イスラム

2009年3月 4日 (水)

もっとイスラム圏に関心を=見あたらない世界イスラム経済会議の報道=

NHK・BS1で見た、たしか昨日未明放送分シンガポールCNAのニュースで、ジャカルタで「世界イスラム経済フォーラム」なるものが開催されていて、インドネシアのユドヨノ大統領が「こうした世界経済情勢の中ではイスラム圏内の助け合いが大事だ。世界の最貧国50カ国の半分はイスラム諸国なので、産油国を中心にイスラム銀行に拠出金を出し合い、相互扶助を進めるべきだ」といった趣旨の演説をしたことが紹介されていた。

これは、世界情勢を左右するようなニュースではないと思うが、テレビ視聴者が世界の姿を知る上では報じる価値のあるニュースだろう。

しかし、グーグルのニュース検索で「ユドヨノ」「イスラム銀行」などの語であたってみたところ、わが国でこれを報じたものは見あたらなかった。

念のため英語版で当たってみるとこれくらいの検索結果(一例だけ後掲)が出ていた。

もっとイスラム圏のニュースは増やしていいと思う。東南アジアについての報道で、欧米に負けていて良いのか?

【以下、BBCの原稿切貼】

Islamic banks 'better in crisis'

By Lucy Williamson
BBC News, Jakarta

Indonesian President Susilo Bambang Yudhoyono has called on Islamic banks to take a leadership role in the global economy, amid the financial crisis.

He was speaking at the opening of the World Islamic Economic Forum in the Indonesian capital, Jakarta.

The forum has brought together political and business leaders from 38 countries to discuss the global economic slowdown.

They will also discuss ways to achieve energy and food security.

Mr Yudhoyono said it was time for Islamic banks to do some missionary work in the West.

Islamic financial institutions, he said, had not been hit as hard as their western counterparts because they did not invest in toxic assets.

Banks run in accordance with Muslims laws on interest payments and the sharing of credit risks are seen by many as fairer than traditional banks, less focused on profit and kinder to the communities they work in.

Demand for Islamic financial products has been growing in the Muslim world for years but Mr Yudhoyono said that many in the West were now ready to learn from them.

Islamic law prohibits the payment and collection of interest, which is seen as a form of gambling.

Transactions must be backed by real assets, and because risk is shared between the bank and the depositor, there is added incentive for the institutions to ensure deals are sound.

【以上、切貼】

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2009年2月12日 (木)

「イスラエル総選挙 右派が過半数」-たしかに痛手だが

イスラエルの総選挙で、ネタニヤフ元首相が率いる伝統的な右派政党「リクード」や、新興政党で排外主義を唱え「極右」と表現されるリーバーマン党首の「イスラエルの家」など右の獲得議席の総計が過半数を越えた。毎日新聞一面の見出しには「中東和平停滞か」と添えられ、3面には「オバマ戦略に痛手」とある。

強硬派の勢力増大はたしかに痛手だが、この結果には累積してきた原因があるので、政権発足3週間のオバマ政権も予測された結果と受け止めているだろう。

第1党は確保すると見られるカディマも、中道と表記され、日本の外交官もブッシュ政権べったりの連中や自民党の一部政治家は絶賛していたけれども、この党はもともとリクード党の党首(野党時代)やリクード党政権の首相を務めたシャロン前首相が創設した政党であり、晩年は和平派を演じていた故シャロン氏といえば、もともとはクリントン政権時代にイスラエル労働党のラビン政権とバラク政権の下で成立直前までいったパレスチナ和平の機運を「聖地訪問強行」などでぶち壊した人物だ。今回の選挙目当てとも言われるガザ侵攻を待たなくとも、森田はもともとあまりスジのいい党であるとは見ていなかった。

今回の選挙結果は困った結果だ。しかし、この原因はブッシュ政権がパレスチナ問題を事実上放置したままイラク戦争に熱中したり、イランを「悪の枢軸」呼ばわりして中東の政治地図でイスラエルをかえって不利にしたり、あるいはブッシュ政権が、パレスチナのアッバス議長が「総選挙の実施は待って欲しい」というのを押し切って当初のスケジュール通りの選挙を強要した結果、ハマスの勝利を招くといった失策を重ねてきたことの反動なのだ。

つまり、今回の選挙結果にはブッシュ・チェイニー政権の政策の累積が招いたという面があり、オバマ政権が正しい方向に政策転換し、粘り強く中東外交を進めるならば、将来のイスラエル総選挙の結果は違ったものになる可能性がある。

もちろん、イスラエルの国内の社会開発の問題、例えば建国当初からの移民ではなく、最近旧ソ連から移住したような人々の所得水準や教育水準が低いといった格差問題や、そうしたことの反映としての若者の失業やごく一部にはネオナチ(!)の流行が見られるなどといった問題があるらしい。極右や極左の台頭を防ぐにはこうした問題に地道に取り組む必要があることを忘れてはいけない。

それにしても、毎日新聞3面の見出しは「オバマ戦略に痛手」ではなく、「ブッシュ政権の負の遺産」とか、せめて「オバマ戦略に課題」くらいがいいんじゃないか、というのが森田の感想。

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2009年2月10日 (火)

マレーシアのヤティム外相も「ガザ攻撃を国際刑事裁判所は訴追すべき」

最近NHK-BS1で見たシンガポールCNAが、マレーシアのヤティム外相がイスラエルのガザ攻撃は人道に対する罪であり、国際刑事裁判所は訴追に動くべきであるとし、集められた署名をもって同裁判所に強く働きかけるとまくし立てる映像を流していた。怒りを露わにした映像だった。

ダボス会議ではトルコのエルドアン首相が、出席したパネル討論の司会者がイスラエルのペレス大統領が20分以上にわたって延々と「ロケット攻撃するハマスが悪い」という演説をすることを認めながら、「時間が来たから」と自らの反論を封じられたことに激怒して「2度と来ない!」と啖呵を切ってペレス大統領の前を横切って退席する様子は方々で紹介されている。

イスラエルの非人道的な攻撃、しかも与党の選挙目当てという要素の強い攻撃には、イスラム教徒ならずとも怒りを禁じ得ないが、同時にイスラム圏の人々の怒りが「アラブ」の枠を越えてEUに加盟したいと言っているトルコ人、東南アジアのイスラム国家にも共鳴していることを軽視してはならないと思う。

やはり、ヒラリー・クリントン国務長官の初外遊となる東アジア訪問に日中韓に加えてインドネシアがセットされているのは、こうした戦略上の配慮だろう。

われわれは、イスラム系の過激派の活動を抑えることについてはイスラム圏内における穏健な人々との連携、協力を強めるべきだ。外から力で押さえ込むには限度がある。やはりイスラム世界内部の自制にこれまで以上の期待をしなければならないし、協力を得るために必要な手は打たなければならない。イスラームについて理解を深め、敬意を払うことはそのための第一歩であると思う。

一方で、日本政府などにとってはガザの問題を含む中東問題の核心であるパレスチナ問題について、イスラエルやアメリカ、あるいは歴史的に一番責任の重いイギリスに対して言うべきことをちゃんと言うことが必要だ。あちら様に対して「うちうちのことはしっかり頼みますよ」という以上、「こちら側」(?)の不始末には、こちら側で落とし前をつけさせていただくのが仁義ってもんでしょう。

自民党のごく一部や、外務省に多くの中東問題をまじめに考え、パレスチナ支援などでもそれなりの実績を挙げてきた人々がいることは認めるが、やはり総体としての「自公連立政権」や外務省の首脳部は、あまりにアメリカ(それもブッシュ・チェイニー路線のようなアメリカ)一辺倒であり、そのアメリカに引きずられて、イスラエルに対してあまりに遠慮しいしいだ。

次期政権をめざす民主党などの野党には、こういった問題についても新機軸を明確に打ち出し、日本外交の「チェンジ」を図って欲しい。

【以下、関連記事切貼】

ガザ攻撃で訴追の可能性も=本格捜査には前提条件-国際刑事裁

時事通信2009年2月5日

 1300人以上の死者を出したイスラエルのパレスチナ自治区ガザへの軍事行動が、大量虐殺や人道に対する罪を犯した個人を裁く国際刑事裁判所(ICC)の「捜査対象」となるかどうかが注目されている。パレスチナ当局は1月、ICCにイスラエルの関係者らの訴追を申請し、既に「予備段階の分析」が始まった。だが、本格捜査には制度上の問題点など幾つものハードルがある。

 来日中のICC書記局トップのアルビア書記は5日までに、都内で時事通信の取材に応じ、イスラエル軍関係者の訴追について「進む可能性も進まない可能性もある」と指摘。捜査までに複数の前提条件をクリアする必要があるとの見解を示した。(2009/02/05-14:47)

【以上切貼】

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2009年2月 6日 (金)

日本も「宗教地域協力事務所」設置しては

「年越し派遣村」がクローズアップされた時期に、朝日新聞の「声」欄に二度にわたって「お寺は何をやっている。こういう時は本堂を開放して、困っている人を助けるのが宗教の役割ではないか」という投書が載り、フジテレビの「トクだね」でもコメンテーターの一人が同様の言及をしていた。

お寺をはじめ宗教には、こうした面での役割をぜひ果たしてほしい。また、わが国が国際社会において果たすべき役割の一つに、しばしば紛争やテロの温床ともなる途上国の貧困や社会問題への取り組みがある。そうした面でも宗教が果たし得る役割は大きい。

アフガニスタン、ソマリアなどの問題について、危険は伴い、自衛隊派遣云々よりかえって大変なことは事実だが、文官や民間による農漁業支援や教育、保健衛生支援などの方がよほど問題の根本的な解決に役に立ち、わが国に向いている。

政府にとってNGOなどとの協力、NGO活動に対する支援が重要だが、その際に「宗教」という点に着目することは意義がある。モチはモチ屋ということばがあるが、例えばアフガニスタン支援を考えるときに、日本ムスリム協会の知恵と力を借りるという発想は大事なのではないか。

日本の伝統宗教、新興宗教にも「世界宗教者平和会議」といった平和に貢献しようという志向は存在する。「他宗教と協力するより、うちのボスにノーベル平和賞を」というところはあるかもしれないが、ブログで葬儀屋のようなことしかやっていないではないかと言われているよりは、世界平和に直接に貢献したいという志を持つ信仰者も多いのではないか。

政府がコーディネーターの役をやり、対象地域によって適切なグループが前面に立ち、政府と他の宗教は後方支援に全力を挙げる=例えばアフガニスタンにキリスト教団体を派遣すれば、韓国のキリスト教団体の事件があったようにテロの標的になってしまうだろうから、そうしたことは避けなければならない=。

国内のムスリムの力だけでは足りないというのなら、インドネシアやマレーシアの支援団体に資金や後方支援で協力するという考え方もあっていいのではないか。ヒラリー・クリントン国務長官の東アジア訪問にインドネシアが含まれるのにはそういう要素があるのかも知れない。

自民党や民主党の右派も、伊勢神宮参拝ばかり熱心にやっていないで、考えるべきことがある。神社だって「総理の靖国参拝実現」などと内向きのことばかり言っていないで、若い人々が世界の中で誇りを持って生きていけることの助けになるような、神社自身の国家に対する積極的な貢献を考えてほしいものだ。

【以下、毎日新聞2009年2月6日付記事の切貼】

オバマ米大統領:宗教事務所新設 「特定宗派こだわらず」

 【ワシントン大治朋子】オバマ大統領は5日、地域の経済活性化や貧困、教育対策を目指す「宗教地域協力事務所」をホワイトハウスに新設するよう命じる大統領令に署名した。同様の組織はブッシュ前大統領も設置したが、大統領を支持する一部キリスト教右派らが活動の中心となり、「政教分離」を求める批判が絶えなかった。

 AP通信などによると、各種宗教団体のリーダーら25人が同事務所の顧問を務める。地域の宗教団体や非営利法人の活動を支援し、貧困対策や就職支援などに取り組む。また、海外の宗教団体とも連携し、異教派間の対話促進に努めるという。

 オバマ大統領は設置にあたり、特定の宗派にこだわらない方針を強調。「米国が求めている変化は政府だけではなしえない」と述べ、宗教界の協力の必要性を訴えた。

 ブッシュ前大統領が設置した組織も公費で運営されたが、スタッフが特定の宗派に限られ、オバマ大統領は選挙中「政教分離」の必要性を訴えた。

【切貼終わり】

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2009年1月31日 (土)

山内昌之教授の故ハンチントン氏への温かい評価

雨降りの土曜。昨夜放送の『20世紀少年 もう一つの第1章』(日本テレビ)の録画など見ながら自宅で新聞切り抜きなどして過ごす。

毎日新聞の2009年1月28日付に、昨年亡くなったサミュエル・ハンチントン氏について山内昌之氏が追悼文を寄せている。山内教授は「文明の衝突という考えは複雑な世界史や国際政治を単純に割り切りすぎた」と断じてはいるものの、全体としては「人々の反応を楽しんでいただけかもしれない」「彼の魅力は茶目っ気」温かいトーンに貫かれているので少し驚く。

ハンチントン氏の若い頃の業績は知らないが、「文明の衝突」という考えは今さら指摘するまでもなく、世界の「文明」をかなり恣意的に8つだかに切り分けて「イスラム世界と欧米キリスト教圏衝突は不可避である」といったことを主張する乱暴な話であり、学者の話としてはあまりに雑ぱくであるばかりでなく、実際問題としても「9・11」後にアメリカが戦争に突き進んだり、小泉自公連立内閣を含め世界中の多くの人々がそれを積極的に支持したり、反対を表明しなかったという状況を準備した極めて有害な議論であったと言うべきだと思う。

山内先生としては、人の悪口などは言う必要がないということかもしないけれど‥

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2009年1月28日 (水)

アル・アラビア、ナブッコ

今日の国際ニュースで印象に残ったのは、ひとつはオバマ大統領が初の海外TVメディアインタビューにアラブ首長国連邦のアラビア語放送局アルアラビアを選び「イスラム世界は敵ではない」と発信したこと。

オバマ氏がそのような考えであることを我々は知っているけれども、イスラム圏の一般の人々にしっかり伝えることの意味は大きい。まずは会うこと、相手のわかることばで発信することから始めなければならない。素早い取り組み、さすがオバマ氏である。

少し興味を引かれるのは、先発のカタール局アルジャジーラではなくアルアラビアを選んだ理由。イラク戦争中、米陸軍から蛇蝎のように嫌われたことでは同じはずだが。アメリカの一般にジャジーラは「ビンラディンの声明を放送する局」というイメージが強いのを回避したのか。

もうひとつは、コーカサス地方の天然ガスをウクライナばかりでなくロシアも回避したパイプラインで運ぼうというEUが推進する「ナブッコ・パイプライン」の国際会議がブダペストで開かれたというニュース。

東欧のニュースをこまめにチェックしていなかったが、ハンガリーは去年までにロシアがウクライナを回避する新しいパイプライン「サウス・ストリーム」を建設することに参加することで合意していたのではなかったか?

1956年のハンガリー動乱でもわかるように、もともと東欧圏でもロシアとの距離感の大きい国だけに、サウス・ストリーム合意や、昨年のロシア軍グルジア侵攻時のポーランドなどと対照的な静かな動きに「対ロシアでいろいろ考えているな」と感じてきたが。裏事情に若干の興味を引かれる。

「ナブッコ」というのは、あのヴェルディの合唱曲「行け、わが思いよ、黄金の翼に乗って」で有名なオペラ『ナブッコ』と関係あるのかしら。そこでのナブッコ王は世界史の教科書に出でくる新バビロニアのネブカドネザル2世で、このオペラでは最後にはヘブライ人たちにひれ伏す話になっているけれども‥

【以下、切抜貼付】

「米国はイスラムの敵でない」=アラブ放送局と初会見-オバマ大統領

 【ワシントン26日時事】オバマ米大統領は26日、就任後初めてアラブの衛星テレビ局アルアラビアのインタビューに応じ、「米国はあなた方の敵ではない」とイスラム世界に呼び掛けた。また、イスラエルとパレスチナの双方に対し、「交渉の席に戻る時だ」と述べ、和平プロセスの再開を訴えた。
 米大統領が就任後、初の正式なTVインタビューにアラブのテレビ局を選ぶのは異例。2001年の米同時テロ後にブッシュ前政権が推し進めた対テロ戦争で、イスラム世界との間に深まった亀裂の修復に全力を挙げる姿勢を示した形だ。(2009/01/27-13:31)

ナブッコ、上半期の合意目標に  脱ロシアのガス計画

 【ウィーン28日共同】天然ガスをカスピ海からトルコ経由で欧州に運ぶパイプライン「ナブッコ」計画を協議する国際会議が27日、ブダペストで開かれ、参加各国は今年上半期の計画合意、調印を目指すことなどを盛り込んだ声明を発表した。
 ナブッコは天然ガスのロシア依存脱却が狙いで、会議はウクライナ経由のロシア産天然ガスの欧州への供給が約2週間停止したことを受け開催された。ただ、80億ユーロ(約9400億円)を超えるとされる建設費用負担や、天然ガスの供給源確定など課題は残されており、計画実現の道は容易ではないのが現状だ。
 会議にはハンガリーのジュルチャーニ首相のほか、欧州連合(EU)議長国チェコのトポラーネク首相、ブルガリアのスタニシェフ首相、アゼルバイジャンのアリエフ大統領らが出席した。
 ナブッコは全長3300キロで、トルコからブルガリア、ルーマニア、ハンガリーを経てオーストリアまでパイプラインを建設する計画。
2009/01/28 09:55

【以上、切抜・貼付】

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2009年1月21日 (水)

オバマ大統領の就任演説

オバマ大統領の就任演説は、控えめのトーンで言うべきことを言った良い演説だった。

高3の息子が学校行事の「寒稽古(剣道)」とのことで、いつもより早い5時半起き。就任式を終えたオバマ大統領のパレードは開始が一時間ほど遅れたようでスタートしたところだった。就任演説の録画を見る前に『朝日新聞』掲載の「要旨」に目を通す。

目にとまったのは、おしまいの方の「新たな責任の時代」というキーワードを導く部分の「挑戦は新たなものかもしれない。だが、私たちの成否を左右するのは昔と変わらぬ勤労と誠実さであり、勇気と公正さであり、忍耐と好奇心であり、忠誠と愛国心である。これが真理だ。私たちの歴史を通じて、前進の静かな力となってきた。求められているのは、こうした真理に立ち戻ることである。今、私たちに求められているのは、新たな責任の時代である」という部分だ。

いつも森田とは感覚が違うなあと思っているNHK-BS1の高橋弘行キャスターもこの部分を真っ先にピックアップしていた。いい意味での伝統主義であり、とっても「まとも」な印象を与える原稿だ。結論としても正しく、同時にニューヨークやロサンゼルスのリベラル派ばかりでなく、レッドステートの保守的な価値観の人々にも団結をうながす政治的なメッセージにもなっている。

録画しておいたNHK-BS1の未明の中継を見る。「共助」の呼びかけ、イスラムとの関係構築に踏み込んだ国際協調主義も期待通りではあるが特異に目立ったフレーズはなく、「ついに黒人がトップに立った」といったはしゃいだ部分は全くない、ある意味地味な演説だ。

しかし、派手にする必要はもともと無かった。オバマ氏があそこに立ったことが、ある意味全てを語り尽くしていたからだ。

そうは言っても、森田と高橋キャスターの目に引っかかったあの部分。ひょっとしてスピーチライターの原稿にオバマ氏が書き込んだ部分なのかしら。それとも27歳とかいう「天才スピーチライター」の仕事なのかしら。ちょっと気になる‥

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2009年1月 7日 (水)

麻生政権は米国にイスラエルを止めることを求めよ

毎日新聞の本日付社説二番手の見出しは「米国はイスラエルを止めよ」。核心を突いた、シンプルな良い見出しだ。

付言するならば「麻生政権は米国にイスラエルを止めることを求めよ」と言いたい。麻生さんは正月からオルメルト首相、パレスチナ政府のアッバス議長(ただし事実上の分裂でガザ地区には支配権が及ばない)に電話を入れて停戦を求めたことをマスコミにアピールしていた。

何もしないよりはうんといい。しかし「アメリカの同盟国」などと胸を張るならば-森田は同盟などという用語は条約に根拠がないと考えるが-、この状況で国連安保理の停戦決議さえユダヤ系の資金と票のために拒否権をちらつかせて阻止するアメリカのブッシュ大統領と、それを踏襲する恐れのあるオバマ次期大統領に対し、「おかしいじゃないか。ハマスにロケット弾テロ停止を求めるとともに、イスラエルにも停戦を求めるべきだ」と安保理の非常任理事国として強く求めるべきだ。そうすることはホワイトハウスや国務省がフリーハンドを確保することを支援することになり、結局はアメリカのためにもなるのだ。

それをしない、できない、考えたこともなかったというのでは「自民党、公明党、外務省はアメリカの犬か」と言われても仕方がないだろう。

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2009年1月 5日 (月)

リチャードソン氏、商務長官辞退

これはちょっと残念。イスラム圏に偏見持たず、エネルギー長官として北朝鮮の核問題などにも関わってきた人だけに、所管の産業・通商政策をテコにオバマ政権の協調外交のエンジンになり得る人と思ったけれども。

もっとも、オバマ陣営の「身体検査」の能力を批判する人がいるが、指名公聴会が始まる前で良かったと思う。ダメージは相対的に小さい。

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2008年12月 5日 (金)

ムンバイのテロ事件-地域の子どもたちが絶望せずに勉強したり暮らしたりできるように支援することが最大の「対策」

ムンバイのテロ犯10名のうち唯一の生き残った者についての米ABCのニュースが目に入る。パキスタンの小さな村に育ち、10歳で学校に行かなくなり‥最後は「家族に4000ドル(36万円あまり)提供する」と言われ犯行を決意したという。

テロ対策というと、自衛隊派遣うんぬんという話ばかりする人々がいるが、やはりアフガニスタンとか、パキスタンの小さな村、あるいはインドの貧しい、例えばイスラム教徒の集落に住む子どもが、普通に暮らして、学校で勉強が出来て、過激なテロ集団などにリクルートされるリスクを小さくする支援の積み重ねの方が、はるかに現実に役に立つ「テロ対策」だと思う。

アフガニスタンのカブールなどには、トップの緒方貞子氏の強い意思もあり、JICAの職員が何十人か踏みとどまって全く丸腰で保健衛生などの業務に命がけであたっていると聞くと頭が下がる。日本は「軍」を派遣していないだけに現地で受け入れられるというが、現地にもっととけ込んで成果を上げることが出来るのはイスラム圏で該当地区と民族的にも、宗派的にも相性の良い人々であるような気がする。

この際、日の丸を目立たせようなどという欲張った考えは置いておき、イスラム系の団体や現地の人々によるNGOなどが、貧しい地区の子どもたちがやがては安心して学校に行けるような状況を作り出す指向性をもった社会開発支援のプログラムづくりに知恵を出し、実行に当たってくれるそうした団体、人々に日本政府が資金を提供していくといった方法をさらに模索していくべきだ。

テロを起こすやつは悪いやつでとんでもない、軍事力でたたきつぶせと言っているだけでは何の解決にもならない。浜の真砂が尽きることがないのと同じことだ。

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