一部スペイン語になった「ウェストサイド・ストーリー」
2週間ほど前だろうか、NHKの朝ニュースで、こんどのNYブロードウェーでのミュージカル「ウエストサイド・ストーリー」はセリフや歌詞の一部がスペイン語に変更され、ヒロインはアルゼンチンでスカウトされた女優が務めると現地レポートで紹介していた。
「ロメオとジュリエット」の本歌取りで、マンハッタンのさびれた西の外れを舞台に、イタリア系のジェット団とプエルトリコ系のシャーク団という、ニューヨークの最下層を象徴する二つの10代のチンピラグループの縄張り争いと、愛し合う二人の犠牲を描いたミュージカルは半世紀前に大ヒットし、チャキリスが大人気となり、ナタリー・ウッドがヒロイン(歌唱は「口パク」。北京オリンピックで騒いだ人たちはハリウッドの伝統を知らない)を演じた映画はわが国でも大ヒットした。
ピンとくる人が多いだろうが、カリブ海の米領プエル・トリコの人々はスペイン語がネイティブの今でいえばヒスパニックで、彼らがたむろしたり、歌う場面が全部英語という方がリアリティーに欠けていたと言える。
今の興行主や演出家による勝手な変更か?-作曲のレナード・バーンスタインも、振り付けのエイモリー・ロビンスもすでに亡く‥、と思って見ていたら、オリジナルの脚本家が存命で、彼自身が当時からスペイン語の採用を希望していて、今回それが実現したのだという。
いっとき「戦争と愛国主義」にすっかり傾斜してしまっていたアメリカが、多文化に寛容な方向に少し振り子が戻っていることを感じさせる興味深いレポートだった。
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