科学

2009年3月25日 (水)

「イチロー敬遠せず」の韓国に拍手。北朝鮮のロケット発射は「敬遠」した方がいいんじゃないか。

朝日新聞の「天声人語」でWBC決勝戦イチローの決勝打は、韓国が敬遠せずに勝負してきたせいもあると知る。さすが韓国、熱く潔い。

さてウルマさんだか、ムラマツさんだかの政府筋が「当たりっこない」と言い、中曽根ジュニア外相が「難しい」という、北朝鮮が打ち上げに失敗した場合のロケット残骸「迎撃」のことだが、これは確かに判断が難しい。

前にも書いたが、「人工衛星と言うが、実質ミサイルだからけしからん」というロジックは、裏返せば「実質ミサイルでも、同じ技術であり『人工衛星打ち上げ』という外形が国際法上も整っているのだから仕方がない」ということになる。これは「公表された『表』の政治献金だが実質はワイロだ」、「いや、問題は法的な正しさであり、政治資金規正法の問題としては完全なシロだ」という話と似ている。

打ち上げに成功すれば、日本の領空のはるか上を飛んでいくので、それに対して迎撃ミサイルを発射しようというのは法的にも問題がある。北朝鮮の「無用な挑発」に「無用な挑発」で応えることになる。

森田はもともと、「世界の安全保障とあるべき日本のイニシアチブの関係」「コストとの見合い」などから、わが国が安倍政権の時に決めたミサイル防衛(MD)の配備は撤回すべきだと考えている。

まあ、この立場からすれば、打ち上げ失敗の残骸が領土・領空・領海に落ちてくるといった際には、とにかくミサイル防衛システム(MD)なるものを作動させ、その技術的な限界とコストがはっきりした方が好都合だと思う。ただし、北朝鮮のロケットだけでなく、日本の迎撃能力についても詳細なデータをとろうとしているのは、米軍ばかりではなく、中国やロシアも同様だろう。

これは「熱く、潔ければいい」というわけにはいかない。スポーツじゃないんだから。

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「イチロー敬遠せず」の韓国に拍手。北朝鮮のロケット発射は「敬遠」した方がいいんじゃないか。

朝日新聞の「天声人語」でWBC決勝戦イチローの決勝打は、韓国が敬遠せずに勝負してきたせいもあると知る。さすが韓国、熱く潔い。

さてウルマさんだか、ムラマツさんだかの政府筋が「当たりっこない」と言い、中曽根ジュニア外相が「難しい」という、北朝鮮が打ち上げに失敗した場合のロケット残骸「迎撃」のことだが、これは確かに判断が難しい。

前にも書いたが、「人工衛星と言うが、実質ミサイルだからけしからん」というロジックは、裏返せば「実質ミサイルでも、同じ技術であり『人工衛星打ち上げ』という外形が国際法上も整っているのだから仕方がない」ということになる。これは「公表された『表』の政治献金だが実質はワイロだ」、「いや、問題は法的な正しさであり、政治資金規正法の問題としては完全なシロだ」という話と似ている。

打ち上げに成功すれば、日本の領空のはるか上を飛んでいくので、それに対して迎撃ミサイルを発射しようというのは法的にも問題がある。北朝鮮の「無用な挑発」に「無用な挑発」で応えることになる。

森田はもともと、「世界の安全保障とあるべき日本のイニシアチブの関係」「コストとの見合い」などから、わが国が安倍政権の時に決めたミサイル防衛(MD)の配備は撤回すべきだと考えている。

まあ、この立場からすれば、打ち上げ失敗の残骸が領土・領空・領海に落ちてくるといった際には、とにかくミサイル防衛システム(MD)なるものを作動させ、その技術的な限界とコストがはっきりした方が好都合だと思う。ただし、北朝鮮のロケットだけでなく、日本の迎撃能力についても詳細なデータをとろうとしているのは、米軍ばかりではなく、中国やロシアも同様だろう。

これは「熱く、潔ければいい」というわけにはいかない。スポーツじゃないんだから。

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2009年3月10日 (火)

オバマ政権がES細胞研究への助成解禁-「ひとりよがりのキリスト教原理主義」から「科学を尊重する政治」へのチェンジ

オバマ大統領がES細胞研究への連邦助成を解禁する大統領令に署名した(毎日新聞記事を後掲)という。アメリカ政治がブッシュ時代の「ひとりよがりのキリスト教原理主義」路線から、「科学尊重の現実重視」の路線へのチェンジを進めていることの証左だ。

これについて、朝からNHKのニュースを聞いていて気になったのは「キリスト教原理主義」への言及が無かったことだ。毎日の記事も「保守派」としているが同様だ。

【NHKのページより】

米大統領 ES細胞研究を助成  NHK 3月10日 6時52分

アメリカのオバマ大統領は、人の受精卵が分裂する過程で取り出すことができる特殊な細胞「ES細胞」を使った医療研究を助成する大統領令に署名し、「生命倫理の一線を越える」として拒否権を発動したブッシュ前政権との違いを鮮明にしました。

受精卵が分裂する過程の「胚(はい)」から取り出すことのできる「ES細胞」は、人体のさまざまな組織を作り出し、難病の治療への応用が注目されています。これについてオバマ大統領は9日、ホワイトハウスで演説し、「多くの研究者や医師、難病患者やその家族が待ち望んできた『変革』をもたらすときがきた。ES細胞の研究への助成を解禁する」と宣言しました。そのうえでオバマ大統領は「これまでの政権は健全な科学と道徳的価値観を取り違えてきた。この2つは両立できる」と述べ、研究を助成するための大統領令に署名しました。この研究をめぐっては、「初期の生命を破壊するものだ」という反対論が強いことから、オバマ大統領は厳しいガイドラインを設けるなどの配慮を示しましたが、議会が可決した法案に対し、「生命倫理の一線を越える」として、2度にわたって拒否権を発動したブッシュ前政権との違いを鮮明にした形となりました。

ブッシュ大統領による連邦予算支出禁止が、ブッシュ氏個人のキリスト教右派のイデオロギーや、選挙で共和党の強力な基盤になっているキリスト教原理主義勢力に対するサービスとして「歪められた政策」であったことは自明のことであるのに、容疑者がイスラム圏の人物による事件の際にはすぐに「イスラム教徒」「イスラム原理主義」とあげつらうのに対して、アメリカのキリスト教原理主義勢力に対しては遠慮するというのはダブルスタンダードであり、メディア全般に見られるバイアスだ。

もちろん、イスラムを名乗る過激派に対して「イスラム過激派」と表記することは適切だが、こんどのようなES細胞に関わるニュースで「キリスト教」に触れないなら、ただ単に「過激派」とすることが適当だろう。

いずれにせよ、シリアとかパレスチナの地に起こったユダヤ教、キリスト教、イスラム教は、唯一絶対神を信仰するいわば兄弟宗教で、世界中の紛争の大半はこのいずれかが関わるということは、まことに迷惑な話なのだが、日本人がこの中で、とりたててキリスト教の肩を持ついわれは無いはずなのだ。いくら自民党政権が盲目的なアメリカ追従を続けたとはいえ、アメリカが「宗主国」というわけではないのだから。

ちなみに板垣雄三氏によれば、「原理主義」ということばはキリスト教内部の概念で、「イスラム原理主義」という言い方は、キリスト教圏の人がそれを当てはめて使っているに過ぎないそうだ。

BS1の「おはよう世界」の税所玲子キャスターは「キリスト教の右派」ということばを使って解説していたが、ブッシュ大統領の連邦予算支出禁止は「こうした声に配慮して」という表現にとどまり突っ込み不足の印象だった。

【以下、切貼】

ES細胞:米、研究へ助成解禁 オバマ氏、大統領令に署名

 【ワシントン及川正也】オバマ米大統領は9日、ヒト胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究への連邦予算支出を解禁する大統領令に署名した。受精卵を利用するES細胞研究について、保守派のブッシュ前大統領は01年8月、「生命の破壊につながる」として連邦政府の助成対象を既に作られているES細胞に限定し、新たな研究への支出を禁止していた。

 オバマ大統領は「研究に取り組む科学者を積極的に支援する」と表明。保守派の反対論に対し「健全な科学と道徳的価値観は矛盾しない」と反論する一方、実施にあたり「厳格な指針」を策定する考えを示した。

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 ■解説

 ◇米の研究、より加速--日本・厳しい指針、「遅れ」批判も
 オバマ米大統領がさまざまな細胞や臓器になるES細胞研究支援に踏み切り、米国の研究は加速しそうだ。日本発の人工多能性幹細胞(iPS細胞)研究も技術の基礎はES細胞にある。この分野で米国が「独走」すれば、再生医療の競争で日本は厳しい状況になるが、受精卵を扱うだけに歯止めをどうかけるのかが改めて問われる。

 ヒトES細胞規制は各国で差がある。独は作成を禁止、仏は06年に作成を認めた。英は不妊治療で余った受精卵だけでなく、ES細胞作成のために受精卵を作ることが可能だ。日本は余剰の受精卵から作成を認めている。

 ブッシュ政権下では州の予算や民間の資金で連邦予算を補った。00~06年発表の関連論文453本の40%が米国発。英国10%、韓国8%などと続き、日本は2%、10位だ。

 背景には日本の厳しい指針がある。当初は細胞を実験室で使うだけでも、国が全研究員の適性審査を行った。研究者の批判を受けて、見直しが進められているが、中辻憲夫・京都大教授は「研究推進を掲げつつ、実際はブレーキをかけている。遅れは取り返しがつかないほどだ」と話す。

 遅れは、人工的に作ったES細胞であるiPS細胞の研究にも響く。米国の決断は日本の研究態勢にも波及しそうだ。【奥野敦史】

毎日新聞 2009年3月10日 東京朝刊

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2008年5月 4日 (日)

ダーウィン展(国立科学博物館)

うちの息子はダーウィンをたいへん尊敬していて、小学生の時も「カンザス州が進化論を学校で教えることを禁止」といったテレビのニュースをみたりするとカンカンに怒っていた。その高校生の息子に連れられて上野の国立科学博物館ダーウィン展に。ダーウィンの生涯や思想の発展などについて、広いスペースを使ってわかりやすく展示している。

学説については大学時代に一般教養の「科学史」である程度詳しい話は聞いていたが、お母さんがウェッジウッド社のお嬢さんだったとか、父親は堅物だったけれどもお爺さんが面白い人物で、すでに「進化論」も語っていたといった話は面白い。学校の成績は最悪だったという話は結構知られているが、「父は世間体からいいと考え、本人も昆虫採集に専念できると考えて神学を専攻した」というのもいい話(?)。充実した「カタログ」冊子にも出ていない会場の「ダーウィン時代以前の動物分類」に関する展示なども楽しい。

「150年前」に発表された学説ですよ。それでもアメリカのレッドステートでは「聖書の方が真実」と信じている人が多いという。カリフォルニアやニューヨークだけ見ていては、どうして大統領がネアンデルタール人レベルの思考でやっていけるか、というよりもその方がしばしば選挙に強いかを読み誤る。

ところで、科学博物館は体験型の展示も充実し、小学生たちは楽しそうにしていた。フタバススギリュウの骨格標本や、各歴史時代の日本人の暮らしを再現した蝋人形の展示もある日本館も楽しい。もっとも、評判の「大地を駆ける生命」(地球館3F)など、すこし大衆路線に傾きすぎている感じ。「日本館」になった旧本館の正面ホール、森田のこども時代はアロサウルスの骨格標本、うちの子どもたちが小さい頃はタルボサウルスとマイアサウラだったところが、ガランとしているのはちょっと寂しいと感じる。

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2007年11月20日 (火)

調査捕鯨に欧米の批判=ロジカルな発信が必要=

わが国の調査捕鯨について、欧米の批判が強い。CNNの日系人元アンカー、サチ・コト氏が日本のイメージを最も損なったニュースとして安倍晋三氏の政権投げだしと、迷い込んだクジラを助けられず、肉を売るために解体している映像を挙げたことを書いたが、アメリカ国務省のスポークスマンが記者会見で「自制」を促し、オーストラリアは労働党が政権をとったら、海軍の艦艇を派遣して捕鯨を阻止するという話も出ているという。

捕鯨継続が日本の死活問題だとは思わないが、例えば幕末にアメリカが日本に開国を迫った口実が捕鯨船への薪水の供給であり、かつてアメリカをはじめとする国々が、照明用の油をとるためにクジラを乱獲し、資源の枯渇を招いたといった歴史的ないきさつを考えるにつけても、そのアメリカに「捕鯨などとんでもない」と言われると、やれやれ、と思わざるを得ない。

動物虐待は良いことではない。しかし、牛を殺すのは良くて、クジラを殺すのは聖書に書いてあるからダメで、日本人は野蛮だというのでは、一種の人種偏見と言わざるを得ない。

もっとも、ここで感情的な反発を内向させて黙り込んでしまっては、誤解を増幅させるばかりだ。ロジカルに説得する努力を放棄して、既成事実だけを積み上げていこうとする発想は、満州事変後のやり方と同じになってしまう。

ここは、一部クジラの生息数回復が漁業資源の脅威になっているなどの科学的データを、日本政府として国民や海外メディアにいちだんと分かりやすい形で示していく、冷静な作業が必要になるだろう。相手が無茶を言っているにしても、「問答無用」スタイルではなく、親切な説明と対話の路線をとるべきだ。

それにしても、日本と同様に「死刑」を廃止せずに処刑を続け、イラクで何十万人もの人間がテロで殺されるような状況を作っておいて「日本の捕鯨は野蛮だ」などと、本当に暢気なことだ。

そうそう、オーストラリアとは非常に良い関係を構築したらしい安倍晋三前首相には、できるだけ早くオーストラリアに特使で出てもらって、この件で日豪摩擦を火種のうちにしっかり消してきてもらいたい。安倍氏でもひょっとしたらその程度なら日本国民の役に立てるのではないか。

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2007年3月 5日 (月)

教育に注ぎ込むエネルギー 世田谷区立喜多見小の試みに賛成!

2007年3月2日付『朝日新聞』夕刊で、世田谷区立喜多見小の「漢字テスト」に保護者、の有志が協力して成果を挙げているという記事が出ていて、よい試みだと思った。

「先生たちが忙しすぎる」、「手が足りない」という問題については、本当は教職員の定員を増やすことが第一義だが、こうして父母の力を借りることも良いことだと思う。父母だけではなく、卒業生やその父母、地域の人々の力も借りて、芸術やスポーツの活動も含め、公立学校の教育を盛り上げていくことが良いと思う。そうすることで、先生方には授業の内容を高め、いじめ対策などにしっかり取り組んでもらうことが必要だ。

みんな随分、教育には力も注ぎ、お金をかけてもいるように思うけれども、『AERA』などの雑誌の広告を見ていても、若い親の一部は、ずいぶん自分の子どもの受験対策には大変労力を割いて、少しでも有名な学校の『学校歴』を与えようと努力しているように見えるけれども、国の将来、ないし社会の明日といったことを考えたときには、もっと別の意味で教育にエネルギーが割かれるようにしないといけないだろう。

喜多見小の試みはよい試みだと思うし、いろいろなバリエーションが考えられてもいい。森田の子どもは二人とも高校生になってしまったが、彼らの母校である地元の小学校に貢献できる方法があればなにかしたいと思う。そのような道筋をコーディネイトする試みにも取り組んでみたい。

【以下は記事のコピーです】

(メガロポリス 街ひと)学力向上、親の出番

 世田谷区立喜多見小

 東京都世田谷区の区立喜多見小学校が、保護者の力を借りて学力向上に乗り出した。保護者が毎日、学校に来て、テストの採点をする。家でほとんど勉強する習慣がなかった子が机に向かうという、学力格差解消の効果も出始めている。(平岡妙子)

 喜多見小では昨年10月から、始業前と放課後に、学校独自の漢字検定テストを始めた。検定に挑戦したい子どもたちが毎日、学年を問わずに視聴覚室に集まってくる。小学校で覚えなければならない1006字を1級から60級まで分け、1回10問を全問正解すると級が一つあがる仕組みだ。
 問題を配り、漢字のハネや止めを細かくチェックし赤丸をつけるのは保護者だ。「学習支援プロジェクト」としてボランティアで始めた。多い日には、朝と放課後合わせて10人ほどが参加する。先生たちは問題や解答づくりを分担する。
   *
 学力不足の児童が目立ち始めたことから、同小は昨年4月、読み書き計算がどれだけ身についているか調べた。その結果、6年生でも1、2年の漢字を間違えてしまう子が3分の1いた。同時に行った学習習慣の調査で、家での勉強時間が2時間以上から30分以下までとばらつきが大きいことがわかった。
 授業で学んだことを定着させるには宿題が有効だ。だが、塾に通わせる家庭から「塾の勉強が忙しい。宿題を出さないでください」と強い要望があり、無視できない。学校で反復練習させようと考えたが、高学年になり学力の差が開いた子を一人ひとり丁寧に指導するには、担任だけでは時間が足りない。悩んだ末に、保護者の手を借りることにした。
 当初、「授業で教えるべきではないか」「学校の仕事を、親がやるのはおかしい」と反発は大きかった。だが現状を詳しく説明するうちに、協力を申し出る保護者が出始めた。小5の長男を通わせる斉藤裕子さん(43)は「あまりにも基礎学力がなく驚いた。先生だけには任せておけないと考えた」と振り返る。
   *
 テストを始めてから、字がきれいになった子が増えたと先生が驚いている。斉藤さんの長男も、級があがると喜んで、家で自分から机に向かうようになった。この効果に、採点協力者も増えている。
 本堂純子校長は「家で勉強しない子に学習習慣をどう身につけさせるか、ずっと苦労してきた。保護者の力を借り、どんな子にも力をつけさせたい」と話している。

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2007年2月27日 (火)

「いじめ」問題に取り組むつもりがない安倍内閣-「非科学的」な文部科学大臣

「いじめ」とは人権侵害そのものである。学校にいじめの問題があり、多くの子どもが苦しみ、自殺する子どもさえたくさんいるということは、すなわち学校で人権がちゃんと守られていない現実があるということだ。「いじめ問題に取り組む」とは、「学校で人権が守られるようにする」問題なのだ。

伊吹文部科学大臣は先週末に、わが国では人権が過剰に尊重されているという認識を表明したそうだが、いじめ問題についてだけ言っても、これはたいへん誤った認識だ。こんな大臣がトップではいじめ問題は絶対に解決しないだろう。

同じ講演で「日本は極めて同質的な国」「大和民族がずっと統治してきた」といったことをまだ言っているらしい。ミトコンドリアDNAの分析によって、「日本人」形成過程はかなりの程度科学的に解明されているわけだが、伊吹氏の言う「大和民族」というのは、科学的に言えばどこの誰のことなんだろう。伊吹氏自身はそういった科学的な認識には興味がないのかもしれないが、今は英語の名刺には「サイエンス」を担当する役所の大臣だと書いているのだろうから、もう少し科学に関心をもってもらいたいものだ。

「人権はおいしいバターだが、バターだけ食べればメタボリック症候群になる」という趣旨のことも言ったそうだ。科学担当大臣なら、昨年暮れにニューヨーク市がトランス脂肪酸(TFA)を禁止したというニュースに若干の関心は持っただろうか。発言は「バター」と言わず、「マーガリン」と言った方が、少しは時事的なセンスがあるということになっただろうに。わが家などは何十年も買っていたマーガリンを昨年止めて、同じメーカーのバターに切り替えた(それで伊吹発言にカチンと来たという説あり)。

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2006年9月28日 (木)

「反戦な家づくり」さんの「安倍レンジャーと爺一人」。なるほど。

「反戦な家づくり」というブログで「安倍レンジャーと爺ひとり」というのを見て、そうそう、と思った。森田と同じ感想を持たれたようだが、資料を参照されているのでより説得力のあるお話になっている。

さらに、森田の最初のコメントになかった的場官房副長官の話がでていて、より全体像に目配りしていることになる。誰かが言っていたが、的場氏は中曽根内閣の内政審議室長として「無宗教式ならば、総理の靖国公式参拝に問題はない」という整理を主導し、中曽根氏がその後、参拝を見合わせたことを厳しく批判していたそうだ。

ほんとうに、よくもここまで困った人々を集めたものだ。

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2006年9月26日 (火)

「女性タカ派親衛隊」で安倍首相の周囲を固めた新内閣

安倍内閣の顔ぶれを、5人の総理補佐官にまで広げて見渡して思い浮かぶのは『平家物語』の木曽義仲の陣営だ。改憲派のタカ派女性政治家を安倍総理のまわりに親衛隊のように結集している。

「夫婦別姓」反対の急先鋒で、先の大戦に自分は生まれていなかったのだから反省のしようがないと言い放つ閣僚の高市早苗氏は代表格だが、環境相のイメージが強い小池百合子外交安保担当補佐官は、靖国参拝の確信犯で台湾派の教科書問題の闘士。教育改革担当補佐官の山谷えり子氏も極端な右寄り教育観の持ち主だ。ソフトな語り口の拉致担当の中山補佐官が永田町・霞ヶ関界隈で一番の頑固者であることは知る人ぞ知る。

閣僚・太田弘子氏の政治的イデオロギーは承知しないし、恐らく塩崎官房長官との人的なつながりによる登用だと思われるが、この方も経済観は典型的な「新自由主義」路線であり、言ってみれば弱者切り捨ての方のタカ派だ。

こうして並べると、麻生外相、中川昭一政調会長、下村博文官房副長官といったオスのタカたちの影が薄いくらいだ。

その他の閣僚には尾身、甘利、伊吹、塩崎といった「右」というよりは、旧来型族議員を並べて「手堅い」感じを出しているが、閣内でもバランス感覚のある政治家である経済政策通の柳沢伯夫氏は、マクロ経済政策に直接タッチしない厚労相、久間章生氏は同氏の守備範囲の中では一番右寄りスタンスをとっている対米軍事協力を扱う防衛庁長官に封じ込められ、経済政策が中道寄りに戻る期待も持てないようだ。

森田も、女性が皆ハト派だなどという幻想は持っていないが、戦後最も復古的なイデオロギーを持つ首相を、一見やわらかな語り口の女性タカ派軍団が固める図は困ったものだ。「女性」を押し出して国民の目を欺き、国会質問の矢面に立たされる閣僚のように人目にさらされることなく、安倍総理に代わって霞<関やメディアに右寄りのプレッシャーをかけ続け、改憲への道を切り拓いていくのがタカ派女性補佐官たちの役割だ。安倍晋三氏。敵ながらうまい人事をする。

野党は、閣僚を攻めるだけでは十分でない。「補佐官」を参考人としてなどできるだけ国会に引っ張り出して、トンチンカンな考えで国をミスリードしないように、監視していかなければならないと思う。

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2006年9月24日 (日)

日本の等身大像を中国に伝える「東京視点」に期待する

2006年9月23日(秋分の日)午後、新橋のビクターホールで開催された中国人留学生らを中心とした市民映像ジャーナリズム集団「東京視点」の5周年イベントに参加してきた。

すでに広くメディアで紹介されているが「大手メディアが紹介する日本像とはちがった、日本のリアルな市民生活を中国に住む人々にインターネットを通じて発信し、日中両国民の相互理解を進めよう」という基本コンセプトをもった集団だ。

まだ彼らの作品群をご覧になっていない方があれば、ぜひご覧になっていただきたい。アーカイブスの2003年にある「私の日本人おばあちゃん」をはじめ、みなそれぞれに楽しく興味深い。

その作品群も狙い通りの素晴らしいものだが、さらに活動を通じて参加した日中両国の青年たちがお互いの文化についての認識を深め、またアドバイザーとして参加している放送ジャーナリスト・下村健一氏とのやりとりのなかでメディアリテラシーにかかわる技を深めている。大手メディア(TBS)を離れて、市民ジャーナリズム運動に取り組むとしていた下村氏が初志を貫徹して、実に内容のある活動を展開しているのを知ってうれしかった。

代表の可越さん(長春出身)はイベントの冒頭スピーチで、活動の財政面に関わる将来性に触れたとき、涙ぐんでしばし絶句する場面があって驚いた。国策の面から考えても、中国国民の対日感情を大きく改善することにつながるこうした意義深い活動を、なんとかみんなで支えていきたいものだ。

森田はこのイベントを2週間ほど前に『朝日新聞』の「ひと」欄で知り参加したが、イベント後の餃子パーティーで主催者の求めで二胡を演奏した渡里文恵さんも、5年にわたる中国音楽修行を終え、南京の大学院から帰国早々にこの記事を見て参加したそうだ。日中文化交流に貢献すべく活動していきたいと話しておられた。

参加者は200名ほどだろうか。そのうち3分の1ほどが日本で仕事をしていたり、留学生だったりの日本語を話す中国人の人々で、いろいろ話せて楽しかった。「東京視点」がこのような輪を広げていく先頭集団として、今後も大いに活躍することを期待したい。

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