韓国

2009年6月16日 (火)

金正男氏、中国亡命も?

昼過ぎにNHK-BS1で放送していた韓国KBSのニュースの最後のところで、中国の消息筋からの情報として、プリンス金正雲(三男)の側近グループによる、プリンスの異母兄でマカオ滞在中の金正男氏(長男)の暗殺計画が中国に察知され、中国は北朝鮮に対し「支援見直し」も示唆して計画の中止を強く警告するとともに、金正男氏の身柄を保護。正男氏は将来、中国に亡命するかもしれないという。

韓国の報道は、日本のメディアに比べフライングを恐れない傾向があるので割り引いて考えなければならないかもしれないが、仮にトンデモ情報だったにしても、いろいろ考えさせられる。

今朝は朝日新聞にプリンスが少し前に父の名代として北京を訪問し、胡錦涛主席と会談していたと報じていた。どれくらいクギを差したのかが興味深いわけだが、少し間を置いて「正男暗殺計画」のリークないし創作である。

真偽のほどがわからないことをいろいろ考えてもしょうがないが、ホントなら報道の字面とは別に、中国が「おマエらの首根っこは押さえている。正男は人質に頂いておく。核のことなど、どうしても言うこと聞かなければ、こちらには政権転覆、正男政権樹立という道もある」と強烈なプレッシャーをかけているようにも見えるのだ。

一方、正男氏はヨーロッパでもフジテレビのクルーに気軽に日本語で応答する様子や、例の家族をディズニーランドに連れて行きたかったという田中真紀子外相時代の偽パスポートによる密入国事件など、不思議な軽さを漂わせる。

彼はこれから、シアヌーク殿下のような長い旅をするのだろうか。島田雅彦氏の連載小説をなんとなく思い出すが、徳仁親王といい、北東アジア儒教世界の長男はいろいろたいへんだ。

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2009年4月23日 (木)

草なぎ剛君逮捕のニュースを聞いて(感想)

驚きのニュースだったが、ます思ったのはとにかく日本の場合は警察が出てきた場合「ご迷惑をかけて申し訳ありません」と権威を認めたふりをして低姿勢で出るか、反抗的な態度をとるかどうかで扱いが全く異なると聞くので、恐らく後者の方だったのではということ。

ついで思ったのは、草なぎ君は韓国通で韓国語も得意なので、

▼もし酔っての叫び声に韓国語が混じっていたことが逮捕に関係しているとすれば、関東大震災時の官憲がからんでの朝鮮人虐殺という過去もあるので、その時の警察官とのやりとりは詳細にフォローする必要がある。

ということだ。帰宅して娘に聞くと、案の定酔って一部は韓国語で叫んだり、歌うったりしていたという。

さらに、ワイドショーなどを見ていた娘によると、

▼鳩山邦夫総務大臣が激怒して「人間として最低だ」といった趣旨のことを吐き捨てるようにコメントしていたという。そうかな。確かにご近所に迷惑というのは反省しなければいけないけれども、若い人が酔っぱらってハダカになったことで、国務大臣が「人間として最低」などと断じるのは、むしろ品格に欠けた、思い上がった発言ではないか。

「地デジ」のPRキャラクターということがあるのもしれない。しかし、それを言うなら、総務省の役人の天下りや接待、蓄財に都合がいいからだかなんだか知らないけれども、この国民生活厳しき折に、不要不急の「地デジ」に血道を上げている自分たちの方が「最低」なんじゃないか。

▼この際、草なぎ君の「地デジ」関連のコマーシャル出演料なども国民の前に明らかにし、総務省だの、それに連なるいろいろな機関や企業が「国民の税金」をどれくらい無駄遣いしているのか、していないかも徹底解明すべきだ。

鳩山邦夫氏の「かんぽの宿」がらみの仕事などはいい仕事だ。まあ、今回の大臣コメントでお里が知れたことで、「かんぽの宿」が自民党の支持率アップにつながる効果が減殺されたとすれば良かったが。

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2009年3月25日 (水)

「イチロー敬遠せず」の韓国に拍手。北朝鮮のロケット発射は「敬遠」した方がいいんじゃないか。

朝日新聞の「天声人語」でWBC決勝戦イチローの決勝打は、韓国が敬遠せずに勝負してきたせいもあると知る。さすが韓国、熱く潔い。

さてウルマさんだか、ムラマツさんだかの政府筋が「当たりっこない」と言い、中曽根ジュニア外相が「難しい」という、北朝鮮が打ち上げに失敗した場合のロケット残骸「迎撃」のことだが、これは確かに判断が難しい。

前にも書いたが、「人工衛星と言うが、実質ミサイルだからけしからん」というロジックは、裏返せば「実質ミサイルでも、同じ技術であり『人工衛星打ち上げ』という外形が国際法上も整っているのだから仕方がない」ということになる。これは「公表された『表』の政治献金だが実質はワイロだ」、「いや、問題は法的な正しさであり、政治資金規正法の問題としては完全なシロだ」という話と似ている。

打ち上げに成功すれば、日本の領空のはるか上を飛んでいくので、それに対して迎撃ミサイルを発射しようというのは法的にも問題がある。北朝鮮の「無用な挑発」に「無用な挑発」で応えることになる。

森田はもともと、「世界の安全保障とあるべき日本のイニシアチブの関係」「コストとの見合い」などから、わが国が安倍政権の時に決めたミサイル防衛(MD)の配備は撤回すべきだと考えている。

まあ、この立場からすれば、打ち上げ失敗の残骸が領土・領空・領海に落ちてくるといった際には、とにかくミサイル防衛システム(MD)なるものを作動させ、その技術的な限界とコストがはっきりした方が好都合だと思う。ただし、北朝鮮のロケットだけでなく、日本の迎撃能力についても詳細なデータをとろうとしているのは、米軍ばかりではなく、中国やロシアも同様だろう。

これは「熱く、潔ければいい」というわけにはいかない。スポーツじゃないんだから。

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「イチロー敬遠せず」の韓国に拍手。北朝鮮のロケット発射は「敬遠」した方がいいんじゃないか。

朝日新聞の「天声人語」でWBC決勝戦イチローの決勝打は、韓国が敬遠せずに勝負してきたせいもあると知る。さすが韓国、熱く潔い。

さてウルマさんだか、ムラマツさんだかの政府筋が「当たりっこない」と言い、中曽根ジュニア外相が「難しい」という、北朝鮮が打ち上げに失敗した場合のロケット残骸「迎撃」のことだが、これは確かに判断が難しい。

前にも書いたが、「人工衛星と言うが、実質ミサイルだからけしからん」というロジックは、裏返せば「実質ミサイルでも、同じ技術であり『人工衛星打ち上げ』という外形が国際法上も整っているのだから仕方がない」ということになる。これは「公表された『表』の政治献金だが実質はワイロだ」、「いや、問題は法的な正しさであり、政治資金規正法の問題としては完全なシロだ」という話と似ている。

打ち上げに成功すれば、日本の領空のはるか上を飛んでいくので、それに対して迎撃ミサイルを発射しようというのは法的にも問題がある。北朝鮮の「無用な挑発」に「無用な挑発」で応えることになる。

森田はもともと、「世界の安全保障とあるべき日本のイニシアチブの関係」「コストとの見合い」などから、わが国が安倍政権の時に決めたミサイル防衛(MD)の配備は撤回すべきだと考えている。

まあ、この立場からすれば、打ち上げ失敗の残骸が領土・領空・領海に落ちてくるといった際には、とにかくミサイル防衛システム(MD)なるものを作動させ、その技術的な限界とコストがはっきりした方が好都合だと思う。ただし、北朝鮮のロケットだけでなく、日本の迎撃能力についても詳細なデータをとろうとしているのは、米軍ばかりではなく、中国やロシアも同様だろう。

これは「熱く、潔ければいい」というわけにはいかない。スポーツじゃないんだから。

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2009年3月12日 (木)

李明博・韓国大統領の対北朝鮮政策-今こそ日韓協力強化に動くべきとき

午後、有楽町の東京国際フォーラムで開催された韓国大使館と毎日新聞社主催のシンポジウムを聴講した。

基調講演者の一人、権哲賢(クォン・チョルヒョン)駐日大使は、さすがに政治家出身の大使らしく、また軍事政権時代に国を追われるような形で筑波大学に留学して社会学博士号をとったという日本経験の基盤の堅さから、大きな視野の、しかし足が地に着いた感じの話しだった。

森田は初めての参加だったが、何年かに一度開かれるこうした催しに毎回参加しているという元韓国紙記者で大学講師の李ホンチョン氏に聞くと、歴史問題がほとんど取り上げられなかったことが数年前と様変わりということだった。

権大使は、たしかに李明博大統領の実用主義の外交が、昨年の文部省の指導書での独島(竹島)問題への言及の問題で一挙に台無しになりかけた危機について触れたけれども、日帰り参加の朴チョリ・ソウル大国際大学院副教授や、経済面での日韓協力の必然性を説いた金ジョンシク延世大教授、浦田秀次郎早大教授の発言は皆、前向きの話ばかりだった。

森田にとっていちばんの収穫は、今までいまひとつ明確に像を結んでいなかった李明博政権の対北朝鮮政策について、道下徳成・政策研究大学院大学助教授のよく整理した話しを聞き、またコーディネーターの金子秀敏編集委員の突っ込みを含めたパネラーのコメントを聞くことによって、少し見通しが良くなったことだ。

道下助教授、朴チョリ副教授らによれば、李明博政権の対北政策は「核兵器開発阻止」に明確にフォーカスされている。まずは政権発足当初から「非核開放3000」として提唱された、「北が核を放棄すれば北の一人あたりGDPを3000ドルのレベルまで引き上げることを支援する」という内容だ。

しかし、北は前政権が言わば見返りを求めることなく行っていた支援の一部が停止されたことに激怒したことが報じられ、「非核開放3000」もその発動が「北の核開発停止が完全に確認された後」ということでは、これまでと180度違う話になってしまうのではないかと漠然と思っていた。

この点について道下助教授によれば昨年夏、構想3000はさらに内容が練られ、「共生共栄政策」といった名前がつけられたそのロードマップは柔軟なもののようだ。

①北の核無能力化の方向性がはっきりしたところで、「非核開放3000」を直ちに実行に移せるよう準備に着手する。

②核廃棄のプロセスが明確になった段階で、教育分野や生活水準の向上などの支援を始める。

③核廃棄実現により、全ての分野で400億ドル規模の支援を実施する。

こういった内容らしい。さらに道下助教授は「韓国が一人、太陽政策でどんどん援助を送る政策から、現在の比較的厳しい線になったことで、対北朝鮮政策の基本線において日本と韓国の差はなくなった」「ただし、韓国と日本の違いは、韓国は北が核放棄を進めれば、わが方はこのような援助を進めるというロードマップを持っているのに対し、日本にはそのようなものが準備されていないことだ」。

今日のシンポジウムでは触れられなかったけれども、「拉致問題」が日本のロードマップに含まれるのは良いことかもしれない。「拉致問題が完全に解決しなければ一歩も動かない」「支援は核が完全に放棄されてからだ」というのでは、原理原則には忠実かもしれないけれども、目的を達成するのに合理的なロードマップとは言えないだろう。韓国からも「友達がいが無いじゃないか」と言われることになる。

ここ何日か、NHKテレビのニュースでも拉致被害者の家族が釜山で金賢姫・元死刑囚と面会するというニュースばかり目立っていた。原理・原則から考えればその通りで、国民感情に寄り添うということではそうなのかもしれないが、わが国の現実の安全保障から考えても、韓国を初めとする北東アジア各国の関心の順位から考えても、拉致問題の東アジアの国際政治における優先度は「北の核兵器開発阻止」よりも低いという現実を知っておくことも必要だろう。

経済協力では、発言者は一様に「日韓FTA」の重要性を強調した。締結した場合、その経済効果は農業分野での損失よりはるかに大きいこと、そしてこの問題は政治の決断にかかっていることが強調された。森田としては、最近の世界経済の現状を反省し、「人、モノ、カネの自由な移動」のメリットを強調するだけでなく、共通の金融監視体制の構築、社会保障や雇用制度の共同研究などについても協力の対象として取りあげてほしいところだが。

経済といえば、もう一人の基調講演者である東レの榊原定征社長が紹介した、自社に例をとっての韓国への技術協力や投資の成功の秘密の話しも参考になった。70年代に次々に韓国に進出した同業の大手日本企業は、ほぼ80年代、90年代までに全部撤退してしまったそうで、現地の関係7社の活動が継続している東レが一人踏ん張っているようだ。

権大使も、朴チョリ副教授も、「大阪生まれの大統領」「日韓議連会長が国会議長」「外相は元日本大使」「日本大使も日本留学経験のある政治家出身」という韓国側の布陣は、日韓関係にとってこれ以上は考えられないもののようだ。

一方、他のところで聞いた話だが、最近の麻生総理の訪韓も韓国メディアは厳しかったものの、一般の印象はとても良かったというし、北東アジア課の人の話しを間接的に聞いたが、中曽根外相も報道されているわけではないが、方々に知り合いがたくさんいてたいへん歓迎された様子で、北東アジア課にとっては役に立つ存在であるらしい。

ここは一つ、民主党はじめ次期政権を担う方々には対韓国政策も良く練っておいていただきたい。やはり「北東アジア」が日本の地元であり、選挙も外交も、地元が肝心というのが真実なのではないだろうか。

【以下、毎日新聞記事切貼】

日韓シンポジウム:駐日韓国大使が「A2で協力を」

 韓国の李明博(イミョンバク)政権発足1周年を記念し、日韓の専門家を招いたシンポジウム「今後100年の日韓関係のために」(毎日新聞社、駐日韓国大使館主催)が11日、東京都千代田区で開かれた。米国のオバマ政権誕生や世界的な金融・経済危機という状況下で日韓両国がどう協力すべきかについて意見が交わされ、参加した約200人が耳を傾けた。

 基調講演では権哲賢(クォンチョルヒョン)・駐日韓国大使が「李明博大統領は昨年1年間で57回の首脳会談を持ったが、最も多いのが6回の日本だった」と紹介。「アジアを代表する先進的な市場経済国家である韓国と日本がA2(アジアの2カ国)として諸問題に共同で対処し、中国を加えたA3(同3カ国)に発展させるべきだ」と提言した。

 また、榊原定征(さだゆき)・東レ社長(日本経団連副会長)は、韓国での事業展開に触れながら、日韓の産業・技術面での協力や経済連携協定(EPA)推進の必要性を訴えた。【成沢健一】

毎日新聞 2009年3月12日 東京朝刊

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2009年3月 5日 (木)

イミョンバク大統領の多国間軍縮交渉の提案

NHK・BS1で見た韓国KBSのニュースによると、オーストラリア訪問中のイミョンバク韓国大統領はオーストラリアの新聞に寄稿し、東アジアにおいても「多国間の交渉の枠組みを推進することで、北東アジアの軍備競争を抑制していくべきだ」との見解を示しているそうだ。

わが国の自公連立政権や外務省、防衛省から聞こえてくるのは「中国は軍事力を強化している」という話ばかりだ。せめてイミョンバク大統領の今回の発言程度の建設的な発信はできないものだろうか。

ただ騒いでいるだけでは、現実を変えることはできない。

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2009年3月 3日 (火)

東京に赴任2度めのオーストラリアの友人へ

AR様

 まずは2月の山火事のお見舞いを申し上げます。それにしてもこの前は六本木ヒルズが無かったというのだから、久しぶりの東京赴任ということになりますね。僕の英語はあいかわらずなので、日本語で書きます。難しいところは秘書の方に聞いてください。

 僕は最近ブログなるものを書いているので、この手紙はそこに「東京に赴任2度めのオーストラリアの友人へ」という題で写しを載せるつもりで、今日はオーストラリアと聞いて思い浮かぶ感想を書き連ねてみようと思います。

 21世紀に入り日豪の協力は前に進んだと言えるでしょう。アメリカがブッシュ・チェイニー時代だったときに、ハワード政権、小泉・安倍政権などは世界の中にあってもアメリカと足並みが揃い、イラクでの協力などはその象徴だったと思います。

 しかし、イラク問題の推移からアメリカの「単独行動主義」への批判が強まり、山火事や干ばつとなると二酸化炭素排出問題にも注目せざる得ず、さらにリーマンショック以来の世界経済の変調を考えるとオーストラリア、日本とも政策の転換が求められました。米オバマ政権の誕生は決定打でした。

 この状況の中で、オーストラリアはオバマ政権誕生に先駆けてラッド政権を誕生させて対中国積極外交などマルチ外交を推進し、京都議定書に復帰するなど「転換」の先取りに成功しています。それに対して日本は自民党も政策の中味を静かに転換させつつあるけれども、野党は政権の座を奪うことによって転換を図ると主張して激しく争っているわけです。僕はすっきり政権交代した方が、いろいろな意味でいいと思うのですが、選挙でどちらが勝つにせよ、オーストラリア政治のようなハッキリした転換が必要な場面だと思います。                                                   

 僕は核軍縮の重要性を長年主張してきたので、ラッド首相が昨年初来日に際してまず広島を訪問されたことを高く評価しています。ウラン輸出国であるオーストラリアの動向は、世界の核不拡散体制の行方に大きな影響を与えますが、現在「NPTに加盟しないインドにウランを輸出することはしない」としておられることを高く評価しています。

 一方、日本の戦後の教育は自国の忌まわしい歴史をしっかり教えることが充分でなかった面があり、例えば日本の若い人々の多くが、先の大戦でわが国がオーストラリアを空爆したり、ニューギニアの密林で死闘でオーストラリア兵と白兵戦を繰り広げ、多くの捕虜に苦難を与え死に至らしめたことを知らないという問題がある。こうしたことには、わが国自身がしっかり取り組んでいかなければならないと思います。

 オーストラリアが「ニュージーランドとの協力を前に進める」という報道を見ました。一般の日本人から見ると、地理的に同じ方角にあり国旗も似ているオーストラリアとニュージーランドはほとんど同じに見えるわけですが、以前、ニュージーランドの女子高生がわが家に短期滞在したことがあるんだけれども、話しを聞くと、どうもオーストラリアのことが好きではないらしい。お隣どおしは例えば「日本と韓国」の関係を思わせるような難しい面もあるのかもしれないと感じました。

 韓国と言えば、安倍首相(当時)が安全保障の「日本、アメリカ、オーストラリア、インド」の四カ国の連携構想を提唱したことがありますが、私自身はあの構想は「中国排除」の意図が明白だということもさることながら、日本が提唱する地域提携構想に「韓国」が含まれないことが一番の問題点だと思っていました。私自身は韓国との実質的な連携がまだまだ足りない。むしろこれからは「まず韓国と話す」といったことが世界政治の中で足場を固める上でいちばん重要だとすら思っているからです。
  
 日本は東アジアの伝統と、欧米型の民主的な体制の「ハイブリッド国家」であり、一方、オーストラリアは生まれは欧米の民主主義国家だけれども、80年代からは白豪主義を捨て、いわば東アジアの国として生きていくことを決意した、日本とは裏返しの東西ハイブリット国家であるということができると思います。

 その意味で、ソマリア沖の海賊の問題などでは、安倍構想とは組み合わせが異なるけれども「日本・韓国・オーストラリア」といった常設の救難・犯罪取り締まりの協力関係といったやり方を模索することは意味があると思います。アメリカや中国に対してもオープンにしておくことはいいけれども、中くらいの国同士がマルチの関係を造ることには意味があると思います。また、日本と韓国が二人だけで向き合ってしまうと、ちょっとお互い緊張してしまうこともあります。この前は、韓国からソマリア派遣の給油の打診があったけれども断ったという記事が出ていて、僕は派遣自体にあまり賛成ではないけれども、派遣するなら韓国からの申し出は無碍にしない方がいいのになと思いました。

 ところで、オーストラリアでも経済対策としての国民一人一人への給付金が今月から支給されるという話しを耳にしたが、金額や規模はどれくらいのものですかか。国民やメディアの評判は?参考までに教えてください。

 バズ・ラーマン監督の豪映画『オーストラリア』が東京では今週から上映が始まっているわけです。日本の明るい話題の一つは『おくりびと』のアカデミー外国語映画賞の受賞です。時代劇ではないけれども、それがかえって日本の文化の根底にあるものを紹介する結果になっていると思う。一見をお勧めしたい。

 オーストラリアは「外国語映画賞」を狙えないのはお気の毒ですね。もっとも、司会者を輸出している(ヒュー・ジャックマン)わけですが。

 全く思いつくままのに書き連ねてしまいました。また10年(?)前のように、時々話しましょう。それでは。

【以下、切貼】

オーストラリア:NZと経済緊密化協定の発展で合意     共同通信2009年3月2日

 オーストラリアのラッド首相は2日、同国を初訪問したニュージーランドのキー首相と会談、両国間の自由貿易協定(FTA)である経済緊密化協定を発展させ、モノの貿易だけでなく投資なども自由化して「単一市場」づくりを目指すことで合意した。
 1年以内に入管・税関手続きなどの規制緩和で合意を目指す。(共同)

李大統領、6泊7日の日程で海外訪問    韓国中央日報 2009年3月2日

  李明博大統領がニュージーランド、オーストラリア、インドネシア訪問に向けて2日午後、出国する。6泊7日間の日程で8日、帰国の予定だ。
  青瓦台関係者は「新しい成長動力創出及び経済回復に寄与するための経済・エネルギー・資源外交が中心だ」と説明した。ジョン・キー・ニュージーランド首相(3日)、ケビン・ラッド・オーストラリア首相(5日)との首脳会談で李大統領は、韓・ニュージーランド、韓豪自由貿易協定(FTA)交渉開始を公式宣言する。
  最後にインドネシアを訪問する李大統領は6日、スシロ・バンバン・ユドヨノ大統領との首脳会談でインドネシア内造林地追加確保と地下資源開発プロジェクトをはじめ、エネルギー・資源・森林協力増進を模索する予定だ。
  李大統領は出国に先立ち、韓昇洙(ハン・スンス)国務総理と関連部処長官が出席する外交・安保関係大臣会議を主宰し、最近、北朝鮮のミサイル発射などの懸案を点検した。

東アジア首脳会議、4月開催=ASEAN+3も-タイ    時事通信 2009年2月27日

 【ホアヒン27日時事】東南アジア諸国連合(ASEAN)は27日、タイの政情混乱で昨年12月から延期されていたASEANと日本、中国、韓国(ASEANプラス3)首脳会議と、この会議参加国にオーストラリア、ニュージーランド、インドを加えた東アジア首脳会議を4月10日から12日までの間、タイ国内で開くことを決めた。開催場所は未定という。タイ政府当局者が明らかにした。(了)
(2009/02/27-22:46)

WHO「アジア全体で統一対策を」 03/03 12:10 

 発生が懸念されている新型インフルエンザについて、アジア・太平洋地域の担当者が一堂に集まる世界保健機関=WHOの国際会議が、きょうから福岡市で始まりました。福岡市のホテルできょうから始まったWHO主催の会議には、アジア各国やオーストラリアなど16か国の新型インフルエンザ担当者ら、およそ60人が参加しています。
 ヒトが免疫を持たない新型のインフルエンザが発生して、爆発的な感染=パンデミックが起きれば、死亡者は世界で1億5000万人に達すると国連は試算しています。感染の広がりを最小限に封じ込めるため、国境を越えた対策が求められています。
 この会議は6日まで4日間の日程で開催され、各国のガイドラインをもとに、アジア・西太平洋地域全体の行動指針の策定を目指します。

女性の社会進出度、日本の指数が大幅低下 マスターカード調査 日経 2009年3月2日

 米マスターカードは「女性の社会進出度」に関してアジア・太平洋地域を対象にした調査結果をまとめた。それによると日本の総合指数は54.53となり2008年の前回調査から8.84も低下した。調査対象の14の国・地域のなかでは、前回に引き続きインド、韓国に次ぐ3番目に低い水準となり、女性の社会進出が進んでいないことを示す結果となった。指数が最高だったのはオーストラリアの96.1だった。
 同調査は「雇用市場への参加」「学歴」「管理職」「平均収入」の4項目について各国の男女差を指数化したもの。指数が100だと「男女平等」を示し、100未満は男性優位の男女不平等を示す。日本では今回、平均を超える年収を得ていると感じる人数の男女差が拡大し、指数が低下した。
 指数の上位はオーストラリアに次ぐ2位はタイで91.5、3位はニュージーランドで90.5だった。(10:35)

オーストラリアの山火事と広島、そして核問題(3)   ブログ「萬晩報」より
                                                        2009年02月16日(月)
異文化コミュニケーション財団 引地 達也

 1941年12月8日に日本軍がハワイの真珠湾を攻撃して始まった太平洋戦争は約1年の間、日本軍は快進撃で南方へ進出、1942年2月から43年11月までにオーストラリア北部の都市や基地などを空爆、機銃掃射するなどの攻撃を加えた。特に42年2月19日のダーウィン空爆で死者は約250人を数え、同3月3日には西オーストラリア州ブルームで9機の戦闘機が機銃掃射し88人が死亡し、作戦機二十四機を破壊したた。42年5月31日にはシドニー沖の潜水艦から発進した特殊潜航艇4隻がシドニー湾に侵入、うち1隻が停泊中の巡洋艦などを魚雷で攻撃した。

 これらの攻撃はオーストラリアの本土が危機にさらされた初めてのケースであり、国防姿勢を根底から練り直さなければならない事態となり、人々の間に戦争への恐怖が実感として認識された。

 日本軍はオーストラリアを孤立させるために米国との海上航路を封鎖しようとフィジーとサモアを攻略するFS作戦を実施する。この過程で42年1月23日ににラバウル、同5月3日にはソロモン諸島のツラギを攻略した。そして8月にパプアニューギニアのジャングルで日本兵とオーストラリア兵が壮絶な戦いを繰り広げる「ココダの戦い」に至る。劣悪な環境で敵兵と対峙し、この戦いでの勝利が攻勢への足がかりの一つにもなったとされ、オーストラリアでは対日戦争の象徴となり、後に本や映画などで語り継がれている。

 一方、東南アジアではマレーシア全土を掌握した日本軍は1942年に英国軍の東南アジア最大拠点であるシンガポール基地を攻略し約1万5000人のオーストラリア兵を含む13万人以上を捕虜にするなど捕らえられた計約2万2000人のオーストラリア兵のうち3分の1が収容所で死亡したという。日本との戦争で死亡したのは計1万7501人に上る。

 この太平洋戦争を含む第二次世界大戦で勝利した連合国のうちオーストラリアの貢献は大きく、戦後の国際的地位も飛躍的に高まった。ただしその痛みも大きい。戦争に送った90万以上の兵士は18-35歳までの男子の10人中7人が出征する数である。比率は当然、連合国中最高だった。空爆、ジャングルでの戦い、そして捕虜収容所での扱い。この三点がオーストラリアの対日戦争への印象であり、これを処罰という形で具体化するのが極東国際軍事裁判、いわゆる東京裁判の裁判長を務めたオーストラリア人のウェッブ判事である。連合国司令官マッカーサーに指名された米、英、ソ連、中華民国、フランス、カナダ、オランダ、オーストラリア、ニュージーランド(後にインド、フィリピンも加わる)の裁判官のうちウェッブ判事は最もラディカルで日本に厳しく天皇までも追求していたとされる。各裁判官の意見が合わないまま裁判は進行し、結局28人が起訴され東条英機ら7人が絞首刑、16人が無期禁固刑、2人が禁固刑、2人が公判中に病死、1人が精神障害のため免訴された。さらに49年9月に他の連合国が一斉に終了した日本戦犯裁判をオーストラリアだけは50年6月から51年4月にかけて実施、5人の死刑を執行したのも他国との対日観の温度差を強調している。

 さらに付け加えれば現代でもオーストラリアは日本の戦時下における従軍慰安婦をめぐる問題でも厳しい目をそそぐ。時にそれは被害者の多い中国、韓国をしのぐほどである。2007年 3月13日に安倍晋三首相とハワード首相は東京で会談し両国の「安全保障協力に関する日豪共同宣言」に署名した。二国間の相互安全保障と協力強化をうたう宣言は日本にとって米国との安全保障条約に次ぐ二国間の安全保障協力、オーストラリアにとっても米国を含めた太平洋の三角点を結ぶ協力の意義は両国ともに大きいはずだが、署名を受けた有力紙エイジの社説は「未来に目を向ければよく見えるが、過去の問題はまだ残っている」とし、いわゆるタカ派のイメージである安倍政権を「正しい歴史認識を拒否している」などと批判し、従軍慰安婦の「真摯な謝罪」を求めている。

 米下院で従軍慰安婦問題への謝罪を日本に求める決議をめぐり、2007年初めに米下院の外交委員会で元従軍慰安婦として当時の様子を証言したオランダ人、ジャン・ラフ・オハーンさんは南オーストラリア州アデレード在住。これも少なからず慰安婦問題に敏感な世論を形成する要素とも言える。

 日本の冬はオーストラリアの夏。リゾート地ゴールドコーストの足の長い波は海の壮大さを感じるし、暖かい水は気持ちがよい。だから、多くの日本人が訪れる。オーストラリアからはスキー客が日本へ、日本からはサーフィンやゴルフにオーストラリアへと渡航者数は増加したが、オーストラリアに関する歴史は置き去りにしたままのような気がする。日本にコアラが初上陸したのが1984年。それ以来、オーストラリア観は進歩したのだろうか。(了)

【以上、切貼】

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2009年2月 5日 (木)

【切貼】中国「新型核兵器の研究を中止」  韓国『中央日報』2009年1月22日付

少し前になるが、中国の国防白書に関する韓国『中央日報』記事から。新型核兵器の研究を「一時的に」中止ということに何ほどの意味があるかとも思うが、日本の防衛省や外務省の記者クラブ所属記者へのブリーフィングにこういう観点からのコメントがなかったせいか、日本国内の報道に見かけなかったポイント。

【以下、切貼】

中国「新型核兵器の研究を中止」  韓国『中央日報』2009年1月22日付

  中国が新型核兵器の開発に向けた研究を中断したと明らかにした。

  核兵器で先進技術を有することから、持続的に研究する必要がないということだ。中国が核兵器開発の状況についての立場を公式に表明したのは初めて。「2050年までは世界のいかなる国からの攻撃も防御、撃退できる軍の現代化計画を終える」という方針も明らかにした。こうした内容は中国の国防省が20日に発表した「2008年国防白書」で公開されたものだ。中国は98年から国防白書を発表しており、今回で6回目となる。

  ◇「核兵器の製造、反撃能力は十分」=白書は「新型核兵器の開発を中断した」としている。もちろん「しばらくの間」という前提の下だ。理由は「外部からの核兵器による脅威が減少した」ということだ。

  しかし軍事専門家の見方は異なる。マカオ国際軍事学会の黄東会長は香港紙「苹果日報」とのインタビューで「中国軍が新型核兵器の開発をしばらくの間中断したのは、強力な核兵器製造の能力に自信を示したものだ。中国は核弾頭搭載の技術や核反撃能力の正確度を向上させるための研究を続けるだろう」という認識を表した。また「中国はすでに約2000基の核弾頭を保有し、核による自衛能力が十分だと判断している」と述べた。

  白書はしかし「核兵器の先制使用はしない」という点を明らかにした。中国は64年に核実験に成功して以来、先制攻撃をしないという原則を固守している。

  ◇陸海空軍の戦術変化=白書は「今後、中国軍は旅団や大隊級の戦闘体制に変化する」と明らかにした。大規模な作戦より強力な小規模の部隊を中心にした戦闘が現代戦の中核となるというのが、中国軍の指導者らの認識だ。各軍の変化の方向も公開された。陸軍は「地域防衛」の概念から脱却し、「全地域への機動型防衛」と攻撃の概念に変化している。

  「全地域」の概念が、北東アジアやアジアなど特定の地域を含めたものかは定かでない。海軍の主要任務は沿岸の警戒と防衛だが、公海上の作戦能力を向上させ、「非伝統的な安保脅威」に備える作戦も並行する計画だ。また昨年7月に海軍専門大学を開校し▽関連戦略の研究▽人材の養成▽新たな訓練システムの開発--に乗り出した。

  空軍は従来の「領空防衛」の概念から「反撃と攻撃」に作戦の概念を変えた。攻撃能力を強化するということだ。このために空軍は▽偵察や早期警報のシステム▽ミサイル防衛(MD)や戦略兵器を活用する能力--を強化するという立場を明らかにした。

  ◇「軍事力は不透明」=中国軍は07年から航空母艦の建造を直接かつ間接的に認めてきたが、白書は空母建造には言及していない。また軍別の兵力数や基本兵器の現況も公開しなかった。カナダの軍事専門紙「カンワ・ディフェンス・レビュー」の編集長アンドレ・チャン氏は、香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストとのインタビューで「台湾やベトナムなどといった国でもこれ以上秘密ではなくなった陸海空軍の兵力、パイロット、戦闘機の数などについて、白書は公開していない」とし「中国の軍事力は依然不透明だ」と指摘した。                    韓国『中央日報』2009年1月22日付   

【以上、切貼】

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2008年8月18日 (月)

福原愛選手、台湾監督に電話して日本チーム当日練習相手を派遣してもらう

 卓球女子団体の日本チームはメダルに届かず残念だったが、敗者復活2回戦で強豪香港を破った際に、福原愛選手が得意の中国語を活かして前夜台湾チームの監督に電話をかけ、早朝から練習相手の選手を一人派遣してもらったというエピソードに感心した。

 試合当日練習で3人だと1人余るので効率を考えてということだが、近隣諸国のことばを話せるということが、世界の舞台で日本が活路を開いてゆくときに役に立つということを示すモデルになっているように思う。最近の中台関係の雪解けムードという背景もあるだろうが、このストーリーが日本、中国、香港、台湾といったマルチラテラルな関係において展開しているところが、時代を先取りしている。

 総合商社などでは、第二外国語としての中国語に徹底して力を入れているらしい。日本からの若い留学生も増えていると聞く。いつも言うことだが、長期的な国益を考えれば、初等中等教育で「外国語と言えば『英語』一辺倒」の発想では、19世紀でもなく、20世紀でもない現代とこれからの「現実」に適合できないのではないか。

 さて、日本チームは3位決定戦で韓国に敗れた。韓国の人々は最近の「竹島」の摩擦で、表向きは領土問題のことで怒っているが、心の底では「日本は韓国のことを全然大切に思っていないじゃないか!」と怒っている。

 「竹島」のことは安倍晋三や中川昭一に連なる手合いや外務省、文科省に巣くう頭の悪い右翼官僚の工作に乗せられて国内で盛り上がっているだけではなく、歴史的な背景や資源などの現実問題も全て視野に入れ、韓国側との対話によって諸要素の均衡点を互いに見つけて折り合わなければならないと思う。

 しかし、それはそれとして「対韓国戦」は相手に敬意を払えばこそ、必勝の気概を持って全力で戦って欲しいと思う。

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2008年7月14日 (月)

「竹島」明記の愚

 福田内閣が、竹島(韓国名・独島)がわが国固有の領土であると中学校の学習指導要領の解説書に初めて明記する方針を固め、文言の最終調整に入ったと報じられている。日本では小泉内閣が過去に遠のき、韓国では李明博政権が誕生したことで改善ムードだった日韓関係はこれでたいへんなことになるだろう。

 「固有の領土である」ということがわが国の主張であるというのは、国際法という「法律」の世界の話であり、そんな話をわざわざ持ち出すというのは、韓国から見れば「島根県編入」のいきさつそのものが日本による植民地化の序曲であったと位置づけられているという「現実」「政治」を無視した最悪の愚挙であると思う。

 誰が起案し、誰が承認したのか。つまり誰に責任があるのか、野党とメディアは徹底的に追及して国民の前に真相を明らかにして欲しい。福田内閣は行政文書の管理に関心があるというが、それくらい追いかけられるようでないと話にならないということは確認しておきたい。

 そもそも「固有の領土」という概念自身、見方によってはあやふやなものだ。中学生に教えるべきは、イデオロギーとも言うべきわが国の一方的な見解ではなく、「係争」「対立」が存在するという現実だろう。

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