯罪から子どもたちを守るため」、日本人の中国語力、韓国語力を飛躍的に向上させるべきだ。

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2006年6月27日 (火)

小泉首相のテネシー州プレスリー邸訪問は、ブッシュ共和党の中間選挙キャンペーンの片棒かつぎ

小泉総理が訪米で、ブッシュ大統領とプレスリー邸を訪問するのは「政治そっちのけで遊んでいる」という文脈で批判される=「プレスリーの生家訪問のことで頭がいっぱいで、訪米に水を差しかねない国会の混乱を恐れて会期延長に反対した」など=が、それどころではない、これは中間選挙に向けたブッシュ共和党、あるいは上院を牛耳る宗教保守派に支えられた極右勢力に対する明確な政治的な支援だ。

訪米の現地からのリポートなどをやがて多くの人が耳にするだろうが、プレスリー邸のある南部テネシー州は、秋の中間選挙の上院選で最も注目される選挙区であり、何年も(副大統領に転じたゴア氏以来?)民主党が当選者を出していないテネシー州で民主党が勝つかどうかが、民主党が上下両院を制するかどうかの決め手になると言われているところなのだ。

かつての上院は、民主・共和両党に保守・リベラルがいたわけだが、宗教右翼の影響力増大と選挙キャンペーン介入で、最近の共和党上院議員は超保守のタカ派ばかり。その共和党が多数を制しているせいで、アメリカは大統領がリベラルのクリントンだった時でも包括的核実験禁止条約の批准承認の見通しが得られず、北朝鮮との核合意で約束した重油の供給の予算は否決されてKEDOのプロセス頓挫の引き金が引かれ、京都議定書からも抜けてしまった。

「いくらなんでもイラクでこれ以上戦死者をだすべきではない」「ガソリン値上がりはかなわない」「ハリケーン・カトリーナを見ると、アル・ゴアの言っていた地球温暖化の危機は本当かもしれない」といった具合で、ようやくアメリカの政治地図も真ん中よりに振り子が戻ってきそうだ。

そんな分水嶺になるかもしれないと言われるテネシーにブッシュ大統領と一緒に乗り込み、結果として共和党のてこ入れに手を貸す。「政治をさぼっている」のではなく、日本の国益や、世界の利益に反した政治キャンペーンを買って出ているのである。

靖国問題浮上で失敗した「吉田総理以来の議会での演説」画策に続いて、加藤良三大使のアイデアなのだろうか。ゴマをするなら相手はせめて日本のトップだけにしておいてほしい。それとも、飯島秘書官が犯人か?だとすれば、国際感覚ゼロの田舎者がずいぶん成長したものだ。

いずれにせよ、外国の特定の党派にポチのようにゴマを擦るのは、まさしくネット右翼が良心的な政治家たちに誤用している「売国」そのものだ。

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2006年4月26日 (水)

中国からの「沖縄観光」の可能性

中国の王毅大使が沖縄で「中国から海外に出る観光客は一年に3200万人、その1パーセントの32万人を誘致できれば、現在沖縄を訪れる外国人観光客13万人をはるかに上回る」(『沖縄タイムス』2006年4月24日、他に『琉球新報』当日付)と述べたそうだ。

面白いスピーチだと思う。中国は内陸部分が広く、沿岸も北の方はリゾートといった気候ではない。距離の近い外国、また日本有数の観光資源に恵まれる沖縄の「中国からの観光」の潜在市場は大きいだろう。

沖縄県が、県立博物館の展示用に故宮博物院収蔵の琉球王朝由来の品々の貸し出しを希望しているように近代以前の交流の歴史もある。もちろん「遠景」として安全保障といったことも大使の念頭にはあるだろうが、沖縄にとっても観光振興は大いにメリットのある話しだ。訪れた中国人に少しでも「日本」の印象が良くなれば、大きな意味での安全保障にもつながる。

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2006年4月25日 (火)

東京でイラン文化の一端に触れる

4月22日(土)午後、乃木坂駅すぐそばのペルシャ絨毯販売のミーリーコレクション・ショールームで開かれているイラン写真展とアリ・ソレマニエ氏のイランの正月=ノウルーズ=についての講演を聴きに出向く。

考古学者、中東音楽ファン、ペルシャ文化愛好の年配のご婦人方などのアットホームな集まりで、古代ペルシヤ文明や、観光地としてのイランに少数ながら根強い人気があることを実感した。

核危機の話しなど政治の話しは全く出なかったが、来場の日本人には「ハタミ大統領が誕生した時はテヘランにいてファンだったけれども、アフマディネジャド政権になってからは『遠くから見守っている』」といった声も聞かれた。

外交の観点から敵愾心を煽るのではなく、また経済的側面だけを考えて関係維持を言うのではなく、よく知り、本当の関係を結ぶことに実りが多いのではないかと思う。

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2006年4月23日 (日)

日本政府は、アメリカ政府にイランとの直接対話を呼びかけるべき

『日曜討論』(NHK総合、2006年4月23日9:00~)の後半はイラン核開発問題。司会者の「日本政府がやるべきことは」という最後の発問に対して、岡本行夫氏と田中浩一郎氏がアメリカとイランの直接対話を促すことだと発言していた。状況がどうなるかとか、諸外国の対処の方針が固まってきたらそれにどう対応するかといったことばかりでなく、いま具体的に何をなすべきかという視点でものを考えることは大切だと思う。

1979年の人質事件以来、アメリカは「イランだけは許せない」という恨みの感情が強すぎる。その時が民主党のカーター政権で、クリントン政権の国務省の中枢にも当時の人が多かったので、同政権の時も前に進めなかった。ライス長官が本当の優等生なら何とかしてもらいたいものだ。

それにしても小泉の官邸は、外交無策が招いた竹島「危機」の収拾に際してもあいかわらず「淡々と調査に出て、竹島についての日本の立場を国際的に知ってもらえばよかった。仲良くするだけが外交ではない」(『朝日新聞』2006年4月23日付朝刊2面「時々刻々」)といった調子なのも困ったものだ。『Sapio』(小学館)だの『サンデーモーニング』(TBSテレビ)だのといった、愚かな自己愛のようなナショナリズムの潮流におもねってカネさえ儲かればそれでいいといった下劣な連中はともかくとして、国家権力の中枢がこれでは日本の未来が大いに心配だ。

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2006年3月 8日 (水)

米俳優リチャード・ギア氏「アメリカ人としてやるべきこと」

 先週、米ABCの「ジスウィーク」の番組の終わりの部分でリチャード・ギア氏の短いインタビューを見ました(2月27日15時前、NHK-BS1)。ブッシュ政権の核不拡散体制を崩壊させようとするかのような、ひとりよがりの対インド核協力合意は全く容認できませんが、「義を見てせざるは勇なきなり」といった言葉をギア氏の口から聞くと、アメリカ人にもまだまだギア氏のように希望を託すべき人がたくさんいるということを思い出します。

(以下、NHKによる通訳音声の起こしです)

 ジョージ・ステファノプロス ヴォイスのコーナーは俳優のリチャード・ギア氏を取り上げます。この有名な大スターは、アメリカの中でエイズ撲滅に最も力を注ぐ活動家でもあります。ギアさんはいまインドのエイズ撲滅を中心に活動しています。

 リチャード・ギア いまの大統領ほどエイズの問題に真剣に取り組んでいる大統領はいません。ブッシュ大統領には多くの点で賛成できませんが、この問題に関しては大統領を高く評価しています。

 ブッシュ大統領(記者会見での発言) 「シン首相とその他の難しい問題、エイズの問題にも取り組んでいきたいと考えています」

 ギア テロリズムの問題に取り憑かれていると思われるような大統領がやってきて、その同じ口でエイズ問題について語る。これはものすごく重要です。

 エイズ問題に資金を提供し、取り組む姿勢を見せることはとても重要です。インドの人口は10億人。今すぐに何か対策をとらないと、2000万人が命を落とす可能性があります。だから、自分が何か行動を起こさなければと思いました。

 インドは私にとってとても大切な国なんです。大人になってからの人生の大半をこの国で過ごしてきました。私は、自分なら他の人にはなかなかできないことがやれると思ったんです。政府高官とか、企業の重役とか、俳優の仲間とか。普通の人にはなかなか会ったり話したり出来ない人に会えると思いました。

 最初に私がエイズ問題について語り始めた時、人々は知人に病気の人がいるというのをものすごくいやがりました。エイズを恥だと思う社会通念には、真っ向から取り組まなければなりませんでした。

 アフリカ大陸全体で、基本的に地域社会の生産性というものが失われました。誰も気にかけなかったからです。そしていま私たちは、およそ10億人の人口をかかえるインドについて話しをしています。もしエイズ危機が予想通りのレベルで広がってしまったら、今度は私たちはアジアを失ってしまいます。 

  ほぼ無制限の資金力を持つアメリカ人として、私たちは人のため、自分のために世界の中で何か役に立つことをしなければなりません。わかっていてそれをやらないのは、アメリカ人として名折れだと思います。 

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2006年2月14日 (火)

河野太郎法務副大臣の仕事ぶり

 河野太郎法務副大臣のメールマガジン「ごまめの歯ぎしり」は広く知られていて、今さら紹介するまでもありませんが、良い仕事をされていることが伝わります。やがては国際刑事裁判所を日本も認めて入る、といったことにもリーダーシップを発揮していただきたいと思います。 「全文掲載なら転載可」ということのようですので、最新号を紹介します。

ごまめの歯ぎしり メールマガジン版   河野太郎の副大臣日記 ===========================================================

空港プロジェクト。

羽田空港の入管はさらに前進。直近の3週間は168便のうち94便で入国審査の待ち時間が20分を切った。最初の3週間が40便しかなかったのに比べ、次の3週間が82便そして94便。しかも直近の3週間には春節が含まれ外国人乗客がものすごく増えたにもかかわらずである。

そしてこの次の切り札は出入国カードだ。これまで日本語と英語でしか説明が記載されていなかったが、韓国語と日本語で記載されているカードを印刷する。カードの記載方法がわからなかった人がブースでトラブルことを防ぐことによって、さらに審査時間を短縮できる。羽田は順調。

カードは韓国語以外に中国語(繁体字)、中国語(簡体字)も作成する。韓国、台湾、中国からの乗客のカード記入ミスが多く、審査で手間取っていたため、この防止になれば効果は大きい。

成田空港第二ターミナル。1月19日から日本人ブースをマイナス2とする。さらに審査ブースで一分以上かかる乗客はセカンダリー審査に回す(一日約200人が一次審査ではねられる)。これにより1月23日の週の最長待ち時間は29日の40分。これは昨年より17分短い。しかもこの週に来日した外国人は昨年より33%増えているにもかかわらずだ。

翌週は最長待ち時間が38分。2月3日は待ち時間が13分以上かからなかった。この反面、2ブース減った日本人帰国客のブースに行列ができ、最長10分から12分の待ち時間となる。当面これを続ける。クレームは全て河野太郎まで。第二は順調。

成田空港第一ターミナル。1月19日から日本人ブースをやはり2減。効果はあまりなし。外国人乗客比率が33%と第二ターミナル(同25%)と比べて高く、もともと外国人ブースが多い。。セカンダリー審査の設備がないため(4月以降になる)、ブースでトラプルと列がつかえる。セカンダリー審査用のブースの設置までは、新しい出入国カードで効果がどれだけ出るか。第一は問題あり。

関西空港。関空はいいよねと言っていたが、実は昼過ぎに韓国便が集中し、アウトだった。最長待ち時間は2月3日の58分!便の集中と日本人向けブースが多すぎたこともあって、直近3週間は成田よりも最長待ち時間が長い。2月13日からセカンダリー審査が始まり、短縮が見込める。要注意。

地方空港(定期便)

新千歳空港 まあまあ。ブースはあるが人が足りない。  仙台空港  まあまあ。ブースはあるが人が足りない。 広島空港  ほとんど20分以下で審査終了。問題なし。   福岡空港  大問題。待ち時間長し。  那覇空港  大問題。待ち時間長し。

那覇は何たって国際便の乗客のほとんどが外国人だ。定期便に関しては、北海道、石川県、長崎県で県の職員を出向させてもらい、対応する。青森の三村知事、おたくもどうですか?

チャーター便。昨年12月に合計574便。うち110便はJALとANAでほとんど日本人なので入管問題なし。さらに韓国便が267便だがうち羽田のシャトルが256便なのでこれは対応済み。残りのほとんど(193便)は、台湾の中正空港発着のもの。ということは、日本の各地の空港の入管職員を増員するよりも、台湾のプレクリアランスで対応した方がはやい。

旭川空港 プレクリ対応最長30分 対応なし最長60分      帯広空港 プレクリ対応最長18分 対応なし最長21分      釧路空港 プレクリ対応最長15分 対応なし最長33分ちなみに韓国の仁川空港のプレクリアランスで、新潟空港 プレクリ対応最長20分 対応なし最長40分

つまり韓国、台湾のチャーター便に関しては、地方空港の増員よりも出発地のプレクリアランス対応のほうが効果が大きい。 ということで三村知事、入管挙げて知恵を絞って対応していますので、せっせと観光客を誘致して下さい。 =========================================================== ■発行:河野太郎 ●購読申し込み・解除:  http://www.taro.org/  ●関連ホームページ:  http://www.taro.org/  ●ご意見・お問い合わせ:   http://www.taro.org/contact.html

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2005年12月 9日 (金)

中国のゴミ捨てマナー

 昨日(12月8日)未明にNHK・BS1で放送された中国・中央電子台のニュース(午前3時20分頃)のトップ項目は北京市民のゴミ捨てのマナーについてでした。老若男女問わないゴミの散らかしっぷりの映像にはあきれすぎて笑ってしまいました。

 最近、日本海沿岸に中国や韓国からのゴミが大量に漂着して困っているという問題があるそうで、「クローズアップ現代」(NHK総合、19時半~)などで取り上げられています。

 12月7日の「今日の世界」(BS1、23:15~)では富山での国連環境会議主催の日中韓ロのラウンドテーブルの様子が取り上げられていましたが、中国政府の女性は今年日本沿岸に中国の医療廃棄物が大量に漂着した問題についても「調査しなければわが国のものかわからない」と官僚的な対応に終始していました。

 その様子を見ていたうちの奥さんが「北京に行ったとき、道ばたにゴミが集められているようなところがたくさんあったけれど、翌日もそのままだった。ちゃんと収集しているのかしら」と言っていたところ、翌朝見たCCTVの録画でまさしくゴミ箱のまわりにゴミを放り投げてゆく人々の映像と、それが風で吹き飛ばされて町を汚すというアナウンスに触れることになったわけです。

 中央電子台のニュースは通常、トップ胡錦濤主席、二番手温家宝総理の動静、三番手以下もそれに準ずるという決まったパターンで、クレムリノロジーのようなものに興味ある人以外には困った構成で、中国の若い人たちも「見てる人はいないよ」と言っていますが、この日はたまたま国のトップ以下が海外出張の移動日にでもぶつかったのか、珍しいトップニュースでした。

 これを見た中学生の息子が「中国人はバカだなあ」と言いましたが、そうではなくて「民度」の発展レベルの問題だと言って聞かせました。何しろ、日本で言えば夜7時のNHKのニュースのトップでやっているわけで、北京オリンピックに向け「このままじゃ」という意識が外国帰りなどの人々の間では強くなってきたのではないでしょうか。窓からのゴミ投げ捨ては返還前の香港でも有名でしたから、政治体制の問題というわけでもないでしょう。

 わが国だって、あいかわらず通勤時の駅周辺では人混みで平気でタバコの煙をふかす人々が多く、吸い殻の投げ捨ても多数見かけます。歴史的条件から遅れた国を笑うより、他山の石としてお互い多少なりとも自国の文化水準向上に努めたいものです。

 

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2005年12月 2日 (金)

韓国からの修学旅行

 家人が「ワイドショーでこんなのやっていた」と話してくれることがあるのですが、11月28日(月)にフジテレビの「とくダネ!」(8:00~9:55)の9:25頃からのコーナーで、韓国から日本にやってきた修学旅行の密着取材を放送していたそうです。

 ビザ免除の効果もあってか、年間2万人の韓国の生徒たちが日本を訪れているということですが、放送からはとても意味のあることだと感じられたということでした。

 ある子どもは、おじいさんが強い「反日」で竹島問題などでカンカンになっていたそうですが、家族の中でも初めての海外旅行の帰りがけに番組レポーターの「日本はどんな国でしたか」との問いかけに「人々は親切で、とても良い国でした」と答えたそうです。

 ある調子のいい韓国男子高校生は、行く先々で日本の女子修学旅行生に「一緒に写真撮りましょう」と英語で声をかけ、日本の生徒たちも韓流ブームの影響か、嬉々として応じていたそうです。

 民間レベルでの活発な交流に、為政者や産経新聞の論調が水をかけている現状は残念ですが、「とくダネ!」のこの番組については、フジサンケイグループとは言え、さすが小倉智昭さんの番組と高く評価したいと思います。

 コメンテーターのピーコさんも、声を裏返しながら「日本はもっと近現代史をちゃんと教えなきゃダメよ!」と熱く語っていたそうです。

 11月には教育問題を取り上げた回もあり、「児童館」のことなども情報としても興味深く、考えさせる内容だったそうです。ワイドショーにも教育効果があるようです。

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