東南アジア

2009年3月 4日 (水)

もっとイスラム圏に関心を=見あたらない世界イスラム経済会議の報道=

NHK・BS1で見た、たしか昨日未明放送分シンガポールCNAのニュースで、ジャカルタで「世界イスラム経済フォーラム」なるものが開催されていて、インドネシアのユドヨノ大統領が「こうした世界経済情勢の中ではイスラム圏内の助け合いが大事だ。世界の最貧国50カ国の半分はイスラム諸国なので、産油国を中心にイスラム銀行に拠出金を出し合い、相互扶助を進めるべきだ」といった趣旨の演説をしたことが紹介されていた。

これは、世界情勢を左右するようなニュースではないと思うが、テレビ視聴者が世界の姿を知る上では報じる価値のあるニュースだろう。

しかし、グーグルのニュース検索で「ユドヨノ」「イスラム銀行」などの語であたってみたところ、わが国でこれを報じたものは見あたらなかった。

念のため英語版で当たってみるとこれくらいの検索結果(一例だけ後掲)が出ていた。

もっとイスラム圏のニュースは増やしていいと思う。東南アジアについての報道で、欧米に負けていて良いのか?

【以下、BBCの原稿切貼】

Islamic banks 'better in crisis'

By Lucy Williamson
BBC News, Jakarta

Indonesian President Susilo Bambang Yudhoyono has called on Islamic banks to take a leadership role in the global economy, amid the financial crisis.

He was speaking at the opening of the World Islamic Economic Forum in the Indonesian capital, Jakarta.

The forum has brought together political and business leaders from 38 countries to discuss the global economic slowdown.

They will also discuss ways to achieve energy and food security.

Mr Yudhoyono said it was time for Islamic banks to do some missionary work in the West.

Islamic financial institutions, he said, had not been hit as hard as their western counterparts because they did not invest in toxic assets.

Banks run in accordance with Muslims laws on interest payments and the sharing of credit risks are seen by many as fairer than traditional banks, less focused on profit and kinder to the communities they work in.

Demand for Islamic financial products has been growing in the Muslim world for years but Mr Yudhoyono said that many in the West were now ready to learn from them.

Islamic law prohibits the payment and collection of interest, which is seen as a form of gambling.

Transactions must be backed by real assets, and because risk is shared between the bank and the depositor, there is added incentive for the institutions to ensure deals are sound.

【以上、切貼】

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2009年3月 3日 (火)

東京に赴任2度めのオーストラリアの友人へ

AR様

 まずは2月の山火事のお見舞いを申し上げます。それにしてもこの前は六本木ヒルズが無かったというのだから、久しぶりの東京赴任ということになりますね。僕の英語はあいかわらずなので、日本語で書きます。難しいところは秘書の方に聞いてください。

 僕は最近ブログなるものを書いているので、この手紙はそこに「東京に赴任2度めのオーストラリアの友人へ」という題で写しを載せるつもりで、今日はオーストラリアと聞いて思い浮かぶ感想を書き連ねてみようと思います。

 21世紀に入り日豪の協力は前に進んだと言えるでしょう。アメリカがブッシュ・チェイニー時代だったときに、ハワード政権、小泉・安倍政権などは世界の中にあってもアメリカと足並みが揃い、イラクでの協力などはその象徴だったと思います。

 しかし、イラク問題の推移からアメリカの「単独行動主義」への批判が強まり、山火事や干ばつとなると二酸化炭素排出問題にも注目せざる得ず、さらにリーマンショック以来の世界経済の変調を考えるとオーストラリア、日本とも政策の転換が求められました。米オバマ政権の誕生は決定打でした。

 この状況の中で、オーストラリアはオバマ政権誕生に先駆けてラッド政権を誕生させて対中国積極外交などマルチ外交を推進し、京都議定書に復帰するなど「転換」の先取りに成功しています。それに対して日本は自民党も政策の中味を静かに転換させつつあるけれども、野党は政権の座を奪うことによって転換を図ると主張して激しく争っているわけです。僕はすっきり政権交代した方が、いろいろな意味でいいと思うのですが、選挙でどちらが勝つにせよ、オーストラリア政治のようなハッキリした転換が必要な場面だと思います。                                                   

 僕は核軍縮の重要性を長年主張してきたので、ラッド首相が昨年初来日に際してまず広島を訪問されたことを高く評価しています。ウラン輸出国であるオーストラリアの動向は、世界の核不拡散体制の行方に大きな影響を与えますが、現在「NPTに加盟しないインドにウランを輸出することはしない」としておられることを高く評価しています。

 一方、日本の戦後の教育は自国の忌まわしい歴史をしっかり教えることが充分でなかった面があり、例えば日本の若い人々の多くが、先の大戦でわが国がオーストラリアを空爆したり、ニューギニアの密林で死闘でオーストラリア兵と白兵戦を繰り広げ、多くの捕虜に苦難を与え死に至らしめたことを知らないという問題がある。こうしたことには、わが国自身がしっかり取り組んでいかなければならないと思います。

 オーストラリアが「ニュージーランドとの協力を前に進める」という報道を見ました。一般の日本人から見ると、地理的に同じ方角にあり国旗も似ているオーストラリアとニュージーランドはほとんど同じに見えるわけですが、以前、ニュージーランドの女子高生がわが家に短期滞在したことがあるんだけれども、話しを聞くと、どうもオーストラリアのことが好きではないらしい。お隣どおしは例えば「日本と韓国」の関係を思わせるような難しい面もあるのかもしれないと感じました。

 韓国と言えば、安倍首相(当時)が安全保障の「日本、アメリカ、オーストラリア、インド」の四カ国の連携構想を提唱したことがありますが、私自身はあの構想は「中国排除」の意図が明白だということもさることながら、日本が提唱する地域提携構想に「韓国」が含まれないことが一番の問題点だと思っていました。私自身は韓国との実質的な連携がまだまだ足りない。むしろこれからは「まず韓国と話す」といったことが世界政治の中で足場を固める上でいちばん重要だとすら思っているからです。
  
 日本は東アジアの伝統と、欧米型の民主的な体制の「ハイブリッド国家」であり、一方、オーストラリアは生まれは欧米の民主主義国家だけれども、80年代からは白豪主義を捨て、いわば東アジアの国として生きていくことを決意した、日本とは裏返しの東西ハイブリット国家であるということができると思います。

 その意味で、ソマリア沖の海賊の問題などでは、安倍構想とは組み合わせが異なるけれども「日本・韓国・オーストラリア」といった常設の救難・犯罪取り締まりの協力関係といったやり方を模索することは意味があると思います。アメリカや中国に対してもオープンにしておくことはいいけれども、中くらいの国同士がマルチの関係を造ることには意味があると思います。また、日本と韓国が二人だけで向き合ってしまうと、ちょっとお互い緊張してしまうこともあります。この前は、韓国からソマリア派遣の給油の打診があったけれども断ったという記事が出ていて、僕は派遣自体にあまり賛成ではないけれども、派遣するなら韓国からの申し出は無碍にしない方がいいのになと思いました。

 ところで、オーストラリアでも経済対策としての国民一人一人への給付金が今月から支給されるという話しを耳にしたが、金額や規模はどれくらいのものですかか。国民やメディアの評判は?参考までに教えてください。

 バズ・ラーマン監督の豪映画『オーストラリア』が東京では今週から上映が始まっているわけです。日本の明るい話題の一つは『おくりびと』のアカデミー外国語映画賞の受賞です。時代劇ではないけれども、それがかえって日本の文化の根底にあるものを紹介する結果になっていると思う。一見をお勧めしたい。

 オーストラリアは「外国語映画賞」を狙えないのはお気の毒ですね。もっとも、司会者を輸出している(ヒュー・ジャックマン)わけですが。

 全く思いつくままのに書き連ねてしまいました。また10年(?)前のように、時々話しましょう。それでは。

【以下、切貼】

オーストラリア:NZと経済緊密化協定の発展で合意     共同通信2009年3月2日

 オーストラリアのラッド首相は2日、同国を初訪問したニュージーランドのキー首相と会談、両国間の自由貿易協定(FTA)である経済緊密化協定を発展させ、モノの貿易だけでなく投資なども自由化して「単一市場」づくりを目指すことで合意した。
 1年以内に入管・税関手続きなどの規制緩和で合意を目指す。(共同)

李大統領、6泊7日の日程で海外訪問    韓国中央日報 2009年3月2日

  李明博大統領がニュージーランド、オーストラリア、インドネシア訪問に向けて2日午後、出国する。6泊7日間の日程で8日、帰国の予定だ。
  青瓦台関係者は「新しい成長動力創出及び経済回復に寄与するための経済・エネルギー・資源外交が中心だ」と説明した。ジョン・キー・ニュージーランド首相(3日)、ケビン・ラッド・オーストラリア首相(5日)との首脳会談で李大統領は、韓・ニュージーランド、韓豪自由貿易協定(FTA)交渉開始を公式宣言する。
  最後にインドネシアを訪問する李大統領は6日、スシロ・バンバン・ユドヨノ大統領との首脳会談でインドネシア内造林地追加確保と地下資源開発プロジェクトをはじめ、エネルギー・資源・森林協力増進を模索する予定だ。
  李大統領は出国に先立ち、韓昇洙(ハン・スンス)国務総理と関連部処長官が出席する外交・安保関係大臣会議を主宰し、最近、北朝鮮のミサイル発射などの懸案を点検した。

東アジア首脳会議、4月開催=ASEAN+3も-タイ    時事通信 2009年2月27日

 【ホアヒン27日時事】東南アジア諸国連合(ASEAN)は27日、タイの政情混乱で昨年12月から延期されていたASEANと日本、中国、韓国(ASEANプラス3)首脳会議と、この会議参加国にオーストラリア、ニュージーランド、インドを加えた東アジア首脳会議を4月10日から12日までの間、タイ国内で開くことを決めた。開催場所は未定という。タイ政府当局者が明らかにした。(了)
(2009/02/27-22:46)

WHO「アジア全体で統一対策を」 03/03 12:10 

 発生が懸念されている新型インフルエンザについて、アジア・太平洋地域の担当者が一堂に集まる世界保健機関=WHOの国際会議が、きょうから福岡市で始まりました。福岡市のホテルできょうから始まったWHO主催の会議には、アジア各国やオーストラリアなど16か国の新型インフルエンザ担当者ら、およそ60人が参加しています。
 ヒトが免疫を持たない新型のインフルエンザが発生して、爆発的な感染=パンデミックが起きれば、死亡者は世界で1億5000万人に達すると国連は試算しています。感染の広がりを最小限に封じ込めるため、国境を越えた対策が求められています。
 この会議は6日まで4日間の日程で開催され、各国のガイドラインをもとに、アジア・西太平洋地域全体の行動指針の策定を目指します。

女性の社会進出度、日本の指数が大幅低下 マスターカード調査 日経 2009年3月2日

 米マスターカードは「女性の社会進出度」に関してアジア・太平洋地域を対象にした調査結果をまとめた。それによると日本の総合指数は54.53となり2008年の前回調査から8.84も低下した。調査対象の14の国・地域のなかでは、前回に引き続きインド、韓国に次ぐ3番目に低い水準となり、女性の社会進出が進んでいないことを示す結果となった。指数が最高だったのはオーストラリアの96.1だった。
 同調査は「雇用市場への参加」「学歴」「管理職」「平均収入」の4項目について各国の男女差を指数化したもの。指数が100だと「男女平等」を示し、100未満は男性優位の男女不平等を示す。日本では今回、平均を超える年収を得ていると感じる人数の男女差が拡大し、指数が低下した。
 指数の上位はオーストラリアに次ぐ2位はタイで91.5、3位はニュージーランドで90.5だった。(10:35)

オーストラリアの山火事と広島、そして核問題(3)   ブログ「萬晩報」より
                                                        2009年02月16日(月)
異文化コミュニケーション財団 引地 達也

 1941年12月8日に日本軍がハワイの真珠湾を攻撃して始まった太平洋戦争は約1年の間、日本軍は快進撃で南方へ進出、1942年2月から43年11月までにオーストラリア北部の都市や基地などを空爆、機銃掃射するなどの攻撃を加えた。特に42年2月19日のダーウィン空爆で死者は約250人を数え、同3月3日には西オーストラリア州ブルームで9機の戦闘機が機銃掃射し88人が死亡し、作戦機二十四機を破壊したた。42年5月31日にはシドニー沖の潜水艦から発進した特殊潜航艇4隻がシドニー湾に侵入、うち1隻が停泊中の巡洋艦などを魚雷で攻撃した。

 これらの攻撃はオーストラリアの本土が危機にさらされた初めてのケースであり、国防姿勢を根底から練り直さなければならない事態となり、人々の間に戦争への恐怖が実感として認識された。

 日本軍はオーストラリアを孤立させるために米国との海上航路を封鎖しようとフィジーとサモアを攻略するFS作戦を実施する。この過程で42年1月23日ににラバウル、同5月3日にはソロモン諸島のツラギを攻略した。そして8月にパプアニューギニアのジャングルで日本兵とオーストラリア兵が壮絶な戦いを繰り広げる「ココダの戦い」に至る。劣悪な環境で敵兵と対峙し、この戦いでの勝利が攻勢への足がかりの一つにもなったとされ、オーストラリアでは対日戦争の象徴となり、後に本や映画などで語り継がれている。

 一方、東南アジアではマレーシア全土を掌握した日本軍は1942年に英国軍の東南アジア最大拠点であるシンガポール基地を攻略し約1万5000人のオーストラリア兵を含む13万人以上を捕虜にするなど捕らえられた計約2万2000人のオーストラリア兵のうち3分の1が収容所で死亡したという。日本との戦争で死亡したのは計1万7501人に上る。

 この太平洋戦争を含む第二次世界大戦で勝利した連合国のうちオーストラリアの貢献は大きく、戦後の国際的地位も飛躍的に高まった。ただしその痛みも大きい。戦争に送った90万以上の兵士は18-35歳までの男子の10人中7人が出征する数である。比率は当然、連合国中最高だった。空爆、ジャングルでの戦い、そして捕虜収容所での扱い。この三点がオーストラリアの対日戦争への印象であり、これを処罰という形で具体化するのが極東国際軍事裁判、いわゆる東京裁判の裁判長を務めたオーストラリア人のウェッブ判事である。連合国司令官マッカーサーに指名された米、英、ソ連、中華民国、フランス、カナダ、オランダ、オーストラリア、ニュージーランド(後にインド、フィリピンも加わる)の裁判官のうちウェッブ判事は最もラディカルで日本に厳しく天皇までも追求していたとされる。各裁判官の意見が合わないまま裁判は進行し、結局28人が起訴され東条英機ら7人が絞首刑、16人が無期禁固刑、2人が禁固刑、2人が公判中に病死、1人が精神障害のため免訴された。さらに49年9月に他の連合国が一斉に終了した日本戦犯裁判をオーストラリアだけは50年6月から51年4月にかけて実施、5人の死刑を執行したのも他国との対日観の温度差を強調している。

 さらに付け加えれば現代でもオーストラリアは日本の戦時下における従軍慰安婦をめぐる問題でも厳しい目をそそぐ。時にそれは被害者の多い中国、韓国をしのぐほどである。2007年 3月13日に安倍晋三首相とハワード首相は東京で会談し両国の「安全保障協力に関する日豪共同宣言」に署名した。二国間の相互安全保障と協力強化をうたう宣言は日本にとって米国との安全保障条約に次ぐ二国間の安全保障協力、オーストラリアにとっても米国を含めた太平洋の三角点を結ぶ協力の意義は両国ともに大きいはずだが、署名を受けた有力紙エイジの社説は「未来に目を向ければよく見えるが、過去の問題はまだ残っている」とし、いわゆるタカ派のイメージである安倍政権を「正しい歴史認識を拒否している」などと批判し、従軍慰安婦の「真摯な謝罪」を求めている。

 米下院で従軍慰安婦問題への謝罪を日本に求める決議をめぐり、2007年初めに米下院の外交委員会で元従軍慰安婦として当時の様子を証言したオランダ人、ジャン・ラフ・オハーンさんは南オーストラリア州アデレード在住。これも少なからず慰安婦問題に敏感な世論を形成する要素とも言える。

 日本の冬はオーストラリアの夏。リゾート地ゴールドコーストの足の長い波は海の壮大さを感じるし、暖かい水は気持ちがよい。だから、多くの日本人が訪れる。オーストラリアからはスキー客が日本へ、日本からはサーフィンやゴルフにオーストラリアへと渡航者数は増加したが、オーストラリアに関する歴史は置き去りにしたままのような気がする。日本にコアラが初上陸したのが1984年。それ以来、オーストラリア観は進歩したのだろうか。(了)

【以上、切貼】

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2009年2月10日 (火)

マレーシアのヤティム外相も「ガザ攻撃を国際刑事裁判所は訴追すべき」

最近NHK-BS1で見たシンガポールCNAが、マレーシアのヤティム外相がイスラエルのガザ攻撃は人道に対する罪であり、国際刑事裁判所は訴追に動くべきであるとし、集められた署名をもって同裁判所に強く働きかけるとまくし立てる映像を流していた。怒りを露わにした映像だった。

ダボス会議ではトルコのエルドアン首相が、出席したパネル討論の司会者がイスラエルのペレス大統領が20分以上にわたって延々と「ロケット攻撃するハマスが悪い」という演説をすることを認めながら、「時間が来たから」と自らの反論を封じられたことに激怒して「2度と来ない!」と啖呵を切ってペレス大統領の前を横切って退席する様子は方々で紹介されている。

イスラエルの非人道的な攻撃、しかも与党の選挙目当てという要素の強い攻撃には、イスラム教徒ならずとも怒りを禁じ得ないが、同時にイスラム圏の人々の怒りが「アラブ」の枠を越えてEUに加盟したいと言っているトルコ人、東南アジアのイスラム国家にも共鳴していることを軽視してはならないと思う。

やはり、ヒラリー・クリントン国務長官の初外遊となる東アジア訪問に日中韓に加えてインドネシアがセットされているのは、こうした戦略上の配慮だろう。

われわれは、イスラム系の過激派の活動を抑えることについてはイスラム圏内における穏健な人々との連携、協力を強めるべきだ。外から力で押さえ込むには限度がある。やはりイスラム世界内部の自制にこれまで以上の期待をしなければならないし、協力を得るために必要な手は打たなければならない。イスラームについて理解を深め、敬意を払うことはそのための第一歩であると思う。

一方で、日本政府などにとってはガザの問題を含む中東問題の核心であるパレスチナ問題について、イスラエルやアメリカ、あるいは歴史的に一番責任の重いイギリスに対して言うべきことをちゃんと言うことが必要だ。あちら様に対して「うちうちのことはしっかり頼みますよ」という以上、「こちら側」(?)の不始末には、こちら側で落とし前をつけさせていただくのが仁義ってもんでしょう。

自民党のごく一部や、外務省に多くの中東問題をまじめに考え、パレスチナ支援などでもそれなりの実績を挙げてきた人々がいることは認めるが、やはり総体としての「自公連立政権」や外務省の首脳部は、あまりにアメリカ(それもブッシュ・チェイニー路線のようなアメリカ)一辺倒であり、そのアメリカに引きずられて、イスラエルに対してあまりに遠慮しいしいだ。

次期政権をめざす民主党などの野党には、こういった問題についても新機軸を明確に打ち出し、日本外交の「チェンジ」を図って欲しい。

【以下、関連記事切貼】

ガザ攻撃で訴追の可能性も=本格捜査には前提条件-国際刑事裁

時事通信2009年2月5日

 1300人以上の死者を出したイスラエルのパレスチナ自治区ガザへの軍事行動が、大量虐殺や人道に対する罪を犯した個人を裁く国際刑事裁判所(ICC)の「捜査対象」となるかどうかが注目されている。パレスチナ当局は1月、ICCにイスラエルの関係者らの訴追を申請し、既に「予備段階の分析」が始まった。だが、本格捜査には制度上の問題点など幾つものハードルがある。

 来日中のICC書記局トップのアルビア書記は5日までに、都内で時事通信の取材に応じ、イスラエル軍関係者の訴追について「進む可能性も進まない可能性もある」と指摘。捜査までに複数の前提条件をクリアする必要があるとの見解を示した。(2009/02/05-14:47)

【以上切貼】

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2008年5月10日 (土)

「フリーチベット!」より、日本企業による人権侵害=外国人研修・実習 不正=を糺すべき

「フリーチベット」を叫ぶ人々を見て、人権問題に関心を持ち、行動する若い人々がたくさんいることを知り、たいへん結構なことだと思う。

こういう人々には、外国の政府がやっている人権侵害を安全地帯から批判するだけではなく、ぜひ自国の企業がやっている、また自国の政治・行政がそうした行為を事実上作り出したり、放置している「外国人研修・実習の不正」といった問題にも目を向け、行動してほしい。

その辺が、本当に「人権」に関心があるのか、ただ安倍晋三たちのように外国の悪口を言って劣情を満たし、あるいは「右」の世論に阿って政治基盤を拡大しようとしているだけなのかのリトマス試験紙になるだろう。

チベットの人権について、人類社会の一員として発言し、行動することはよいことだ。しかし、それ以前に、日本企業が行っている、また日本政府がそれを事実上手助けしている問題については、日本国の主権者である日本国民は、直接に責任を負っているからである。

こうした人権侵害を放置しているのは日本の恥だ。外国人労働者の処遇問題は、経済がらみで自己の利害にはねかえってくる可能性があるからと目をそらし、自分は何の痛みも感じない「フリーチベット」にのみ狂奔するのは、愚かなだけでなく、卑怯だ。

【以下はNHKニュース原稿貼り付け】

外国人研修・実習 不正が急増

5月10日 6時32分
法務省は、外国人が日本の技術を学ぶ「外国人研修・実習制度」で、研修生らを不当に安い賃金で働かせるなどの不正行為があったとして、去年1年間で前の年のおよそ2倍の449の企業や団体に処分を行いました。

「外国人研修・実習制度」は、平成5年に、日本の技術や技能を発展途上国などへ移転するために設けられましたが、安い労働力を確保する手段として使う企業があとを絶たず、法務省入国管理局は、企業への立ち入り調査を増やすなど指導を強化しました。法務省のまとめによりますと、その結果、去年1年間に不正行為があったとして処分を受けたのは449の企業や団体に上り、前の年のおよそ2倍に増え、過去最高となりました。このうち、残業の割増賃金を支払わないなど不当に安い賃金で働かせていた企業などが175と最も多かったほか、中には、研修生らが逃げ出すのを防ぐためにパスポートや預金通帳を強制的に取り上げるなど、悪質な人権侵害に当たるケースもあったということです。政府は、現在の制度には問題が多いとして来年までに見直すことにしていますが、法務省は「制度の見直しと並行して、企業側に対する指導もさらに強化していきたい」と話しています。【NHK】

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2007年9月27日 (木)

ミャンマー反軍政デモと日本

ミャンマーでエネルギー価格大幅引き上げを契機に、25日には僧侶らを先頭に10万人規模の反政府デモがあり、昨日は軍の発砲などで死者が出ている。国連事務総長は初の総会演説でこの問題にいちばん長い時間を割き、ブッシュ米大統領やブラウン英首相も軍事政権への強い牽制、批判を述べている。

テレビのコメンテーターたちは、「軍事政権の選挙結果の否定や人権弾圧を欧米は批判し、経済制裁などをしてきたが、中国などが制裁破りをするのでうまくいかない」といったことを言っている。

中国については、天安門事件直後と現在では対応に変化があり、さらにオリンピックなどを控えて欧米政府やメディアを意識するだろう。

中国の悪口を言っているよりも、まずわが国、日本がこの問題にどのような姿勢で臨むかが重要だ。

ミャンマーの軍政について、欧米やオーストラリアの批判的な姿勢に対し、日本政府は「慎重な関与を続けるべきだ」という姿勢を続けてきた。アメリカから足並みを揃えるように言われても、外務省の一部の役人たちは「日本外交の独自性」を声高に語らないまでも、アウンサン・スーチー女史の身辺に協力者を作って、うちうちでは彼女を貶めるようなうわさ話を流すなど、基本的に「軍政支持」、民主勢力には冷酷な態度だった。

アメリカから、中東での戦争を「手伝え」と言われるときは、ハイハイと憲法・法律ギリギリの線で一生懸命やるのに、「これは人権問題だから大事だよ」と足並み揃えることを求められても、それは無視する。これが自民党と外務省主流の対米姿勢だ。

安倍前首相も、「集団自衛権行使」という名の「軍事攻撃への協力」にはことのほか熱心だった反面、民主党主導になったアメリカ上下両院が「従軍慰安婦問題は旧日本軍による人権蹂躙問題」と認識していることが理解できず、「河野談話は証拠がない」発言が袋だたきに合い、訪米でブッシュ大統領と米議会に「謝罪」するハメになり、我々からは「謝る相手が違うぞ」と批判を浴びるトンチンカンぶりを示した。

軍事介入はわが国の憲法の原則と相容れない。私は「経済制裁」も、戦争に準じる行為として、本質的には日本国憲法の原則と相容れないと思っている。しかし、ミャンマーの軍政の暴力と人権弾圧は、1973年からのチリや、1979年の韓国・光州で起こったことと同じように、暴力・殺害・拷問などが横行していることが容易に想像できるだけに、見過ごすことはできない。

日本政府は、ミャンマー政府に対し、直接に「事態が暴力を用いずに収拾されるべきこと」「基本的人権が尊重されるべきこと」を強く申し入れるべきである。「大使」などが手厚い処遇が与えられているのは、レストランで高級料理を食べているためではなく、こういう時に、日本人の志を代表して、強面の相手にもハッキリ物を言うためである。

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